ミューオンによる放射能消滅は可能か ― 2026年02月27日 10:15
東京科学大学の特任教授がミューオンによる放射能消滅(専門的には安定核種への核変換)を提唱し、東京科学大学はそれは大学は関与しないといったコメントを出している。
何がどうなっているのか物理的な側面を調べてみた。
ネットで見つけた特任教授側の主張とそれへの反論が添付1に整理されているが使われている基本用語を整理したい。
ミューオン(ミュー粒子、ミュオンとも呼ぶ):Wikipedia記載の要点は(1)のとおりである。
Wikipedia要点
(1)ミューオンは、電気素量に等しい負の電荷と1/2のスピンを持つ素粒子である。ミューオンの静止質量は105.6 MeV/C2(電子の約206.7倍の重さ)、平均寿命は2.2×10-6秒である。ミューオン (μ-) は電子、ミューニュートリノおよび反電子ニュートリノに崩壊する。その反粒子である反ミューオン (μ+) は電気素量に等しい正の電荷と-1/2のスピンを持つ。陽電子、反ミューニュートリノおよび電子ニュートリノに崩壊する。この崩壊過程は不安定核のベータ崩壊と同じく弱い相互作用にるものであり、崩壊で放出される電子/陽電子はパリティの非保存によりもとのミュー粒子が持っていたスピンの向きに対して空間的に非対称な分布を持って放出される。
スピンとパリティは分かりにくいので補足すると、
スピン:
素粒子の特性である角運動量と呼ばれる量子数。量子数とは、量子力学で素粒子が持つ物理量の特徴を示す量の一つで、量子力学ができた当初はニュートン力学でいう角運動量と類似のものとされていたが、近年では、角運動量とは異なる量子数であることが明らかになっており、ミューオンの場合には、量子数として+1/2又は-1/2のいずれかをとることが分かっている。このスピン量子数は核反応において一定の保存則に従うため、量子力学上、有用な概念となっている。
パリティの非保存;
物理現象は3次元空間でX,Y,Z方向と-X,-Y,-Z方向で起こる現象は同一であるはずだが、弱い相互作用と呼ばれる物理力の関わる現象では同一ではないことが観測されている。例えば電子崩壊と陽電子崩壊ではそのエネルギー分布が対称にならない。このような非対称な現象をパリティの非保存(パリティの対称性の破れ)と呼んでいる。
テルミット法:
テルミット法(テルミットほう、thermite process)とは、アルミニウムで金属酸化物を還元する冶金法の総称である。ギリシャ語の(therm - 熱)に由来する。別称としてテルミット反応、アルミノテルミー法 (aluminothermy process) がある。
金属酸化物と金属アルミニウムとの粉末混合物に着火すると、アルミニウムは金属酸化物を還元しながら高温を発生する。この還元性と高熱により目的の金属融塊は下部に沈降し、純粋な金属が得られる。また、この方法は炭素燃料を使用しないため、生成金属に炭素が含まれないという特徴もある。また、金属だけでなくアルミニウムの粉末と氷の微粒子を混合してもテルミット反応が起きる。
ミュ-オニウム:
ミューオニウム (muonium) とは、正の電荷を持つ反ミューオン (μ+) と電子 (e−) の束縛状態を指し、ミュオニウムとも呼ばれる。これは水素原子における原子核(=陽子)を反ミューオンで置き換えたものに相当する。エキゾチック原子の1つで、元素記号Muである。1960年にVernon W.Hughesによって発見された。半減期は2μ秒で、塩化ミューオニウムMuClとミューオニウム化ナトリウム MuNaが合成されている 。スペクトルも通常の原子とは完全に異なる。ミューオニウムはポジトロニウム同様、電子と反粒子からなるが、反ミュー粒子の質量は電子より800倍大きいのでミューオニウムは水素原子に似ている。
これに対し、負の電荷を持つ(正粒子の)ミューオン (μ−) が他の原子核に束縛された状態はミュオニック原子と呼んで区別する。なお、ミュオニウムの構成粒子の電荷を入れ替えたもの(負の電荷を持つミューオンμ−と陽電子e+の束縛状態)はミュオニウムの反物質に相当し反ミュオニウムと呼ばれる。
まとめ:
東京科学大の特任教授側の第1YOUTUBE動画での趣旨は、電子にくらべ重量が800倍あるミューオンは同じエネルギーでも原子核付近を周回すると考えられるので、原子核がその影響で不安定になり、核分裂反応などの核変換が起こりやすい。問題は、ミューオンをどうやって大量に生産するかである。
核変換しようとする原子核1個当たり1個のミューオンが必要だが、宇宙線のミューオンは1個/㎝2レベルで少なすぎる。その製造には加速器を使わざるを得ないがJ-PARCの最大陽子加速器で3 GeV 陽子ビームの場合、ミューオンは陽子1当たり10⁻⁵ ~ 10⁻⁴ 個程度である。一般に放射能消滅の核変換に利用される中性子の場合には陽子1個当たり20~30個なので桁違いに生成効率が悪い。(ChatGPTによる。)
そこで第2のYOUTUBE動画では特任教授は高温化によるミューオン増殖の可能性を示す論文を提示した。しかし、東京科学大学特任教授への批判派である神戸大名誉教授が、その提示論文であるオクスフォード・プレスの学術論文「Enhancement of Muonium Emission Rate from Si with an Ablated Surface」には致命的な問題点が判明したと次のように述べている。
「 それは、ミュオン(素粒子)とミュオニウム(プラスのミュオンと電子が結合した原子)という、全く別の粒子を混同していたことです。核変換に必要とされるのはミュオン(素粒子)ですが、論文が扱っていたのは核変換を起こす能力のないミュオニウム(原子)です。」
また、本論文のEnhancementには増大という意味はあっても増殖という意味はないことも指摘している。
以上のようにミューオンによる核変換は原理的には可能だが、実用性はほとんどないとみられる。
なお、公募研究などで中性子を用いた放射性核種の安定核種への核変換を検討した経験からすれば、使用済み燃料の中から選択的に分離した長寿命核分裂生成物やマイナーアクチニド(ウラン、プルトニウム以外の重金属核種)にミューオンを照射し、原子核を不安定状態にすることで中性子照射による核変換効率を上げられる可能性は残っていると思われる。
即ち、核分裂当たりの余剰中性子数(連鎖反応及び燃料生産用の中性子利用以外の中性子)が少ない従来の原子炉内中性子利用核変換法では、環境負荷の大きい長半減期核種だけを核変換対象核種にせざるを得なかった。しかし、ミューオン利用により原子核の不安定性が増加し、中性子反応率が従来より増加できるならば半減期の短い短寿命核分裂生成物も核変換対象核種にできるようになるかもしれない。その結果、中性子のみを核変換に利用する場合に比べ高レベル放射性廃棄物の貯蔵期間を短縮できるだろう。
添付1.
「ミュオンによる核変換」整理関連サイトおよび内容の書き起こし
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2025-11-14.html?utm_source=chatgpt.com#agenda-9jdilq__1-2
2025年11月14日
今日はこの話題です。
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目次
今後の課題
ミュオンによる核変換
加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル
『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会
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1.今後の課題
昨日のエントリーで、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」報告書を取り上げ、放射性廃棄物処理には課題が沢山あるのではないかと述べましたけれども、その報告書には今後の課題として次が挙げられています。
■今後の課題
〇2-1. 処分後臨界安全評価技術の高度化
・装荷曲線の妥当性検証:
+PWR 使用済燃料の評価における不確実性因子の設定の妥当性検証と、他に考慮すべき因子の有無の検討。
・MOX 燃料の評価詳細化:
+MOX 燃料製造前後のパラメータを拡充し、処分後の臨界安全性への影響を詳細に把握。燃料配置を考慮した臨界安全評価の必要性の有無を検討。
・容器破壊・崩落の対応:
+仕切り部厚さ増加による破断時期の遅れが未臨界維持にどの程度効果があるかを検証。BWR 燃料やPWR 2体収容容器など、未想定の設計仕様についても力学解析を行い、臨界リスクの可能性を検証。
〇2-2. 使用済燃料からの核種溶出挙動評価
・瞬時放出率の実測値拡充:
+改良した試験系を用いて、還元条件下での瞬時放出率の実測値の拡充を進める。
・正確な長期溶解速度の算出:
+長期試験を行った固相サンプルを用いて、正確な表面積の分析を進め、溶解速度の精度を向上させる。
・溶解・再沈殿の理解深化:
+UO2 ペレット表面のウランの化学状態の詳細な分析や、再沈殿ウラン固相の分析を継続し、溶解と再沈殿の挙動についての理解を深める。
〇2-3. 直接処分システムの成立性の検討に向けた基盤情報の整備
・重要課題への対応継続:
+本年度整理された重要課題(温度分布解析手法、隆起・侵食評価における時間分散効果の検証等)への対応と、安全性の論拠の拡充。
〇2-4. その他代替処分オプション(深孔処分)
・技術情報の更新・拡充:
+建設・操業・閉鎖の各段階および段階間の関係に係る技術的知見の最新情報の調査・整理を継続し、深孔処分に係る技術の現状と課題を取りまとめる。
・成立性検討の深化:
+論点に対する主張・根拠等の情報の調査・整理の対象を複数の諸外国の事例に拡張。わが国の情報も見据えながら、「成立の可否に係る条件等の具体化」や「わが国での成立性についての考察」の具体的な進め方の検討と試行を進める。
やはり使用済み燃料の保管容器の安全性や、核種の溶出がどれくらいになるのかといった、要するに地層処分しても放射線の問題は抑えられるのかという課題が依然としてある訳です。
2.ミュオンによる核変換
そんな中、高レベル放射性廃棄物をごく短時間で無害化できる技術が開発されたと一部で話題になっているようです。
これは、東京科学大学の奈良林直特任教授が3年間の研究を経て、ミュー粒子であるミュオンを利用して、核変換を行うことで無害化するというもので、昨年8月国際会議で発表されました。
ミュオンとは、宇宙から降り注ぐ宇宙線の一部である素粒子です。寿命が約2.2マイクロ秒と非常に短く、自然界には安定して存在しません。現在の科学研究では、加速器を使って人工的に作られ、物質内部の磁気状態や元素を調べるための「探針」として利用されています。
ミュオンには、正電荷と負電荷の粒子があり、電子と同じく強い力の影響を受けない素粒子「レプトン」に分類されます。
質量は電子の約200倍、陽子の約9分の1程度あり、非常に不安定な物質で、負電荷のミュオンは電子とニュートリノに、正電荷のミュオンは陽電子とニュートリノに壊れます。
自然界では、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線が、大気中の原子核に衝突して生成され、人工的には、加速器で高エネルギーの陽子を標的原子核に衝突させることでパイ中間子が発生し、このパイ中間子が崩壊して、ニュートリノとミュオンになります
ミュオンが物質中に入ると、原子に含まれている電子と置き換わってミュオン原子を形成します。ミュオンは電子よりも重たいため、通常の電子と比べると軌道半径は1/200程度と原子核並みの大きさになります。これにより、原子核の内部にミュオンが侵入することがあります。
原子核の内部に入ったミュオンは、原子核中の陽子に吸収され、陽子は中性子とニュートリノに変換されます。この結果、原子核中の陽子の数が減ることになり、元の元素とは別の元素に核変換されます。 この核変換により、例えば長寿命のパラジウム107を、安定なロジウムに変えるといったことが可能になります。
これにより、高レベル放射性廃棄物においても、ミュオンによる人工的な元素変換を行うことで理論上は無害化することができるという訳です
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3.加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル
ネットでは、「加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル」という番組でこの技術を開発した奈良林教授のインタビューをしています。
本件の動画の内容の書き起こしは次の通りです。
加藤康子:皆さんこんにちは。加藤康子康子です。「ものづくり応援チャンネル」。今日はですね、大変珍しいお客様をお迎えしております。東京科学大学の特定教授の奈良林先生です。私にしてみたらノーベル賞級の発見をされたということで、奈良林先生をご紹介したいと思います。例えば、原発をどんどん推進するのはいいけれど、「核のゴミ」ってのをどうするのか?使用済みの核燃料とか放射性廃棄物、こういったものをどういう風にこれから処分し、取り組んでいくのかということが、最も大きな課題としてあるんですけれど。実は先生、最近フランスで国際会議で発表されましたが、画期的な実験に成功されたと伺っています。このことについて皆さんに教えていただいてもよろしいでしょうか?
