なぜパンプキン爆弾が豊田工場に落とされたのか ― 2025年08月25日 13:49
今日の朝日新聞(13版S)は長崎原爆の意味を理解するための重要な参考になった。
23面には1945年8月14日にトヨタの本社工場だった拳母工場に長崎原爆を模したパンプキン爆弾が落とされたと書かれている。これは長崎原爆と同型で大量の爆薬を詰めた投下訓練用の模擬爆弾で、各地に落とされたそうだ。
一方、14面には8月8日にソ連が日本に宣戦布告し、参戦したことが書かれている。即ち、トルーマン大統領は日本をソ連が占領し、米ソが覇権争いを本格化することを予想していた。
その切り札が、米国が開発したばかりの原爆であった。しかし、広島型は濃縮ウランなので大量生産が困難である。米国は長崎型のプルトニウム爆弾なら専用原子炉で大量生産ができると見込んでいた。そこで、トルーマンは、ソ連を意識して、すかさず翌9日には長崎にプルトニウム原爆を落とし、さらに終戦までにそれを模したパンプキン爆弾を日本各地に落としたのである。
パンプキンとは大きなカボチャを意味するが「かわいこちゃん」という暗喩もある。長崎原爆に比べれば威力はかわいいものだということだろう。
長崎原爆はファットマンと呼ばれ直径1.5mもあるが、B-29に何とか収まるサイズだった。(長崎原爆を開発したオッペンハイマー等にはそれが設計条件になっていたはずである。)広島原爆はリトルボーイと呼ばれ、直径0.75mでこちらのほうが運びやすいが、米国で大量生産するには時間がかかりすぎた。日本相手にリトルボーイサイズの通常爆弾の投下実験をするのは無意味だった。
トルーマンは、長崎原爆実験の成功を確認し、パンプキン爆弾を日本各地に落とすことで暗にソ連に圧力をかけ続けたのである。プルトニウム原爆が大量生産された暁には、ソ連の軍事力は大したことはないというシグナルを出し続けたことになる。
その結果、オッペンハイマー等マンハッタン計画上層部は、長崎原爆の爆発力の精度良い評価を米国上層部に要求されたはずである。映画オッペンハイマーでは、長崎原爆は、前月1945年7月にネバダ砂漠で実験されたプルトニウム原爆トリニティとほぼ同じ設計の原爆だった。従って、トリニティ原爆と長崎原爆の威力に大きな差があっては、オッペンハイマー等は困ることになる。米国政府としても対ソ連戦略上困ることである。
現在公表されている長崎原爆の放出エネルギーはTNT換算21キロトンであり、トリニティは20キロトンである。一方、広島原爆は14キロトンである。
長崎原爆被ばく者生存者の被ばく線量もこの放出エネルギーから推定されている。しかし、がん発生率、特に、女性の低線量被ばくでのがん発生リスクは、広島ではほぼ被ばくしなかった市外在住者と同じくほぼ0であるのに対し、長崎の女性のがん発生リスクは低線量のほうが大きいという異常な値になっている。これは、長崎原爆の爆発力に何らかの系統的操作が入ったのではないかという疑いをぬぐい切れない。これが被ばく者全体のがんリスク評価の不確かさが大きくなる要因となり、低線量でも被ばく影響があるという国際放射線防護委員会(ICRP)の仮説につながっている。ICRPの基準は我が国を含む世界各国の放射線規制基準に採用されているので、現在においても正しくない影響を及ぼしている可能性が大きい。
ソ連は材料技術に長けていたために、ほどなくプルトニウム原爆の開発に成功する。爆縮技術は米国より上で、爆発初期の熱膨張による不完全爆発を防止する方法を熟知していた。米ソは原爆の小型化技術とミサイル、原潜などの核関連軍事技術の開発競争にまい進することになる。冷戦の始まりだった。
しかし、米ソともに、原子力エネルギーの民間利用は彼らが独占していた主要エネルギーである石油資源の優位性を脅かすものだった。ICRPの被ばく基準を見直すなど両国にとってあり得ないことだったのである。
ICRPのサイトを見るとわかるが、米国石油メジャーに関係したFORD財団(自動車のFORDの財団である)が主要なスポンサーだったことがその証左になるだろう。
ところでなぜ、それほどICRPの被ばく基準の見直しにこだわるのか。
それはICRP基準が必ずしも安全側ではないことにある。
瞬間被ばくによる発がんリスクから年間被ばく量制限を小さく抑えてはいるが、これは瞬間被ばくによるがんリスクを年間線量に制限にやきなおしたようなものなのである。肝心の時間線量率の効果を考慮していない。即ち、1年間に1ミリシーベルト浴びなければがんリスクはないとしているのである。
原爆は瞬間(1マイクロ秒以下)での被ばくである。1年間に浴びた量ではない。このような被ばく形態での被ばくから1年間の制限値をきめると、原爆以外の瞬間被ばくであっても見逃されることになる。
それは例えば近年電磁波影響で問題になっている太陽フレアによる航空機搭乗時の被ばくである。これは太陽の核融合異常反応による高エネルギーX線の瞬間被ばくであるが、高空であっても年間1ミリシーベルトにはならない。しかし、1マイクロ秒レベルの高線量率被ばくであることには違いがない。これが太陽フレアを高空で受ける(地上では空気の遮蔽により線量率は3桁程度下がる)キャビンアテンダント(CA)のがん発生率が一般女性の3倍になっていることにつながっていると予想される。CAはICRPの被ばく基準は守っているはずだが、下記の状況なのである。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29940975/
これは別にCAだけの問題ではなく、海外旅行などで、航空機に乗る乗客も運悪く太陽フレアを浴びると同じような状況になるはずである。
何しろ、原爆の瞬間被ばくも太陽フレアの高空での瞬間被ばくも、人類は20世紀まで受けたことがないのだから、免疫力はついているはずがないと思うのに後者への対策はないに等しい。
23面には1945年8月14日にトヨタの本社工場だった拳母工場に長崎原爆を模したパンプキン爆弾が落とされたと書かれている。これは長崎原爆と同型で大量の爆薬を詰めた投下訓練用の模擬爆弾で、各地に落とされたそうだ。
一方、14面には8月8日にソ連が日本に宣戦布告し、参戦したことが書かれている。即ち、トルーマン大統領は日本をソ連が占領し、米ソが覇権争いを本格化することを予想していた。
その切り札が、米国が開発したばかりの原爆であった。しかし、広島型は濃縮ウランなので大量生産が困難である。米国は長崎型のプルトニウム爆弾なら専用原子炉で大量生産ができると見込んでいた。そこで、トルーマンは、ソ連を意識して、すかさず翌9日には長崎にプルトニウム原爆を落とし、さらに終戦までにそれを模したパンプキン爆弾を日本各地に落としたのである。
パンプキンとは大きなカボチャを意味するが「かわいこちゃん」という暗喩もある。長崎原爆に比べれば威力はかわいいものだということだろう。
長崎原爆はファットマンと呼ばれ直径1.5mもあるが、B-29に何とか収まるサイズだった。(長崎原爆を開発したオッペンハイマー等にはそれが設計条件になっていたはずである。)広島原爆はリトルボーイと呼ばれ、直径0.75mでこちらのほうが運びやすいが、米国で大量生産するには時間がかかりすぎた。日本相手にリトルボーイサイズの通常爆弾の投下実験をするのは無意味だった。
トルーマンは、長崎原爆実験の成功を確認し、パンプキン爆弾を日本各地に落とすことで暗にソ連に圧力をかけ続けたのである。プルトニウム原爆が大量生産された暁には、ソ連の軍事力は大したことはないというシグナルを出し続けたことになる。
その結果、オッペンハイマー等マンハッタン計画上層部は、長崎原爆の爆発力の精度良い評価を米国上層部に要求されたはずである。映画オッペンハイマーでは、長崎原爆は、前月1945年7月にネバダ砂漠で実験されたプルトニウム原爆トリニティとほぼ同じ設計の原爆だった。従って、トリニティ原爆と長崎原爆の威力に大きな差があっては、オッペンハイマー等は困ることになる。米国政府としても対ソ連戦略上困ることである。
現在公表されている長崎原爆の放出エネルギーはTNT換算21キロトンであり、トリニティは20キロトンである。一方、広島原爆は14キロトンである。
長崎原爆被ばく者生存者の被ばく線量もこの放出エネルギーから推定されている。しかし、がん発生率、特に、女性の低線量被ばくでのがん発生リスクは、広島ではほぼ被ばくしなかった市外在住者と同じくほぼ0であるのに対し、長崎の女性のがん発生リスクは低線量のほうが大きいという異常な値になっている。これは、長崎原爆の爆発力に何らかの系統的操作が入ったのではないかという疑いをぬぐい切れない。これが被ばく者全体のがんリスク評価の不確かさが大きくなる要因となり、低線量でも被ばく影響があるという国際放射線防護委員会(ICRP)の仮説につながっている。ICRPの基準は我が国を含む世界各国の放射線規制基準に採用されているので、現在においても正しくない影響を及ぼしている可能性が大きい。
ソ連は材料技術に長けていたために、ほどなくプルトニウム原爆の開発に成功する。爆縮技術は米国より上で、爆発初期の熱膨張による不完全爆発を防止する方法を熟知していた。米ソは原爆の小型化技術とミサイル、原潜などの核関連軍事技術の開発競争にまい進することになる。冷戦の始まりだった。
しかし、米ソともに、原子力エネルギーの民間利用は彼らが独占していた主要エネルギーである石油資源の優位性を脅かすものだった。ICRPの被ばく基準を見直すなど両国にとってあり得ないことだったのである。
ICRPのサイトを見るとわかるが、米国石油メジャーに関係したFORD財団(自動車のFORDの財団である)が主要なスポンサーだったことがその証左になるだろう。
ところでなぜ、それほどICRPの被ばく基準の見直しにこだわるのか。
それはICRP基準が必ずしも安全側ではないことにある。
瞬間被ばくによる発がんリスクから年間被ばく量制限を小さく抑えてはいるが、これは瞬間被ばくによるがんリスクを年間線量に制限にやきなおしたようなものなのである。肝心の時間線量率の効果を考慮していない。即ち、1年間に1ミリシーベルト浴びなければがんリスクはないとしているのである。
原爆は瞬間(1マイクロ秒以下)での被ばくである。1年間に浴びた量ではない。このような被ばく形態での被ばくから1年間の制限値をきめると、原爆以外の瞬間被ばくであっても見逃されることになる。
それは例えば近年電磁波影響で問題になっている太陽フレアによる航空機搭乗時の被ばくである。これは太陽の核融合異常反応による高エネルギーX線の瞬間被ばくであるが、高空であっても年間1ミリシーベルトにはならない。しかし、1マイクロ秒レベルの高線量率被ばくであることには違いがない。これが太陽フレアを高空で受ける(地上では空気の遮蔽により線量率は3桁程度下がる)キャビンアテンダント(CA)のがん発生率が一般女性の3倍になっていることにつながっていると予想される。CAはICRPの被ばく基準は守っているはずだが、下記の状況なのである。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29940975/
これは別にCAだけの問題ではなく、海外旅行などで、航空機に乗る乗客も運悪く太陽フレアを浴びると同じような状況になるはずである。
何しろ、原爆の瞬間被ばくも太陽フレアの高空での瞬間被ばくも、人類は20世紀まで受けたことがないのだから、免疫力はついているはずがないと思うのに後者への対策はないに等しい。
広島と長崎の被ばく者データを非公開にしたワケは ― 2025年08月08日 03:46
広島の原爆の日のニュースを見ていたら、この原爆の記録は広く公開されて世界中に発信すべきだという関係者の声が多くあった。当然のことだろう。
その最も詳しいデータセットである被ばく者寿命期間調査(LifeSpanStudy)の2009年版LSS-2009が担当機関の放射線影響研究所(RERF)から昨年非公開となった。その理由は明確にはされていないが聞いたところでは被ばく者の個人情報保護のためだという。
しかし、この非公開以前のデータセットには個人を特定できるようなデータは含まれていない。個々のデータにおける対象者の年齢やがん発生の有無、被ばく線量ははわかるが、それと個人名をどうやって結び付けられるのだろうか。誕生日が示されているわけではない。同年齢者は数千人レベルである。発がん者は数万人レベルである。被ばく線量は、米国の担当のため、個々の対象者の遮蔽計算をどのようにしたのか日本側ですら把握できていない。データ数は10万単位である。このような大規模コホート調査データに対し個人情報保護が重要だという名目で非公開にするのなら疫学データはどんなものも非公開になってしまうだろう。どうやったらこの疫学データから個人を特定できるのかRERFには例示してもらいたいものだ。その説明はこれまで一度もない。
では、なぜそれまで10年以上にわたり公開してきたデータをRERFは突然非公開にしたのだろうか。LSS-14という昔の不完全なデータセットは公開したままではあるが、このデータセットはLSS-2009データセットとは異なり、被ばく以外の重要な発がん要因である喫煙のデータが含まれていないので、正確な統計処理はできないことを承知の上で公開のままにしているのかもしれない。
下記リンクは、京大関係者がLSSなどの被ばくと発がんの関係についての調査研究の代表例をわかりやすく解説した資料である。
https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~manabe/tanakashiro_cebe2019.pdf
