東海道新幹線と東北新幹線を直通にすべきこれだけの理由 ― 2024年12月22日 08:07
日本には糸魚川―静岡構造線(フォッサマグナ)という東日本と西日本を分ける境界線があるが、他にも並行して電力供給の境界線がある。それは、東北電力、東京電力より東側の電力会社は50ヘルツ、中部電力、北陸電力より西側では60ヘルツの交流となっていることである。この結果、東西の電力需給バランスが崩れても相互に融通できる電力量には制約がある。それで、電気モーターで走る東海道新幹線と東北、関越新幹線の直通は難しいのかと思っていたら、すでに北陸新幹線には両地域を直通運転できる、即ち、周波数変換装置(インバータ)のついた新幹線車両が走っているそうである。
即ち、物理的には東京駅構内で19番線と20番線を繋いでいるあのレールのポイントをちょっと動かすだけで、北海道から九州まで直通運転が可能になっているのである。
それを阻んでいるのは、JR東日本とJR東海の競合関係くらいではないだろうか。お互いに東京駅での折り返しが難しく、品川駅を増強したり、折り返し時間の短縮のために、清掃人員などを増加して無駄経費を使い、運賃で回収するという無駄比べをしているのである。
JR東海はリニア新幹線の開業延期が確実な状況である。JR東日本は両区間を直通できる車両をすでに所有している。
なぜ、直通運転をすれば、両者の無駄をなくし、日本全体の活性化、東海地域への人口集中の抑制にもなり、北陸新幹線の活用も更に強化される。静岡から北陸地方への旅行も便利になり、静岡県ーJR東海リニア新幹線問題への解決の決め手にも使える。
首都圏では各私鉄、JRの相互乗り入れが一般化し静岡県である熱海から群馬県高崎まですでに直通運転が可能となっている。即ち、部分的にはJR東海と、JR東日本の直通運転は十分可能な体制ができているのである。
肝心の東海道新幹線と東北新幹線の直通運転ができない理由はないし、直通運転をすることでより多くのメリットが生まれる。
東西の国内線飛行機利用者もその多くが新幹線利用に変わるだろう。
両社の関係者の、過去の経緯を忘れ、無駄な競争から、効率的で利用者の立場に立って、両新幹線の直通運転の早期実現に向けて協議を開始してもらいたい。
(新横浜ー東京―仙台の経路の内、乗り換えだけで所要時間の30%を占める神奈川在住住民より)
即ち、物理的には東京駅構内で19番線と20番線を繋いでいるあのレールのポイントをちょっと動かすだけで、北海道から九州まで直通運転が可能になっているのである。
それを阻んでいるのは、JR東日本とJR東海の競合関係くらいではないだろうか。お互いに東京駅での折り返しが難しく、品川駅を増強したり、折り返し時間の短縮のために、清掃人員などを増加して無駄経費を使い、運賃で回収するという無駄比べをしているのである。
JR東海はリニア新幹線の開業延期が確実な状況である。JR東日本は両区間を直通できる車両をすでに所有している。
なぜ、直通運転をすれば、両者の無駄をなくし、日本全体の活性化、東海地域への人口集中の抑制にもなり、北陸新幹線の活用も更に強化される。静岡から北陸地方への旅行も便利になり、静岡県ーJR東海リニア新幹線問題への解決の決め手にも使える。
首都圏では各私鉄、JRの相互乗り入れが一般化し静岡県である熱海から群馬県高崎まですでに直通運転が可能となっている。即ち、部分的にはJR東海と、JR東日本の直通運転は十分可能な体制ができているのである。
肝心の東海道新幹線と東北新幹線の直通運転ができない理由はないし、直通運転をすることでより多くのメリットが生まれる。
東西の国内線飛行機利用者もその多くが新幹線利用に変わるだろう。
両社の関係者の、過去の経緯を忘れ、無駄な競争から、効率的で利用者の立場に立って、両新幹線の直通運転の早期実現に向けて協議を開始してもらいたい。
(新横浜ー東京―仙台の経路の内、乗り換えだけで所要時間の30%を占める神奈川在住住民より)
太陽フレアとがん発生の現状調査 ― 2024年12月23日 06:39
昨日、東海道新幹線と東北新幹線を直通運転することで、航空旅客を減らすことができると書いたが、これには太陽フレアによる瞬間被ばくによるがん発生を減らす狙いもあった。即ち、広島や長崎のような原爆による瞬間被ばく(約1マイクロ秒での短時間被ばく)ががん発生の要因であり、地上での生活による慢性的な被ばくなら年間約200mシーベルト程度の被ばくでもがん発生には至らないという人の免疫機能メカニズムが作用するという仮説によるものでもある。実際、慢性被ばくによるがん発生データは、瞬間被ばくのような明確ながん発生データは存在しない。また、太陽フレアの航空機搭乗時の被ばくや原爆の被ばくは20世紀になってから初めて人類が経験する被ばく形態なので免疫が得られるはずはない。
現在、ICRPのような専門機関やそれに基づく被ばく関連法規制でも年間線量のような長時間被ばくへの規制はあるが、瞬間被ばくへの規制はない。その結果、重要な瞬間被ばくによるがん発生は野放しで、一方、無駄に慢性被ばくを規制した結果、福島事故におけるような災害関連死のみが増えるという矛盾を抱えることになったと考えられる。
では、現状、太陽フレアの瞬間被ばくによるがん発生の問題はどうなっているのか、ChatGPTの回答は以下のとおりであり、可能性はあるらしい。
ChatGPTへの質問
「年間被ばく量よりも太陽フレアの瞬間被ばく(量は少ないが、単位時間当たりの線量率が大きいので、P53などのDNA損傷補修遺伝子が働かない)ことによりがん発生が増加するのではないですか。」
ChatGPTの回答
「ご指摘の通り、太陽フレアによる一時的な高線量率被ばくがDNA損傷に与える影響については、特に航空機乗務員や宇宙飛行士などの高リスク職業において注目されています。単位時間当たりの線量率が高い場合、DNA損傷の修復機構が追いつかず、がんリスクの増加に寄与する可能性が理論的にはあります。しかし、このメカニズムが実際のがん発生率にどの程度影響しているのかは、まだ明確には解明されていません。
以下にその背景と現在の知見を詳しく解説します。
1. 瞬間的高線量率被ばくの影響
P53遺伝子とDNA修復機構
P53などのDNA損傷応答遺伝子は、低線量率の慢性的な被ばくでは通常十分に機能しますが、短時間で大量のDNA損傷が発生した場合、修復能力が飽和する可能性があります。この結果、DNAの誤修復や突然変異が起こり、がん発生のリスクが増加する可能性があります。
太陽フレアによる被ばく
太陽フレアに伴う**太陽粒子イベント(SPE: Solar Particle Event)**は、航空機や宇宙空間での一時的な線量率の上昇を引き起こします。航空機内では数ミリシーベルトの被ばくが短時間で発生する可能性があり、これが生体に与える影響が懸念されています。
