米国ラジオ局の音楽番組の聞き方 ― 2025年08月01日 05:26
NPR(National Public Radio)という米国のネットラジオ局がある。これはトランプの政策により予算削減され存亡の危機にあり寄付を募っている。よろしく協力をお願いしたい。
この放送局は全米ネットでもあるので、各州の音楽などのFM専門局と連携しており、NPRを通して、それらの全米のFM局の放送を聞くこともできる。
その方法はややわかりにくいのだが、
(1)パソコンでNPRと検索し、お気に入りなどに登録したのち、ホームページを開く。
(2)左上のNPRのロゴの右側のWAMU88.5などの放送局名の部分をクリックする。(放送局名が表示されていない場合には右側の枠のListen Liveをクリックすると表示される。)
(3)小窓が開くので3つの選択肢からChangeを選択する。
(ここでNPRへのSignInの要求がある場合は、SignINの登録をするが誰でも可能)
(4)META Classicalというクラシック専門局が現在の聴取局の下のほうに表示されるので、これを選択してその曲のクラシック放送(Live以外も選択肢がある)を聞くこともできる。
(5)その他の音楽放送局を選択するにはfind station の下のsearch窓の中にclassicalとかjazzとかの各音楽分野や、放送局の所在都市(New Yorkなどとすると10局以上表示される。)を入力し、検索すればよい。
(6)classicalと入力してsearchした場合、20曲程度が表示される。各局のLiveは右矢印の表示される小窓をクリックすると聞くことができるので、色々なClassic音楽を楽しめる。
(7)局によってはMENUをクリックすると音楽関連番組が表示され、ストリーミングを聞くことも可能である。それをmyplaylistに登録すればいつでもその放送の録音を聞くことも可能となっている。
なお、局によってはすでに閉鎖され、Donateのみ残っている局もある。
トランプの文化軽視政策は怖い。よろしければご寄付を。クレジットカードで日本からも簡単にできます。
この放送局は全米ネットでもあるので、各州の音楽などのFM専門局と連携しており、NPRを通して、それらの全米のFM局の放送を聞くこともできる。
その方法はややわかりにくいのだが、
(1)パソコンでNPRと検索し、お気に入りなどに登録したのち、ホームページを開く。
(2)左上のNPRのロゴの右側のWAMU88.5などの放送局名の部分をクリックする。(放送局名が表示されていない場合には右側の枠のListen Liveをクリックすると表示される。)
(3)小窓が開くので3つの選択肢からChangeを選択する。
(ここでNPRへのSignInの要求がある場合は、SignINの登録をするが誰でも可能)
(4)META Classicalというクラシック専門局が現在の聴取局の下のほうに表示されるので、これを選択してその曲のクラシック放送(Live以外も選択肢がある)を聞くこともできる。
(5)その他の音楽放送局を選択するにはfind station の下のsearch窓の中にclassicalとかjazzとかの各音楽分野や、放送局の所在都市(New Yorkなどとすると10局以上表示される。)を入力し、検索すればよい。
(6)classicalと入力してsearchした場合、20曲程度が表示される。各局のLiveは右矢印の表示される小窓をクリックすると聞くことができるので、色々なClassic音楽を楽しめる。
(7)局によってはMENUをクリックすると音楽関連番組が表示され、ストリーミングを聞くことも可能である。それをmyplaylistに登録すればいつでもその放送の録音を聞くことも可能となっている。
なお、局によってはすでに閉鎖され、Donateのみ残っている局もある。
トランプの文化軽視政策は怖い。よろしければご寄付を。クレジットカードで日本からも簡単にできます。
核保有で軍事費を安くできるという幻想 ― 2025年08月02日 16:24
何処かの政党が核保有で軍事費が安上がりになると言っているが、本当なのか。
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
****************************
米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
****************************
米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
ボケ防止用左脳の働かせ方案 ― 2025年08月04日 07:05
最近、物忘れがひどい。特に固有名詞が出てこない。
その状況を顧みるに、何らかの継続運動をしたり、あることを考えすぎた後にだれか、どこかの固有名詞を思い出そうとしたときに出なくなるようだ。
頭脳構造配置図をみると、視覚野や運動野が左右対称なのに、言語野は左側に偏っている。即ち、左脳を活性化するのが言語機能の活性につながるはずだ。