この解説のまとめ(シート19、シート30等)に書かれているようにいずれの論文も
「直線閾値なし(LNT)モデルは否定されなかった」
という結論になっている。
逆に言えば、これらの論文は直線閾値なし(LNT)モデルが否定されないことを目的としているとも考えられる。
即ち、どんな低線量でも被ばく影響があるという趣旨のLNTモデルをこれらの論文の著者は守りたいということである。
ところが、本リンク論文のシート6に書かれているように、このLNTモデルを否定する論文が近年多数発表されるようになった。
これがある関係者にとっては問題なのだろう。
なぜなら、このLNTモデルが現在の各国の法規制データの引用元であるICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基本となる考え方なのである。このLNT仮説が否定されると被ばく規制関係のすべての法体系が(医療被曝も含め)根拠を失うことになる。これは機械設計で言えば、JIS規格やANSI規格を否定するようなものなのである。原子炉設計関係者にとってもこれは大変な事態である。これまで、配置設計や避難計画などに用いてきた法規制が根拠を失うことになるので、それが非安全側だろうが安全側だろうが、現状を変えたくないのである。
私的にはLNTモデルは安全側でも非安全側でもなく、被ばく線量率によりどちらにでもなりうると考える。即ち、太陽フレアのような高空での瞬間被ばくでは、ICRPの年間1mSv被ばくを守っていても線量率が瞬間的に非常に高い場合には発がんするし、たとえ年間100mSvでも年間を通してほぼ一定の被ばく(即ち低線量率被ばく)なら発がんリスクは小さいまたは負になりうるというものである。
下記の論文(WAMモデル)のような考え方がICRPのLNT仮説よりはより正確だと思う。即ち、原爆のような瞬間被ばくと長時間低線量被ばくでは同じ線量の被ばくでも人体影響は全く異なるという考えである。
LNT仮説や現在の法規制にはこの考え方が入っていない。原爆の被ばく時間(数マイクロ秒)は年間時間(約3千万秒)の12桁下だが、ICRPの最近の勧告でも、LNT仮説での線量率補正は原爆被ばく者データをベースに作成した基準に対し、低線量率の場合は2倍許容線量を増加してよいという補正をしただけである。
このような勧告はアルコールで例えれば、18リットルを1分で飲む一気飲みの場合と180ccを1分かけて飲む場合の差のさらに10桁以上の差を同一と混同したようなものである
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
だが、このWAMモデルの妥当性を広島、長崎のデータで検証しようとしても、RERFがLSSデータを公開しないのであればほぼ不可能である。
広島長崎の原爆データの詳細が公開されているはずの米国国立公文書館の調査にでも行くしかないが、そんな費用と時間を持っている人はほぼいないであろう。また、RERFは日米政府の共同出資の機関ではあるが、日本人の被ばくデータはRERFしか持っていないかもしれない。
マスコミはその使命として、被ばく者のコメントを伝えるだけでなく、RERFなどの公的機関が広島・長崎のデータを広く世界中に周知するよう働きかける責務もあると思う。
なお、広島と長崎はともにマイクロ秒のオーダーだが、原爆構造のさにより被ばく時間は数倍の差がある。
(7月26日記事参照)
これをRERF評価では混同し、被ばく者データを同一式で線量率を無視して両都市一括で扱っている。この不正確さがLNT仮説の維持に役立っていると思うが、被ばく者のLSSデータが非公開になった現在、正確な検証のしようもない状態である。
その最も詳しいデータセットである被ばく者寿命期間調査(LifeSpanStudy)の2009年版LSS-2009が担当機関の放射線影響研究所(RERF)から昨年非公開となった。その理由は明確にはされていないが聞いたところでは被ばく者の個人情報保護のためだという。
しかし、この非公開以前のデータセットには個人を特定できるようなデータは含まれていない。個々のデータにおける対象者の年齢やがん発生の有無、被ばく線量ははわかるが、それと個人名をどうやって結び付けられるのだろうか。誕生日が示されているわけではない。同年齢者は数千人レベルである。発がん者は数万人レベルである。被ばく線量は、米国の担当のため、個々の対象者の遮蔽計算をどのようにしたのか日本側ですら把握できていない。データ数は10万単位である。このような大規模コホート調査データに対し個人情報保護が重要だという名目で非公開にするのなら疫学データはどんなものも非公開になってしまうだろう。どうやったらこの疫学データから個人を特定できるのかRERFには例示してもらいたいものだ。その説明はこれまで一度もない。
では、なぜそれまで10年以上にわたり公開してきたデータをRERFは突然非公開にしたのだろうか。LSS-14という昔の不完全なデータセットは公開したままではあるが、このデータセットはLSS-2009データセットとは異なり、被ばく以外の重要な発がん要因である喫煙のデータが含まれていないので、正確な統計処理はできないことを承知の上で公開のままにしているのかもしれない。
下記リンクは、京大関係者がLSSなどの被ばくと発がんの関係についての調査研究の代表例をわかりやすく解説した資料である。
https://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~manabe/tanakashiro_cebe2019.pdf
この解説のまとめ(シート19、シート30等)に書かれているようにいずれの論文も
「直線閾値なし(LNT)モデルは否定されなかった」
という結論になっている。
逆に言えば、これらの論文は直線閾値なし(LNT)モデルが否定されないことを目的としているとも考えられる。
即ち、どんな低線量でも被ばく影響があるという趣旨のLNTモデルをこれらの論文の著者は守りたいということである。
ところが、本リンク論文のシート6に書かれているように、このLNTモデルを否定する論文が近年多数発表されるようになった。
これがある関係者にとっては問題なのだろう。
なぜなら、このLNTモデルが現在の各国の法規制データの引用元であるICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基本となる考え方なのである。このLNT仮説が否定されると被ばく規制関係のすべての法体系が(医療被曝も含め)根拠を失うことになる。これは機械設計で言えば、JIS規格やANSI規格を否定するようなものなのである。原子炉設計関係者にとってもこれは大変な事態である。これまで、配置設計や避難計画などに用いてきた法規制が根拠を失うことになるので、それが非安全側だろうが安全側だろうが、現状を変えたくないのである。
私的にはLNTモデルは安全側でも非安全側でもなく、被ばく線量率によりどちらにでもなりうると考える。即ち、太陽フレアのような高空での瞬間被ばくでは、ICRPの年間1mSv被ばくを守っていても線量率が瞬間的に非常に高い場合には発がんするし、たとえ年間100mSvでも年間を通してほぼ一定の被ばく(即ち低線量率被ばく)なら発がんリスクは小さいまたは負になりうるというものである。
下記の論文(WAMモデル)のような考え方がICRPのLNT仮説よりはより正確だと思う。即ち、原爆のような瞬間被ばくと長時間低線量被ばくでは同じ線量の被ばくでも人体影響は全く異なるという考えである。
LNT仮説や現在の法規制にはこの考え方が入っていない。原爆の被ばく時間(数マイクロ秒)は年間時間(約3千万秒)の12桁下だが、ICRPの最近の勧告でも、LNT仮説での線量率補正は原爆被ばく者データをベースに作成した基準に対し、低線量率の場合は2倍許容線量を増加してよいという補正をしただけである。
このような勧告はアルコールで例えれば、18リットルを1分で飲む一気飲みの場合と180ccを1分かけて飲む場合の差のさらに10桁以上の差を同一と混同したようなものである
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
だが、このWAMモデルの妥当性を広島、長崎のデータで検証しようとしても、RERFがLSSデータを公開しないのであればほぼ不可能である。
広島長崎の原爆データの詳細が公開されているはずの米国国立公文書館の調査にでも行くしかないが、そんな費用と時間を持っている人はほぼいないであろう。また、RERFは日米政府の共同出資の機関ではあるが、日本人の被ばくデータはRERFしか持っていないかもしれない。
マスコミはその使命として、被ばく者のコメントを伝えるだけでなく、RERFなどの公的機関が広島・長崎のデータを広く世界中に周知するよう働きかける責務もあると思う。
なお、広島と長崎はともにマイクロ秒のオーダーだが、原爆構造のさにより被ばく時間は数倍の差がある。
(7月26日記事参照)
これをRERF評価では混同し、被ばく者データを同一式で線量率を無視して両都市一括で扱っている。この不正確さがLNT仮説の維持に役立っていると思うが、被ばく者のLSSデータが非公開になった現在、正確な検証のしようもない状態である。
核保有で軍事費を安くできるという幻想 ― 2025年08月02日 16:24
何処かの政党が核保有で軍事費が安上がりになると言っているが、本当なのか。
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
****************************
米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
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米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
クラシック音楽とヘヴィメタルの出会い ― 2025年07月29日 16:33
https://www.npr.org/sections/shots-health-news/2024/06/27/g-s1-5433/beethoven-toxic-lead-poisoning-deafness-hair-samples
によれば、
ベートーヴェンは一般の100倍以上の鉛中毒に侵されていたらしい。それが彼を難聴にし、様々な体調不良の原因だったと推測されている。
彼が好きだった当時のワインは甘くするため、酢酸鉛が添加されていたのが原因だとしている。
私もワインとベートーヴェンが好きで、ワインを飲みながらエリーゼのためにを弾いたり(正しくは轢いたり)しているが、現在のワインにも保存剤として亜硫酸塩が含まれているものも多い。
亜硫酸塩とは何か?
ChatGPTでは下記のように人によってはアレルギーや頭痛の原因になることもありうるが頭痛の場合はアルコールそのものが主要因という説もある。米国と日本の基準は同じだが、EUはやや低い。白ワインの甘いものは多めに入っているようだが、赤ワインは少ない。いずれも気にするほどの量ではないし、重金属が入っているわけではないので普通は安心して飲めるだろう。温泉を飲むよりはだいぶ少ないようだ。
EUの白ワイン最大SO2濃度は400㎎/L
療養硫酸泉のSO2濃度は200㎎/L
**********************
亜硫酸塩とは何か
亜硫酸塩は以下のような化合物の総称です:
亜硫酸ナトリウム(Na₂SO₃)
亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO₃)
二酸化硫黄(SO₂) ← ワインに最もよく使われる形態
これらは食品添加物として「酸化防止剤(表示例:酸化防止剤(亜硫酸塩))」のカテゴリーに分類されています。
🍷 ワインにおける役割
✅ 主な目的:
酸化防止:香りや風味の劣化防止。
殺菌作用:酵母やバクテリアの繁殖防止。
熟成コントロール:酸化を遅らせることで品質保持。
✅ 使用量:
法律で上限が決まっており、通常はワイン1リットルあたり10~350mg程度。
自然派ワイン(ナチュラルワイン)では無添加または極少量に抑えられていることもあります。
⚠️ 有害性やリスクは?
通常の摂取量では一般の人にとって安全とされていますが、以下のような注意点があります。
一部の人にとってのリスク:
リスク 内容
アレルギー様反応 喘息や皮膚のかゆみ、じんましんなどが起きることがあります(特に喘息持ちの人にリスクあり)
頭痛 ワインの摂取後の頭痛の原因とされることがありますが、エタノールやヒスタミンの方が主要因という説もあります
過剰摂取時の影響 大量摂取すると胃腸障害などが報告されるが、食品中の量では現実的に起こりにくい
によれば、
ベートーヴェンは一般の100倍以上の鉛中毒に侵されていたらしい。それが彼を難聴にし、様々な体調不良の原因だったと推測されている。
彼が好きだった当時のワインは甘くするため、酢酸鉛が添加されていたのが原因だとしている。
私もワインとベートーヴェンが好きで、ワインを飲みながらエリーゼのためにを弾いたり(正しくは轢いたり)しているが、現在のワインにも保存剤として亜硫酸塩が含まれているものも多い。
亜硫酸塩とは何か?