2. がんリスクへの影響の可能性
線量率とがんリスクの関係
高線量率の放射線被ばくでは、線量が同じであっても、低線量率に比べて細胞死やDNA損傷が多く発生する可能性があります。このため、太陽フレアのような瞬間的な高線量率被ばくは、通常の慢性的な被ばくに比べてリスクが高い可能性があるという仮説があります。
エビデンスの不足
現在のところ、航空機乗務員や宇宙飛行士のがんリスク増加が、太陽フレア由来の一時的な高線量率被ばくに直接起因するという明確な証拠はありません。がんリスクは総被ばく線量に依存するという仮定が主流ですが、線量率の影響を考慮したモデルはまだ発展途上です。
3. 研究の現状
動物実験と細胞研究
短時間の高線量率被ばくがDNA損傷やがんリスクに与える影響については、マウスや培養細胞を用いた実験が進行中です。これらの研究では、P53などの修復機構が高線量率では効果的に働かない場合があることが示唆されています。
航空機乗務員における疫学研究
一部の研究では、航空機乗務員のがんリスク増加が宇宙放射線被ばくと関連する可能性が示されていますが、太陽フレアの瞬間的な被ばくに特化した研究は少ないのが現状です。
宇宙放射線の研究
宇宙飛行士を対象とした研究では、SPEによる一時的な高線量率被ばくが健康に与える影響が注目されています。これにより、地上の職業被ばくにも新たな知見が得られる可能性があります。
4. 太陽フレアによる瞬間被ばくへの対策
航空機乗務員や宇宙飛行士におけるリスク管理の観点から、以下の対策が重要とされています:
太陽フレア発生時の飛行ルート変更(特に極域での被ばくを避ける)。
被ばく線量のモニタリングと線量限度の設定。
研究に基づいた安全基準の改訂。
5. 結論と今後の課題
太陽フレアの瞬間的な高線量率被ばくがDNA修復機構に与える影響は、がんリスク増加に寄与する可能性がありますが、その具体的な寄与度は現時点では不明です。
さらなる疫学的研究や動物実験を通じて、線量率の影響を考慮したリスク評価モデルの開発が求められています。」
現在、ICRPのような専門機関やそれに基づく被ばく関連法規制でも年間線量のような長時間被ばくへの規制はあるが、瞬間被ばくへの規制はない。その結果、重要な瞬間被ばくによるがん発生は野放しで、一方、無駄に慢性被ばくを規制した結果、福島事故におけるような災害関連死のみが増えるという矛盾を抱えることになったと考えられる。
では、現状、太陽フレアの瞬間被ばくによるがん発生の問題はどうなっているのか、ChatGPTの回答は以下のとおりであり、可能性はあるらしい。
ChatGPTへの質問
「年間被ばく量よりも太陽フレアの瞬間被ばく(量は少ないが、単位時間当たりの線量率が大きいので、P53などのDNA損傷補修遺伝子が働かない)ことによりがん発生が増加するのではないですか。」
ChatGPTの回答
「ご指摘の通り、太陽フレアによる一時的な高線量率被ばくがDNA損傷に与える影響については、特に航空機乗務員や宇宙飛行士などの高リスク職業において注目されています。単位時間当たりの線量率が高い場合、DNA損傷の修復機構が追いつかず、がんリスクの増加に寄与する可能性が理論的にはあります。しかし、このメカニズムが実際のがん発生率にどの程度影響しているのかは、まだ明確には解明されていません。
以下にその背景と現在の知見を詳しく解説します。
1. 瞬間的高線量率被ばくの影響
P53遺伝子とDNA修復機構
P53などのDNA損傷応答遺伝子は、低線量率の慢性的な被ばくでは通常十分に機能しますが、短時間で大量のDNA損傷が発生した場合、修復能力が飽和する可能性があります。この結果、DNAの誤修復や突然変異が起こり、がん発生のリスクが増加する可能性があります。
太陽フレアによる被ばく
太陽フレアに伴う**太陽粒子イベント(SPE: Solar Particle Event)**は、航空機や宇宙空間での一時的な線量率の上昇を引き起こします。航空機内では数ミリシーベルトの被ばくが短時間で発生する可能性があり、これが生体に与える影響が懸念されています。
2. がんリスクへの影響の可能性
線量率とがんリスクの関係
高線量率の放射線被ばくでは、線量が同じであっても、低線量率に比べて細胞死やDNA損傷が多く発生する可能性があります。このため、太陽フレアのような瞬間的な高線量率被ばくは、通常の慢性的な被ばくに比べてリスクが高い可能性があるという仮説があります。
エビデンスの不足
現在のところ、航空機乗務員や宇宙飛行士のがんリスク増加が、太陽フレア由来の一時的な高線量率被ばくに直接起因するという明確な証拠はありません。がんリスクは総被ばく線量に依存するという仮定が主流ですが、線量率の影響を考慮したモデルはまだ発展途上です。
3. 研究の現状
動物実験と細胞研究
短時間の高線量率被ばくがDNA損傷やがんリスクに与える影響については、マウスや培養細胞を用いた実験が進行中です。これらの研究では、P53などの修復機構が高線量率では効果的に働かない場合があることが示唆されています。
航空機乗務員における疫学研究
一部の研究では、航空機乗務員のがんリスク増加が宇宙放射線被ばくと関連する可能性が示されていますが、太陽フレアの瞬間的な被ばくに特化した研究は少ないのが現状です。
宇宙放射線の研究
宇宙飛行士を対象とした研究では、SPEによる一時的な高線量率被ばくが健康に与える影響が注目されています。これにより、地上の職業被ばくにも新たな知見が得られる可能性があります。
4. 太陽フレアによる瞬間被ばくへの対策
航空機乗務員や宇宙飛行士におけるリスク管理の観点から、以下の対策が重要とされています:
太陽フレア発生時の飛行ルート変更(特に極域での被ばくを避ける)。
被ばく線量のモニタリングと線量限度の設定。
研究に基づいた安全基準の改訂。
5. 結論と今後の課題
太陽フレアの瞬間的な高線量率被ばくがDNA修復機構に与える影響は、がんリスク増加に寄与する可能性がありますが、その具体的な寄与度は現時点では不明です。
さらなる疫学的研究や動物実験を通じて、線量率の影響を考慮したリスク評価モデルの開発が求められています。」
ウイルスのしきい値と放射線のしきい値 ― 2024年12月23日 07:17
ウイルスがマスクでどこまで遮へいできるかという実験があるが、実際に感染するには、ウイルス濃度とその暴露時間の積だろう。