奈良林教授:はい、もちろんです。東京科学大学の奈良林と申します。加藤康子康子先生とは国家問題研究所のエネルギー問題研究会で、ずっとタッグを組んで色々な情報発信をしてまいりました。たまたまなんですけど、3年前にアメリカの方から「こういう現象が起きているんだけど、誰も解明できない」と。ワシントン大学もオークリッジナショナルラボラトリーも、テネシーバレーオーソリティも誰も分からなかったと。是非先生に解明してほしいと言われて、3年間検討を重ねた結果、これがミュオンという特殊な素粒子によるものだということが分かりました。それを使って、この間9月の19日にフランスで、アンティーブというリゾート地で国際会議が開かれ、そこで発表いたしました。私が発表したらですね、会場にいた方が皆スマホを出して撮影し出しまして、非常に今盛り上がっているという状況でございます。
奈良林教授:原子力発電所の欠点とは、高レベル廃棄物が発生することです。これを処分して、7,000年間保管しないと、放射能の毒性が下がりません。それから、福島第一原発で取り出したデブリ(放射能の塊)についても、「取り出したのはいいが、どこへ持っていくんだ」という話があり、福島の廃炉も「100年経っても無理ではないか」という疑問がありました。今回の発見は、その2つの課題を同時に解決できることになります。
奈良林教授:私があのミュオンの秘密を説明しますと、ミュオンというのは原子核にピュッと入っちゃうんです。マイナスの電荷を持つミュオンは、電子と似た特性を持ち、重さが電子の200倍くらいあります。非常に重たいため、原子核の近くにミュオンが軌道を描いてしまいます。この状態をエキサイテッド・ニュクライド(励起状態の原子核)と言うのですが、強い引力を持つので、隣の原子核と融合して核融合を起こしたり、あるいは核分裂をしたり、という作用が出ます。これが特徴なんです。
奈良林教授:例えばトリウムにミュオンを照射すると、クラスターフィオン(集団核分裂)という形でネオンと水銀に分かれます。これは核分裂です。その後、ベータ崩壊を2回繰り返して、ネオンは安定元素のマグネシウムに、水銀は最終的に鉛に変わります。変化にかかる時間が短いため、ミュオンを照射した瞬間に別の物質、例えば鉛などができちゃうんです。一番時間のかかるナトリウムがマグネシウムに変わるのも約15時間です。この15時間ごとの半減期に測定結果が完全に一致し、ミュオンによって核融合が起き、それがベータ崩壊して安定元素になっていくという、この現象の証拠を私が掴んだわけです。
奈良林教授:装置は非常に簡単なもので、ドラム缶のようなところにミュオン反応装置を入れます。ここで鉛が沸騰するので、有害な鉛の蒸気を吸引する装置も必要ですが、これで放射性物質はみんな安定な物質に変わってしまうというものです。この反応機の中には、昔電車のレール溶接に使われたテルミット反応を応用しています。ここでは酸化鉄ではなく酸化鉛を使うのがポイントで、これはミュオンのスピードを落とすために非常に有効な物質なのです。
奈良林教授:ミュオンは加熱すると増殖します。加速器の電極を加熱したらミュオンが増えたという論文もありました。これらを組み合わせることで、ミュオンを加熱して増殖させ、ミュオンの励起状態ができ、こういう簡単な装置で核分裂が起き、最終的にマグネシウムと鉛といった安定元素になってしまうのです。
加藤康子康子:これが実験すると最終的にどういう風になるんですか?
奈良林教授:はい。今は実験中ですが、この簡単な装置で強烈な放射能を出しているものを3つ入れて同時に反応させているわけです。この規模の2倍くらいの装置になると、1回に5kgの高レベル廃棄物を処理できるようになります。
奈良林教授:これを今、福島第一原発に適用したイメージを構想しています。炉心下のデブリをロボットなどで取り出し、補助建屋に置いたミュオン反応装置で、デブリを砕いて粉にし、テルミットのパウダーと混ぜて反応させます。空気をきれいにする装置を通すことで、きれいな空気を排出する形になります。ロボット大車を使ってデブリをミュオンの無害化装置まで運ぶシステムなど、大体シナリオはできており、あとは日本の「ものづくり」をしっかりすれば実現できます。
加藤康子:先生のこのお話を聞いてみると、結構簡単にできちゃうんじゃないかっていう感じがするんですけれど、これって例えば技術をこう発表すると、そのまま中国に特許を盗られちゃうんじゃないですか?
奈良林教授:あ、そう。だから特許をとっても盗られちゃうので、中国と戦うのは難しいなと思ってて。まずは日本で、そして日本とアメリカで、この技術を確立したいと考えています。
加藤康子:先進性の高い、人類の課題を解決できるような新しい発見に関しては、日本国内で。非常に不幸な事故があった福島を乗り越えることによって、新たな未来が生まれてくると思います。それはやはりこう問題を避けるのではなく、それをやはり未来に生かすという、そういう技術が生まれてくることが、私は一番日本人にとってはベストだと思います。
奈良林教授:原発が抱える欠点というのは、高レベル廃棄物が発生することですね。7000年間保管しないと放射能のその毒性が下がらないと。ミュオンを反応させると、変化する時間が短いので、ミュオンを照射した瞬間に別の物質、あの鉛とかができちゃうんですけど、2、3日で、例えば放射性物質はみんな安定な物質に変わってしまうということですね。
加藤康子:日本というのは、宇宙線が空からどんどん、それが大気圏に突入すると、そのミュオンと...
奈良林教授:はい。最初は陽子(プロトン)と言いますけど、そういったいの粒子が高速で地球に降り注いでるんですね。それで大気に突入すると、高エネルギーの粒子プロトンやなんかが大気中の酸素とか窒素とぶつかって、そこで中間子というのができるんです。中間子は湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した、この中間子を予言されて、そして西方があさらに霧箱でその中間子からミュオンができるということも発見されてるんです。実はそのノーベル賞が発見した成果を紐解いていくと、ミュオンによって、原子が別の物質に変えられるという、高レベル廃棄物のアメリシウムという厄介なやつがあるんですけど、このアメリシウムを鉛とマグネシウムに変わるということを実験で確認しました。理論付けもできましたので、国際会議で発表しました。
加藤康子:酸化ウランも、酸化トリウムも、アメリシウムも、無害化に成功したんですね。
奈良林教授:そうです、そうです。同時に処理できるというのは非常に大事で、高レベル廃棄物の中から特定の元素だけを取り出すのは手間がかかるんですけど、まとめて全部面倒を見るということができるということが分かりました。
加藤康子:すごいですね。今続けてアメリカの研究所でセシウムとストロンチウムについても実験継続しているんですね。
奈良林教授:はい。厄介なのは重たい元素と軽い元素はミュオンで処理できることが分かっているんです。ちょうどやりにくいのが重たい原子と軽い原子の間にある領域で、鉄とかコバルトとか、あとセシウムとか、そういったちょっと中間的な元素が難しいんじゃないかと言われているんですが、アメリカでコバルト60も無害化できるのは分かっているので、多分セシウムとストロンチウムも処理できるかと、いう風に思っています。
加藤康子:すごいですね。いつ頃分かるんでしょうかね?
奈良林教授:今、早くやってくれと頼んでいるので、テストをやってくれると思うんですけど。作業ロボットはこれから開発しますが、工学的に作れることは分かっているので、大きな問題にはならないと思います。ただ全て遠隔操作でやらなきゃいけないので、全部デバイスも開発しなきゃいけないんですけど。
加藤康子:実験できる施設というのはアメリカにしかないんですか?
奈良林教授:8月の中旬に、アメリカの原子力学会のジャーナルに投稿しました。原発の負の部分であった高レベル廃棄物をなくせるってことが分かってきましたので、原発の欠点がなくなってしまうわけですから、未来のエネルギーどうしたらいいかってのは全部決まってしまうような気もしますけど、いかがですか?
加藤康子:素晴らしいですね、先生。そのミュオンによって、酸化ウラン、酸化トリウム、アメリシウム、一緒に無害化するという実験に成功されたと。
奈良林教授:はい、はい、そうです。その原理も解明しました。
加藤康子:もうきちっと解明したと。
奈良林教授:はい。セシウムとストロンチウムは今現在、これから、
加藤康子:はい、これからですね。
奈良林教授:最後そこ見極めをしなきゃいけないと。
加藤康子:それができたら、まさしく宇宙戦艦ヤマトのコスモクリーナーのように、放射性廃棄物から、核のゴミと言われている使用済み核燃料や放射性廃棄物を無害化できると。
奈良林教授:はい、はい。去年、プラハで国際会議があって、欧州の元原子力学会会長が、「ドイツはダークサイドに落ちた」と。原発を止めたから二酸化炭素の排出が増した。だからドイツは間違った判断をしたと。結局、原子力発電所というのは、ジェダイの騎士なんですね。ダークサイドの失策はドイツです。原発を止めるということは悪の所業なんですね。今や原子力発電所は欧州では、これから地球を救う正義の味方にという評価に変わってきてるわけです。
加藤康子:私は、脱炭素と原発を結びつけるのはあまり賛成しないなと思うんです。なぜかと言うと、今GXなんかでも脱炭素政策が非常に行き過ぎていると思っていて、結局17兆円のGXの資金でも、蓋を開けてみると原発に使われるよりも風力とか太陽光に使われる予算の方が多くなっちゃうんじゃないかと。政策的に間違ってるのは太陽光、風力は悪なんですよ。地球の環境破壊をしてCO2を減らすことはできません。そっちの方はだから全部切り捨てなきゃいけないんですね。
奈良林教授:アメリカでもエネルギー基本計画の中に、再エネのようなものは入ってないですからね。
加藤康子:安価で安定した電力といった時に、それこそ火力と原発ときちっとした形で計画を立ててるじゃないですか。アメリカの場合には、もう化石燃料に帰依してますからね。私はやはり日本の技術というのは、このまま掘っておいたら技能者がどんどん高齢化していなくなると思うんですよ。そういう時に、こういう画期的な発明がされたということは、本当に勇気が出るし、若い学生たちにどんどん原子力の分野に進んでもらいたいなと思っております。昔、宇宙戦艦ヤマトで出てきたコスモクリーナーの話だなと思って聞いてましたよ。
奈良林教授:だから、コスミックミュオンクリーナーなんです。宇宙線由来のミュオンを使ったクリーナー、放射能のクリーナーなんです。ネーミングについてはちょっと興味が出るかもしれませんが、まさしくそのコスモクリーナーが今地上に存在するという状態になります。
奈良林教授:トランプ大統領も「風力やめちまえ」とおっしゃってますけど、当然で、洋上風力建設しても非常に建設費が高騰していて、風力発電で得る電気ではそれがその建設が回収できないということはもう明白になっているんです。だから三菱商人も撤退したわけです。日本政府はまだそこにしがみついてるので、無駄な政策を早くやめて、その再エネで今トランプ関税のその自動車産業とか、小金融まで含めて、その支援ということをすれば、なんとか日本の製造は持ちこたえると思うんですね。
加藤康子:素晴らしいお話でした、ありがとうございました。
奈良林教授:はい、どうもありがとうございました。
加藤康子:今回はパート2を撮ることになりました。皆さんが疑問に思っていること、多かった質問を中心に、今日はちょっと先生に質問をさせていただきます。まず先生が、正真正銘の科学者として、大変、原子力学会ではご評価いただいているというところを見せていただきます。
奈良林教授:はい。2018年は、私がアウトスタンディングに選出され、世界で活躍している教授として、素晴らしいISOEという組織からアワードをいただいています。
加藤康子:先生、はい。このISOEという組織は、職員被曝情報システム。実はですね、世界で400機を超える原子力発電所の事故トラブル情報と、働いている人たちの放射線被曝、職業被曝(宇宙飛行士も含めて参加します。NASAも参加します)を対象に、産業員の人たちを被曝させないことを目的に活動している組織です。
奈良林教授:なるほど。これ、何人ぐらい受賞されるんですか?
加藤康子:毎年1人です。おお、毎年の1人に選ばれたんですね。じゃあ本題のちょっと質問に入らせていただきたいと思います。このミュオンはどうやって発生したのですか?もう一度先生ご説明いただいてもいいですか?