ChatGPTでは下記のように人によってはアレルギーや頭痛の原因になることもありうるが頭痛の場合はアルコールそのものが主要因という説もある。米国と日本の基準は同じだが、EUはやや低い。白ワインの甘いものは多めに入っているようだが、赤ワインは少ない。いずれも気にするほどの量ではないし、重金属が入っているわけではないので普通は安心して飲めるだろう。温泉を飲むよりはだいぶ少ないようだ。
EUの白ワイン最大SO2濃度は400㎎/L
療養硫酸泉のSO2濃度は200㎎/L
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亜硫酸塩とは何か
亜硫酸塩は以下のような化合物の総称です:
亜硫酸ナトリウム(Na₂SO₃)
亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO₃)
二酸化硫黄(SO₂) ← ワインに最もよく使われる形態
これらは食品添加物として「酸化防止剤(表示例:酸化防止剤(亜硫酸塩))」のカテゴリーに分類されています。
🍷 ワインにおける役割
✅ 主な目的:
酸化防止:香りや風味の劣化防止。
殺菌作用:酵母やバクテリアの繁殖防止。
熟成コントロール:酸化を遅らせることで品質保持。
✅ 使用量:
法律で上限が決まっており、通常はワイン1リットルあたり10~350mg程度。
自然派ワイン(ナチュラルワイン)では無添加または極少量に抑えられていることもあります。
⚠️ 有害性やリスクは?
通常の摂取量では一般の人にとって安全とされていますが、以下のような注意点があります。
一部の人にとってのリスク:
リスク 内容
アレルギー様反応 喘息や皮膚のかゆみ、じんましんなどが起きることがあります(特に喘息持ちの人にリスクあり)
頭痛 ワインの摂取後の頭痛の原因とされることがありますが、エタノールやヒスタミンの方が主要因という説もあります
過剰摂取時の影響 大量摂取すると胃腸障害などが報告されるが、食品中の量では現実的に起こりにくい
長崎と広島の発がんリスク差の原因は? ― 2025年07月26日 10:24
昨日の朝のNHKでも長崎の女性被ばく者のがん発症率が高いという趣旨の報道があった。
なぜ、長崎女性被ばく者の発がん率が高いのか、広島被ばく女性ではそこまで高くないようなのに、その差はどこから来るのか。
統計データ上は確かにかなりの差があるようだ。
男女平均でも大きな傾向の違いがある。(本ブログ1月27日記事等)
ではこの原因はどこにあるのか、1月27日ブログでは線量評価データ自体の問題を指摘したが、ほかにも可能性はありそうだ。
それは以下の3点である。
(1)残留α放射能の違い
(2)中性子源の違い
(3)爆発時間の違い
(1)残留α放射能の違い
広島原爆はTNT換算で約16キロトン、長崎原爆は約21キロトンと言われており、核分裂生成物の発生量には大きな差はない。また、核分裂生成物からの放射能は1か月単位で崩壊していくので仮に空気中に残っていても被ばく影響は小さく、広島長崎の発がんリスクの差を説明できそうにない。
しかし、両原爆の核物質には大きな相違がある。
広島原爆は主にウラン‐235であり、長崎原爆はプルトニウムー239
である。原爆が爆発してもすべてのこれらの物質が核分裂するわけではなく、その消費割合は下記のChatGPTとのQ&A1によれば広島で最大1.5%、長崎原爆で最大約20%である。即ち、
残留量は
広島で約63kg
長崎で約5kgとなる。
これらは重金属なので簡単には拡散せず、爆心付近に落下した可能性がある。各物質の半減期と放出されるα粒子のエネルギーは
ウラン‐235 7億年 αエネルギー約4.3MeV
プルトニウム‐239 7万4千年 αエネルギー約5.1MeV
で長崎原爆のほうが量は一桁少ないが、半減期は4桁小さいので、残留放射能のα線源強度としては、広島原爆に比べ
長崎原爆が3桁高く、
ベクレル数では
広島原爆 20MBq
長崎原爆 1.2GBq
になる。仮に爆心付近に落下したこれらのα放射体を吸入したとすれば、α粒子による発がんリスクは長崎のほうが3桁高いということになる。
しかし、現在の被ばく評価では、爆発時の即発ガンマ線及び即発中性子による被ばく量しか対象にしておらず、この被ばく量と発がんリスクだけを関係づけているので、両原爆におけるこのα粒子吸入による効果は無視されている。
福島事故でも放出されたセシウムの強度は半減期とは関係なく低下している。同様に、仮に両原爆の残留放射能が爆心付近に落下しても現在では検出されないであろう。
(2)中性子源の違い
長崎型原爆はプルトニウム原爆であるため、不完全爆発を防ぐために中性子源を広島型(ウラン原爆)より数倍多く含んでいた。即ち、爆縮後に中性子を大量にプルトニウムに注入して、瞬間的に爆発させるという工夫である。このため、下記ChatGPTとのQ&A2によれば、長崎型では
ポロニウム(Po-210)は約50Ci(1.9GBq)
含まれており、
一方、広島型は明確ではないが
ポロニウム(Po-210)は数Ci(0.1GBq程度)
しか含まれていないようである。
Po-210とは半減期138日で5.2MeVのα粒子を発生する放射性物質である。このα粒子がベリリウムと爆発の瞬間に混合して大量の中性子を発生する。
すべてのポロニウムが瞬時になくなるわけではない。半減期が138日ということは、爆発の瞬間にはほぼ製造時と同じだけ残っており、爆発後も付近に拡散してしまったために、被ばく者が吸入した可能性も考えられる。
要因(1)(2)をまとめると、長崎型原爆ではポロニウムは上記のプルトニウムよりもベクレル数では1.6倍大きいので爆心付近に落下して吸入した場合にはプルトニウムよりも影響が大きい。
ポロニウム、プルトニウムともに長崎原爆の被ばく評価では無視されている。測定もすでにできない状態だが、仮に爆心付近に落下して被ばく者が吸入していれば、広島との発がんリスクの差を説明する有力な要因となろう。
(3)の爆発時間については、特に定量化は困難だが、放射線影響研究所による各原爆の爆発時間は1μ秒以下とされている。
ChatGPTによる下記Q&A3によれば、爆発時間(即発放射線を放出している時間)は
広島原爆:0.8μ秒
長崎原爆:0.5μ秒
である。長崎原爆/広島原爆の出力比はTNT換算で21/16=1.3
なので、長崎原爆/広島原爆の時間線量率としては、
0.8/0.5×1.3=2.1倍
となる。
下記リンクに引用されている論文で解説されているように、時間線量率ががんリスクに影響するとすると、数倍の相違の影響の可能性がある。但しマウスとヒトでは影響度が異なるかもしれない。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
Q&A1
***************************
Q:広島原爆、長崎原爆の各々について、核分裂したウラン、プルトニウムの割合はどの程度だったでしょうか。
ChatGPT:
はい、ご質問の「広島原爆・長崎原爆において、投下された核物質のうち実際に核分裂した割合」は、非常に重要な工学的・物理学的ポイントです。
✅ 結論:核分裂した核物質の割合(推定)
原爆 使用核物質 全体の核物質量 核分裂した量 核分裂割合
広島(リトルボーイ) ウラン-235 約 64 kg 約 0.6~1 kg 約 1%〜1.5%
長崎(ファットマン) プルトニウム-239 約 6.2 kg 約 1 kg 約 15%〜20%
****************************
Q&A2
**************************
Q:LittleBoyに中性子源はないということでしたが、https:/en.wikipedia/wiki/Little_Boy#Assembly_detailsの図にはPolonium-Beryllium Initiatorが含まれていますがどちらが正しいですか
ChatGPT:
結論(先にポイントだけ)
最終的に実戦で投下された Little?Boy には、確かにポロニウムーベリリウム (PoーBe) の内部中性子源が取り付けられていました。
コードネーム “ABNER”。4 個の小型カプセルがターゲット側(細い「スパイク」=インサート)の周囲にねじ込まれていました。
ウィキペディア
ただし 設計当初は「中性子源は不要」と考えられており、後から“保険”として追加された ため、
① 一部の技術史・解説書は「Little?Boy にはイニシエータが無かった」と書く
② Wikipedia などの図面には “Polonium?Beryllium Initiator” が描かれている
という 二つの記述が混在 しています。
両方とも背景を踏まえれば矛盾しません。
なぜ「不要」とされていたのか
ウラン?235 は自発核分裂で毎秒約70n/g の中性子を放出します。
ガン型は部材が合体するまで約1ms かかるので、「背景中性子だけでも連鎖反応はほぼ確実に発生する」と見積もられていました。
したがって ABNER が無くても爆発は起きる → 1945 年の Smyth Report や戦後しばらくの公開資料では中性子源に触れていません。
それでも「付けることにした」理由
課題 ABNER 追加で得られたメリット
統計ゆらぎ:背景中性子が少ない瞬間に合体すると出力が数 % 落ちる恐れのため、衝突と同時に 10の2~10の3乗 個の中性子を一括注入し、再現性を確保
早期暴発(プレデトネーション):合体途中で中性子が入ると出力が下がる Po‐Be カプセルは衝突時の衝撃で初めて混合→タイミングを固定
安全性:機体事故時に臨界にならないよう余剰反応度は小さい 追加しても臨界裕度への影響は無視できる程度
ABNER は Po‐210 を数Ci 程度しか使わず、プルトニウム爆弾の「Urchin」(約50Ci)よりずっと小さい簡易な構造でした。
“後付け・少量” という経緯が「無かった」とする誤解を助長した、と言われます。
ウィキペディア
情報が食い違う背景
機密指定の長期化
Fat?Man 用「Urchin」は 1940?50 年代に断片的に公開されたのに対し、ABNER の詳細は 1990 年代後半まで公式には言及されませんでした。
早期の技術史が Smyth Report に依存
そこにイニシエータが載っていないため、派生解説も「Little?Boy には無い」と記述しがち。
近年の再構築研究(J.Coster Mullen など)
散逸していた組立手順の図面・Tinian での証言を統合し、Po‐Be カプセルの存在を実証。
この成果が Wikipedia の図や最新の専門書に反映され、「ある」説が主流になった。
まとめ
観点 内容
最終仕様 4 個のポロニウムーベリリウム (ABNER) イニシエータあり
技術的必須性 ほぼ不要 だったが出力の安定化と保険のため追加
資料の食い違い 初期公開資料に記載が無かった + 機密解除時期の差
したがって 「イニシエータなし」も「あり」も、どの段階の情報を指しているかによって正否が変わる、というのが結論です。
**************************
Q&A3
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広島型原爆の爆発時間は?
ChatGPT:
広島型原爆(リトルボーイ:Little Boy)の「爆発時間」とは何を意味するかによって異なりますが、主に次の3段階に分けて説明できます。
🔷 ① 核分裂連鎖反応の持続時間
本当の「核爆発時間」、すなわち連鎖反応によってエネルギーが放出されている時間です。
ウラン235の核分裂は1世代ごとにおよそ 10ナノ秒(ns)= 0.00000001秒。
核爆発ではおよそ40〜80世代の連鎖反応が続くとされているため:
10 ns×80=約0.8 μs
10 ns×80=約0.8 μs
▶ 答え:核爆発そのものの持続時間は約0.7〜1マイクロ秒(μs)程度。
🔷 ② 光・放射線の初期放出時間
放出されるガンマ線、中性子、X線は光速で放出されるため、発生直後の1マイクロ秒以内に周囲数百メートルに達します。
このため、「初期放射線の照射時間」もおおよそ1〜2マイクロ秒程度です。
🔷 ③ 火球形成・爆発として目に見える時間
核分裂で発生した熱と圧力が空気を加熱して火球(fireball)を形成。
火球が10メートル超に膨らむまでに約1ミリ秒(0.001秒)。
数百メートルに達するのに約1秒前後かかります。
▶ 目に見える「爆発の時間」は数ミリ秒〜数秒。
🔶 まとめ表
現象 広島型原爆での時間
核分裂連鎖反応 約 0.7〜1 マイクロ秒
初期放射線の放出 約 1〜2 マイクロ秒
火球形成開始 約 0.1〜1 ミリ秒
火球の最大展開 約 1〜2 秒
衝撃波が地上に到達 爆心直下なら 0.1〜0.3 秒程度
🔍補足
爆発時間という言葉が「核エネルギーの解放に要する時間(連鎖反応の時間)」を意味するなら、1マイクロ秒以内です。
広島の原爆では、約63 kgのウランのうち約800 gが核分裂し、そのほとんどのエネルギーが1マイクロ秒足らずで一気に放出されたと考えられています。
必要であれば、**火球の温度・成長モデル(Taylor–Sedov解)**や、DS02の放射線パルスモデルについてもご紹介できます。
あなた:
長崎型原爆の爆発時間は?