ーと思って、ニュースを聞いていた片耳用のイヤホンを、左側から、右側に移してみた。
その直後に思い出せなかった知人の名前が次々に出てきたのである。
これは偶然なのか気のせいなのかよくわからないが、例数1の実験事実である。
裏付けは右脳、左脳の機能分担データ程度であるが、今後は固有名詞が出てこなかったら、左耳をふさぎ、右耳に感覚を集中させようと思う。
試験に強いという人の例を見ても、家族のいる居間で勉強しているほうが頭に入るという話もある。適度な言語環境が左脳を活性化させ、言語記憶機能を増強させるのかもしれない。学科試験とは殆どが何らかの言語で行われるのだから。数学もITもある種の言語ではある。
その状況を顧みるに、何らかの継続運動をしたり、あることを考えすぎた後にだれか、どこかの固有名詞を思い出そうとしたときに出なくなるようだ。
頭脳構造配置図をみると、視覚野や運動野が左右対称なのに、言語野は左側に偏っている。即ち、左脳を活性化するのが言語機能の活性につながるはずだ。
ーと思って、ニュースを聞いていた片耳用のイヤホンを、左側から、右側に移してみた。
その直後に思い出せなかった知人の名前が次々に出てきたのである。
これは偶然なのか気のせいなのかよくわからないが、例数1の実験事実である。
裏付けは右脳、左脳の機能分担データ程度であるが、今後は固有名詞が出てこなかったら、左耳をふさぎ、右耳に感覚を集中させようと思う。
試験に強いという人の例を見ても、家族のいる居間で勉強しているほうが頭に入るという話もある。適度な言語環境が左脳を活性化させ、言語記憶機能を増強させるのかもしれない。学科試験とは殆どが何らかの言語で行われるのだから。数学もITもある種の言語ではある。
変数変換が許されるワケ ― 2025年08月07日 04:42
ポアソン解析などの目的変数が説明変数の指数関数となるような場合によく利用される、変数変換だが何故このような勝手な変換が回帰分析で許されているのか、長年疑問だった。
しかし、これはスケーリングの変換だと思えば納得できるように思える。
3次元座標で、XYZ座標から極座標への座標変換のようなものだ。ある特定のデータの表示方法が直線状の座標点からθ、φのような曲線座標に変換されても同じ点を表すと思えば納得できる。
対数変換した目的変数のデータ点の方が説明変数のデータ点と関連性を簡単な式で示せるという話は、球面上の点をXYZ座標で示すより、極座標で示すほうが簡単だということと同じようなものだ。
一対一対応できる変数変換ならどんな変換でもありうるが、その変換が説明変数と目的変数の関係性をうまく表現出来ればいいということになる。
自然現象は指数関数で表せることが多いので、対数変換が線形データである説明変数との関係を簡単化するというのもなんとなく理解できる気がする。
しかし、これはスケーリングの変換だと思えば納得できるように思える。
3次元座標で、XYZ座標から極座標への座標変換のようなものだ。ある特定のデータの表示方法が直線状の座標点からθ、φのような曲線座標に変換されても同じ点を表すと思えば納得できる。
対数変換した目的変数のデータ点の方が説明変数のデータ点と関連性を簡単な式で示せるという話は、球面上の点をXYZ座標で示すより、極座標で示すほうが簡単だということと同じようなものだ。
一対一対応できる変数変換ならどんな変換でもありうるが、その変換が説明変数と目的変数の関係性をうまく表現出来ればいいということになる。
自然現象は指数関数で表せることが多いので、対数変換が線形データである説明変数との関係を簡単化するというのもなんとなく理解できる気がする。
広島と長崎の被ばく者データを非公開にしたワケは ― 2025年08月08日 03:46
広島の原爆の日のニュースを見ていたら、この原爆の記録は広く公開されて世界中に発信すべきだという関係者の声が多くあった。当然のことだろう。
その最も詳しいデータセットである被ばく者寿命期間調査(LifeSpanStudy)の2009年版LSS-2009が担当機関の放射線影響研究所(RERF)から昨年非公開となった。その理由は明確にはされていないが聞いたところでは被ばく者の個人情報保護のためだという。
しかし、この非公開以前のデータセットには個人を特定できるようなデータは含まれていない。個々のデータにおける対象者の年齢やがん発生の有無、被ばく線量ははわかるが、それと個人名をどうやって結び付けられるのだろうか。誕生日が示されているわけではない。同年齢者は数千人レベルである。発がん者は数万人レベルである。被ばく線量は、米国の担当のため、個々の対象者の遮蔽計算をどのようにしたのか日本側ですら把握できていない。データ数は10万単位である。このような大規模コホート調査データに対し個人情報保護が重要だという名目で非公開にするのなら疫学データはどんなものも非公開になってしまうだろう。どうやったらこの疫学データから個人を特定できるのかRERFには例示してもらいたいものだ。その説明はこれまで一度もない。