奈良林教授:はい。宇宙からは高エネルギーのプロトンというのが、たくさん降り注いでいます。太陽から、もしあと宇宙空間で超新星爆発とか現象が起きますけども、高エネルギーの宇宙線が宇宙では飛び交っているわけです。地球に降り注いでいる絵をここに書いたんですけども、プロトン(陽子)が待機に突入しますと、待機の中で多い酸素とか窒素に衝突します。そうすると、パイ中間子というのができまして、パイ中間子は素粒子の1つなんです。極めて短い時間にミュオンに変わるんです。ですから、世界はミュオンのシャワーの中にいるということです。このミュオンは人体では全く影響ありません。ある特殊な条件で、非常に特殊な作用を起こすようになります。
奈良林教授:前回お話しした、福島第一原発の事故の2号機と5号機で、ミュオンによってレントゲンが撮れたということを示したものですけども、非常に重たい元素に対しては100%、原子番号90以上のものは100%の確率で作用するということが分かっています。原子レベルでお話ししますと、原子核があります。ミュオンは、エネルギーをずっと落としていくと、少しスピードを落としてやると、この原子に取り囲まれて、原子核の周りをぐるぐる回り出します。質量が電子の207倍ありますので、非常に重たい負の電荷を持った素粒子ですので、原子核に非常に近いところを高速でくることもあります。この状態が「ミュオン励起核(ミュオン励起ニュークライド)」といって、非常に活性化された状態のミュオンということになります。このミュオンが取り着いた原子核というのは、非常に強い引力、相互にぐーっと引き寄せる力があったり、あるいは核融合を起こすということもあります。これはもう加速器を使った研究で存在が確認されています。それから重たい元素は核分裂をしますので、ミュオンによって核分裂反応も起きるということになります。
加藤康子:多くの方から「加速器を使うんですか?」という質問がありましたけど、「加速器を使わないのであれば、ミュオンは加熱すると増殖するという根拠の論文が見当たらないんですけれど」…
奈良林教授:はい、今日はその説明の資料をご用意いたしました。ミュオンというのは、空から降り注いでくるのは1秒間に手のひらに1つぐらいなんですね。これではとても莫大な量の放射性物質を処理できません。ところが、加熱するとミュオンが増えるというのが、例えばオックスフォード大学出版局から出版された正規の査読を経た論文に、こういう現象について書かれています。この人たちはレーザービームをターゲットに照射した、つまり加熱したことになります。そうすると、「ミュオンが増え出しました」ということをこの論文の中で書いてあります。それから先ほどの核融合ですけども、核融合反応がミュオンで起こると加速されますから、核融合ではミュオンが湧き出してくると。つまりミュオン触媒核融合という風に言われています。ですから、加熱するとミュオンが増えるというのは、論文もそうですし、加速器を使って研究されている方々にとってはもう常識なわけです。
加藤康子:ミュオンの研究というのは日本が世界でも特に進んでいると伺うのですが、そうなんですか?
奈良林教授:はい。内閣府がプロジェクトに対して集中投資のお金をつけて研究をします。加速器を使ったミュオンの研究というのはダントツに日本が今進んでいます。
加藤康子:嬉しいですね、その話。
奈良林教授:ところが実用面でどうかっていうと、実際の世の中に役に立つところまで持ってかなきゃいけないんですね。そこが非常に難しくて壁があって、そこを乗り越えなきゃいけないというのが、実際私がもう3年もまるまるこの研究をしていましたので、そのくらいの大変さというのはあります。
加藤康子:放射能廃棄物の無害化がものすごいインパクトがあったために、多くの質問が「なぜその放射能を出さなくなるのか?」と。「ゼロになるということはどういうことか?」という質問がたくさんありました。
奈良林教授:はい。実はその証拠が私の手元にありまして、これなんですけど、「クッキー」「ビスケット」と名前をつけてます。これは酸化ウランを中心とする物質の中に、これを均一に混ぜて、テルミット反応を添加して反応しました。今これ私で握ってますけど、これ単に鉛とマグネシウムですから、何の問題もないと。反応前が10万カウントぐらいあるわけです。ミュオン反応するといきなり3桁近く下がります。あとは15時間の半減期に下がって降りてくるんです。この15時間の半減期を持ったナトリウム24が一番半減期長いんです。反応前に例えば1万5000 CPMだったとします。ベータ線が出ているわけです。反応させます。冷えたぐらいのところで30分後に測りました。そしたら600に減ってるんです。今度7日後ですけども、25 CPMで、これもうバックグラウンドレベルです。空から降ってくる宇宙線もカウントしてますので、もうなくなっているわけです。だから私こうやって手に乗ってられるわけです。
加藤康子:じゃあ、これを実際に世のため人のために社会実装して役立てていこうと。どうやって、福島第一原発のデブリの無害化をしていくのか、もうちょっと詳しくご説明いただけますか?
奈良林教授:はい。こちら、デブリを砕く装置です。その後にミュオンのリアクターがあって、あと空気を綺麗にする装置が付いています。この中でデブリを切断したりすると、放射性物質がたくさん出てきますので、私が開発した空気を綺麗にするシステムがもう既に開発済みで、これを使って現場の中の作業エリアの放射性塵を減らします。それに加えて、デブリの切断作業、取り出し作業が始まりますので、右側の青い箱の中をしっかりしなきゃいけないわけです。実際にやると、このドラム缶の中にリアクターが入っていまして、空気清浄システムにさらに強力な私の開発したやつを接続します。ミュオンが反応しているところは、鉄が加熱されて赤くなって、これがゆっくりと移動してくるということになります。これが私が開発した、空気を綺麗にする装置です。鉛は放射能はないですが、人体には有害ですから、人体に入らないようにしなきゃいけないので、そのためのマスクが必要になってきます。これもすでに開発済みです。
奈良林教授:あと大変なのは、取り出したデブリを原子炉の中でへばりついているものを引っ剥がしたり、床に堆積しているものを回収して、レール車で補助建屋の中のミュオンリアクターまで持ってきて、砕いてパウダーにして混ぜる。このシステムもちゃんと作らなければいけないんです。現在、福島第一で取り出されているデブリは合計0.8gです。私の計画では1回に5kg取り出すという計画で、1日2回で8時間作動させて、年間300日作動させると、計算上は15年で大体1000tぐらい取り出せることになります。このシステムをちゃんとやれば、880tのデブリは全て15年間で取り去して無害化することができるということになります。ただ壮大なシステムになるので、このシステム開発をしっかりしなきゃいけない。サイエンスから今度はテクノロジー、エンジニアリングに変わります。
加藤康子:作業が遅々として進まない理由に、作業用ロボットが途中で放射能の影響で動かなくなってしまう話をよく聞くんですけど、ミュオンのシステムでは大丈夫なんですか?
奈良林教授:今、福島第一原発の中はドローンが飛んでデブリの堆積具合を撮影したりしてます。短期間なら大丈夫なんです。CCTVカメラは比較的放射線に強いです。弱いのは、半導体のCPUですね。こういったものが微細加工されていて、放射線ダメージが出やすいんです。今度台車型のロボットにして、先端をパワーショベルにしたり、ウォータージェットで切断したり、粉は掃除機みたいにバキュームで、という台車を作ろうと思ってます。ただし、ロボットのアームの中にはCPUや半導体の素子を入れないで、外までワイヤーで引いてくるわけですね。外側で放射線が低いレベルになっているところでCPUを作動させるということになります。
加藤康子:使用済み核燃料の再処理で抽出された高レベル廃棄物は、どうやって無害化する予定ですか?
奈良林教授:はい。周期表の一番下の赤丸のところはウランとかアメリシウム、これ重たい元素で、放射線をいっぱい出す強い物質になります。六ヶ所の再処理工場は、ウランをリサイクルするために取り去っちゃうんですよね。3大放射線源というのが、アメリシウムとセシウムとストロンチウムです。プルトニウムが長いのがあるんですけど、これは再利用しますのでなくなります。だから福島第一よりもむしろ六ヶ所の再処理の方がミュオンによって無害化するのが簡単なわけです。ただ量がすごく多いということになります。
加藤康子:ガラス固化体になっているものに応用されるとどうなんですかね?
奈良林教授:ガラス固化体になっているものは、ガラスごと砕いてパウダーになりますから、やろうと思えばできると思います。もう一つは、ガラス固化体にする前に、溶液の形で取り出してミュオンで反応させるんですけど、この溶液で取り出したものを個体のパウダーにする乾燥させるところは技術的には難しいんです。そこが技術的な課題として残ります。それからあと、セシウムとかストロンチウムはまだミュオンで消せるという確認が取れてません。今、アメリカの共同研究者たちに頼んでるんですけど、ストロンチウムは体内に入ってしまうとカルシウムと同じ系列にありますから、骨に入って癌の原因になるので、まずしっかりした人のうちには漏れないような装置をちゃんと作ってからしましょうと言っていて、とりあえずセシウムは処理できますかというのを今取りやっています。コバルト60というもっと軽い元素ができているので、なんとかいくんじゃないかと言ってますけど、我々原子核物理の専門家としては非常に難しいんです。重たい元素と軽い元素は一粒あたりのエネルギーが大きいんですけど、中間的な元素は核結合のエネルギーが少ないので非常に難しいんですけど、テルミット反応で加熱しますからできるかもしれないという期待は持っています。これはちょっと試験をやってみて確認ということになります。
奈良林教授:このセシウムとストロンチウムは30年の半減期なので、今まで7000年かかったものが120年になります。アメリシウムを消しただけでもすごいですよ。これは7000年が120年に短縮した。
加藤康子:今話題になっている核融合、2030年代には成功させたいと高市先生おっしゃってましたが、このミュオンで核融合の可能性広がりますか?
奈良林教授:そうですね。先日AI核融合フォーラムというのが議員会館で開催され、大勢の方々が参加されました。専門家の方々が今の実現状を詳しく説明いただいたんですけど、材料の問題があるんですね。炉壁が非常に強いエネルギーの中性子で劣化しやすいので、その材料を開発する必要がありますとかですね。そういうことを考えると、ミュオンを使って、加速器じゃなくてミュオンを増して直接核融合、ミュオン触媒核融合を起こせれば、もう一つのその核融合のやり方ということになります。
加藤康子:夢になるお話で本当にありがとうございます。あまりお話ををしすぎると、公開している部分が特許の対象にならないということで、私はヒヤヒヤしながらですね...
奈良林教授:コメントの中にも特許の方は心配されているのがよくあって大変ありがたいです。ある程度今お話できるような、学会でも既に公表したようなお話を今中心にご紹介して、これだけ万人の方々から応援をいただくと、私もう本当に頑張ろうという気になります。温かい声をいただくのは、福島にお住まいの方で事故の影響を受けられた方々が、「このYouTubeを見て光が見えました」という風におっしゃっているコメントを拝見しまして、本当に嬉しく思います。
加藤康子:涙が出るほど、嬉しく。
奈良林教授:国を幸せにしないといけないというのは本当に心からそういう風に思っていますので、なんとか頑張りたいと思います。
加藤康子:この研究の成果が今アメリカの原子力学会の方の論文をお出しになっているということなので、是非朗報を期待いたしております。また今回パート2のビデオができるということで、また大勢の方に見ていただいて、応援していただければと思います。
奈良林教授:はい、先生ありがとうございました。また色と教えてください。
ミュオンを安価で大量に、しかもドラム缶程度の装置で出来てしまうとは。これが本当であればすごいことです。核廃棄物処分問題が一気に解決することになります。
4.『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会
けれども、この技術は不可能だという反論もあります。
神戸大学名誉教授の松田卓也名誉教授は、自身が主催するシンギュラリティサロンで「奈良林教授の放射性廃棄物無害化のウソ」という動画を挙げています。
塚本昌彦教授: はい、撮り始めました。さて、今日は何のお話ですか。
松田卓也名誉教授: はい、今日はね、最近YouTubeで見つけたある面白い動画が2本ありまして、それが非常に話題になっています。それに関する、まあ、同じような解説というのかな、それを後押しするような動画がたくさん出ています。
塚本昌彦教授: へえ、何ですか?
松田卓也名誉教授: はい。こういうYouTube動画で、「驚愕!技術界に激震!日本の研究者が放射性廃棄物無害化に成功」というものです。奈良林教授のニュースですね。これがパート1で、パート2というのもある。「どういう原理?YouTubeコメントに詳しくお答えします」と。これはある理事長が送ってきて、「これについてどう思う?」と聞いてきたので調べました。これはどういう話かと言うと、原子炉などで溜まる放射性廃棄物を、例えば7000年間保存しないといけないと言われているところ、それを無害化できる、処理できるという技術を日本の研究者が開発に成功したという主張です。結論から先に言えば、あの、ダメです。
塚本昌彦教授: やはりダメですか。
松田卓也名誉教授: ただ、期待がものすごく大きいので、「これが間違ったまま広まって良いのか」ということで調べました。素粒子・原子核の専門家である教授や名誉教授合わせて3名に意見を聞いたところ、「間違いだ」という見解で、私もそれに同意するという話です。動画が主張する画期的な成果とは、放射性廃棄物(高レベル廃棄物、福島のデブリ等)の無害化に成功したというものです。原理は、ウランなどの放射性物質にミュオンという素粒子の力を借りて核変換を起こさせ、最終的に放射能を持たない安定な物質(鉛、マグネシウムなど)に変化させるというものです。
塚本昌彦教授: その時に放射線は出さないということですか?