ChatGPT:
長崎型原爆(ファットマン:Fat Man)の「爆発時間」も、広島型と同様に、次のように3つの段階で考えると正確に理解できます。
🔷 ① 核分裂連鎖反応の持続時間(=本当の核爆発時間)
使用核種:プルトニウム239(Pu-239)
プルトニウムの核分裂連鎖反応もウラン同様、1世代あたり約10ナノ秒(ns)。
連鎖反応は約40〜50世代で終了(Puの特性上、世代数はやや少ない)。
10 ns×50=約0.5 μs
10 ns×50=約0.5 μs
▶ 答え:核分裂反応そのものの持続時間は約 0.5 マイクロ秒(μs)以内
🔷 ② 初期放射線の放出時間
核反応と同時に、中性子線・ガンマ線・X線が光速で周囲に放出される。
**爆縮が完了し、臨界状態に到達した瞬間(μs単位)**に全方向に放出。
▶ およそ 1〜2 マイクロ秒以内に放射線放出が完了。
🔷 ③ 火球形成と爆風拡散(視覚的な爆発時間)
核分裂で放出されたエネルギーが周囲の空気を加熱し、**火球(fireball)**を形成。
初期の膨張速度は超音速。直径10メートル以上に膨張するまでに:
約1ミリ秒(0.001秒)
約1ミリ秒(0.001秒)
最大火球(200〜300 m)には1〜2 秒程度かかる。
衝撃波は空気中を秒速330 m程度で進むため、爆心地近傍への衝撃波到達は0.1〜0.5秒。
✅ 時間スケールまとめ(長崎型)
現象 時間
核分裂連鎖反応 約 0.5 μs(マイクロ秒)
初期放射線放出 約 1〜2 μs
火球形成開始 約 0.1〜1 ms(ミリ秒)
火球最大膨張 約 1〜2 秒
衝撃波到達(地表) 約 0.1〜0.5 秒(距離に依存)
🔍 特徴的な違い(広島型との比較)
要素 広島型(ウラン) 長崎型(プルトニウム)
核分裂持続時間 約 0.7〜1 μs 約 0.5 μs
反応の速さ やや遅い 非常に速い(爆縮による高密度)
爆発効率 約 1.38%(約800g分裂) 約 13%(約1.0kg分裂)
中性子源 不使用(自然中性子) Po-Be中性子源を精密タイミングで使用
🔬 補足:ファットマンの爆縮過程
ファットマンは爆縮型で、爆薬による対称圧縮でプルトニウム球を臨界まで縮小。
この爆縮プロセスは約10〜20マイクロ秒で完了し、その直後に核反応が一気に開始。
爆縮タイミングが早すぎても遅すぎても、核反応が不完全になってしまうため、中性子源の発火タイミングが極めて重要。
なぜ、長崎女性被ばく者の発がん率が高いのか、広島被ばく女性ではそこまで高くないようなのに、その差はどこから来るのか。
統計データ上は確かにかなりの差があるようだ。
男女平均でも大きな傾向の違いがある。(本ブログ1月27日記事等)
ではこの原因はどこにあるのか、1月27日ブログでは線量評価データ自体の問題を指摘したが、ほかにも可能性はありそうだ。
それは以下の3点である。
(1)残留α放射能の違い
(2)中性子源の違い
(3)爆発時間の違い
(1)残留α放射能の違い
広島原爆はTNT換算で約16キロトン、長崎原爆は約21キロトンと言われており、核分裂生成物の発生量には大きな差はない。また、核分裂生成物からの放射能は1か月単位で崩壊していくので仮に空気中に残っていても被ばく影響は小さく、広島長崎の発がんリスクの差を説明できそうにない。
しかし、両原爆の核物質には大きな相違がある。
広島原爆は主にウラン‐235であり、長崎原爆はプルトニウムー239
である。原爆が爆発してもすべてのこれらの物質が核分裂するわけではなく、その消費割合は下記のChatGPTとのQ&A1によれば広島で最大1.5%、長崎原爆で最大約20%である。即ち、
残留量は
広島で約63kg
長崎で約5kgとなる。
これらは重金属なので簡単には拡散せず、爆心付近に落下した可能性がある。各物質の半減期と放出されるα粒子のエネルギーは
ウラン‐235 7億年 αエネルギー約4.3MeV
プルトニウム‐239 7万4千年 αエネルギー約5.1MeV
で長崎原爆のほうが量は一桁少ないが、半減期は4桁小さいので、残留放射能のα線源強度としては、広島原爆に比べ
長崎原爆が3桁高く、
ベクレル数では
広島原爆 20MBq
長崎原爆 1.2GBq
になる。仮に爆心付近に落下したこれらのα放射体を吸入したとすれば、α粒子による発がんリスクは長崎のほうが3桁高いということになる。
しかし、現在の被ばく評価では、爆発時の即発ガンマ線及び即発中性子による被ばく量しか対象にしておらず、この被ばく量と発がんリスクだけを関係づけているので、両原爆におけるこのα粒子吸入による効果は無視されている。
福島事故でも放出されたセシウムの強度は半減期とは関係なく低下している。同様に、仮に両原爆の残留放射能が爆心付近に落下しても現在では検出されないであろう。
(2)中性子源の違い
長崎型原爆はプルトニウム原爆であるため、不完全爆発を防ぐために中性子源を広島型(ウラン原爆)より数倍多く含んでいた。即ち、爆縮後に中性子を大量にプルトニウムに注入して、瞬間的に爆発させるという工夫である。このため、下記ChatGPTとのQ&A2によれば、長崎型では
ポロニウム(Po-210)は約50Ci(1.9GBq)
含まれており、
一方、広島型は明確ではないが
ポロニウム(Po-210)は数Ci(0.1GBq程度)
しか含まれていないようである。
Po-210とは半減期138日で5.2MeVのα粒子を発生する放射性物質である。このα粒子がベリリウムと爆発の瞬間に混合して大量の中性子を発生する。
すべてのポロニウムが瞬時になくなるわけではない。半減期が138日ということは、爆発の瞬間にはほぼ製造時と同じだけ残っており、爆発後も付近に拡散してしまったために、被ばく者が吸入した可能性も考えられる。
要因(1)(2)をまとめると、長崎型原爆ではポロニウムは上記のプルトニウムよりもベクレル数では1.6倍大きいので爆心付近に落下して吸入した場合にはプルトニウムよりも影響が大きい。
ポロニウム、プルトニウムともに長崎原爆の被ばく評価では無視されている。測定もすでにできない状態だが、仮に爆心付近に落下して被ばく者が吸入していれば、広島との発がんリスクの差を説明する有力な要因となろう。
(3)の爆発時間については、特に定量化は困難だが、放射線影響研究所による各原爆の爆発時間は1μ秒以下とされている。
ChatGPTによる下記Q&A3によれば、爆発時間(即発放射線を放出している時間)は
広島原爆:0.8μ秒
長崎原爆:0.5μ秒
である。長崎原爆/広島原爆の出力比はTNT換算で21/16=1.3
なので、長崎原爆/広島原爆の時間線量率としては、
0.8/0.5×1.3=2.1倍
となる。
下記リンクに引用されている論文で解説されているように、時間線量率ががんリスクに影響するとすると、数倍の相違の影響の可能性がある。但しマウスとヒトでは影響度が異なるかもしれない。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2016.1164635
Q&A1
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Q:広島原爆、長崎原爆の各々について、核分裂したウラン、プルトニウムの割合はどの程度だったでしょうか。
ChatGPT:
はい、ご質問の「広島原爆・長崎原爆において、投下された核物質のうち実際に核分裂した割合」は、非常に重要な工学的・物理学的ポイントです。
✅ 結論:核分裂した核物質の割合(推定)
原爆 使用核物質 全体の核物質量 核分裂した量 核分裂割合
広島(リトルボーイ) ウラン-235 約 64 kg 約 0.6~1 kg 約 1%〜1.5%
長崎(ファットマン) プルトニウム-239 約 6.2 kg 約 1 kg 約 15%〜20%
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Q&A2
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Q:LittleBoyに中性子源はないということでしたが、https:/en.wikipedia/wiki/Little_Boy#Assembly_detailsの図にはPolonium-Beryllium Initiatorが含まれていますがどちらが正しいですか
ChatGPT:
結論(先にポイントだけ)
最終的に実戦で投下された Little?Boy には、確かにポロニウムーベリリウム (PoーBe) の内部中性子源が取り付けられていました。
コードネーム “ABNER”。4 個の小型カプセルがターゲット側(細い「スパイク」=インサート)の周囲にねじ込まれていました。
ウィキペディア
ただし 設計当初は「中性子源は不要」と考えられており、後から“保険”として追加された ため、
① 一部の技術史・解説書は「Little?Boy にはイニシエータが無かった」と書く
② Wikipedia などの図面には “Polonium?Beryllium Initiator” が描かれている
という 二つの記述が混在 しています。
両方とも背景を踏まえれば矛盾しません。
なぜ「不要」とされていたのか
ウラン?235 は自発核分裂で毎秒約70n/g の中性子を放出します。
ガン型は部材が合体するまで約1ms かかるので、「背景中性子だけでも連鎖反応はほぼ確実に発生する」と見積もられていました。
したがって ABNER が無くても爆発は起きる → 1945 年の Smyth Report や戦後しばらくの公開資料では中性子源に触れていません。
それでも「付けることにした」理由
課題 ABNER 追加で得られたメリット
統計ゆらぎ:背景中性子が少ない瞬間に合体すると出力が数 % 落ちる恐れのため、衝突と同時に 10の2~10の3乗 個の中性子を一括注入し、再現性を確保
早期暴発(プレデトネーション):合体途中で中性子が入ると出力が下がる Po‐Be カプセルは衝突時の衝撃で初めて混合→タイミングを固定
安全性:機体事故時に臨界にならないよう余剰反応度は小さい 追加しても臨界裕度への影響は無視できる程度
ABNER は Po‐210 を数Ci 程度しか使わず、プルトニウム爆弾の「Urchin」(約50Ci)よりずっと小さい簡易な構造でした。
“後付け・少量” という経緯が「無かった」とする誤解を助長した、と言われます。
ウィキペディア
情報が食い違う背景
機密指定の長期化
Fat?Man 用「Urchin」は 1940?50 年代に断片的に公開されたのに対し、ABNER の詳細は 1990 年代後半まで公式には言及されませんでした。
早期の技術史が Smyth Report に依存
そこにイニシエータが載っていないため、派生解説も「Little?Boy には無い」と記述しがち。
近年の再構築研究(J.Coster Mullen など)
散逸していた組立手順の図面・Tinian での証言を統合し、Po‐Be カプセルの存在を実証。
この成果が Wikipedia の図や最新の専門書に反映され、「ある」説が主流になった。
まとめ
観点 内容
最終仕様 4 個のポロニウムーベリリウム (ABNER) イニシエータあり
技術的必須性 ほぼ不要 だったが出力の安定化と保険のため追加
資料の食い違い 初期公開資料に記載が無かった + 機密解除時期の差
したがって 「イニシエータなし」も「あり」も、どの段階の情報を指しているかによって正否が変わる、というのが結論です。
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Q&A3
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広島型原爆の爆発時間は?
