核のゴミからレアアースを大量に取り出す方法2025年11月18日 06:37

嫌われているいわゆる核のゴミ(放射性廃棄物)には種々の核分裂生成物が含まれているが、その大半は非放射性である。

核分裂生成物にはレアアースも大量に含まれている(レアアース全体は装荷燃料重量に対し約2.1%)が、最重要なネオジウムNdはどうだろうか。

モンテカルロ法で高速炉でネオジウムの核分裂による収率を計算すると
装荷燃料重量に対し3年で0.62%となった。その同位体の内訳は

       同位体比  半減期
Nd-142   8.16E-03  安定
Nd-143   2.67E-01  安定
Nd-144   1.80E-01  2.4E15年
Nd-145   1.87E-01  安定
Nd-146   1.82E-01  安定
Nd-147   1.92E-03  11日
Nd-148   1.10E-01  安定
Nd-150   6.46E-02  安定

このうち、放射性のものはNd-144とNd-147だが、Nd-144は天然のNdにも含まれており、これを問題にするとネオジウムは使えないことになる。
(地球が超新星核爆発の生成物なのでこのような半減期240兆年の核種も残ってしまう。ただ、半減期が長いので崩壊はほとんどしない、即ち、放射能は微小で被ばくは無視できるのである。)
N-147は半減期11日であるが、1年保管すれば最初の11桁下の放射能となり、これも無視できる。

従って、再処理工場で年間800トンの使用済燃料を処理できる予定なので、年間約5トンのネオジウムを抽出できることになる。

これを地層処理してしまうのは経済安保の点からもモッタイナイことと言えるだろう。