松田卓也名誉教授: 元々放射性の物質、例えばウランにマイナスのミュオンを当てるんよ。そうすると、これが原子番号が1つ下がり、不安定な放射性物質が安定な原子に変わる。この現象自体は間違いないので、実は昔から知られておったわけです。問題は、それが現実的にできるかという点です。
松田卓也名誉教授: 次に、その核変換のメカニズムの根幹をなす「ミュオンの増殖」です。マイナスのミュオンは原子核のそばに入り込み、プロトンをニュートロンに変えて原子番号を1つ減らし、無害化ができるという理屈です。このミュオンは宇宙線から発生し、レントゲンのように内部を透視するのにも利用されています。ミュオンを不安定な原子核のそばに持っていけば安定な原子に変わる、これも事実です。問題はコストです。ミュオンは加速器で生成する必要があり、莫大な電力コストがかかります。原子核1つを処理するのにミュオンが1つ必要だとすれば、例えば1モルのウラン(およそ1兆の1兆倍の原子核)を安全化するには、同数のミュオンが必要です。加速器でそれだけのミュオンを作るには、ものすごい電力が必要になり、採算が合わないという問題があります。奈良林先生はこのコスト問題を「ミュオンは加熱すると増殖します」とパート2で主張しました。「少量のミュオンを投入し、テルミット反応などで加熱すれば、ミュオン自体が増殖するためコスト問題が解決できる」と。つまり、温度を上げればミュオンが増えるという、常識にはないことをおっしゃっているわけです。
松田卓也名誉教授: コメント欄を見ると、多くは「ノーベル賞だ」「日本の原発問題が全て解決する」という賞賛の嵐でした。中には、専門家で物理を学んだ人もいて、「ミュオンが増えるという論文を調べたが、見つからない」という疑問のコメントがありました。パート2では、その質問に答えるという形で、ミュオンが増殖する証拠として、オクスフォード・プレスの学術論文「Enhancement of Muonium Emission Rate from Si with an Ablated Surface」を提示されました。しかし、その論文をAIに読み込ませて調べたところ、致命的な問題点が判明しました。
松田卓也名誉教授: それは、ミュオン(素粒子)とミュオニウム(プラスのミュオンと電子が結合した原子)という、全く別の粒子を混同していたことです。核変換に必要とされるのはミュオン(素粒子)ですが、論文が扱っていたのは核変換を起こす能力のないミュオニウム(原子)です。さらに、論文のタイトル「Enhancement of Muonium Emission Rate(ミュオニウムの放出率の向上)」は、ミュオンの増殖(Multiplication)に関するものでは一切なく、ミュオニウム原子をいかに効率よく物質の外部へ放出するかという研究でした。教授は「向上(エンハンスメント)」を「増殖」と誤読してしまったと推測されます。
塚本昌彦教授: そうなんですか。
松田卓也名誉教授: 結論と総括として、動画の主張はその根幹部分で科学的根拠を欠いています。ミュオンで放射性廃棄物を無害化できるという原理は正しいが、その鍵である「ミュオンの加熱による増殖」という現象の唯一の証拠として提示された学術論文は、無関係な粒子ミュオニウムを扱っており、全く異なるプロセス(増殖ではなく放出)を研究している。つまり、その動画の主張は間違っているということです。
塚本昌彦教授: なるほど。世の中で、その論文が当てはまらないという議論は起きていないのですか?
松田卓也名誉教授: 誰も知らないわけです。コメント欄は、物理を知らない人の賞賛と、一部の専門家による「おかしいんじゃないか」というコメントの2種類に分かれていました。教授がタイトルを画面に映した論文を、誰も内容まで深く確認した人がいなかったということですね。
塚本昌彦教授: はい、その論文に対してちゃんとした物理学者の人が読んで反論しているのはまだないということですね。
松田卓也名誉教授: はい、そうです。これは私が(理事長からの依頼で)調べた結果です。素粒子・原子核の専門家4名に問い合わせたところ、皆、原理は正しいが、問題は**数(コスト)**であるという見解で一致しています。ミュオンを当てて放射性元素を安定にするという現象自体は知られていることですが、加速器でミュオンを生成するための莫大な電力が必要になり、現実的には不可能です。そこで奈良林先生は「温度を上げれば増やせる」とおっしゃった。しかし、温度を上げるという発想は、原子核・素粒子のレベルのエネルギーとは全く異なり、常識的な科学のレベルの話ではありません。そして提示された論文も、ミュオンが増えたとは言っておらず、ミュオニウムが外へ飛び出したと言っているだけでした。この先生は、原子炉を扱う分野では専門家ですが、ミュオンの話になると素粒子の問題になり、そこは専門ではありません。したがってその主張は根源的な原理のところで間違っています。
松田氏によると、温めてもミュオンは増えないとのことで、ほぼほぼ全否定です。松田名誉教授はJapan Skeptics「別名:『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会」会長で、疑似科学批判を行っている方ですから、余計に厳しく批判しているのかもしれません。
奈良林教授と松田名誉教授のどちらが正しいのか筆者には分かりませんけれども、なんとなくスタップ細胞騒ぎを連想しました。その意味では国内よりは海外でどういう反応があり、興味をもって共同研究を持ちかけたりしないか、視野を広く持って成り行きを見守りたいと思います。
何がどうなっているのか物理的な側面を調べてみた。
ネットで見つけた特任教授側の主張とそれへの反論が添付1に整理されているが使われている基本用語を整理したい。
ミューオン(ミュー粒子、ミュオンとも呼ぶ):Wikipedia記載の要点は(1)のとおりである。
Wikipedia要点
(1)ミューオンは、電気素量に等しい負の電荷と1/2のスピンを持つ素粒子である。ミューオンの静止質量は105.6 MeV/C2(電子の約206.7倍の重さ)、平均寿命は2.2×10-6秒である。ミューオン (μ-) は電子、ミューニュートリノおよび反電子ニュートリノに崩壊する。その反粒子である反ミューオン (μ+) は電気素量に等しい正の電荷と-1/2のスピンを持つ。陽電子、反ミューニュートリノおよび電子ニュートリノに崩壊する。この崩壊過程は不安定核のベータ崩壊と同じく弱い相互作用にるものであり、崩壊で放出される電子/陽電子はパリティの非保存によりもとのミュー粒子が持っていたスピンの向きに対して空間的に非対称な分布を持って放出される。
スピンとパリティは分かりにくいので補足すると、
スピン:
素粒子の特性である角運動量と呼ばれる量子数。量子数とは、量子力学で素粒子が持つ物理量の特徴を示す量の一つで、量子力学ができた当初はニュートン力学でいう角運動量と類似のものとされていたが、近年では、角運動量とは異なる量子数であることが明らかになっており、ミューオンの場合には、量子数として+1/2又は-1/2のいずれかをとることが分かっている。このスピン量子数は核反応において一定の保存則に従うため、量子力学上、有用な概念となっている。
パリティの非保存;
物理現象は3次元空間でX,Y,Z方向と-X,-Y,-Z方向で起こる現象は同一であるはずだが、弱い相互作用と呼ばれる物理力の関わる現象では同一ではないことが観測されている。例えば電子崩壊と陽電子崩壊ではそのエネルギー分布が対称にならない。このような非対称な現象をパリティの非保存(パリティの対称性の破れ)と呼んでいる。
テルミット法:
テルミット法(テルミットほう、thermite process)とは、アルミニウムで金属酸化物を還元する冶金法の総称である。ギリシャ語の(therm - 熱)に由来する。別称としてテルミット反応、アルミノテルミー法 (aluminothermy process) がある。
金属酸化物と金属アルミニウムとの粉末混合物に着火すると、アルミニウムは金属酸化物を還元しながら高温を発生する。この還元性と高熱により目的の金属融塊は下部に沈降し、純粋な金属が得られる。また、この方法は炭素燃料を使用しないため、生成金属に炭素が含まれないという特徴もある。また、金属だけでなくアルミニウムの粉末と氷の微粒子を混合してもテルミット反応が起きる。
ミュ-オニウム:
ミューオニウム (muonium) とは、正の電荷を持つ反ミューオン (μ+) と電子 (e−) の束縛状態を指し、ミュオニウムとも呼ばれる。これは水素原子における原子核(=陽子)を反ミューオンで置き換えたものに相当する。エキゾチック原子の1つで、元素記号Muである。1960年にVernon W.Hughesによって発見された。半減期は2μ秒で、塩化ミューオニウムMuClとミューオニウム化ナトリウム MuNaが合成されている 。スペクトルも通常の原子とは完全に異なる。ミューオニウムはポジトロニウム同様、電子と反粒子からなるが、反ミュー粒子の質量は電子より800倍大きいのでミューオニウムは水素原子に似ている。
これに対し、負の電荷を持つ(正粒子の)ミューオン (μ−) が他の原子核に束縛された状態はミュオニック原子と呼んで区別する。なお、ミュオニウムの構成粒子の電荷を入れ替えたもの(負の電荷を持つミューオンμ−と陽電子e+の束縛状態)はミュオニウムの反物質に相当し反ミュオニウムと呼ばれる。
まとめ:
東京科学大の特任教授側の第1YOUTUBE動画での趣旨は、電子にくらべ重量が800倍あるミューオンは同じエネルギーでも原子核付近を周回すると考えられるので、原子核がその影響で不安定になり、核分裂反応などの核変換が起こりやすい。問題は、ミューオンをどうやって大量に生産するかである。
核変換しようとする原子核1個当たり1個のミューオンが必要だが、宇宙線のミューオンは1個/㎝2レベルで少なすぎる。その製造には加速器を使わざるを得ないがJ-PARCの最大陽子加速器で3 GeV 陽子ビームの場合、ミューオンは陽子1当たり10⁻⁵ ~ 10⁻⁴ 個程度である。一般に放射能消滅の核変換に利用される中性子の場合には陽子1個当たり20~30個なので桁違いに生成効率が悪い。(ChatGPTによる。)
そこで第2のYOUTUBE動画では特任教授は高温化によるミューオン増殖の可能性を示す論文を提示した。しかし、東京科学大学特任教授への批判派である神戸大名誉教授が、その提示論文であるオクスフォード・プレスの学術論文「Enhancement of Muonium Emission Rate from Si with an Ablated Surface」には致命的な問題点が判明したと次のように述べている。
「 それは、ミュオン(素粒子)とミュオニウム(プラスのミュオンと電子が結合した原子)という、全く別の粒子を混同していたことです。核変換に必要とされるのはミュオン(素粒子)ですが、論文が扱っていたのは核変換を起こす能力のないミュオニウム(原子)です。」
また、本論文のEnhancementには増大という意味はあっても増殖という意味はないことも指摘している。
以上のようにミューオンによる核変換は原理的には可能だが、実用性はほとんどないとみられる。
なお、公募研究などで中性子を用いた放射性核種の安定核種への核変換を検討した経験からすれば、使用済み燃料の中から選択的に分離した長寿命核分裂生成物やマイナーアクチニド(ウラン、プルトニウム以外の重金属核種)にミューオンを照射し、原子核を不安定状態にすることで中性子照射による核変換効率を上げられる可能性は残っていると思われる。
即ち、核分裂当たりの余剰中性子数(連鎖反応及び燃料生産用の中性子利用以外の中性子)が少ない従来の原子炉内中性子利用核変換法では、環境負荷の大きい長半減期核種だけを核変換対象核種にせざるを得なかった。しかし、ミューオン利用により原子核の不安定性が増加し、中性子反応率が従来より増加できるならば半減期の短い短寿命核分裂生成物も核変換対象核種にできるようになるかもしれない。その結果、中性子のみを核変換に利用する場合に比べ高レベル放射性廃棄物の貯蔵期間を短縮できるだろう。
添付1.