コロナ初期時期に見たある県の保健所のサイトによれば、ノロウイルスは1個あれば感染するらしい。インフルエンザは1000個程度だったと記憶する。(これは単位面積当たりなのか、単位の記載はなかった。もちろん、時間軸も不明だった。)しかし、免疫メカニズムからすれば、そのウイルスがどのていどの濃度で、且つそのウイルスにどの程度の時間晒されれば感染するか、即ち、外部からのウイルス攻撃の絶対量と暴露時間の両者が感染するかどうかのポイントである。なぜなら、免疫機能というものは、外部からの異物進入を生体内の化学変化で排除し、恒常性を維持するものであり、生体内の免疫機構における化学変化に必要な物質の量も反応時間も有限の値だからである。
ウイルスと同様、放射線被ばくによる攻撃も単に放射線量だけではなく、その時間がどの程度かかったかも重要である。即ち、それが同じ線量であっても1年かかって被ばくするのと、原爆のガンマ線や太陽フレアのプレパルシブ相のX線被ばくのような1マイクロ秒での被ばくでは、免疫メカニズムが対応できるかどうかは全く異なる事象である。しかし、現在のICRPや法規制基準は総線量しか規定がなく、時間線量率は野放しである。
ウイルスの防護実験も重要だが、放射線被ばくの時間効果についても何らかの検討が必要だろう。このままでは、太陽フレアによる一般旅客のがん発生事例が誰も知られずに増加するのではないだろうか。(米国のCAの例は論文化されているが、日本でのCAの白血病等の増加は噂のレベルでしかない。)
コロナ初期時期に見たある県の保健所のサイトによれば、ノロウイルスは1個あれば感染するらしい。インフルエンザは1000個程度だったと記憶する。(これは単位面積当たりなのか、単位の記載はなかった。もちろん、時間軸も不明だった。)しかし、免疫メカニズムからすれば、そのウイルスがどのていどの濃度で、且つそのウイルスにどの程度の時間晒されれば感染するか、即ち、外部からのウイルス攻撃の絶対量と暴露時間の両者が感染するかどうかのポイントである。なぜなら、免疫機能というものは、外部からの異物進入を生体内の化学変化で排除し、恒常性を維持するものであり、生体内の免疫機構における化学変化に必要な物質の量も反応時間も有限の値だからである。
ウイルスと同様、放射線被ばくによる攻撃も単に放射線量だけではなく、その時間がどの程度かかったかも重要である。即ち、それが同じ線量であっても1年かかって被ばくするのと、原爆のガンマ線や太陽フレアのプレパルシブ相のX線被ばくのような1マイクロ秒での被ばくでは、免疫メカニズムが対応できるかどうかは全く異なる事象である。しかし、現在のICRPや法規制基準は総線量しか規定がなく、時間線量率は野放しである。
ウイルスの防護実験も重要だが、放射線被ばくの時間効果についても何らかの検討が必要だろう。このままでは、太陽フレアによる一般旅客のがん発生事例が誰も知られずに増加するのではないだろうか。(米国のCAの例は論文化されているが、日本でのCAの白血病等の増加は噂のレベルでしかない。)
簡易雪下ろし装置 ― 2024年12月24日 09:29
知人にも多くの雪国生活者がいる。その最大の問題は雪下ろし作業らしい。
屋根構造を今更変えるわけにはいかない。仕方なく、人を雇って雪下ろしをするにしてもその作業者も高齢化している。
思い出したが、一部の雪国では、道路融雪装置が主な道路に敷かれている。
ちょろちょろ水が孔から出ているがそれで充分道路の雪を溶かし流している。
このシステムを屋根に持ち上げて設置すれば、道路の雪も屋根の雪も積雪量は似たようなものなので、屋根の雪を自動的に溶かし落とせるはずである。
装置としては、屋根の中心の梁の上にパイプを設置し、両側に孔をあけるだけでよい。プラスチックのパイプは安価なので、非常に安上がりにできる。ポンプアップが必要かどうかは水源の標高などで決まるだろうが、まとめてポンプアップすれば、地方自治体で安くできるだろう。上水道を使うほうが安い地域もあるはずだ。いずれにせよ、インフラ整備にそれほど費用が掛かるとは思えない。
問題は水資源である。現在の見本各地のダムの水は発電用、工業用、農業用、家庭用など細かく分かれており、その利用権が関係機関に分散されているため、自由に使えない。せいぜい純粋な民生用は10%程度だろう。
この水利権を冬の間は雪下ろし用に大幅に開放すれば水源問題のほ多くは解決できるはずである。ここは政治の出番だ。政府、各党、各自治体の連携があれば、簡単に解決できる政治の問題である。
屋根構造を今更変えるわけにはいかない。仕方なく、人を雇って雪下ろしをするにしてもその作業者も高齢化している。
思い出したが、一部の雪国では、道路融雪装置が主な道路に敷かれている。
ちょろちょろ水が孔から出ているがそれで充分道路の雪を溶かし流している。
このシステムを屋根に持ち上げて設置すれば、道路の雪も屋根の雪も積雪量は似たようなものなので、屋根の雪を自動的に溶かし落とせるはずである。
装置としては、屋根の中心の梁の上にパイプを設置し、両側に孔をあけるだけでよい。プラスチックのパイプは安価なので、非常に安上がりにできる。ポンプアップが必要かどうかは水源の標高などで決まるだろうが、まとめてポンプアップすれば、地方自治体で安くできるだろう。上水道を使うほうが安い地域もあるはずだ。いずれにせよ、インフラ整備にそれほど費用が掛かるとは思えない。
問題は水資源である。現在の見本各地のダムの水は発電用、工業用、農業用、家庭用など細かく分かれており、その利用権が関係機関に分散されているため、自由に使えない。せいぜい純粋な民生用は10%程度だろう。
この水利権を冬の間は雪下ろし用に大幅に開放すれば水源問題のほ多くは解決できるはずである。ここは政治の出番だ。政府、各党、各自治体の連携があれば、簡単に解決できる政治の問題である。
AIが電力需要を増やすというのは本当か? ― 2024年12月27日 03:58
CNNのサイト
https://www.cnn.co.jp/tech/35227717.html
によれば
米国のデータセンターの電力需要は2020年以降50%増加し、現在では米国のエネルギー消費の4%を占める。UBSのアナリストは今月初め、この数字は30年までに9%に増加する可能性があると述べた。JPモルガンのアナリストは、米国の全体的な電力需要は30年まで年間13%から15%増加すると予想しており、電力は「はるかに希少な資源」になりうるとしている。
このような背景から、ChatGPTを開発したOpenAI社のサム・アルトマンはオクロ社という原子力企業を支援し、「オーロラ」と名付けた原子炉を開発しているという。
「オーロラ」は燃料としてHALEU燃料(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)を使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできるという。