ChatGPT:
広島型原爆(リトルボーイ:Little Boy)の「爆発時間」とは何を意味するかによって異なりますが、主に次の3段階に分けて説明できます。
🔷 ① 核分裂連鎖反応の持続時間
本当の「核爆発時間」、すなわち連鎖反応によってエネルギーが放出されている時間です。
ウラン235の核分裂は1世代ごとにおよそ 10ナノ秒(ns)= 0.00000001秒。
核爆発ではおよそ40〜80世代の連鎖反応が続くとされているため:
10 ns×80=約0.8 μs
10 ns×80=約0.8 μs
▶ 答え:核爆発そのものの持続時間は約0.7〜1マイクロ秒(μs)程度。
🔷 ② 光・放射線の初期放出時間
放出されるガンマ線、中性子、X線は光速で放出されるため、発生直後の1マイクロ秒以内に周囲数百メートルに達します。
このため、「初期放射線の照射時間」もおおよそ1〜2マイクロ秒程度です。
🔷 ③ 火球形成・爆発として目に見える時間
核分裂で発生した熱と圧力が空気を加熱して火球(fireball)を形成。
火球が10メートル超に膨らむまでに約1ミリ秒(0.001秒)。
数百メートルに達するのに約1秒前後かかります。
▶ 目に見える「爆発の時間」は数ミリ秒〜数秒。
🔶 まとめ表
現象 広島型原爆での時間
核分裂連鎖反応 約 0.7〜1 マイクロ秒
初期放射線の放出 約 1〜2 マイクロ秒
火球形成開始 約 0.1〜1 ミリ秒
火球の最大展開 約 1〜2 秒
衝撃波が地上に到達 爆心直下なら 0.1〜0.3 秒程度
🔍補足
爆発時間という言葉が「核エネルギーの解放に要する時間(連鎖反応の時間)」を意味するなら、1マイクロ秒以内です。
広島の原爆では、約63 kgのウランのうち約800 gが核分裂し、そのほとんどのエネルギーが1マイクロ秒足らずで一気に放出されたと考えられています。
必要であれば、**火球の温度・成長モデル(Taylor–Sedov解)**や、DS02の放射線パルスモデルについてもご紹介できます。
あなた:
長崎型原爆の爆発時間は?
ChatGPT:
長崎型原爆(ファットマン:Fat Man)の「爆発時間」も、広島型と同様に、次のように3つの段階で考えると正確に理解できます。
🔷 ① 核分裂連鎖反応の持続時間(=本当の核爆発時間)
使用核種:プルトニウム239(Pu-239)
プルトニウムの核分裂連鎖反応もウラン同様、1世代あたり約10ナノ秒(ns)。
連鎖反応は約40〜50世代で終了(Puの特性上、世代数はやや少ない)。
10 ns×50=約0.5 μs
10 ns×50=約0.5 μs
▶ 答え:核分裂反応そのものの持続時間は約 0.5 マイクロ秒(μs)以内
🔷 ② 初期放射線の放出時間
核反応と同時に、中性子線・ガンマ線・X線が光速で周囲に放出される。
**爆縮が完了し、臨界状態に到達した瞬間(μs単位)**に全方向に放出。
▶ およそ 1〜2 マイクロ秒以内に放射線放出が完了。
🔷 ③ 火球形成と爆風拡散(視覚的な爆発時間)
核分裂で放出されたエネルギーが周囲の空気を加熱し、**火球(fireball)**を形成。
初期の膨張速度は超音速。直径10メートル以上に膨張するまでに:
約1ミリ秒(0.001秒)
約1ミリ秒(0.001秒)
最大火球(200〜300 m)には1〜2 秒程度かかる。
衝撃波は空気中を秒速330 m程度で進むため、爆心地近傍への衝撃波到達は0.1〜0.5秒。
✅ 時間スケールまとめ(長崎型)
現象 時間
核分裂連鎖反応 約 0.5 μs(マイクロ秒)
初期放射線放出 約 1〜2 μs
火球形成開始 約 0.1〜1 ms(ミリ秒)
火球最大膨張 約 1〜2 秒
衝撃波到達(地表) 約 0.1〜0.5 秒(距離に依存)
🔍 特徴的な違い(広島型との比較)
要素 広島型(ウラン) 長崎型(プルトニウム)
核分裂持続時間 約 0.7〜1 μs 約 0.5 μs
反応の速さ やや遅い 非常に速い(爆縮による高密度)
爆発効率 約 1.38%(約800g分裂) 約 13%(約1.0kg分裂)
中性子源 不使用(自然中性子) Po-Be中性子源を精密タイミングで使用
🔬 補足:ファットマンの爆縮過程
ファットマンは爆縮型で、爆薬による対称圧縮でプルトニウム球を臨界まで縮小。
この爆縮プロセスは約10〜20マイクロ秒で完了し、その直後に核反応が一気に開始。
爆縮タイミングが早すぎても遅すぎても、核反応が不完全になってしまうため、中性子源の発火タイミングが極めて重要。
お犬様と床屋の相関関係 ― 2025年07月19日 04:02
先日、髪が伸びた(と言っても部分的で、大半は剥げているが)と言われたので、近所の床屋を探し回った。最近、引っ越したので床屋事情には疎かったのである。
それで30分ほど探し回った。結局、JRの駅にたどり着き、ここならあるだろうと隣接の大型モールの中を探してみた。しかし、床屋は見当たらない。外に出てみると一角にハサミと櫛の描かれた看板がある。やっと見つかったと思って近くまで行ったら、なんとそこはお犬様用のカットハウスだった。ガッカリして家に帰ろうとしたら通りを挟んだ(駅からさらに遠いビルの一角に小さな床屋を見つけた。
遂にヒトよりもお犬様が優遇される時代になったのが身に染みた。
実際、床屋はどこや、いや、どこに行ってしまったのだろうか。普通の床屋が街から消えている。従来型の床屋さんの老齢化で閉店が相次いでいるのに加え、高級店、低価格店の2極分化で床屋の数自体が減少しているのだろう。
あのリクライニング椅子に横たわり、髭剃りの気持ちよさを味わいながらゆったりした至福の時間を過ごすことは大枚を払わないとできない時代になったのだろう。
それはお犬様だけの特権になったのだろうか。相関関係をChatGPTに聞いてみると、下のほうに書いたように、カット技術者の床屋からペットサロンへの転職のような若干の因果関係もあるが、相反するような事象ではないようだ。
ただ、犬の飼育数も減っているので、今後ペットサロンも減っていくのかもしれない。時代は移る諸行無常はカット業界も同じということだろう。
以下はChatGPTの業界比較データ
***********************
以下の最新統計データをもとに、日本の「理容所(床屋)」と「犬のペットサロン・トリミングサロン」の状況を比較表でまとめました📊
🔍 統計比較表(最新)
(1)項目 理容所(床屋)
店舗数(2023年度末) 約110,297~112,468軒(前年比 −1.7~1.9%減)
内閣府ホームページ
店舗の推移 2012年以降11年連続減少。2024年は前年比1.7%減
主な要因 高齢化・後継者不足・若者の美容室志向
(2)ペットサロン・トリミングサロン
約20,000~25,000軒(2015年時点で2万件超、増加中)
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
店舗の推移 2012年比で12%増。コロナ禍以降さらに拡大傾向
主な要因 ペットの家族化・都市部での需要増・飼い主の支出増加
📈 詳細と解説
理容所(床屋)
2023年時点で年間約2,200~1,935店舗減少し、11万〜11.2万軒にまで継続して減少中
。
1990年代後半から減少し続け、廃業・後継者不在が主要因
kokusaibunka.ac.jp
。
ペットサロン
2015年時点で既に全国に2万店舗以上存在し、2020年代に急拡大中。
「セルフカットに対しプロの仕上がりが違う」「手間を省きたい」など、飼い主のニーズが多様化
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
。
✅ 結論
相反ではなく対照的な動き:
理容所は減少傾向、ペットサロンは増加傾向という明確な対比がありますが、サービス対象や市場背景が異なるため「相反」とは言い切れません。
社会背景の差:
理容所の減少は人口・業界構造の変化によるもの。一方、ペットサロンの増加はライフスタイルの変化や価値観の変化によるものです。
技術の転用可能性:
理容師がトリミング技術に転身するケースもあり、まったく無関係ではなく、むしろ補完・派生的な関係とも捉えられます。
📝 補足:犬の飼育頭数
2009年頃は約688万頭がピークでしたが、2022年時点では約610万頭まで減少傾向
内閣府ホームページ
。
飼育頭数が減少しても、飼い主一頭あたりの支出が増えたことでペット市場は拡大しています。
***************************
それで30分ほど探し回った。結局、JRの駅にたどり着き、ここならあるだろうと隣接の大型モールの中を探してみた。しかし、床屋は見当たらない。外に出てみると一角にハサミと櫛の描かれた看板がある。やっと見つかったと思って近くまで行ったら、なんとそこはお犬様用のカットハウスだった。ガッカリして家に帰ろうとしたら通りを挟んだ(駅からさらに遠いビルの一角に小さな床屋を見つけた。
遂にヒトよりもお犬様が優遇される時代になったのが身に染みた。
実際、床屋はどこや、いや、どこに行ってしまったのだろうか。普通の床屋が街から消えている。従来型の床屋さんの老齢化で閉店が相次いでいるのに加え、高級店、低価格店の2極分化で床屋の数自体が減少しているのだろう。
あのリクライニング椅子に横たわり、髭剃りの気持ちよさを味わいながらゆったりした至福の時間を過ごすことは大枚を払わないとできない時代になったのだろう。
それはお犬様だけの特権になったのだろうか。相関関係をChatGPTに聞いてみると、下のほうに書いたように、カット技術者の床屋からペットサロンへの転職のような若干の因果関係もあるが、相反するような事象ではないようだ。
ただ、犬の飼育数も減っているので、今後ペットサロンも減っていくのかもしれない。時代は移る諸行無常はカット業界も同じということだろう。
以下はChatGPTの業界比較データ
***********************
以下の最新統計データをもとに、日本の「理容所(床屋)」と「犬のペットサロン・トリミングサロン」の状況を比較表でまとめました📊
🔍 統計比較表(最新)
(1)項目 理容所(床屋)
店舗数(2023年度末) 約110,297~112,468軒(前年比 −1.7~1.9%減)
内閣府ホームページ
店舗の推移 2012年以降11年連続減少。2024年は前年比1.7%減
主な要因 高齢化・後継者不足・若者の美容室志向
(2)ペットサロン・トリミングサロン
約20,000~25,000軒(2015年時点で2万件超、増加中)
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
店舗の推移 2012年比で12%増。コロナ禍以降さらに拡大傾向
主な要因 ペットの家族化・都市部での需要増・飼い主の支出増加
📈 詳細と解説
理容所(床屋)
2023年時点で年間約2,200~1,935店舗減少し、11万〜11.2万軒にまで継続して減少中
。
1990年代後半から減少し続け、廃業・後継者不在が主要因
kokusaibunka.ac.jp
。
ペットサロン
2015年時点で既に全国に2万店舗以上存在し、2020年代に急拡大中。
「セルフカットに対しプロの仕上がりが違う」「手間を省きたい」など、飼い主のニーズが多様化
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
。
✅ 結論
相反ではなく対照的な動き:
理容所は減少傾向、ペットサロンは増加傾向という明確な対比がありますが、サービス対象や市場背景が異なるため「相反」とは言い切れません。
社会背景の差:
理容所の減少は人口・業界構造の変化によるもの。一方、ペットサロンの増加はライフスタイルの変化や価値観の変化によるものです。
技術の転用可能性:
理容師がトリミング技術に転身するケースもあり、まったく無関係ではなく、むしろ補完・派生的な関係とも捉えられます。
📝 補足:犬の飼育頭数
2009年頃は約688万頭がピークでしたが、2022年時点では約610万頭まで減少傾向
内閣府ホームページ
。
飼育頭数が減少しても、飼い主一頭あたりの支出が増えたことでペット市場は拡大しています。
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トルーマンの主目的は日本よりソ連だ ― 2025年07月09日 01:43
原爆投下の目的についてもトランプの誤解は止まらない。
映画オッペンハイマーを見ればよくわかるが、オッペンハイマーの開発したプルトニウム原爆は、米ソ開戦に備えて作ったものである。これは長崎に落とされた。
広島に落とした濃縮ウラン原爆は濃縮工程に時間と手間がかかるので大量生産は不可能である。一方、プルトニウム原爆は化学分離で得られるので、比較的大量に製造できる。
オッペンハイマーが米政府から指示されたのはこのプルトニウム原爆の開発だった。これがないと米ソ冷戦での優位性は保てない。しかし、プルトニウム原爆には物理的に爆発させるのが難しい理由があった。それは爆発に必要な超臨界状態になる前に、プルトニウム同位体の自然崩壊で中性子が発生するため、爆発以前にその中性子の核分裂連鎖反応で熱をある程度発生してしまう。熱膨張すると、原子核の間隔が広がり、その微小な隙間から中性子が体系外に漏洩するので、自動的に未臨界になってしまう。これは現在の原子炉が核爆発しない原理のひとつでもある。