「ミュオンによる核変換」整理関連サイトおよび内容の書き起こし
https://kotobukibune.seesaa.net/article/2025-11-14.html?utm_source=chatgpt.com#agenda-9jdilq__1-2
2025年11月14日
今日はこの話題です。
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目次
今後の課題
ミュオンによる核変換
加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル
『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会
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1.今後の課題
昨日のエントリーで、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」報告書を取り上げ、放射性廃棄物処理には課題が沢山あるのではないかと述べましたけれども、その報告書には今後の課題として次が挙げられています。
■今後の課題
〇2-1. 処分後臨界安全評価技術の高度化
・装荷曲線の妥当性検証:
+PWR 使用済燃料の評価における不確実性因子の設定の妥当性検証と、他に考慮すべき因子の有無の検討。
・MOX 燃料の評価詳細化:
+MOX 燃料製造前後のパラメータを拡充し、処分後の臨界安全性への影響を詳細に把握。燃料配置を考慮した臨界安全評価の必要性の有無を検討。
・容器破壊・崩落の対応:
+仕切り部厚さ増加による破断時期の遅れが未臨界維持にどの程度効果があるかを検証。BWR 燃料やPWR 2体収容容器など、未想定の設計仕様についても力学解析を行い、臨界リスクの可能性を検証。
〇2-2. 使用済燃料からの核種溶出挙動評価
・瞬時放出率の実測値拡充:
+改良した試験系を用いて、還元条件下での瞬時放出率の実測値の拡充を進める。
・正確な長期溶解速度の算出:
+長期試験を行った固相サンプルを用いて、正確な表面積の分析を進め、溶解速度の精度を向上させる。
・溶解・再沈殿の理解深化:
+UO2 ペレット表面のウランの化学状態の詳細な分析や、再沈殿ウラン固相の分析を継続し、溶解と再沈殿の挙動についての理解を深める。
〇2-3. 直接処分システムの成立性の検討に向けた基盤情報の整備
・重要課題への対応継続:
+本年度整理された重要課題(温度分布解析手法、隆起・侵食評価における時間分散効果の検証等)への対応と、安全性の論拠の拡充。
〇2-4. その他代替処分オプション(深孔処分)
・技術情報の更新・拡充:
+建設・操業・閉鎖の各段階および段階間の関係に係る技術的知見の最新情報の調査・整理を継続し、深孔処分に係る技術の現状と課題を取りまとめる。
・成立性検討の深化:
+論点に対する主張・根拠等の情報の調査・整理の対象を複数の諸外国の事例に拡張。わが国の情報も見据えながら、「成立の可否に係る条件等の具体化」や「わが国での成立性についての考察」の具体的な進め方の検討と試行を進める。
やはり使用済み燃料の保管容器の安全性や、核種の溶出がどれくらいになるのかといった、要するに地層処分しても放射線の問題は抑えられるのかという課題が依然としてある訳です。
2.ミュオンによる核変換
そんな中、高レベル放射性廃棄物をごく短時間で無害化できる技術が開発されたと一部で話題になっているようです。
これは、東京科学大学の奈良林直特任教授が3年間の研究を経て、ミュー粒子であるミュオンを利用して、核変換を行うことで無害化するというもので、昨年8月国際会議で発表されました。
ミュオンとは、宇宙から降り注ぐ宇宙線の一部である素粒子です。寿命が約2.2マイクロ秒と非常に短く、自然界には安定して存在しません。現在の科学研究では、加速器を使って人工的に作られ、物質内部の磁気状態や元素を調べるための「探針」として利用されています。
ミュオンには、正電荷と負電荷の粒子があり、電子と同じく強い力の影響を受けない素粒子「レプトン」に分類されます。
質量は電子の約200倍、陽子の約9分の1程度あり、非常に不安定な物質で、負電荷のミュオンは電子とニュートリノに、正電荷のミュオンは陽電子とニュートリノに壊れます。
自然界では、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線が、大気中の原子核に衝突して生成され、人工的には、加速器で高エネルギーの陽子を標的原子核に衝突させることでパイ中間子が発生し、このパイ中間子が崩壊して、ニュートリノとミュオンになります
ミュオンが物質中に入ると、原子に含まれている電子と置き換わってミュオン原子を形成します。ミュオンは電子よりも重たいため、通常の電子と比べると軌道半径は1/200程度と原子核並みの大きさになります。これにより、原子核の内部にミュオンが侵入することがあります。
原子核の内部に入ったミュオンは、原子核中の陽子に吸収され、陽子は中性子とニュートリノに変換されます。この結果、原子核中の陽子の数が減ることになり、元の元素とは別の元素に核変換されます。 この核変換により、例えば長寿命のパラジウム107を、安定なロジウムに変えるといったことが可能になります。
これにより、高レベル放射性廃棄物においても、ミュオンによる人工的な元素変換を行うことで理論上は無害化することができるという訳です
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3.加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル
ネットでは、「加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル」という番組でこの技術を開発した奈良林教授のインタビューをしています。
本件の動画の内容の書き起こしは次の通りです。
加藤康子:皆さんこんにちは。加藤康子康子です。「ものづくり応援チャンネル」。今日はですね、大変珍しいお客様をお迎えしております。東京科学大学の特定教授の奈良林先生です。私にしてみたらノーベル賞級の発見をされたということで、奈良林先生をご紹介したいと思います。例えば、原発をどんどん推進するのはいいけれど、「核のゴミ」ってのをどうするのか?使用済みの核燃料とか放射性廃棄物、こういったものをどういう風にこれから処分し、取り組んでいくのかということが、最も大きな課題としてあるんですけれど。実は先生、最近フランスで国際会議で発表されましたが、画期的な実験に成功されたと伺っています。このことについて皆さんに教えていただいてもよろしいでしょうか?
奈良林教授:はい、もちろんです。東京科学大学の奈良林と申します。加藤康子康子先生とは国家問題研究所のエネルギー問題研究会で、ずっとタッグを組んで色々な情報発信をしてまいりました。たまたまなんですけど、3年前にアメリカの方から「こういう現象が起きているんだけど、誰も解明できない」と。ワシントン大学もオークリッジナショナルラボラトリーも、テネシーバレーオーソリティも誰も分からなかったと。是非先生に解明してほしいと言われて、3年間検討を重ねた結果、これがミュオンという特殊な素粒子によるものだということが分かりました。それを使って、この間9月の19日にフランスで、アンティーブというリゾート地で国際会議が開かれ、そこで発表いたしました。私が発表したらですね、会場にいた方が皆スマホを出して撮影し出しまして、非常に今盛り上がっているという状況でございます。
奈良林教授:原子力発電所の欠点とは、高レベル廃棄物が発生することです。これを処分して、7,000年間保管しないと、放射能の毒性が下がりません。それから、福島第一原発で取り出したデブリ(放射能の塊)についても、「取り出したのはいいが、どこへ持っていくんだ」という話があり、福島の廃炉も「100年経っても無理ではないか」という疑問がありました。今回の発見は、その2つの課題を同時に解決できることになります。
奈良林教授:私があのミュオンの秘密を説明しますと、ミュオンというのは原子核にピュッと入っちゃうんです。マイナスの電荷を持つミュオンは、電子と似た特性を持ち、重さが電子の200倍くらいあります。非常に重たいため、原子核の近くにミュオンが軌道を描いてしまいます。この状態をエキサイテッド・ニュクライド(励起状態の原子核)と言うのですが、強い引力を持つので、隣の原子核と融合して核融合を起こしたり、あるいは核分裂をしたり、という作用が出ます。これが特徴なんです。
奈良林教授:例えばトリウムにミュオンを照射すると、クラスターフィオン(集団核分裂)という形でネオンと水銀に分かれます。これは核分裂です。その後、ベータ崩壊を2回繰り返して、ネオンは安定元素のマグネシウムに、水銀は最終的に鉛に変わります。変化にかかる時間が短いため、ミュオンを照射した瞬間に別の物質、例えば鉛などができちゃうんです。一番時間のかかるナトリウムがマグネシウムに変わるのも約15時間です。この15時間ごとの半減期に測定結果が完全に一致し、ミュオンによって核融合が起き、それがベータ崩壊して安定元素になっていくという、この現象の証拠を私が掴んだわけです。
奈良林教授:装置は非常に簡単なもので、ドラム缶のようなところにミュオン反応装置を入れます。ここで鉛が沸騰するので、有害な鉛の蒸気を吸引する装置も必要ですが、これで放射性物質はみんな安定な物質に変わってしまうというものです。この反応機の中には、昔電車のレール溶接に使われたテルミット反応を応用しています。ここでは酸化鉄ではなく酸化鉛を使うのがポイントで、これはミュオンのスピードを落とすために非常に有効な物質なのです。
奈良林教授:ミュオンは加熱すると増殖します。加速器の電極を加熱したらミュオンが増えたという論文もありました。これらを組み合わせることで、ミュオンを加熱して増殖させ、ミュオンの励起状態ができ、こういう簡単な装置で核分裂が起き、最終的にマグネシウムと鉛といった安定元素になってしまうのです。
加藤康子康子:これが実験すると最終的にどういう風になるんですか?
奈良林教授:はい。今は実験中ですが、この簡単な装置で強烈な放射能を出しているものを3つ入れて同時に反応させているわけです。この規模の2倍くらいの装置になると、1回に5kgの高レベル廃棄物を処理できるようになります。
奈良林教授:これを今、福島第一原発に適用したイメージを構想しています。炉心下のデブリをロボットなどで取り出し、補助建屋に置いたミュオン反応装置で、デブリを砕いて粉にし、テルミットのパウダーと混ぜて反応させます。空気をきれいにする装置を通すことで、きれいな空気を排出する形になります。ロボット大車を使ってデブリをミュオンの無害化装置まで運ぶシステムなど、大体シナリオはできており、あとは日本の「ものづくり」をしっかりすれば実現できます。
加藤康子:先生のこのお話を聞いてみると、結構簡単にできちゃうんじゃないかっていう感じがするんですけれど、これって例えば技術をこう発表すると、そのまま中国に特許を盗られちゃうんじゃないですか?
奈良林教授:あ、そう。だから特許をとっても盗られちゃうので、中国と戦うのは難しいなと思ってて。まずは日本で、そして日本とアメリカで、この技術を確立したいと考えています。
加藤康子:先進性の高い、人類の課題を解決できるような新しい発見に関しては、日本国内で。非常に不幸な事故があった福島を乗り越えることによって、新たな未来が生まれてくると思います。それはやはりこう問題を避けるのではなく、それをやはり未来に生かすという、そういう技術が生まれてくることが、私は一番日本人にとってはベストだと思います。
奈良林教授:原発が抱える欠点というのは、高レベル廃棄物が発生することですね。7000年間保管しないと放射能のその毒性が下がらないと。ミュオンを反応させると、変化する時間が短いので、ミュオンを照射した瞬間に別の物質、あの鉛とかができちゃうんですけど、2、3日で、例えば放射性物質はみんな安定な物質に変わってしまうということですね。
加藤康子:日本というのは、宇宙線が空からどんどん、それが大気圏に突入すると、そのミュオンと...
奈良林教授:はい。最初は陽子(プロトン)と言いますけど、そういったいの粒子が高速で地球に降り注いでるんですね。それで大気に突入すると、高エネルギーの粒子プロトンやなんかが大気中の酸素とか窒素とぶつかって、そこで中間子というのができるんです。中間子は湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した、この中間子を予言されて、そして西方があさらに霧箱でその中間子からミュオンができるということも発見されてるんです。実はそのノーベル賞が発見した成果を紐解いていくと、ミュオンによって、原子が別の物質に変えられるという、高レベル廃棄物のアメリシウムという厄介なやつがあるんですけど、このアメリシウムを鉛とマグネシウムに変わるということを実験で確認しました。理論付けもできましたので、国際会議で発表しました。
加藤康子:酸化ウランも、酸化トリウムも、アメリシウムも、無害化に成功したんですね。
奈良林教授:そうです、そうです。同時に処理できるというのは非常に大事で、高レベル廃棄物の中から特定の元素だけを取り出すのは手間がかかるんですけど、まとめて全部面倒を見るということができるということが分かりました。
加藤康子:すごいですね。今続けてアメリカの研究所でセシウムとストロンチウムについても実験継続しているんですね。
奈良林教授:はい。厄介なのは重たい元素と軽い元素はミュオンで処理できることが分かっているんです。ちょうどやりにくいのが重たい原子と軽い原子の間にある領域で、鉄とかコバルトとか、あとセシウムとか、そういったちょっと中間的な元素が難しいんじゃないかと言われているんですが、アメリカでコバルト60も無害化できるのは分かっているので、多分セシウムとストロンチウムも処理できるかと、いう風に思っています。
加藤康子:すごいですね。いつ頃分かるんでしょうかね?
奈良林教授:今、早くやってくれと頼んでいるので、テストをやってくれると思うんですけど。作業ロボットはこれから開発しますが、工学的に作れることは分かっているので、大きな問題にはならないと思います。ただ全て遠隔操作でやらなきゃいけないので、全部デバイスも開発しなきゃいけないんですけど。
加藤康子:実験できる施設というのはアメリカにしかないんですか?
奈良林教授:8月の中旬に、アメリカの原子力学会のジャーナルに投稿しました。原発の負の部分であった高レベル廃棄物をなくせるってことが分かってきましたので、原発の欠点がなくなってしまうわけですから、未来のエネルギーどうしたらいいかってのは全部決まってしまうような気もしますけど、いかがですか?