「オーロラ」は燃料としてHALEU燃料(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)を使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできるという。
いづれにせよ、これらの開発には数十年はかかるだろうが、常に米国の後追いだった日本も無関心ではいられないだろう。
確かにChatGPTは、毎日プログラム開発ばかりでなく、生活の様々な情報利用の面で便利なサービスを供給してくれている。多少の間違いもあるが、強力で無限の知識、能力を持つコンサルタントであることは間違いない。私ですら、最近のパソコンの使用においてChatGPT利用時間が10%程度を占めている。日本人の10%がAIを利用するだけでサーバーの電力需要は上記のCNN記事のように年間15%増加することはほぼ確実だろう。
ところで、オクロ社のオクロというのは、アフリカのガボン共和国にあるウラン鉱山の跡地で見つかった、天然原子炉の所在地の名前である。
ウランー235の半減期が約7億年なので20億年まえならば地下水と混じって天然の原子炉が臨界条件を満たし、核分裂反応を維持できていたという場所である。このような場所でも人類の祖先は生存していたということになるのだろうか。
https://www.cnn.co.jp/tech/35227717.html
によれば
米国のデータセンターの電力需要は2020年以降50%増加し、現在では米国のエネルギー消費の4%を占める。UBSのアナリストは今月初め、この数字は30年までに9%に増加する可能性があると述べた。JPモルガンのアナリストは、米国の全体的な電力需要は30年まで年間13%から15%増加すると予想しており、電力は「はるかに希少な資源」になりうるとしている。
このような背景から、ChatGPTを開発したOpenAI社のサム・アルトマンはオクロ社という原子力企業を支援し、「オーロラ」と名付けた原子炉を開発しているという。
「オーロラ」は燃料としてHALEU燃料(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)を使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできるという。
「オーロラ」は燃料としてHALEU燃料(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)を使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできるという。
いづれにせよ、これらの開発には数十年はかかるだろうが、常に米国の後追いだった日本も無関心ではいられないだろう。
確かにChatGPTは、毎日プログラム開発ばかりでなく、生活の様々な情報利用の面で便利なサービスを供給してくれている。多少の間違いもあるが、強力で無限の知識、能力を持つコンサルタントであることは間違いない。私ですら、最近のパソコンの使用においてChatGPT利用時間が10%程度を占めている。日本人の10%がAIを利用するだけでサーバーの電力需要は上記のCNN記事のように年間15%増加することはほぼ確実だろう。
ところで、オクロ社のオクロというのは、アフリカのガボン共和国にあるウラン鉱山の跡地で見つかった、天然原子炉の所在地の名前である。
ウランー235の半減期が約7億年なので20億年まえならば地下水と混じって天然の原子炉が臨界条件を満たし、核分裂反応を維持できていたという場所である。このような場所でも人類の祖先は生存していたということになるのだろうか。
私家版インフルエンザ感染防御法 ― 2024年12月27日 04:34
インフルエンザが大流行しているらしい。
過去に二回インフルエンザに感染したが、最初は39.7℃の高熱で大変な目に遭った。2回目は同居者と買い物に出かけたデパートで感染し、同居者は高熱を発したが、私はある対策をとった結果、ちょっとだけ発熱しただけで、二人で受けたクリニックでのウイルス検査では私だけ陰性だった。
その方法とは、温水で顔全体を洗浄することである。特に目や鼻、喉の周辺をお湯を出しっぱなしにして、何度も両手で洗浄する。鼻はお湯を吸い込むようにして中まで洗いつくす。これを3分程度続ける。うがいも何度も繰り返す。
これは何をやっているかと言えば、ウイルス濃度があるしきい値以下であれば免疫メカニズムにより感染することはないという仮説(私的仮説ではあるが)に従い、鼻やのど周辺のウイルス濃度をそのしきい値以下に下げているのである。
また、ウイルスは鼻腔等で再度しきい値以上に増殖する可能性もあるので、その日は数時間おきに洗浄を繰り返す必要がある。
正確にそのしきい値がどの程度の濃度かはわからないが、これまでの経験では、単にうがいや手洗いをするよりは確実に感染を防いでいるように思う。また、仮に感染したとしても、高熱は発しない。高熱となるのは、体内に侵入したウイルス量が多いために、免疫反応が強く出た結果なのである。
ある時、咳を繰り返す同僚と長距離電車で出張し、対面で話をしていたが、鼻粘膜に異常を感じ、慌てて途中の停車駅のトイレに行き上記のような洗顔を繰り返した。この場合は、お湯ではなく、水道水ではあったが、繰り返し洗顔の結果、感染しないで済んだーという記憶がある。
お湯ならば、更に効果的だろう。AIによれば、
「インフルエンザウイルスは、80℃で10分以上加熱すると死滅します。また、湿度50%以上、温度22℃の状態に4時間以上保つと、生存率は2~4%に低下し、ほぼ死滅します。」
ということなので、お湯で何度も洗顔することでしきい値以下に出来ているということになる。
仮に感染した後でも、体内ウイルスの濃度分布は喉や鼻付近が高いので、喉、鼻付近の濃度を洗顔で下げることによって、限られた数しか産生できない免疫細胞、免疫タンパクの有効利用が可能となり、治癒がより早く、容易になると思う。
過去に二回インフルエンザに感染したが、最初は39.7℃の高熱で大変な目に遭った。2回目は同居者と買い物に出かけたデパートで感染し、同居者は高熱を発したが、私はある対策をとった結果、ちょっとだけ発熱しただけで、二人で受けたクリニックでのウイルス検査では私だけ陰性だった。
その方法とは、温水で顔全体を洗浄することである。特に目や鼻、喉の周辺をお湯を出しっぱなしにして、何度も両手で洗浄する。鼻はお湯を吸い込むようにして中まで洗いつくす。これを3分程度続ける。うがいも何度も繰り返す。
これは何をやっているかと言えば、ウイルス濃度があるしきい値以下であれば免疫メカニズムにより感染することはないという仮説(私的仮説ではあるが)に従い、鼻やのど周辺のウイルス濃度をそのしきい値以下に下げているのである。
また、ウイルスは鼻腔等で再度しきい値以上に増殖する可能性もあるので、その日は数時間おきに洗浄を繰り返す必要がある。