そこで、オッペンハイマーとエドワード・テラーは大量のダイナマイトをプルトニウムの周辺に配置して、同時に圧縮することで、このプルトニウムの自然崩壊による中性子発生が発生するよりも早く、超臨界状態に持っていく技術を開発した。これを爆縮技術と称している。
しかし、この自然崩壊は確率的に生じるため、どこまで早く爆縮すれば超臨界達成が中性子発生よりも早くできるかは、実験しないと確認できない。また、その爆縮速度と自然崩壊の速度の相対関係で、核分裂できるプルトニウム量、即ち、全核爆発エネルギーが決まる。
そのため、テラーを中心に非常に厳密な物理:機械設計を行い、開発した爆縮装置がうまく作動するか1945年7月にネバダ砂漠でプルトニウム原爆の爆発実験を行った。これはトリニティ実験と呼ばれている。だが、困ったことにその核爆発エネルギーの予測精度が不十分で、砂漠周辺に配置した米陸軍兵士には全く影響がなかったのである。(このあたりは映画オッペンハイマーに比較的詳細に描かれており、アインシュタインやロスアラモスの研究者間で予測爆発エネルギーが一桁以上異なっている。)
そこで、米ソ核戦争時の米軍兵士の被ばく影響を確認するには、トリニティをほぼ再現したプルトニウム原爆を作り、これを再実験する必要が出てきた。これが長崎原爆として使われたファットマンと呼ばれる原爆である。爆縮装置が径1メートル以上あり、B-29に何とか収まるサイズになっているのでファットマンなのである。
濃縮ウラン原爆はウランの高濃縮ができれば、プルトニウムのような爆縮問題はないので本体は小さく、リトルボーイと呼ばれたが、ほぼ確実に爆発することは分かっていた。
まず、これを広島に落とし、日本の敗戦を決定づけたが、トルーマンの主目的は対ソ連優位性の確保である。濃縮ウラン原爆を作るには時間がないし、大量生産も不可能である。広大なロシアをつぶすには確実な爆発力を持つプルトニウム原爆が必要だった。広島から日を置かずに、プルトニウム原爆を長崎に落とす理由はここにあったのである。
その結果、日本の無条件降伏を待たずに広島の三日後には長崎に落としたのである。これは人体実験と言えるだろう。
実は長崎原爆の核爆発エネルギーには疑問が出されている。広島・長崎の被ばく生存者の発がんリスクがその後分析され、現在の放射線被ばく基準の基になっているが、そのもととなる放射線発生量の評価は、軍事機密ということで、米国側の専権事項になっている。広島nいある放射線影響研究所の報告書では、長崎原爆の核爆発エネルギーの評価根拠は示されていない。評価結果としてTNT換算21キロトンとなっているが、これはトリニティ実験のTNT換算値20キロトンとほぼ同じ値である。推測するに、同じような値にしなければ、長崎原爆の意味がなく、不安定な原爆であることが示されてしまうので、トルーマンか、オッペンハイマーか或いは関係者のだれかが同じ値にしようと決めたはずだ。
これは単なる推測ではない。広島原爆被ばく生存者の発がんリスクと長崎原爆被ばく生存者の発がんリスクを同じ被ばく線量ごとに比較すると明らかに異なる。(本ブログ2025年1月27日記事等参照)
プルトニウム-239とウラン‐235の核分裂当たりの即発ガンマ線エネルギスペクトルには大きな差はないので、同じ線量なら広島と長崎で発がんリスクに差が出るのはおかしい。即ち、両者の核爆発エネルギ-の評価に意図的な操作がされているとも考えられるのである。
その結果、特に低線量領域では、広島・長崎の被ばく生存者間で、発がんリスクの評価に大きな差が生じてしまう。しかし、統計精度を上げるという名目で、公開されている発がんリスクデータは両市の被ばく生存者を合わせて評価した結果だけである。この結果、長崎の線量評価が(意図的にだろうが)間違っているために、特に低線量領域では不確かさ幅が大きくなり、現在国際放射線委員会(ICRP)が主張しているようなしきい値なし直線モデル(LNTモデル)、即ち、どんな低線量でも発がんリスクがあるというモデルの根拠の一つとなってしまっている。
その結果、福島事故でも災害関連死を生じる結果となり、米国による原爆被害は現在進行形の問題になっている。
トランプがすべきことは、トルーマンを褒めることではなく、米軍総司令官として、長崎原爆の真相を日本側に明らかにすることなのである。
映画オッペンハイマーを見ればよくわかるが、オッペンハイマーの開発したプルトニウム原爆は、米ソ開戦に備えて作ったものである。これは長崎に落とされた。
広島に落とした濃縮ウラン原爆は濃縮工程に時間と手間がかかるので大量生産は不可能である。一方、プルトニウム原爆は化学分離で得られるので、比較的大量に製造できる。
オッペンハイマーが米政府から指示されたのはこのプルトニウム原爆の開発だった。これがないと米ソ冷戦での優位性は保てない。しかし、プルトニウム原爆には物理的に爆発させるのが難しい理由があった。それは爆発に必要な超臨界状態になる前に、プルトニウム同位体の自然崩壊で中性子が発生するため、爆発以前にその中性子の核分裂連鎖反応で熱をある程度発生してしまう。熱膨張すると、原子核の間隔が広がり、その微小な隙間から中性子が体系外に漏洩するので、自動的に未臨界になってしまう。これは現在の原子炉が核爆発しない原理のひとつでもある。
そこで、オッペンハイマーとエドワード・テラーは大量のダイナマイトをプルトニウムの周辺に配置して、同時に圧縮することで、このプルトニウムの自然崩壊による中性子発生が発生するよりも早く、超臨界状態に持っていく技術を開発した。これを爆縮技術と称している。
しかし、この自然崩壊は確率的に生じるため、どこまで早く爆縮すれば超臨界達成が中性子発生よりも早くできるかは、実験しないと確認できない。また、その爆縮速度と自然崩壊の速度の相対関係で、核分裂できるプルトニウム量、即ち、全核爆発エネルギーが決まる。
そのため、テラーを中心に非常に厳密な物理:機械設計を行い、開発した爆縮装置がうまく作動するか1945年7月にネバダ砂漠でプルトニウム原爆の爆発実験を行った。これはトリニティ実験と呼ばれている。だが、困ったことにその核爆発エネルギーの予測精度が不十分で、砂漠周辺に配置した米陸軍兵士には全く影響がなかったのである。(このあたりは映画オッペンハイマーに比較的詳細に描かれており、アインシュタインやロスアラモスの研究者間で予測爆発エネルギーが一桁以上異なっている。)
そこで、米ソ核戦争時の米軍兵士の被ばく影響を確認するには、トリニティをほぼ再現したプルトニウム原爆を作り、これを再実験する必要が出てきた。これが長崎原爆として使われたファットマンと呼ばれる原爆である。爆縮装置が径1メートル以上あり、B-29に何とか収まるサイズになっているのでファットマンなのである。
濃縮ウラン原爆はウランの高濃縮ができれば、プルトニウムのような爆縮問題はないので本体は小さく、リトルボーイと呼ばれたが、ほぼ確実に爆発することは分かっていた。
まず、これを広島に落とし、日本の敗戦を決定づけたが、トルーマンの主目的は対ソ連優位性の確保である。濃縮ウラン原爆を作るには時間がないし、大量生産も不可能である。広大なロシアをつぶすには確実な爆発力を持つプルトニウム原爆が必要だった。広島から日を置かずに、プルトニウム原爆を長崎に落とす理由はここにあったのである。
その結果、日本の無条件降伏を待たずに広島の三日後には長崎に落としたのである。これは人体実験と言えるだろう。
実は長崎原爆の核爆発エネルギーには疑問が出されている。広島・長崎の被ばく生存者の発がんリスクがその後分析され、現在の放射線被ばく基準の基になっているが、そのもととなる放射線発生量の評価は、軍事機密ということで、米国側の専権事項になっている。広島nいある放射線影響研究所の報告書では、長崎原爆の核爆発エネルギーの評価根拠は示されていない。評価結果としてTNT換算21キロトンとなっているが、これはトリニティ実験のTNT換算値20キロトンとほぼ同じ値である。推測するに、同じような値にしなければ、長崎原爆の意味がなく、不安定な原爆であることが示されてしまうので、トルーマンか、オッペンハイマーか或いは関係者のだれかが同じ値にしようと決めたはずだ。
これは単なる推測ではない。広島原爆被ばく生存者の発がんリスクと長崎原爆被ばく生存者の発がんリスクを同じ被ばく線量ごとに比較すると明らかに異なる。(本ブログ2025年1月27日記事等参照)
プルトニウム-239とウラン‐235の核分裂当たりの即発ガンマ線エネルギスペクトルには大きな差はないので、同じ線量なら広島と長崎で発がんリスクに差が出るのはおかしい。即ち、両者の核爆発エネルギ-の評価に意図的な操作がされているとも考えられるのである。
その結果、特に低線量領域では、広島・長崎の被ばく生存者間で、発がんリスクの評価に大きな差が生じてしまう。しかし、統計精度を上げるという名目で、公開されている発がんリスクデータは両市の被ばく生存者を合わせて評価した結果だけである。この結果、長崎の線量評価が(意図的にだろうが)間違っているために、特に低線量領域では不確かさ幅が大きくなり、現在国際放射線委員会(ICRP)が主張しているようなしきい値なし直線モデル(LNTモデル)、即ち、どんな低線量でも発がんリスクがあるというモデルの根拠の一つとなってしまっている。
その結果、福島事故でも災害関連死を生じる結果となり、米国による原爆被害は現在進行形の問題になっている。
トランプがすべきことは、トルーマンを褒めることではなく、米軍総司令官として、長崎原爆の真相を日本側に明らかにすることなのである。
二度も退学の身から見た市長経歴問題 ― 2025年07月08日 01:24
実は私も退学通知を受けたことがある。
今は無くなった(名前が変わった)某大学大学院の博士課程である。
その大学から退学処分に関する通知が来たという記憶がある。退学の意思はなかったのだが、修了期間は正式には3年で、最大在学可能期間の6年間を過ぎたかららしい。或いはひょっとしたら授業料滞納のためだったのかもしれない。 カミさんがこの大学の博士課程への通学を私の道楽とみていたため(確かにそういわれればそうだが)、授業料はこれ以上払わないと宣告されて、その半年ほど前に授業料を払うことを止めていたという記憶もある。このためかもしれない。
従って、私が選挙に出ると仮定した場合、経歴をどう書くべきか、未だに正解は分からない。某大学に聞いてみる必要がある。(もっとも今は別名の大学なのでちゃんとした回答があるか不安だが。)
同じような経歴を持つ人は多いらしく、このような場合に色々と経歴の書き方があるようだ。一番腑に落ちたのが、
修了単位取得退学
といった書き方である。要するに修了に必要な単位は取ったが、いわゆる卒業まではできなかった(博士号がその期間内に取れなかった)ための退学処分である。大学側は学位を在学可能期間内に取らないと退学処分にせざるを得ないらしい。そこを認識しないままダラダラと在学していたのである。
以前、どこかに履歴書を送ってみたが、この経歴の書き方がよくわからなかったので、この某大学での学歴そのものを記載しなかったように思う。
その後、博士号は某大学史上最高年齢(多分)で取れたので、それだけ記したと記憶しているがその履歴書では学歴詐称ぽい気がする。
除籍でないので聞こえは良い?が実態は同じである。
現在は某通信制大学に在学中なのだが、これも最大10年しか在学できないようだ。恐らく卒業までの公式期間は通信教育なので5年であり、その2倍が最大在学期間となっているのだろう。
これもお小遣いの関係で、1年に4単位しか取っていないのであと数年で退学処分をこの大学でも受けることになるはずだ。
この状態のまま、選挙公報に正直な学歴を書くと、退学を2回繰り返したので、如何にこの候補者は悪い奴か、或いは、いかに勉強ができないかが暴露されることになる。(実際それに反論できる論理は持ち合わせていない。)
万が一、そのように事態になったらどうすればいいか、怖いマスコミや評論家の方々に聞いてみたい気がする。
ところで、市長経歴問題の件では、どうして、除籍処分になったのか、退学ではなかったのか、なぜ、大卒と広報誌に書いたのかなど現時点では不明なままだ。次回選挙で再出馬するようだが、その場合、もし、卒業に必要な単位を取得されていたなら、卒業単位取得除籍などと書いたらどうだろうか。授業料を払えずに除籍されたという噂をSNSで流せば、ひょっとしたら、同情票で再当選も夢ではないようにも思う。(某県知事の例もあることだし。)
似たような曖昧な経歴の書き方を公開しているマスコミ関係者、評論家も多いはずだ。
学歴社会の一面をよく著した例として、今後の教訓にもなりそうだ。
だが、このような授業料高騰問題を使った言い訳を許さないためにも、教育の機会均等を強化するためにも、文科省は旧国立大学の独法化を中止し、教育予算を増やして元に戻すべきだろう。