加藤康子:素晴らしいですね、先生。そのミュオンによって、酸化ウラン、酸化トリウム、アメリシウム、一緒に無害化するという実験に成功されたと。
奈良林教授:はい、はい、そうです。その原理も解明しました。
加藤康子:もうきちっと解明したと。
奈良林教授:はい。セシウムとストロンチウムは今現在、これから、
加藤康子:はい、これからですね。
奈良林教授:最後そこ見極めをしなきゃいけないと。
加藤康子:それができたら、まさしく宇宙戦艦ヤマトのコスモクリーナーのように、放射性廃棄物から、核のゴミと言われている使用済み核燃料や放射性廃棄物を無害化できると。
奈良林教授:はい、はい。去年、プラハで国際会議があって、欧州の元原子力学会会長が、「ドイツはダークサイドに落ちた」と。原発を止めたから二酸化炭素の排出が増した。だからドイツは間違った判断をしたと。結局、原子力発電所というのは、ジェダイの騎士なんですね。ダークサイドの失策はドイツです。原発を止めるということは悪の所業なんですね。今や原子力発電所は欧州では、これから地球を救う正義の味方にという評価に変わってきてるわけです。
加藤康子:私は、脱炭素と原発を結びつけるのはあまり賛成しないなと思うんです。なぜかと言うと、今GXなんかでも脱炭素政策が非常に行き過ぎていると思っていて、結局17兆円のGXの資金でも、蓋を開けてみると原発に使われるよりも風力とか太陽光に使われる予算の方が多くなっちゃうんじゃないかと。政策的に間違ってるのは太陽光、風力は悪なんですよ。地球の環境破壊をしてCO2を減らすことはできません。そっちの方はだから全部切り捨てなきゃいけないんですね。
奈良林教授:アメリカでもエネルギー基本計画の中に、再エネのようなものは入ってないですからね。
加藤康子:安価で安定した電力といった時に、それこそ火力と原発ときちっとした形で計画を立ててるじゃないですか。アメリカの場合には、もう化石燃料に帰依してますからね。私はやはり日本の技術というのは、このまま掘っておいたら技能者がどんどん高齢化していなくなると思うんですよ。そういう時に、こういう画期的な発明がされたということは、本当に勇気が出るし、若い学生たちにどんどん原子力の分野に進んでもらいたいなと思っております。昔、宇宙戦艦ヤマトで出てきたコスモクリーナーの話だなと思って聞いてましたよ。
奈良林教授:だから、コスミックミュオンクリーナーなんです。宇宙線由来のミュオンを使ったクリーナー、放射能のクリーナーなんです。ネーミングについてはちょっと興味が出るかもしれませんが、まさしくそのコスモクリーナーが今地上に存在するという状態になります。
奈良林教授:トランプ大統領も「風力やめちまえ」とおっしゃってますけど、当然で、洋上風力建設しても非常に建設費が高騰していて、風力発電で得る電気ではそれがその建設が回収できないということはもう明白になっているんです。だから三菱商人も撤退したわけです。日本政府はまだそこにしがみついてるので、無駄な政策を早くやめて、その再エネで今トランプ関税のその自動車産業とか、小金融まで含めて、その支援ということをすれば、なんとか日本の製造は持ちこたえると思うんですね。
加藤康子:素晴らしいお話でした、ありがとうございました。
奈良林教授:はい、どうもありがとうございました。
加藤康子:今回はパート2を撮ることになりました。皆さんが疑問に思っていること、多かった質問を中心に、今日はちょっと先生に質問をさせていただきます。まず先生が、正真正銘の科学者として、大変、原子力学会ではご評価いただいているというところを見せていただきます。
奈良林教授:はい。2018年は、私がアウトスタンディングに選出され、世界で活躍している教授として、素晴らしいISOEという組織からアワードをいただいています。
加藤康子:先生、はい。このISOEという組織は、職員被曝情報システム。実はですね、世界で400機を超える原子力発電所の事故トラブル情報と、働いている人たちの放射線被曝、職業被曝(宇宙飛行士も含めて参加します。NASAも参加します)を対象に、産業員の人たちを被曝させないことを目的に活動している組織です。
奈良林教授:なるほど。これ、何人ぐらい受賞されるんですか?
加藤康子:毎年1人です。おお、毎年の1人に選ばれたんですね。じゃあ本題のちょっと質問に入らせていただきたいと思います。このミュオンはどうやって発生したのですか?もう一度先生ご説明いただいてもいいですか?
奈良林教授:はい。宇宙からは高エネルギーのプロトンというのが、たくさん降り注いでいます。太陽から、もしあと宇宙空間で超新星爆発とか現象が起きますけども、高エネルギーの宇宙線が宇宙では飛び交っているわけです。地球に降り注いでいる絵をここに書いたんですけども、プロトン(陽子)が待機に突入しますと、待機の中で多い酸素とか窒素に衝突します。そうすると、パイ中間子というのができまして、パイ中間子は素粒子の1つなんです。極めて短い時間にミュオンに変わるんです。ですから、世界はミュオンのシャワーの中にいるということです。このミュオンは人体では全く影響ありません。ある特殊な条件で、非常に特殊な作用を起こすようになります。
奈良林教授:前回お話しした、福島第一原発の事故の2号機と5号機で、ミュオンによってレントゲンが撮れたということを示したものですけども、非常に重たい元素に対しては100%、原子番号90以上のものは100%の確率で作用するということが分かっています。原子レベルでお話ししますと、原子核があります。ミュオンは、エネルギーをずっと落としていくと、少しスピードを落としてやると、この原子に取り囲まれて、原子核の周りをぐるぐる回り出します。質量が電子の207倍ありますので、非常に重たい負の電荷を持った素粒子ですので、原子核に非常に近いところを高速でくることもあります。この状態が「ミュオン励起核(ミュオン励起ニュークライド)」といって、非常に活性化された状態のミュオンということになります。このミュオンが取り着いた原子核というのは、非常に強い引力、相互にぐーっと引き寄せる力があったり、あるいは核融合を起こすということもあります。これはもう加速器を使った研究で存在が確認されています。それから重たい元素は核分裂をしますので、ミュオンによって核分裂反応も起きるということになります。
加藤康子:多くの方から「加速器を使うんですか?」という質問がありましたけど、「加速器を使わないのであれば、ミュオンは加熱すると増殖するという根拠の論文が見当たらないんですけれど」…
奈良林教授:はい、今日はその説明の資料をご用意いたしました。ミュオンというのは、空から降り注いでくるのは1秒間に手のひらに1つぐらいなんですね。これではとても莫大な量の放射性物質を処理できません。ところが、加熱するとミュオンが増えるというのが、例えばオックスフォード大学出版局から出版された正規の査読を経た論文に、こういう現象について書かれています。この人たちはレーザービームをターゲットに照射した、つまり加熱したことになります。そうすると、「ミュオンが増え出しました」ということをこの論文の中で書いてあります。それから先ほどの核融合ですけども、核融合反応がミュオンで起こると加速されますから、核融合ではミュオンが湧き出してくると。つまりミュオン触媒核融合という風に言われています。ですから、加熱するとミュオンが増えるというのは、論文もそうですし、加速器を使って研究されている方々にとってはもう常識なわけです。
加藤康子:ミュオンの研究というのは日本が世界でも特に進んでいると伺うのですが、そうなんですか?
奈良林教授:はい。内閣府がプロジェクトに対して集中投資のお金をつけて研究をします。加速器を使ったミュオンの研究というのはダントツに日本が今進んでいます。
加藤康子:嬉しいですね、その話。
奈良林教授:ところが実用面でどうかっていうと、実際の世の中に役に立つところまで持ってかなきゃいけないんですね。そこが非常に難しくて壁があって、そこを乗り越えなきゃいけないというのが、実際私がもう3年もまるまるこの研究をしていましたので、そのくらいの大変さというのはあります。
加藤康子:放射能廃棄物の無害化がものすごいインパクトがあったために、多くの質問が「なぜその放射能を出さなくなるのか?」と。「ゼロになるということはどういうことか?」という質問がたくさんありました。
奈良林教授:はい。実はその証拠が私の手元にありまして、これなんですけど、「クッキー」「ビスケット」と名前をつけてます。これは酸化ウランを中心とする物質の中に、これを均一に混ぜて、テルミット反応を添加して反応しました。今これ私で握ってますけど、これ単に鉛とマグネシウムですから、何の問題もないと。反応前が10万カウントぐらいあるわけです。ミュオン反応するといきなり3桁近く下がります。あとは15時間の半減期に下がって降りてくるんです。この15時間の半減期を持ったナトリウム24が一番半減期長いんです。反応前に例えば1万5000 CPMだったとします。ベータ線が出ているわけです。反応させます。冷えたぐらいのところで30分後に測りました。そしたら600に減ってるんです。今度7日後ですけども、25 CPMで、これもうバックグラウンドレベルです。空から降ってくる宇宙線もカウントしてますので、もうなくなっているわけです。だから私こうやって手に乗ってられるわけです。
加藤康子:じゃあ、これを実際に世のため人のために社会実装して役立てていこうと。どうやって、福島第一原発のデブリの無害化をしていくのか、もうちょっと詳しくご説明いただけますか?
奈良林教授:はい。こちら、デブリを砕く装置です。その後にミュオンのリアクターがあって、あと空気を綺麗にする装置が付いています。この中でデブリを切断したりすると、放射性物質がたくさん出てきますので、私が開発した空気を綺麗にするシステムがもう既に開発済みで、これを使って現場の中の作業エリアの放射性塵を減らします。それに加えて、デブリの切断作業、取り出し作業が始まりますので、右側の青い箱の中をしっかりしなきゃいけないわけです。実際にやると、このドラム缶の中にリアクターが入っていまして、空気清浄システムにさらに強力な私の開発したやつを接続します。ミュオンが反応しているところは、鉄が加熱されて赤くなって、これがゆっくりと移動してくるということになります。これが私が開発した、空気を綺麗にする装置です。鉛は放射能はないですが、人体には有害ですから、人体に入らないようにしなきゃいけないので、そのためのマスクが必要になってきます。これもすでに開発済みです。
奈良林教授:あと大変なのは、取り出したデブリを原子炉の中でへばりついているものを引っ剥がしたり、床に堆積しているものを回収して、レール車で補助建屋の中のミュオンリアクターまで持ってきて、砕いてパウダーにして混ぜる。このシステムもちゃんと作らなければいけないんです。現在、福島第一で取り出されているデブリは合計0.8gです。私の計画では1回に5kg取り出すという計画で、1日2回で8時間作動させて、年間300日作動させると、計算上は15年で大体1000tぐらい取り出せることになります。このシステムをちゃんとやれば、880tのデブリは全て15年間で取り去して無害化することができるということになります。ただ壮大なシステムになるので、このシステム開発をしっかりしなきゃいけない。サイエンスから今度はテクノロジー、エンジニアリングに変わります。
加藤康子:作業が遅々として進まない理由に、作業用ロボットが途中で放射能の影響で動かなくなってしまう話をよく聞くんですけど、ミュオンのシステムでは大丈夫なんですか?
奈良林教授:今、福島第一原発の中はドローンが飛んでデブリの堆積具合を撮影したりしてます。短期間なら大丈夫なんです。CCTVカメラは比較的放射線に強いです。弱いのは、半導体のCPUですね。こういったものが微細加工されていて、放射線ダメージが出やすいんです。今度台車型のロボットにして、先端をパワーショベルにしたり、ウォータージェットで切断したり、粉は掃除機みたいにバキュームで、という台車を作ろうと思ってます。ただし、ロボットのアームの中にはCPUや半導体の素子を入れないで、外までワイヤーで引いてくるわけですね。外側で放射線が低いレベルになっているところでCPUを作動させるということになります。
加藤康子:使用済み核燃料の再処理で抽出された高レベル廃棄物は、どうやって無害化する予定ですか?
奈良林教授:はい。周期表の一番下の赤丸のところはウランとかアメリシウム、これ重たい元素で、放射線をいっぱい出す強い物質になります。六ヶ所の再処理工場は、ウランをリサイクルするために取り去っちゃうんですよね。3大放射線源というのが、アメリシウムとセシウムとストロンチウムです。プルトニウムが長いのがあるんですけど、これは再利用しますのでなくなります。だから福島第一よりもむしろ六ヶ所の再処理の方がミュオンによって無害化するのが簡単なわけです。ただ量がすごく多いということになります。
加藤康子:ガラス固化体になっているものに応用されるとどうなんですかね?
