グリッパーの効能2025年08月20日 11:53

 ヒトは2足歩行だが本来は4足歩行だったはずである。

 即ち、手と足は深いところで連動しているはずだ。

 そんなことは運動生理学では常識なのかもしれないが、気が付いたのはトイレの中である。取っ手を握りしめると下半身に力が入りやすいのである。

 では、山などで最近よく使用されるストックはどうなのか。スキーのストックとスキーの回転操作は連動するのか。

 これまでスキーの小回りであるウエーデルンやこぶのような凹凸斜面の回転ではストックを突くことが回転の起点として重要だと教えられてきたが、実はストックをグリップして、手を握りしめる動作のほうが足にスムーズに力を入れられるという意味で重要なのではないか。そこを忘れていたような気がする。

 では、登山道でよく使われるストックのほうはどうなのか。これも実は同じなのではないか。登りでも下りでも、ストックが必要になるのは厳しい登り、下りの場面である。そこで体のバランスをとるには実は腕よりも脚にスムーズに力が入ることが重要である。
 勿論、ストックによる補助的な安定感確保も有効だが、ほとんどの体重は脚に掛かっている。脚がポイントであることは同じだ。

 では、ストック無しでこれらの脚へのスムーズな力点注力はできないだろうか。山の場合、ストックは狭い手を使うような下りでは周辺の灌木や脚に当たり邪魔になることもある。できればストックなしで歩きたい。

 そこで、ストック代わりに掌で握りしめられるグリッパーは使えないだろうか。グリッパーといっても、握力訓練のためのばね付きグリッパーではなく、単なるストックの握り部分だけでよい。手に力を入れられるだけでよいのである。

 グリッパーとして、手のひらサイズの丸棒に落下防止のための紐をつけた握り棒か軽い円柱形のプラボトルが良いだろう。

 試しにプリンター用のインクボトルを空にして、両手で握ってみた。なんとなく脚にも力が入り、スムーズに階段の昇り降りができるような気になった。気のせいだろうか。