(ところで、国立大学法人横浜国立大学という大学名は、ロシア語で表記すると大学名自体が詐称と言われかねない矛盾した名称に見える。在学生、卒業生に罪はないが文科省はなんとかしてくれるのだろうか。)
今は無くなった(名前が変わった)某大学大学院の博士課程である。
その大学から退学処分に関する通知が来たという記憶がある。退学の意思はなかったのだが、修了期間は正式には3年で、最大在学可能期間の6年間を過ぎたかららしい。或いはひょっとしたら授業料滞納のためだったのかもしれない。 カミさんがこの大学の博士課程への通学を私の道楽とみていたため(確かにそういわれればそうだが)、授業料はこれ以上払わないと宣告されて、その半年ほど前に授業料を払うことを止めていたという記憶もある。このためかもしれない。
従って、私が選挙に出ると仮定した場合、経歴をどう書くべきか、未だに正解は分からない。某大学に聞いてみる必要がある。(もっとも今は別名の大学なのでちゃんとした回答があるか不安だが。)
同じような経歴を持つ人は多いらしく、このような場合に色々と経歴の書き方があるようだ。一番腑に落ちたのが、
修了単位取得退学
といった書き方である。要するに修了に必要な単位は取ったが、いわゆる卒業まではできなかった(博士号がその期間内に取れなかった)ための退学処分である。大学側は学位を在学可能期間内に取らないと退学処分にせざるを得ないらしい。そこを認識しないままダラダラと在学していたのである。
以前、どこかに履歴書を送ってみたが、この経歴の書き方がよくわからなかったので、この某大学での学歴そのものを記載しなかったように思う。
その後、博士号は某大学史上最高年齢(多分)で取れたので、それだけ記したと記憶しているがその履歴書では学歴詐称ぽい気がする。
除籍でないので聞こえは良い?が実態は同じである。
現在は某通信制大学に在学中なのだが、これも最大10年しか在学できないようだ。恐らく卒業までの公式期間は通信教育なので5年であり、その2倍が最大在学期間となっているのだろう。
これもお小遣いの関係で、1年に4単位しか取っていないのであと数年で退学処分をこの大学でも受けることになるはずだ。
この状態のまま、選挙公報に正直な学歴を書くと、退学を2回繰り返したので、如何にこの候補者は悪い奴か、或いは、いかに勉強ができないかが暴露されることになる。(実際それに反論できる論理は持ち合わせていない。)
万が一、そのように事態になったらどうすればいいか、怖いマスコミや評論家の方々に聞いてみたい気がする。
ところで、市長経歴問題の件では、どうして、除籍処分になったのか、退学ではなかったのか、なぜ、大卒と広報誌に書いたのかなど現時点では不明なままだ。次回選挙で再出馬するようだが、その場合、もし、卒業に必要な単位を取得されていたなら、卒業単位取得除籍などと書いたらどうだろうか。授業料を払えずに除籍されたという噂をSNSで流せば、ひょっとしたら、同情票で再当選も夢ではないようにも思う。(某県知事の例もあることだし。)
似たような曖昧な経歴の書き方を公開しているマスコミ関係者、評論家も多いはずだ。
学歴社会の一面をよく著した例として、今後の教訓にもなりそうだ。
だが、このような授業料高騰問題を使った言い訳を許さないためにも、教育の機会均等を強化するためにも、文科省は旧国立大学の独法化を中止し、教育予算を増やして元に戻すべきだろう。
(ところで、国立大学法人横浜国立大学という大学名は、ロシア語で表記すると大学名自体が詐称と言われかねない矛盾した名称に見える。在学生、卒業生に罪はないが文科省はなんとかしてくれるのだろうか。)
ダライ・ラマ自伝の続きを読みたい ― 2025年07月05日 02:00
ダライ・ラマ自伝という本がある。(文春文庫、ダライ・ラマ著、山際素男訳) 衝撃的な本である。
これは輪廻回生の実態を生々しく描いた自伝である。最も印象的だったのは子供のダライ・ラマ14世がチベット仏教の修業させられ、長時間の儀式の中でトイレを我慢するのが辛かったという件である。
幼児のダライ・ラマがチベット仏教の高僧たちの国中の捜索で発見され、家族とともに首都ラサのポタラ宮に運ばれ、それまでの農村の生活から一変する修行の日々を送り、世界中を旅するという波乱の人生が描かれている。
驚くのはその記憶力の良さである。比較はできないが昭和天皇が自伝を著したとして、あの戦争の実態をどこまで描けただろうか。
チベット動乱ののち、ダライ・ラマはインドに亡命するという苦渋の判断をすることになるが、あの共産軍がラサに侵攻し市民が抵抗するもとでの脱出行は、最近のロシアや米国の厳しい国際戦略の歴史をどう受け入れるのかの参考にもなる。
以前はダライ・ラマ14世はこの輪廻回生によるダライ・ラマ制度を自分の代で終わらせるという主旨の発言をしていたはずだ。チベット人民の安泰を考えれば、それも仕方がないと思ったことがある。
それが一転、北京政府の反発を受けることを覚悟のうえで、ダライ・ラマ制の継続を宣言した。その決断は最近の米ロ中の政策の問題点を認識したうえで行われたのだろう。
それがどんな歴史認識のもとに行われたのかあの自伝の続編を読みたいものである。
自分のトイレの苦痛を世界中に公表できるような人(?)は、現在の米ロ中の指導者のような嘘は絶対つかないだろうから、真の歴史的文書となると期待している。
これは輪廻回生の実態を生々しく描いた自伝である。最も印象的だったのは子供のダライ・ラマ14世がチベット仏教の修業させられ、長時間の儀式の中でトイレを我慢するのが辛かったという件である。
幼児のダライ・ラマがチベット仏教の高僧たちの国中の捜索で発見され、家族とともに首都ラサのポタラ宮に運ばれ、それまでの農村の生活から一変する修行の日々を送り、世界中を旅するという波乱の人生が描かれている。
驚くのはその記憶力の良さである。比較はできないが昭和天皇が自伝を著したとして、あの戦争の実態をどこまで描けただろうか。
チベット動乱ののち、ダライ・ラマはインドに亡命するという苦渋の判断をすることになるが、あの共産軍がラサに侵攻し市民が抵抗するもとでの脱出行は、最近のロシアや米国の厳しい国際戦略の歴史をどう受け入れるのかの参考にもなる。
以前はダライ・ラマ14世はこの輪廻回生によるダライ・ラマ制度を自分の代で終わらせるという主旨の発言をしていたはずだ。チベット人民の安泰を考えれば、それも仕方がないと思ったことがある。
それが一転、北京政府の反発を受けることを覚悟のうえで、ダライ・ラマ制の継続を宣言した。その決断は最近の米ロ中の政策の問題点を認識したうえで行われたのだろう。
それがどんな歴史認識のもとに行われたのかあの自伝の続編を読みたいものである。
自分のトイレの苦痛を世界中に公表できるような人(?)は、現在の米ロ中の指導者のような嘘は絶対つかないだろうから、真の歴史的文書となると期待している。
パブリックデプロマシーと福島事故株主訴訟判決 ― 2025年06月05日 17:29
パブリックデプロマシーとは外交の一手段であり、自国の外務担当組織が外国の政府ではなく、外国の国民をターゲットとして密かに世論を操作する外交を意味する言葉である。
第2次世界大戦の末期に、広島・長崎に原爆が投下され多数の被害者がでたが、トルーマン大統領は原爆が如何に怖いものであるかを世界各国の国民に対しパブリックデプロマシ―手法で喧伝したはずである。その結果が、下記の広島と長崎の被ばく影響評価にも表れている。
これは統計ソフトRにより広島の被ばく生存者と長崎の被ばく生存者者の発がんリスクと被ばく線量の関係を分析した結果である。
Table2は広島の男性と女性、Table3は長崎の男性と女性である。ERR coefficient(過剰相対リスク、ここではその線量を1Sv被ばくすることにより発がんするリスクと被ばくなしの場合の比(相対リスク)から1を引いた値として定義されている)とは、負の場合にはがん発生リスクが被ばくしていない人より小さく、正ならば被ばくしていない人より大きい。即ち、正、負が現れればその値が被ばく線量のしきい値となる。それ以下では被ばくによる発がんの影響はないことが統計的に示される。
そのしきい値は両表から
広島男性 約300mSv
広島女性 約125mSv
長崎男性 約80mSv
長崎女性 しきい値なし
となる。
Table2 ERR coeffisients of dose and p-values of solid cancers for Hiroshima via Spline function
dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.626864 1.30E-27 3400 0.935325 1.22E-86
3000 0.613587 7.29E-26 3000 0.947336 9.03E-90
2500 0.614539 5.77E-23 2500 0.972743 7.91E-88
2000 0.625126 3.11E-15 2000 1.026543 2.07E-69
1750 5.99E-01 4.00E-11 1750 1.10E+00 1.17E-59
1500 0.603602 8.20E-09 1500 1.152908 1.80E-50
1250 0.719855 1.12E-09 1250 1.228029 3.00E-40
1000 0.73014 1.24E-06 1000 1.200451 4.19E-24
750 0.637954 2.27E-03 750 1.186411 1.03E-13
500 4.15E-01 1.90E-01 500 1.23E+00 4.17E-07
300 -0.19257 7.22E-01 300 1.114376 8.83E-03 Threshold(Male)
250 -1.02844 1.55E-01 250 1.153326 2.69E-02
200 -1.50386 8.91E-02 200 -0.06102 9.22E-01
175 -2.24547 2.87E-02 175 1.011429 1.76E-01
150 -2.31155 4.35E-02 150 0.436493 6.28E-01
125 -1.32696 2.83E-01 125 -1.64508 1.88E-01 Threshold(Female)
100 -1.42975 3.42E-01 100 -1.31729 3.90E-01
80 -2.99334 1.30E-01 80 0.263215 8.71E-01
60 -2.74788 2.89E-01 60 -1.47104 5.15E-01
40 -13.175 1.12E-02 40 -8.23619 3.44E-02
20 -14.248 1.17E-01 20 -12.4608 9.87E-02
5 -67.7187 1.85E-01 5 -10.2604 7.71E-01
Table3 ERR coefficients of dose and p-values of solid cancers for Nagasaki via Spline function
dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.559405 5.01E-11 3400 0.715194 7.16E-20
3000 0.551134 1.82E-10 3000 0.718689 7.58E-20
2500 0.523384 4.10E-08 2500 0.782139 7.29E-22
2000 0.55147 4.49E-07 2000 0.91559 1.63E-23
1750 5.62E-01 1.59E-06 1750 9.22E-01 2.50E-19
1500 0.392784 6.97E-03 1500 0.909838 6.93E-17
1250 0.459589 7.31E-03 1250 1.044858 3.66E-16
1000 0.4001 5.83E-02 1000 1.168771 2.15E-14
750 -0.04246 9.09E-01 750 1.177914 3.09E-07
500 -2.29E-01 7.04E-01 500 1.74E+00 3.18E-05
300 0.666524 4.84E-01 300 1.816489 2.18E-02
250 -1.33522 3.24E-01 250 2.088789 2.85E-02
200 1.093019 4.83E-01 200 3.000936 1.30E-02
175 1.374008 3.90E-01 175 1.984172 1.86E-01
150 1.599174 4.54E-01 150 4.279943 7.02E-03
125 1.337869 5.65E-01 125 3.171504 1.26E-01
100 1.620268 5.72E-01 100 5.039102 3.90E-02
80 -0.51499 9.02E-01 80 7.493141 8.17E-03 Threshold(Male)?