奈良林教授:ガラス固化体になっているものは、ガラスごと砕いてパウダーになりますから、やろうと思えばできると思います。もう一つは、ガラス固化体にする前に、溶液の形で取り出してミュオンで反応させるんですけど、この溶液で取り出したものを個体のパウダーにする乾燥させるところは技術的には難しいんです。そこが技術的な課題として残ります。それからあと、セシウムとかストロンチウムはまだミュオンで消せるという確認が取れてません。今、アメリカの共同研究者たちに頼んでるんですけど、ストロンチウムは体内に入ってしまうとカルシウムと同じ系列にありますから、骨に入って癌の原因になるので、まずしっかりした人のうちには漏れないような装置をちゃんと作ってからしましょうと言っていて、とりあえずセシウムは処理できますかというのを今取りやっています。コバルト60というもっと軽い元素ができているので、なんとかいくんじゃないかと言ってますけど、我々原子核物理の専門家としては非常に難しいんです。重たい元素と軽い元素は一粒あたりのエネルギーが大きいんですけど、中間的な元素は核結合のエネルギーが少ないので非常に難しいんですけど、テルミット反応で加熱しますからできるかもしれないという期待は持っています。これはちょっと試験をやってみて確認ということになります。
奈良林教授:このセシウムとストロンチウムは30年の半減期なので、今まで7000年かかったものが120年になります。アメリシウムを消しただけでもすごいですよ。これは7000年が120年に短縮した。
加藤康子:今話題になっている核融合、2030年代には成功させたいと高市先生おっしゃってましたが、このミュオンで核融合の可能性広がりますか?
奈良林教授:そうですね。先日AI核融合フォーラムというのが議員会館で開催され、大勢の方々が参加されました。専門家の方々が今の実現状を詳しく説明いただいたんですけど、材料の問題があるんですね。炉壁が非常に強いエネルギーの中性子で劣化しやすいので、その材料を開発する必要がありますとかですね。そういうことを考えると、ミュオンを使って、加速器じゃなくてミュオンを増して直接核融合、ミュオン触媒核融合を起こせれば、もう一つのその核融合のやり方ということになります。
加藤康子:夢になるお話で本当にありがとうございます。あまりお話ををしすぎると、公開している部分が特許の対象にならないということで、私はヒヤヒヤしながらですね...
奈良林教授:コメントの中にも特許の方は心配されているのがよくあって大変ありがたいです。ある程度今お話できるような、学会でも既に公表したようなお話を今中心にご紹介して、これだけ万人の方々から応援をいただくと、私もう本当に頑張ろうという気になります。温かい声をいただくのは、福島にお住まいの方で事故の影響を受けられた方々が、「このYouTubeを見て光が見えました」という風におっしゃっているコメントを拝見しまして、本当に嬉しく思います。
加藤康子:涙が出るほど、嬉しく。
奈良林教授:国を幸せにしないといけないというのは本当に心からそういう風に思っていますので、なんとか頑張りたいと思います。
加藤康子:この研究の成果が今アメリカの原子力学会の方の論文をお出しになっているということなので、是非朗報を期待いたしております。また今回パート2のビデオができるということで、また大勢の方に見ていただいて、応援していただければと思います。
奈良林教授:はい、先生ありがとうございました。また色と教えてください。
ミュオンを安価で大量に、しかもドラム缶程度の装置で出来てしまうとは。これが本当であればすごいことです。核廃棄物処分問題が一気に解決することになります。
4.『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会
けれども、この技術は不可能だという反論もあります。
神戸大学名誉教授の松田卓也名誉教授は、自身が主催するシンギュラリティサロンで「奈良林教授の放射性廃棄物無害化のウソ」という動画を挙げています。
塚本昌彦教授: はい、撮り始めました。さて、今日は何のお話ですか。
松田卓也名誉教授: はい、今日はね、最近YouTubeで見つけたある面白い動画が2本ありまして、それが非常に話題になっています。それに関する、まあ、同じような解説というのかな、それを後押しするような動画がたくさん出ています。
塚本昌彦教授: へえ、何ですか?
松田卓也名誉教授: はい。こういうYouTube動画で、「驚愕!技術界に激震!日本の研究者が放射性廃棄物無害化に成功」というものです。奈良林教授のニュースですね。これがパート1で、パート2というのもある。「どういう原理?YouTubeコメントに詳しくお答えします」と。これはある理事長が送ってきて、「これについてどう思う?」と聞いてきたので調べました。これはどういう話かと言うと、原子炉などで溜まる放射性廃棄物を、例えば7000年間保存しないといけないと言われているところ、それを無害化できる、処理できるという技術を日本の研究者が開発に成功したという主張です。結論から先に言えば、あの、ダメです。
塚本昌彦教授: やはりダメですか。
松田卓也名誉教授: ただ、期待がものすごく大きいので、「これが間違ったまま広まって良いのか」ということで調べました。素粒子・原子核の専門家である教授や名誉教授合わせて3名に意見を聞いたところ、「間違いだ」という見解で、私もそれに同意するという話です。動画が主張する画期的な成果とは、放射性廃棄物(高レベル廃棄物、福島のデブリ等)の無害化に成功したというものです。原理は、ウランなどの放射性物質にミュオンという素粒子の力を借りて核変換を起こさせ、最終的に放射能を持たない安定な物質(鉛、マグネシウムなど)に変化させるというものです。
塚本昌彦教授: その時に放射線は出さないということですか?
松田卓也名誉教授: 元々放射性の物質、例えばウランにマイナスのミュオンを当てるんよ。そうすると、これが原子番号が1つ下がり、不安定な放射性物質が安定な原子に変わる。この現象自体は間違いないので、実は昔から知られておったわけです。問題は、それが現実的にできるかという点です。
松田卓也名誉教授: 次に、その核変換のメカニズムの根幹をなす「ミュオンの増殖」です。マイナスのミュオンは原子核のそばに入り込み、プロトンをニュートロンに変えて原子番号を1つ減らし、無害化ができるという理屈です。このミュオンは宇宙線から発生し、レントゲンのように内部を透視するのにも利用されています。ミュオンを不安定な原子核のそばに持っていけば安定な原子に変わる、これも事実です。問題はコストです。ミュオンは加速器で生成する必要があり、莫大な電力コストがかかります。原子核1つを処理するのにミュオンが1つ必要だとすれば、例えば1モルのウラン(およそ1兆の1兆倍の原子核)を安全化するには、同数のミュオンが必要です。加速器でそれだけのミュオンを作るには、ものすごい電力が必要になり、採算が合わないという問題があります。奈良林先生はこのコスト問題を「ミュオンは加熱すると増殖します」とパート2で主張しました。「少量のミュオンを投入し、テルミット反応などで加熱すれば、ミュオン自体が増殖するためコスト問題が解決できる」と。つまり、温度を上げればミュオンが増えるという、常識にはないことをおっしゃっているわけです。
松田卓也名誉教授: コメント欄を見ると、多くは「ノーベル賞だ」「日本の原発問題が全て解決する」という賞賛の嵐でした。中には、専門家で物理を学んだ人もいて、「ミュオンが増えるという論文を調べたが、見つからない」という疑問のコメントがありました。パート2では、その質問に答えるという形で、ミュオンが増殖する証拠として、オクスフォード・プレスの学術論文「Enhancement of Muonium Emission Rate from Si with an Ablated Surface」を提示されました。しかし、その論文をAIに読み込ませて調べたところ、致命的な問題点が判明しました。
松田卓也名誉教授: それは、ミュオン(素粒子)とミュオニウム(プラスのミュオンと電子が結合した原子)という、全く別の粒子を混同していたことです。核変換に必要とされるのはミュオン(素粒子)ですが、論文が扱っていたのは核変換を起こす能力のないミュオニウム(原子)です。さらに、論文のタイトル「Enhancement of Muonium Emission Rate(ミュオニウムの放出率の向上)」は、ミュオンの増殖(Multiplication)に関するものでは一切なく、ミュオニウム原子をいかに効率よく物質の外部へ放出するかという研究でした。教授は「向上(エンハンスメント)」を「増殖」と誤読してしまったと推測されます。
塚本昌彦教授: そうなんですか。
松田卓也名誉教授: 結論と総括として、動画の主張はその根幹部分で科学的根拠を欠いています。ミュオンで放射性廃棄物を無害化できるという原理は正しいが、その鍵である「ミュオンの加熱による増殖」という現象の唯一の証拠として提示された学術論文は、無関係な粒子ミュオニウムを扱っており、全く異なるプロセス(増殖ではなく放出)を研究している。つまり、その動画の主張は間違っているということです。
塚本昌彦教授: なるほど。世の中で、その論文が当てはまらないという議論は起きていないのですか?
松田卓也名誉教授: 誰も知らないわけです。コメント欄は、物理を知らない人の賞賛と、一部の専門家による「おかしいんじゃないか」というコメントの2種類に分かれていました。教授がタイトルを画面に映した論文を、誰も内容まで深く確認した人がいなかったということですね。
塚本昌彦教授: はい、その論文に対してちゃんとした物理学者の人が読んで反論しているのはまだないということですね。
松田卓也名誉教授: はい、そうです。これは私が(理事長からの依頼で)調べた結果です。素粒子・原子核の専門家4名に問い合わせたところ、皆、原理は正しいが、問題は**数(コスト)**であるという見解で一致しています。ミュオンを当てて放射性元素を安定にするという現象自体は知られていることですが、加速器でミュオンを生成するための莫大な電力が必要になり、現実的には不可能です。そこで奈良林先生は「温度を上げれば増やせる」とおっしゃった。しかし、温度を上げるという発想は、原子核・素粒子のレベルのエネルギーとは全く異なり、常識的な科学のレベルの話ではありません。そして提示された論文も、ミュオンが増えたとは言っておらず、ミュオニウムが外へ飛び出したと言っているだけでした。この先生は、原子炉を扱う分野では専門家ですが、ミュオンの話になると素粒子の問題になり、そこは専門ではありません。したがってその主張は根源的な原理のところで間違っています。
松田氏によると、温めてもミュオンは増えないとのことで、ほぼほぼ全否定です。松田名誉教授はJapan Skeptics「別名:『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会」会長で、疑似科学批判を行っている方ですから、余計に厳しく批判しているのかもしれません。
奈良林教授と松田名誉教授のどちらが正しいのか筆者には分かりませんけれども、なんとなくスタップ細胞騒ぎを連想しました。その意味では国内よりは海外でどういう反応があり、興味をもって共同研究を持ちかけたりしないか、視野を広く持って成り行きを見守りたいと思います。
ドレミといい声の関係 ― 2026年02月25日 06:18
キーボードがなぜ黒鍵を含め12個の倍数になっているかを調べたら、ド(C1)と一オクターブ上のド(C2)の周波数が2倍だということは分かっていたが、それを12分割しているのはその周波数の比がほぼ一定になるように音程を定めたためだという。
周波数としては以下の関係になっている。
(キー記号は67鍵盤の左のド、#は黒鍵を示す。)
キー 音程 周波数 次のキーと ドを1と ドを4 ファを4 ソを4
(ヘルツ) 周波数の比 した比 とした比 とした比 した比
和音(ドミソ)(ファラド)(ソシレ)
C1 ド 32.703 1.059 1 4 4
C# 34.648 1.059
D1 レ 36.708 1.059 1.122
D# 38.891 1.059
E1 ミ 41.203 1.059 1.260 5.040
F1 ファ 43.654 1.059 4
F# 46.249 1.059
G1 ソ 48.999 1.059 1.498 5.993 4
G# 51.913 1.059
A1 ラ 55.000 1.059 1.682 5.040
A# 58.270 1.059
B1 シ 61.735 1.059 1.888 5.040
C2 ド 65.406 1.059 2.000 5.993
C2# 69.296 1.059
D2 レ 73.416 1.059 5.993
この表から言えることは、
(1)ドと1オクターブ上のドの周波数は2倍になっている。
(更に上のドは最初のドの周波数の4倍)
(2)ドを4とした場合のミの周波数は約5倍、ソは約6倍になっている。
(3)ファラド和音、ソシレ和音もドミソ和音と同じ周波数比となっている。
ということである。
即ち、
(1)西欧音階の周波数構成は各オクターブの比が2倍(倍音)で増加する。したがって、オクターブが異なっても波の起点は固定されている。
(2)ドミソの和音は周波数が整数倍の音程の音の組み合わせである。
ということになる。
人間の耳の鼓膜は音波で振動するが弦と同様、周辺は耳穴に固定されている。従って、その倍音も簡単に共振できる。これがオクターブ上の音が同じように気持ちよく聞こえる理由である。