正確にそのしきい値がどの程度の濃度かはわからないが、これまでの経験では、単にうがいや手洗いをするよりは確実に感染を防いでいるように思う。また、仮に感染したとしても、高熱は発しない。高熱となるのは、体内に侵入したウイルス量が多いために、免疫反応が強く出た結果なのである。
ある時、咳を繰り返す同僚と長距離電車で出張し、対面で話をしていたが、鼻粘膜に異常を感じ、慌てて途中の停車駅のトイレに行き上記のような洗顔を繰り返した。この場合は、お湯ではなく、水道水ではあったが、繰り返し洗顔の結果、感染しないで済んだーという記憶がある。
お湯ならば、更に効果的だろう。AIによれば、
「インフルエンザウイルスは、80℃で10分以上加熱すると死滅します。また、湿度50%以上、温度22℃の状態に4時間以上保つと、生存率は2~4%に低下し、ほぼ死滅します。」
ということなので、お湯で何度も洗顔することでしきい値以下に出来ているということになる。
仮に感染した後でも、体内ウイルスの濃度分布は喉や鼻付近が高いので、喉、鼻付近の濃度を洗顔で下げることによって、限られた数しか産生できない免疫細胞、免疫タンパクの有効利用が可能となり、治癒がより早く、容易になると思う。
無線マウスと指痛の個人的関係 ― 2024年12月28日 10:36
最近、寒さのせいか飲みすぎのせいか、右手の人差し指の第2関節が痛くなっていた。ブシャール結節か、へバーデン結節か知らないが、老化のせいだろうかと心配したが、あることを思い出した。
それは昨夏、車を運転中に右手の中指の第2関節が曲がらなくなって痛くなったことである。考えるとスマホ用の非接触型充電装置がハンドルの右手のまじかに置かれていたので、それを外したら、間もなく右手中指の不具合は消えたのである。
今回、右手人差し指の痛みも、老化ではなく、何らかの電気的影響ではないか?(老化を否定したい心理もある?)
思いついたのは、パソコン使用時に、いつも右手を無線マウスに載せている。無線マウスの正確な消費電力は分からないが、1.5Vで約10mA程度である。即ち、15mWである。手持ちの小型紫外線照射装置が24Wエネルギー的には3ケタ小さい。しかし、マウスと指の距離は1㎝程度だから、仮に紫外線照射装置からの安全距離が10m(1000㎝)とすると距離の2乗に電磁波影響が逆比例するとすればマウスの電磁波の影響は距離的影響は6ケタ高いこととなり、W数は3ケタ小さいので、距離影響とW数を合わせて考慮すれば、マウスの人体の単位表面積当たりの影響は全エネルギー的には3桁程度大きい。しかし、無線マウス(Bluetooth)の電磁波周波数は2.4MHzで紫外線照射装置(UV-C)の周波数は10の10乗MHz程度だから、マウスの周波数は9桁小さい。
量子論的には、光子数はエネルギ-に比例するが光子1個のエネルギーは周波数に比例する。光子数が指に影響するのか、光子1個のエネルギーの影響がそれを上回るのか、指障害に対するしきい値がどうなっているのかなどの問題は私は分からない。しかし、ガンマ線領域であれば光子1個のエネルギーが問題になるので、無線マウスは人体影響には問題がないようにも思う。
しかし、これは昨年のスマホ用非接触電源を外したら中指障害が消えたという経緯も考慮し、無線マウスの使用を中止するのが私の個人特性としては安全側だろうと判断し、昨日から100円ショップで購入した有線マウスに変更した。
その結果、今日は、昨日までと異なり、右手の人差し指の痛みは消えたのである。心理的な問題か、偶然なのか、これは、研究に値するかもしれない、電磁波との個人的関係の話である。誰にでも当てはまる話ではない。
なお、以前、スマホを子供が耳に当てて使うことで脳に悪影響があるとの規制されたとの話が英国ではあったので、どこかで無線マウスや非接触型電磁波発生装置と生体影響との関係も研究されているのだろう。
それは昨夏、車を運転中に右手の中指の第2関節が曲がらなくなって痛くなったことである。考えるとスマホ用の非接触型充電装置がハンドルの右手のまじかに置かれていたので、それを外したら、間もなく右手中指の不具合は消えたのである。
今回、右手人差し指の痛みも、老化ではなく、何らかの電気的影響ではないか?(老化を否定したい心理もある?)
思いついたのは、パソコン使用時に、いつも右手を無線マウスに載せている。無線マウスの正確な消費電力は分からないが、1.5Vで約10mA程度である。即ち、15mWである。手持ちの小型紫外線照射装置が24Wエネルギー的には3ケタ小さい。しかし、マウスと指の距離は1㎝程度だから、仮に紫外線照射装置からの安全距離が10m(1000㎝)とすると距離の2乗に電磁波影響が逆比例するとすればマウスの電磁波の影響は距離的影響は6ケタ高いこととなり、W数は3ケタ小さいので、距離影響とW数を合わせて考慮すれば、マウスの人体の単位表面積当たりの影響は全エネルギー的には3桁程度大きい。しかし、無線マウス(Bluetooth)の電磁波周波数は2.4MHzで紫外線照射装置(UV-C)の周波数は10の10乗MHz程度だから、マウスの周波数は9桁小さい。
量子論的には、光子数はエネルギ-に比例するが光子1個のエネルギーは周波数に比例する。光子数が指に影響するのか、光子1個のエネルギーの影響がそれを上回るのか、指障害に対するしきい値がどうなっているのかなどの問題は私は分からない。しかし、ガンマ線領域であれば光子1個のエネルギーが問題になるので、無線マウスは人体影響には問題がないようにも思う。
しかし、これは昨年のスマホ用非接触電源を外したら中指障害が消えたという経緯も考慮し、無線マウスの使用を中止するのが私の個人特性としては安全側だろうと判断し、昨日から100円ショップで購入した有線マウスに変更した。
その結果、今日は、昨日までと異なり、右手の人差し指の痛みは消えたのである。心理的な問題か、偶然なのか、これは、研究に値するかもしれない、電磁波との個人的関係の話である。誰にでも当てはまる話ではない。
なお、以前、スマホを子供が耳に当てて使うことで脳に悪影響があるとの規制されたとの話が英国ではあったので、どこかで無線マウスや非接触型電磁波発生装置と生体影響との関係も研究されているのだろう。
映画オッペンハイマーの虚実 ― 2024年12月29日 15:43
米国映画オッペンハイマーがやっとWOWOWで放映されたので、少々前半は退屈だったが、3時間のテレビ鑑賞をしてみた。
映画なのでオッペンハイマーのプライベートや感情描写の良し悪しにはコメントはしないが、当時の原爆開発の基本的事項で疑問に感じたことを列挙してみる。
(1)広島型原爆と長崎型原爆を混同している。