60 -3.4197 4.89E-01 60 7.674809 3.65E-02
40 -11.4633 1.36E-01 40 4.721128 4.12E-01
20 7.039679 6.87E-01 20 23.91657 5.81E-02
5 96.95143 1.09E-01 5 30.9133 6.12E-01
この結果は異常である。被ばく線量により発がん症例数を整理したデータであるので、線量が同じなら広島と長崎のERRcoefficientやしきい値はほぼ一致していなければならない。広島と長崎で住民のがん発生率が大きく変わる要因はない。
この相違を説明できる唯一の説明は、長崎の被ばく線量がこのデータの数値よりは実際には大きく、このデータはそれを小さめに見積もったためという事になる。
その結果、長崎男性は小線量(実際には広島並みに被ばくしていた)でも発がんし、女性は更に小線量でも発がん例が増えたことになる。(実際には広島並みに大線量を被ばくしたがこのデータでは長崎の被ばく線量だけが実態より小さく操作されたいうことである。)
なお、広島でも男女差はあるが、これは女性が乳がんなど上体体表面の臓器の発がん例が多く、上空600m付近での核爆発による被ばくの影響が男性より大きいことを意味している。
では、なぜ、そのような操作を長崎の線量評価に用いたのか。これは推定になるが、長崎型原爆は米ソ冷戦で主力となった核兵器であり、その爆発力の評価を意図的かミスかは不明だが間違ったたのである。(詳しくは2025年01月27日本ブログ記事)
このオッペンハイマーらによるミス或いは意図的データ操作を米国はパブリックディプロマシーとして利用したのだろう。原爆の威力を知らしめ、恐怖感を煽るとともに、原子力技術を独占し世界的発展を抑制したかったのである。
即ち、広島のデータと長崎のデータをまとめて被ばく者の発がんデータとして説明することで、この矛盾に満ちた統計データで世論操作をしたのである。
その結果、特に低線量範囲(300mSv以下)のしきい値が統計的に不明確になり、しきい値があるのかどうかが分かりにくくなった。その結果、米国主導の各国際機関はしきい値なしモデル(0線量でもわずかに発がんリスクはあるというモデル)を採用することになった。
それから65年後の福島事故でもこの基準を採用した日本国内の法規制があるため、関係機関の指示により避難した事で大量の事故関連被害者を出した。
ところで、福島事故は東電のBWR原子炉の初号機から4号機までの事故である。その主要因は地震の影響でサイト外部からの送電線が損壊し、炉心冷却に必要な電源が喪失したときに非常用発電装置として働くべきディーゼル発電機が地下1階にあったことである。津波が引いてもこのプール状のディーゼル発電機室と配電盤が海水に浸かったままだったために非常用電源が供給できず、崩壊熱の除熱が出来なかったために炉心溶融事故を起こした。
なぜそのような配置設計になったのか。実は、このBWR原子炉は1960年代の米国GEの設計である。当時、経団連会長も務めた土光敏夫氏はこの輸入すべき原子炉(当時は国論は与野党ともに原子力発電を国産エネルギーとして歓迎していた)の設計のチェックを日本側でしたいとGEに申し入れていた。しかし、ちょっとでも設計変更をしたら、GEは日本には輸出しないと回答してきたと土光敏夫氏が当時社長をしていた原子力企業の社史に記載されている。このGEの回答を日本政府、東電ともに受け入れたのである。土光氏が持論を押し通していたら、福島事故はなかったかもしれない。
世界初の原子力発電所はアイダホの砂漠の中にあるEBR-Ⅰという原子炉だが、その非常用ディーゼル発電機は事故を起こした福島のBWRと同様、地下1階にある。それは、津波よりも米国特有の竜巻を重視して配置設計をしたためである。GEはその配置設計を踏襲したBWRプラントを開発し、日本へ輸出したのである。
その際、被ばく基準は米軍が操作した広島・長崎のデータに基づいているのである。部屋の配置設計は従業員の被ばくを規制値以下にするための生体遮へい壁の配置が重要なポイントである。この配置の根拠が詳しく調査されていれば長崎のデータ操作も明らかになる可能性もあった。
斯様にパブリックデプロマシ―の影響は世紀を超えて影響するものであり、今回の原告の東電株主はこのような歴史を踏まえ、被告に国や米国機関を加えていれば勝訴したのかもしれない。
第2次世界大戦の末期に、広島・長崎に原爆が投下され多数の被害者がでたが、トルーマン大統領は原爆が如何に怖いものであるかを世界各国の国民に対しパブリックデプロマシ―手法で喧伝したはずである。その結果が、下記の広島と長崎の被ばく影響評価にも表れている。
これは統計ソフトRにより広島の被ばく生存者と長崎の被ばく生存者者の発がんリスクと被ばく線量の関係を分析した結果である。
Table2は広島の男性と女性、Table3は長崎の男性と女性である。ERR coefficient(過剰相対リスク、ここではその線量を1Sv被ばくすることにより発がんするリスクと被ばくなしの場合の比(相対リスク)から1を引いた値として定義されている)とは、負の場合にはがん発生リスクが被ばくしていない人より小さく、正ならば被ばくしていない人より大きい。即ち、正、負が現れればその値が被ばく線量のしきい値となる。それ以下では被ばくによる発がんの影響はないことが統計的に示される。
そのしきい値は両表から
広島男性 約300mSv
広島女性 約125mSv
長崎男性 約80mSv
長崎女性 しきい値なし
となる。
Table2 ERR coeffisients of dose and p-values of solid cancers for Hiroshima via Spline function
dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.626864 1.30E-27 3400 0.935325 1.22E-86
3000 0.613587 7.29E-26 3000 0.947336 9.03E-90
2500 0.614539 5.77E-23 2500 0.972743 7.91E-88
2000 0.625126 3.11E-15 2000 1.026543 2.07E-69
1750 5.99E-01 4.00E-11 1750 1.10E+00 1.17E-59
1500 0.603602 8.20E-09 1500 1.152908 1.80E-50
1250 0.719855 1.12E-09 1250 1.228029 3.00E-40
1000 0.73014 1.24E-06 1000 1.200451 4.19E-24
750 0.637954 2.27E-03 750 1.186411 1.03E-13
500 4.15E-01 1.90E-01 500 1.23E+00 4.17E-07
300 -0.19257 7.22E-01 300 1.114376 8.83E-03 Threshold(Male)
250 -1.02844 1.55E-01 250 1.153326 2.69E-02
200 -1.50386 8.91E-02 200 -0.06102 9.22E-01
175 -2.24547 2.87E-02 175 1.011429 1.76E-01
150 -2.31155 4.35E-02 150 0.436493 6.28E-01
125 -1.32696 2.83E-01 125 -1.64508 1.88E-01 Threshold(Female)
100 -1.42975 3.42E-01 100 -1.31729 3.90E-01
80 -2.99334 1.30E-01 80 0.263215 8.71E-01
60 -2.74788 2.89E-01 60 -1.47104 5.15E-01
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20 -14.248 1.17E-01 20 -12.4608 9.87E-02
5 -67.7187 1.85E-01 5 -10.2604 7.71E-01
Table3 ERR coefficients of dose and p-values of solid cancers for Nagasaki via Spline function
dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.559405 5.01E-11 3400 0.715194 7.16E-20
3000 0.551134 1.82E-10 3000 0.718689 7.58E-20
2500 0.523384 4.10E-08 2500 0.782139 7.29E-22
2000 0.55147 4.49E-07 2000 0.91559 1.63E-23
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1500 0.392784 6.97E-03 1500 0.909838 6.93E-17
1250 0.459589 7.31E-03 1250 1.044858 3.66E-16
1000 0.4001 5.83E-02 1000 1.168771 2.15E-14
750 -0.04246 9.09E-01 750 1.177914 3.09E-07
500 -2.29E-01 7.04E-01 500 1.74E+00 3.18E-05
300 0.666524 4.84E-01 300 1.816489 2.18E-02
250 -1.33522 3.24E-01 250 2.088789 2.85E-02
200 1.093019 4.83E-01 200 3.000936 1.30E-02
175 1.374008 3.90E-01 175 1.984172 1.86E-01
150 1.599174 4.54E-01 150 4.279943 7.02E-03
125 1.337869 5.65E-01 125 3.171504 1.26E-01
100 1.620268 5.72E-01 100 5.039102 3.90E-02
80 -0.51499 9.02E-01 80 7.493141 8.17E-03 Threshold(Male)?
60 -3.4197 4.89E-01 60 7.674809 3.65E-02
40 -11.4633 1.36E-01 40 4.721128 4.12E-01
20 7.039679 6.87E-01 20 23.91657 5.81E-02
5 96.95143 1.09E-01 5 30.9133 6.12E-01
この結果は異常である。被ばく線量により発がん症例数を整理したデータであるので、線量が同じなら広島と長崎のERRcoefficientやしきい値はほぼ一致していなければならない。広島と長崎で住民のがん発生率が大きく変わる要因はない。
この相違を説明できる唯一の説明は、長崎の被ばく線量がこのデータの数値よりは実際には大きく、このデータはそれを小さめに見積もったためという事になる。
その結果、長崎男性は小線量(実際には広島並みに被ばくしていた)でも発がんし、女性は更に小線量でも発がん例が増えたことになる。(実際には広島並みに大線量を被ばくしたがこのデータでは長崎の被ばく線量だけが実態より小さく操作されたいうことである。)
なお、広島でも男女差はあるが、これは女性が乳がんなど上体体表面の臓器の発がん例が多く、上空600m付近での核爆発による被ばくの影響が男性より大きいことを意味している。
では、なぜ、そのような操作を長崎の線量評価に用いたのか。これは推定になるが、長崎型原爆は米ソ冷戦で主力となった核兵器であり、その爆発力の評価を意図的かミスかは不明だが間違ったたのである。(詳しくは2025年01月27日本ブログ記事)
このオッペンハイマーらによるミス或いは意図的データ操作を米国はパブリックディプロマシーとして利用したのだろう。原爆の威力を知らしめ、恐怖感を煽るとともに、原子力技術を独占し世界的発展を抑制したかったのである。
即ち、広島のデータと長崎のデータをまとめて被ばく者の発がんデータとして説明することで、この矛盾に満ちた統計データで世論操作をしたのである。
その結果、特に低線量範囲(300mSv以下)のしきい値が統計的に不明確になり、しきい値があるのかどうかが分かりにくくなった。その結果、米国主導の各国際機関はしきい値なしモデル(0線量でもわずかに発がんリスクはあるというモデル)を採用することになった。
それから65年後の福島事故でもこの基準を採用した日本国内の法規制があるため、関係機関の指示により避難した事で大量の事故関連被害者を出した。
ところで、福島事故は東電のBWR原子炉の初号機から4号機までの事故である。その主要因は地震の影響でサイト外部からの送電線が損壊し、炉心冷却に必要な電源が喪失したときに非常用発電装置として働くべきディーゼル発電機が地下1階にあったことである。津波が引いてもこのプール状のディーゼル発電機室と配電盤が海水に浸かったままだったために非常用電源が供給できず、崩壊熱の除熱が出来なかったために炉心溶融事故を起こした。
なぜそのような配置設計になったのか。実は、このBWR原子炉は1960年代の米国GEの設計である。当時、経団連会長も務めた土光敏夫氏はこの輸入すべき原子炉(当時は国論は与野党ともに原子力発電を国産エネルギーとして歓迎していた)の設計のチェックを日本側でしたいとGEに申し入れていた。しかし、ちょっとでも設計変更をしたら、GEは日本には輸出しないと回答してきたと土光敏夫氏が当時社長をしていた原子力企業の社史に記載されている。このGEの回答を日本政府、東電ともに受け入れたのである。土光氏が持論を押し通していたら、福島事故はなかったかもしれない。
世界初の原子力発電所はアイダホの砂漠の中にあるEBR-Ⅰという原子炉だが、その非常用ディーゼル発電機は事故を起こした福島のBWRと同様、地下1階にある。それは、津波よりも米国特有の竜巻を重視して配置設計をしたためである。GEはその配置設計を踏襲したBWRプラントを開発し、日本へ輸出したのである。
その際、被ばく基準は米軍が操作した広島・長崎のデータに基づいているのである。部屋の配置設計は従業員の被ばくを規制値以下にするための生体遮へい壁の配置が重要なポイントである。この配置の根拠が詳しく調査されていれば長崎のデータ操作も明らかになる可能性もあった。
斯様にパブリックデプロマシ―の影響は世紀を超えて影響するものであり、今回の原告の東電株主はこのような歴史を踏まえ、被告に国や米国機関を加えていれば勝訴したのかもしれない。
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