ウイルスのしきい値と放射線のしきい値2024年12月23日 07:17

 ウイルスがマスクでどこまで遮へいできるかという実験があるが、実際に感染するには、ウイルス濃度とその暴露時間の積だろう。

 コロナ初期時期に見たある県の保健所のサイトによれば、ノロウイルスは1個あれば感染するらしい。インフルエンザは1000個程度だったと記憶する。(これは単位面積当たりなのか、単位の記載はなかった。もちろん、時間軸も不明だった。)しかし、免疫メカニズムからすれば、そのウイルスがどのていどの濃度で、且つそのウイルスにどの程度の時間晒されれば感染するか、即ち、外部からのウイルス攻撃の絶対量と暴露時間の両者が感染するかどうかのポイントである。なぜなら、免疫機能というものは、外部からの異物進入を生体内の化学変化で排除し、恒常性を維持するものであり、生体内の免疫機構における化学変化に必要な物質の量も反応時間も有限の値だからである。

 ウイルスと同様、放射線被ばくによる攻撃も単に放射線量だけではなく、その時間がどの程度かかったかも重要である。即ち、それが同じ線量であっても1年かかって被ばくするのと、原爆のガンマ線や太陽フレアのプレパルシブ相のX線被ばくのような1マイクロ秒での被ばくでは、免疫メカニズムが対応できるかどうかは全く異なる事象である。しかし、現在のICRPや法規制基準は総線量しか規定がなく、時間線量率は野放しである。

 ウイルスの防護実験も重要だが、放射線被ばくの時間効果についても何らかの検討が必要だろう。このままでは、太陽フレアによる一般旅客のがん発生事例が誰も知られずに増加するのではないだろうか。(米国のCAの例は論文化されているが、日本でのCAの白血病等の増加は噂のレベルでしかない。)

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