ロスアラモスでの1945年7月15日のトリニティ実験は長崎型のプルトニウム原爆実験だったにもかかわらず、日本への投下は8月6日に迫っているという設定になっている。広島型は濃縮ウランなので、失敗することは当時であっても考えられなかった。プルトニウム型は、プルトニウムー240からの自発核分裂中性子により超臨界以前に核分裂連鎖反応を開始して不完全爆発することが予想されたので、トリニティ実験で事前確認したのである。
従って、日本にポツダム宣言受諾をさせるために、まず、濃縮ウラン型により広島で確実に原爆の威力を見せつけたうえ、僅か三日後に、不完全爆発の可能性もあったプルトニウム型原爆を長崎に落としたのである。
映画でもトリニティ実験でのプルトニウム原爆の出力予測は、TNT換算で3キロトンから20キロトンと不確かさが大きかったため、ネバダの実験場での兵士配置も9キロも離れたところとなっていた。
なぜこんなに出力予測が難しいかと言えば、超臨界持続時間の評価が困難だからである。爆縮して中性子を入力した後、爆発するのだがその結果、爆発してプルトニウムが熱膨張するため、すぐに未臨界になる。その時間は1マイクロ秒以下である。この短時間挙動が核的臨界性変化と熱的温度変化、結晶構造変化が互いにフィードバック効果により複雑に絡み合うので、解析的な評価がほとんど不可能なのである。この結果、ダイナマイトなどほぼ100%燃焼する従来型爆弾と異なり、原爆では装荷したプルトニウムやウランの数%から10%程度しか核分裂しない。中性子の挿入タイミングが超臨界状態から多少ずれてしまえば不完全爆発となり、通常爆弾よりも出力は小さくなる。
そのため、映画の中では、トリニティ実験が成功したときに、軍関係者、研究技術者など関係者全員がネバダ砂漠の中で大喜びする映像が映されたのである。
現在の各種報告書、ネット情報では、トリニティも長崎原爆もともに20キロトンということになっているが、これには大きな疑問がある。例えば広島・長崎の原爆被ばく生存者の被ばく線量とがん発症率の関係を評価すると被ばく線量は原爆出力と比例しないという不整合なデータが出ている。(本ブログ2024年8月8日記事等参照)
映画でも言及していたが、プルトニウムは濃縮ウランに比べれば製造が容易で、当時ソ連も開発していた。米政府としてはソ連との冷戦に備えて、プルトニウム原爆が確実な兵器となるように、日本がポツダム宣言を受諾する前に長崎で実験をしたかったのだろう。
その結果が、映画後半の主題であるオッペンハイマーのソ連スパイ疑惑審判に繋がっている。オッペンハイマーは水爆開発には反対したうえ、妻は元共産党員であり、かりにオッペンハイマーが失脚してもプルトニウム原爆の実用化には見通しがついていた。水爆には起爆剤としてプルトニウム原爆が必要だが、プルトニウム型原爆に必要な爆縮装置を提案した同僚のエドワード・テラーは戦後水爆開発に積極的だったからで、水爆の父とよばれることになる。
(2)テラーの水爆提案時期が早すぎる
映画では、トリニティ実験前にカリフォルニア大学バークレー校でテラーが水爆構造案を提案したことになっているが、テラーの最初の提案は北朝鮮のキム・ジョンウンが手に持っていた砲弾型のプルトニウム原爆からの中性子をトリチウムとベリリウムで増殖して反射させることで不完全爆発を防ぐテラー型原爆のはずである。トリニティの実験すら行っていない時期にテラーが現在の水爆を提案したというのは盛りすぎだろう。
(3)CIAが出てこないのは解せない
プルトニウム原爆のキー技術は爆縮装置だけでなく、不完全爆発を防ぐ合金組成にある。これは爆縮装置の小型化とICBM搭載のために必須だった。これを実現したのは実はソ連であり、ガリウムをプルトニウムに混合することで熱膨張を防せぎ、超臨界を維持できるようにしたのである。CIAはこの技術を盗み、米国政府に通報したが、その比率までは不明だった。その結果、ソ連の原爆と米国の原爆ではガリウム比率がことなったままである。映画ではFBIが赤狩りやオッペンハイマー審判で関わっているが、CIAのほうが、ソ連との原爆開発競争では情報が豊富なはずである。
いずれにせよ、バークレー校の自由すぎる雰囲気が天才たちの原子力エネルギーの利用や原爆、水爆の開発のきっかけとなり、功罪を生むわけだが、現在のバークレーの研究予算のかなりの部分が軍関係予算となっているようである。
今後はこのような天才はバークレーからは生まれないのではないかという気がする。映画のひとつの主題である開発のスピードアップのための情報共有と情報管理の両立は現代においても、どこの国、組織でも難しいということなのだろう。
(4)量子力学の解説
オッペンハイマーは恋人に量子は粒子であり波動でもあると言い、ヒトも量子でできた波動なのだから揺れていると言った後、二人のヒトが揺れている映像に切り替わるのだが、かなり品がないシナリオになったものである。大喜利以下のダジャレにしか思えない。
電子線の波動性というのは、スリットを通過した多数の電子が干渉し、光と同じような干渉縞や、電子顕微鏡のような光と同じような画像を結ぶことで実証されているが、そうなのだろうか。シナリオライターがちょっと勘違いしているのではないだろうか。
電子線が上記のような光と同じような波動性を有しているのは事実である。しかしである、電子線が波動性を持つのは電子そのものの性質ではなく、電子線を発生している原子の周囲の電子が波動性を持つので、そこから発生した電子線も波動性を持っているということなのである。
個々の電子の波動性により干渉縞を作るには同じ熱振動を有する一群の原子から発生する必要がある。線源が異なる電子は個々にはその波動性を有するが、干渉縞を作ることはない。これでは波動性を実証することはできない。電子線はすべて何らかの原子から発生するので、ここにはばらばらの周波数の波動をもっているので、波動性もあると言っても間違いとまでは言えないが、同期振動も干渉縞も作ることはできない。(多数の電子線の飛び交う中で波長が同じような電子が集まって、偶然干渉縞を作ることはあるだろうが。)
映画の二人のヒトのようには同期振動できないのが普通の人間関係であり、シナリオライターもそこまで掘り下げてほしかった。
映画なのでオッペンハイマーのプライベートや感情描写の良し悪しにはコメントはしないが、当時の原爆開発の基本的事項で疑問に感じたことを列挙してみる。
(1)広島型原爆と長崎型原爆を混同している。
ロスアラモスでの1945年7月15日のトリニティ実験は長崎型のプルトニウム原爆実験だったにもかかわらず、日本への投下は8月6日に迫っているという設定になっている。広島型は濃縮ウランなので、失敗することは当時であっても考えられなかった。プルトニウム型は、プルトニウムー240からの自発核分裂中性子により超臨界以前に核分裂連鎖反応を開始して不完全爆発することが予想されたので、トリニティ実験で事前確認したのである。