では、なぜそれまで10年以上にわたり公開してきたデータをRERFは突然非公開にしたのだろうか。LSS-14という昔の不完全なデータセットは公開したままではあるが、このデータセットはLSS-2009データセットとは異なり、被ばく以外の重要な発がん要因である喫煙のデータが含まれていないので、正確な統計処理はできないことを承知の上で公開のままにしているのかもしれない。
下記リンクは、京大関係者がLSSなどの被ばくと発がんの関係についての調査研究の代表例をわかりやすく解説した資料である。
https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~manabe/tanakashiro_cebe2019.pdf
この解説のまとめ(シート19、シート30等)に書かれているようにいずれの論文も
「直線閾値なし(LNT)モデルは否定されなかった」
という結論になっている。
逆に言えば、これらの論文は直線閾値なし(LNT)モデルが否定されないことを目的としているとも考えられる。
即ち、どんな低線量でも被ばく影響があるという趣旨のLNTモデルをこれらの論文の著者は守りたいということである。
ところが、本リンク論文のシート6に書かれているように、このLNTモデルを否定する論文が近年多数発表されるようになった。
これがある関係者にとっては問題なのだろう。
なぜなら、このLNTモデルが現在の各国の法規制データの引用元であるICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基本となる考え方なのである。このLNT仮説が否定されると被ばく規制関係のすべての法体系が(医療被曝も含め)根拠を失うことになる。これは機械設計で言えば、JIS規格やANSI規格を否定するようなものなのである。原子炉設計関係者にとってもこれは大変な事態である。これまで、配置設計や避難計画などに用いてきた法規制が根拠を失うことになるので、それが非安全側だろうが安全側だろうが、現状を変えたくないのである。
私的にはLNTモデルは安全側でも非安全側でもなく、被ばく線量率によりどちらにでもなりうると考える。即ち、太陽フレアのような高空での瞬間被ばくでは、ICRPの年間1mSv被ばくを守っていても線量率が瞬間的に非常に高い場合には発がんするし、たとえ年間100mSvでも年間を通してほぼ一定の被ばく(即ち低線量率被ばく)なら発がんリスクは小さいまたは負になりうるというものである。
下記の論文(WAMモデル)のような考え方がICRPのLNT仮説よりはより正確だと思う。即ち、原爆のような瞬間被ばくと長時間低線量被ばくでは同じ線量の被ばくでも人体影響は全く異なるという考えである。
LNT仮説や現在の法規制にはこの考え方が入っていない。原爆の被ばく時間(数マイクロ秒)は年間時間(約3千万秒)の12桁下だが、ICRPの最近の勧告でも、LNT仮説での線量率補正は原爆被ばく者データをベースに作成した基準に対し、低線量率の場合は2倍許容線量を増加してよいという補正をしただけである。
このような勧告はアルコールで例えれば、18リットルを1分で飲む一気飲みの場合と180ccを1分かけて飲む場合の差のさらに10桁以上の差を同一と混同したようなものである
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
だが、このWAMモデルの妥当性を広島、長崎のデータで検証しようとしても、RERFがLSSデータを公開しないのであればほぼ不可能である。
広島長崎の原爆データの詳細が公開されているはずの米国国立公文書館の調査にでも行くしかないが、そんな費用と時間を持っている人はほぼいないであろう。また、RERFは日米政府の共同出資の機関ではあるが、日本人の被ばくデータはRERFしか持っていないかもしれない。
マスコミはその使命として、被ばく者のコメントを伝えるだけでなく、RERFなどの公的機関が広島・長崎のデータを広く世界中に周知するよう働きかける責務もあると思う。
なお、広島と長崎はともにマイクロ秒のオーダーだが、原爆構造のさにより被ばく時間は数倍の差がある。
(7月26日記事参照)
これをRERF評価では混同し、被ばく者データを同一式で線量率を無視して両都市一括で扱っている。この不正確さがLNT仮説の維持に役立っていると思うが、被ばく者のLSSデータが非公開になった現在、正確な検証のしようもない状態である。
その最も詳しいデータセットである被ばく者寿命期間調査(LifeSpanStudy)の2009年版LSS-2009が担当機関の放射線影響研究所(RERF)から昨年非公開となった。その理由は明確にはされていないが聞いたところでは被ばく者の個人情報保護のためだという。