従って、日本にポツダム宣言受諾をさせるために、まず、濃縮ウラン型により広島で確実に原爆の威力を見せつけたうえ、僅か三日後に、不完全爆発の可能性もあったプルトニウム型原爆を長崎に落としたのである。
映画でもトリニティ実験でのプルトニウム原爆の出力予測は、TNT換算で3キロトンから20キロトンと不確かさが大きかったため、ネバダの実験場での兵士配置も9キロも離れたところとなっていた。
なぜこんなに出力予測が難しいかと言えば、超臨界持続時間の評価が困難だからである。爆縮して中性子を入力した後、爆発するのだがその結果、爆発してプルトニウムが熱膨張するため、すぐに未臨界になる。その時間は1マイクロ秒以下である。この短時間挙動が核的臨界性変化と熱的温度変化、結晶構造変化が互いにフィードバック効果により複雑に絡み合うので、解析的な評価がほとんど不可能なのである。この結果、ダイナマイトなどほぼ100%燃焼する従来型爆弾と異なり、原爆では装荷したプルトニウムやウランの数%から10%程度しか核分裂しない。中性子の挿入タイミングが超臨界状態から多少ずれてしまえば不完全爆発となり、通常爆弾よりも出力は小さくなる。
そのため、映画の中では、トリニティ実験が成功したときに、軍関係者、研究技術者など関係者全員がネバダ砂漠の中で大喜びする映像が映されたのである。
現在の各種報告書、ネット情報では、トリニティも長崎原爆もともに20キロトンということになっているが、これには大きな疑問がある。例えば広島・長崎の原爆被ばく生存者の被ばく線量とがん発症率の関係を評価すると被ばく線量は原爆出力と比例しないという不整合なデータが出ている。(本ブログ2024年8月8日記事等参照)
映画でも言及していたが、プルトニウムは濃縮ウランに比べれば製造が容易で、当時ソ連も開発していた。米政府としてはソ連との冷戦に備えて、プルトニウム原爆が確実な兵器となるように、日本がポツダム宣言を受諾する前に長崎で実験をしたかったのだろう。
その結果が、映画後半の主題であるオッペンハイマーのソ連スパイ疑惑審判に繋がっている。オッペンハイマーは水爆開発には反対したうえ、妻は元共産党員であり、かりにオッペンハイマーが失脚してもプルトニウム原爆の実用化には見通しがついていた。水爆には起爆剤としてプルトニウム原爆が必要だが、プルトニウム型原爆に必要な爆縮装置を提案した同僚のエドワード・テラーは戦後水爆開発に積極的だったからで、水爆の父とよばれることになる。
(2)テラーの水爆提案時期が早すぎる
映画では、トリニティ実験前にカリフォルニア大学バークレー校でテラーが水爆構造案を提案したことになっているが、テラーの最初の提案は北朝鮮のキム・ジョンウンが手に持っていた砲弾型のプルトニウム原爆からの中性子をトリチウムとベリリウムで増殖して反射させることで不完全爆発を防ぐテラー型原爆のはずである。トリニティの実験すら行っていない時期にテラーが現在の水爆を提案したというのは盛りすぎだろう。
(3)CIAが出てこないのは解せない
プルトニウム原爆のキー技術は爆縮装置だけでなく、不完全爆発を防ぐ合金組成にある。これは爆縮装置の小型化とICBM搭載のために必須だった。これを実現したのは実はソ連であり、ガリウムをプルトニウムに混合することで熱膨張を防せぎ、超臨界を維持できるようにしたのである。CIAはこの技術を盗み、米国政府に通報したが、その比率までは不明だった。その結果、ソ連の原爆と米国の原爆ではガリウム比率がことなったままである。映画ではFBIが赤狩りやオッペンハイマー審判で関わっているが、CIAのほうが、ソ連との原爆開発競争では情報が豊富なはずである。
いずれにせよ、バークレー校の自由すぎる雰囲気が天才たちの原子力エネルギーの利用や原爆、水爆の開発のきっかけとなり、功罪を生むわけだが、現在のバークレーの研究予算のかなりの部分が軍関係予算となっているようである。
今後はこのような天才はバークレーからは生まれないのではないかという気がする。映画のひとつの主題である開発のスピードアップのための情報共有と情報管理の両立は現代においても、どこの国、組織でも難しいということなのだろう。
(4)量子力学の解説
オッペンハイマーは恋人に量子は粒子であり波動でもあると言い、ヒトも量子でできた波動なのだから揺れていると言った後、二人のヒトが揺れている映像に切り替わるのだが、かなり品がないシナリオになったものである。大喜利以下のダジャレにしか思えない。
電子線の波動性というのは、スリットを通過した多数の電子が干渉し、光と同じような干渉縞や、電子顕微鏡のような光と同じような画像を結ぶことで実証されているが、そうなのだろうか。シナリオライターがちょっと勘違いしているのではないだろうか。
電子線が上記のような光と同じような波動性を有しているのは事実である。しかしである、電子線が波動性を持つのは電子そのものの性質ではなく、電子線を発生している原子の周囲の電子が波動性を持つので、そこから発生した電子線も波動性を持っているということなのである。
個々の電子の波動性により干渉縞を作るには同じ熱振動を有する一群の原子から発生する必要がある。線源が異なる電子は個々にはその波動性を有するが、干渉縞を作ることはない。これでは波動性を実証することはできない。電子線はすべて何らかの原子から発生するので、ここにはばらばらの周波数の波動をもっているので、波動性もあると言っても間違いとまでは言えないが、同期振動も干渉縞も作ることはできない。(多数の電子線の飛び交う中で波長が同じような電子が集まって、偶然干渉縞を作ることはあるだろうが。)
映画の二人のヒトのようには同期振動できないのが普通の人間関係であり、シナリオライターもそこまで掘り下げてほしかった。
遺伝子変異は遺伝子変動に、量子論は定量子論に変えるべき ― 2024年12月31日 07:58
今朝のテレビを見ていたら、遺伝子変異(Genetic Mutation)について専門家が芸能人に病気との相関を説明していた。
しかし、遺伝子変異についてはDNAの塩基配列の記号が変わることの説明以上のものはなかった。
変異と聞けば、日本人は標準というものがあって、そこから異常に変化したものと思うだろう。
しかし、英語のMutationの第一義の意味は、
以下のChatGPTの解説にもあるように、単なる変化である。
*****************************
ChatGPT
「Mutation(ミューテーション)の意味は、主に以下のように使われます。
一般的な意味
1.変化: 何かが変わること、またはその過程。
例: "The mutation in the company's strategy led to its success."
(会社の戦略の変化が成功をもたらした。)
2. 突然変異(生物学的な意味): 遺伝子やDNAの構造における変化。これにより、生物の形質や機能が変わることがあります。
例: "The genetic mutation caused the butterfly to have unique wing patterns."
(遺伝子の突然変異により、蝶の羽の模様が独特なものになった。)
3.生物学での特定の意味
Mutation: DNAの塩基配列に生じる変化。この変化が生物の形質やタンパク質の構造・機能に影響を与える場合があります。」
****************************
(ChatGPT終わり)
同様に、進化生物学者の長谷川政美先生は、進化の歴史
https://kagakubar.com/evolution/evolution01.html
の解説の中で、 ダーウィンは「種の起源」の中で、進化という言葉は使っていない理由と日本ではなぜ進化論という言葉が生まれたかの経緯を以下のように解説している。
「日本でも幕末から明治にかけて西洋の科学を導入するにあたり、先人たちは必死になって西洋の科学用語を日本語に翻訳する努力をした。科学、化学、物理、分子、原子などもその当時日本で作られたものであり、その後中国でもそれらの言葉を輸入して使うようになった。
「進化」という言葉も「Evolution」の訳としてその頃作られたものである。「Evolution」には展開という意味があるが、それを「進化」と訳したのだが、そこには「進歩」という考えが紛れ込んでいるように思われる。実際に「進化」を「高みを目指す」過程と捉えるひとが多い。そこには西洋文明の底流にあるアリストテレスの「自然の階段」を登っていくような意味合いが含まれる。この連載でこれから見ていくように、それこそまさにダーウィンが否定したものであった。」
ということである。同様に、遺伝子変異という言葉も所謂誤訳である。
遺伝子変異ではなく遺伝子変動と呼んだ方が適切だろう。
別の例を挙げると、量子論や量子力学は英語では
Quantum Theory .Quantum Mechanics
である。
量子の量は極小の粒子と解説されることが多いが、Quantumの元の意味は定量的なという意味である。(Quantityは定量的、Qualityは定性的)
これは定量的に扱える粒子、即ち、プランク定数がエネルギー、重量、運動量の単位となっている粒子、即ち定量子のはずである。
量子論というと量子とは何かという別世界の理論に感じるが、定量粒子或いは定量子と縮めて言い換えれば、定量的に重量、エネルギーを扱える粒子、即ち、最低単位のある粒子(相対論では重量とエネルギーは等価である)という意味がハッキリし、何か分かったような気になるような気がする。ここが教育では重要なのである。大学時代、量子力学の単位で苦労した理由もここにある(と思い込みたい)。
従って、量子論は定量子論と変えたほうが良い。
しかし、遺伝子変異についてはDNAの塩基配列の記号が変わることの説明以上のものはなかった。
変異と聞けば、日本人は標準というものがあって、そこから異常に変化したものと思うだろう。
しかし、英語のMutationの第一義の意味は、
以下のChatGPTの解説にもあるように、単なる変化である。
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ChatGPT
「Mutation(ミューテーション)の意味は、主に以下のように使われます。
一般的な意味
1.変化: 何かが変わること、またはその過程。
例: "The mutation in the company's strategy led to its success."
(会社の戦略の変化が成功をもたらした。)
2. 突然変異(生物学的な意味): 遺伝子やDNAの構造における変化。これにより、生物の形質や機能が変わることがあります。
例: "The genetic mutation caused the butterfly to have unique wing patterns."
(遺伝子の突然変異により、蝶の羽の模様が独特なものになった。)
3.生物学での特定の意味
Mutation: DNAの塩基配列に生じる変化。この変化が生物の形質やタンパク質の構造・機能に影響を与える場合があります。」
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(ChatGPT終わり)
同様に、進化生物学者の長谷川政美先生は、進化の歴史
https://kagakubar.com/evolution/evolution01.html
の解説の中で、 ダーウィンは「種の起源」の中で、進化という言葉は使っていない理由と日本ではなぜ進化論という言葉が生まれたかの経緯を以下のように解説している。
「日本でも幕末から明治にかけて西洋の科学を導入するにあたり、先人たちは必死になって西洋の科学用語を日本語に翻訳する努力をした。科学、化学、物理、分子、原子などもその当時日本で作られたものであり、その後中国でもそれらの言葉を輸入して使うようになった。
「進化」という言葉も「Evolution」の訳としてその頃作られたものである。「Evolution」には展開という意味があるが、それを「進化」と訳したのだが、そこには「進歩」という考えが紛れ込んでいるように思われる。実際に「進化」を「高みを目指す」過程と捉えるひとが多い。そこには西洋文明の底流にあるアリストテレスの「自然の階段」を登っていくような意味合いが含まれる。この連載でこれから見ていくように、それこそまさにダーウィンが否定したものであった。」
ということである。同様に、遺伝子変異という言葉も所謂誤訳である。
遺伝子変異ではなく遺伝子変動と呼んだ方が適切だろう。
別の例を挙げると、量子論や量子力学は英語では
Quantum Theory .Quantum Mechanics
である。
量子の量は極小の粒子と解説されることが多いが、Quantumの元の意味は定量的なという意味である。(Quantityは定量的、Qualityは定性的)
これは定量的に扱える粒子、即ち、プランク定数がエネルギー、重量、運動量の単位となっている粒子、即ち定量子のはずである。
量子論というと量子とは何かという別世界の理論に感じるが、定量粒子或いは定量子と縮めて言い換えれば、定量的に重量、エネルギーを扱える粒子、即ち、最低単位のある粒子(相対論では重量とエネルギーは等価である)という意味がハッキリし、何か分かったような気になるような気がする。ここが教育では重要なのである。大学時代、量子力学の単位で苦労した理由もここにある(と思い込みたい)。
従って、量子論は定量子論と変えたほうが良い。
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