しかし、この非公開以前のデータセットには個人を特定できるようなデータは含まれていない。個々のデータにおける対象者の年齢やがん発生の有無、被ばく線量ははわかるが、それと個人名をどうやって結び付けられるのだろうか。誕生日が示されているわけではない。同年齢者は数千人レベルである。発がん者は数万人レベルである。被ばく線量は、米国の担当のため、個々の対象者の遮蔽計算をどのようにしたのか日本側ですら把握できていない。データ数は10万単位である。このような大規模コホート調査データに対し個人情報保護が重要だという名目で非公開にするのなら疫学データはどんなものも非公開になってしまうだろう。どうやったらこの疫学データから個人を特定できるのかRERFには例示してもらいたいものだ。その説明はこれまで一度もない。
では、なぜそれまで10年以上にわたり公開してきたデータをRERFは突然非公開にしたのだろうか。LSS-14という昔の不完全なデータセットは公開したままではあるが、このデータセットはLSS-2009データセットとは異なり、被ばく以外の重要な発がん要因である喫煙のデータが含まれていないので、正確な統計処理はできないことを承知の上で公開のままにしているのかもしれない。
下記リンクは、京大関係者がLSSなどの被ばくと発がんの関係についての調査研究の代表例をわかりやすく解説した資料である。
https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~manabe/tanakashiro_cebe2019.pdf
この解説のまとめ(シート19、シート30等)に書かれているようにいずれの論文も
「直線閾値なし(LNT)モデルは否定されなかった」
という結論になっている。
逆に言えば、これらの論文は直線閾値なし(LNT)モデルが否定されないことを目的としているとも考えられる。
即ち、どんな低線量でも被ばく影響があるという趣旨のLNTモデルをこれらの論文の著者は守りたいということである。
ところが、本リンク論文のシート6に書かれているように、このLNTモデルを否定する論文が近年多数発表されるようになった。
これがある関係者にとっては問題なのだろう。
なぜなら、このLNTモデルが現在の各国の法規制データの引用元であるICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基本となる考え方なのである。このLNT仮説が否定されると被ばく規制関係のすべての法体系が(医療被曝も含め)根拠を失うことになる。これは機械設計で言えば、JIS規格やANSI規格を否定するようなものなのである。原子炉設計関係者にとってもこれは大変な事態である。これまで、配置設計や避難計画などに用いてきた法規制が根拠を失うことになるので、それが非安全側だろうが安全側だろうが、現状を変えたくないのである。
私的にはLNTモデルは安全側でも非安全側でもなく、被ばく線量率によりどちらにでもなりうると考える。即ち、太陽フレアのような高空での瞬間被ばくでは、ICRPの年間1mSv被ばくを守っていても線量率が瞬間的に非常に高い場合には発がんするし、たとえ年間100mSvでも年間を通してほぼ一定の被ばく(即ち低線量率被ばく)なら発がんリスクは小さいまたは負になりうるというものである。
下記の論文(WAMモデル)のような考え方がICRPのLNT仮説よりはより正確だと思う。即ち、原爆のような瞬間被ばくと長時間低線量被ばくでは同じ線量の被ばくでも人体影響は全く異なるという考えである。
LNT仮説や現在の法規制にはこの考え方が入っていない。原爆の被ばく時間(数マイクロ秒)は年間時間(約3千万秒)の12桁下だが、ICRPの最近の勧告でも、LNT仮説での線量率補正は原爆被ばく者データをベースに作成した基準に対し、低線量率の場合は2倍許容線量を増加してよいという補正をしただけである。
このような勧告はアルコールで例えれば、18リットルを1分で飲む一気飲みの場合と180ccを1分かけて飲む場合の差のさらに10桁以上の差を同一と混同したようなものである
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
だが、このWAMモデルの妥当性を広島、長崎のデータで検証しようとしても、RERFがLSSデータを公開しないのであればほぼ不可能である。
広島長崎の原爆データの詳細が公開されているはずの米国国立公文書館の調査にでも行くしかないが、そんな費用と時間を持っている人はほぼいないであろう。また、RERFは日米政府の共同出資の機関ではあるが、日本人の被ばくデータはRERFしか持っていないかもしれない。
マスコミはその使命として、被ばく者のコメントを伝えるだけでなく、RERFなどの公的機関が広島・長崎のデータを広く世界中に周知するよう働きかける責務もあると思う。
なお、広島と長崎はともにマイクロ秒のオーダーだが、原爆構造のさにより被ばく時間は数倍の差がある。
(7月26日記事参照)
これをRERF評価では混同し、被ばく者データを同一式で線量率を無視して両都市一括で扱っている。この不正確さがLNT仮説の維持に役立っていると思うが、被ばく者のLSSデータが非公開になった現在、正確な検証のしようもない状態である。
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