この延長線上にドミソ和音などの和音もある。ChatGPTによれば周波数が整数倍の音は聞き取りやすいとのことである。周辺を固定された鼓膜はある周波数の音の整数倍の音は、元の音の高周波成分として脳が認識するのだろう。これが和音となって気持ちよく聞こえる理由なのだろう。
但し、ドと次のドの周波数比は2なので、隣り合うキーの周波数比を一定とすると、ミやソはわずかにドの4倍の整数倍からずれることにはなる。
即ち、鍵盤の構成は人間の耳の周波数の認識許容誤差を多少利用した妥協の産物ということになる。
ところで、ヒトの声にはいい声というものがある。これはいったい何なのだろうか。上記の周波数和音論に従えば、整数倍の高周波が適度に混ざった声がいい声として、即ち、聞き取りやすい声として耳(脳)が認識するのではないだろうか。
即ち、いい声を出すためには、声帯から発生するある周波数の音の整数倍音の周波数の音も同時に口から発生させることが重要ということになる。
これは口蓋の構造を考慮すると、声帯から発した音が口蓋で反響し、その整数倍の音とともに口から和音として漏洩することに相当する。
単純に言えばできるだけ口内の空間を大きく縦又は横に広げ口内で生体から発した声を反響させながら発声することが良い声を出すコツといえるだろう。
周波数としては以下の関係になっている。
(キー記号は67鍵盤の左のド、#は黒鍵を示す。)
キー 音程 周波数 次のキーと ドを1と ドを4 ファを4 ソを4
(ヘルツ) 周波数の比 した比 とした比 とした比 した比
和音(ドミソ)(ファラド)(ソシレ)
C1 ド 32.703 1.059 1 4 4
C# 34.648 1.059
D1 レ 36.708 1.059 1.122
D# 38.891 1.059
E1 ミ 41.203 1.059 1.260 5.040
F1 ファ 43.654 1.059 4
F# 46.249 1.059
G1 ソ 48.999 1.059 1.498 5.993 4
G# 51.913 1.059
A1 ラ 55.000 1.059 1.682 5.040
A# 58.270 1.059
B1 シ 61.735 1.059 1.888 5.040
C2 ド 65.406 1.059 2.000 5.993
C2# 69.296 1.059
D2 レ 73.416 1.059 5.993
この表から言えることは、
(1)ドと1オクターブ上のドの周波数は2倍になっている。
(更に上のドは最初のドの周波数の4倍)
(2)ドを4とした場合のミの周波数は約5倍、ソは約6倍になっている。
(3)ファラド和音、ソシレ和音もドミソ和音と同じ周波数比となっている。
ということである。
即ち、
(1)西欧音階の周波数構成は各オクターブの比が2倍(倍音)で増加する。したがって、オクターブが異なっても波の起点は固定されている。
(2)ドミソの和音は周波数が整数倍の音程の音の組み合わせである。
ということになる。
人間の耳の鼓膜は音波で振動するが弦と同様、周辺は耳穴に固定されている。従って、その倍音も簡単に共振できる。これがオクターブ上の音が同じように気持ちよく聞こえる理由である。
この延長線上にドミソ和音などの和音もある。ChatGPTによれば周波数が整数倍の音は聞き取りやすいとのことである。周辺を固定された鼓膜はある周波数の音の整数倍の音は、元の音の高周波成分として脳が認識するのだろう。これが和音となって気持ちよく聞こえる理由なのだろう。
但し、ドと次のドの周波数比は2なので、隣り合うキーの周波数比を一定とすると、ミやソはわずかにドの4倍の整数倍からずれることにはなる。
即ち、鍵盤の構成は人間の耳の周波数の認識許容誤差を多少利用した妥協の産物ということになる。
ところで、ヒトの声にはいい声というものがある。これはいったい何なのだろうか。上記の周波数和音論に従えば、整数倍の高周波が適度に混ざった声がいい声として、即ち、聞き取りやすい声として耳(脳)が認識するのではないだろうか。
即ち、いい声を出すためには、声帯から発生するある周波数の音の整数倍音の周波数の音も同時に口から発生させることが重要ということになる。
これは口蓋の構造を考慮すると、声帯から発した音が口蓋で反響し、その整数倍の音とともに口から和音として漏洩することに相当する。
単純に言えばできるだけ口内の空間を大きく縦又は横に広げ口内で生体から発した声を反響させながら発声することが良い声を出すコツといえるだろう。
ある風邪感染の予防法 ― 2026年01月26日 07:26
のどが突然いがらっぽくなり、風邪をひきそうになった時、いつも行う習慣である。
それは、60℃程度の温水で鼻や口腔、顔全面を両手で何度も洗い、嗽を繰り返すことである。
単純な嗽というよりも、顔及び鼻腔、口腔、手についたウイルスをできるだけ完全に温水で洗い流す。5分程度繰り返すと、なぜか、のどのいがらっぽさが消えてくる。
この方法で、風邪やインフルエンザの感染を何度も防いできた。
同僚が電車の向かいの席で咳を繰り返した時も、洗面所にいって、この方法でインフルエンザ感染に罹らずに済んだ。
ちょっと手間だが、有効なようだ。
それは、60℃程度の温水で鼻や口腔、顔全面を両手で何度も洗い、嗽を繰り返すことである。
単純な嗽というよりも、顔及び鼻腔、口腔、手についたウイルスをできるだけ完全に温水で洗い流す。5分程度繰り返すと、なぜか、のどのいがらっぽさが消えてくる。
この方法で、風邪やインフルエンザの感染を何度も防いできた。
同僚が電車の向かいの席で咳を繰り返した時も、洗面所にいって、この方法でインフルエンザ感染に罹らずに済んだ。
ちょっと手間だが、有効なようだ。
ある背中の痒みの解消法 ― 2026年01月26日 07:03
汗をかいた後、背中を流したのだが寝ていて痒みが止まらない。
孫の手を使ってみたが痒みは収まらない。
そこで、ポリエステルの下着を脱いで、綿のパジャマのみにしてみた。
なぜか痒みは収まったのである。合成繊維は化学式が単純なせいか、静電気を通すようだ。これが痒み神経を刺激していたのだろう。
孫の手を使ってみたが痒みは収まらない。
そこで、ポリエステルの下着を脱いで、綿のパジャマのみにしてみた。
なぜか痒みは収まったのである。合成繊維は化学式が単純なせいか、静電気を通すようだ。これが痒み神経を刺激していたのだろう。
箱根の道が志賀高原より危険なワケ ― 2026年01月24日 02:36
箱根は標高1,438m(神山)で、雪も少ない。一方、志賀高原は標高2,307m(横手山)で豪雪地帯でもある。
ところが、最近のニュースでも見るように箱根はたとえスタッドレスタイヤであっても車は良く滑り、事故を起こす。志賀高原もスリップ事故はあるのだが、あのニュースのようにどこまでも車が坂を滑り落ちていくという事態は少ない。
なぜだろうか。それは志賀高原と異なり、箱根のほうが気温も地温(地面温度)も高いからである。志賀高原は温泉が少ない。箱根は温泉だらけである。このため地表温度は高めに推移する。日射もあり、気温も日中は零度以上になる。即ち、降った雪が日中は解けて、水の膜になり、明け方は日射がなく、気温、地表温度も零下になって氷の膜になる。即ち、氷の斜面の上に車が乗っかった状態になるので滑り落ちるのである。
一方、志賀高原では常に地表温度は零下である。車の排気などで表面が零度以上になって、水になり、それが夜間に氷になることはあるが、その下は雪が残っているので舗装面全体が氷に覆われるような状況にはならない。雪と氷が混在した状態で舗装面を覆っている。雪というものは空気が混入しているので、断熱性が氷よりも高い。即ち、車が乗った状態でボイルシャルルの法則で雪面の圧力が上がり、一時的に接触面は水になる。雪が雪面に多少残っている方が地面との温度差ができるので、氷だけの場合より表面の温度が上がりやすく、水膜ができやすい。その水膜はスタッドレスのサイプ(タイヤ表面の排水用溝)が排除するので、その結果、雪とタイヤ表面が直接接触し、雪のほうが氷より摩擦係数は大きいのでスリップを防ぐのである。
地熱のある箱根では雪が全て溶けて氷の板のみ舗装面に残っているので多少表面が溶けても、下は氷のままのため、スタッドレスタイヤでも摩擦は生じない。
この差が箱根のほうが志賀高原より危険な路面になりやすい理由である。即ち、箱根では路面温度が零度を挟んで上下するので氷の単層が暑く生成され、スタッドレスが効かなくなる路面状態になりやすいということである。
ところが、最近のニュースでも見るように箱根はたとえスタッドレスタイヤであっても車は良く滑り、事故を起こす。志賀高原もスリップ事故はあるのだが、あのニュースのようにどこまでも車が坂を滑り落ちていくという事態は少ない。
なぜだろうか。それは志賀高原と異なり、箱根のほうが気温も地温(地面温度)も高いからである。志賀高原は温泉が少ない。箱根は温泉だらけである。このため地表温度は高めに推移する。日射もあり、気温も日中は零度以上になる。即ち、降った雪が日中は解けて、水の膜になり、明け方は日射がなく、気温、地表温度も零下になって氷の膜になる。即ち、氷の斜面の上に車が乗っかった状態になるので滑り落ちるのである。
一方、志賀高原では常に地表温度は零下である。車の排気などで表面が零度以上になって、水になり、それが夜間に氷になることはあるが、その下は雪が残っているので舗装面全体が氷に覆われるような状況にはならない。雪と氷が混在した状態で舗装面を覆っている。雪というものは空気が混入しているので、断熱性が氷よりも高い。即ち、車が乗った状態でボイルシャルルの法則で雪面の圧力が上がり、一時的に接触面は水になる。雪が雪面に多少残っている方が地面との温度差ができるので、氷だけの場合より表面の温度が上がりやすく、水膜ができやすい。その水膜はスタッドレスのサイプ(タイヤ表面の排水用溝)が排除するので、その結果、雪とタイヤ表面が直接接触し、雪のほうが氷より摩擦係数は大きいのでスリップを防ぐのである。
地熱のある箱根では雪が全て溶けて氷の板のみ舗装面に残っているので多少表面が溶けても、下は氷のままのため、スタッドレスタイヤでも摩擦は生じない。
この差が箱根のほうが志賀高原より危険な路面になりやすい理由である。即ち、箱根では路面温度が零度を挟んで上下するので氷の単層が暑く生成され、スタッドレスが効かなくなる路面状態になりやすいということである。
原子炉による金の作り方 ― 2026年01月24日 01:45
核融合炉による金の作り方については下記サイトに記載されている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2507/23/news084.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20260123&utm_term=072&utm_content=rel4-0
これは錬金術といっても関係者にとっては核融合炉発生中性子の核変換反応であり、あまり現実味はない。
しかし、現在実用化されている原子炉を使えば実際に水銀から金を生産することは可能である。即ち、水銀を容器に入れて原子炉内で中性子を照射すれば、(n,2n)反応という中性子を2個放出する核反応を利用して生成される水銀同位体が崩壊し、金の安定同位体が生成される。
(n,2n)反応は高速中性子でしか生じないので、高速炉というもんじゅタイプの原子炉を用いれば十分な生成率を得ることが可能である。このタイプの原子炉は、ロシアや中国では実用化されている。古くなった現在の原子炉を高速炉に置き換えるだけで電気だけでなく、大量の金やレアアース、レアメタルも同時に生産できるようになる。
これらの核変換技術が今後の日本の経済安保上重要で緊急性の高い開発対象となる。原子炉は電気だけを生み出すわけではない。同時に中性子も大量に生じるのでその核変換利用による新元素生産のための技術開発が日本の生きる道であろう。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2507/23/news084.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20260123&utm_term=072&utm_content=rel4-0
これは錬金術といっても関係者にとっては核融合炉発生中性子の核変換反応であり、あまり現実味はない。
しかし、現在実用化されている原子炉を使えば実際に水銀から金を生産することは可能である。即ち、水銀を容器に入れて原子炉内で中性子を照射すれば、(n,2n)反応という中性子を2個放出する核反応を利用して生成される水銀同位体が崩壊し、金の安定同位体が生成される。
(n,2n)反応は高速中性子でしか生じないので、高速炉というもんじゅタイプの原子炉を用いれば十分な生成率を得ることが可能である。このタイプの原子炉は、ロシアや中国では実用化されている。古くなった現在の原子炉を高速炉に置き換えるだけで電気だけでなく、大量の金やレアアース、レアメタルも同時に生産できるようになる。
これらの核変換技術が今後の日本の経済安保上重要で緊急性の高い開発対象となる。原子炉は電気だけを生み出すわけではない。同時に中性子も大量に生じるのでその核変換利用による新元素生産のための技術開発が日本の生きる道であろう。
中性子を用いたインフラ健全性検査の改良案 ― 2026年01月13日 15:14
今朝のNHKニュースで、理化学研究所(理研)などが開発した中性子を用いたインフラ健全性検査技術の開発について報道されていた。
理研は得意の加速器技術を用いて、下水管などの構造物の劣化を中性子照射と中性子検出の組み合わせで、計測する技術を開発している。システムはRANSと呼ばれている。陽子加速器で発生させた中性子を構造物(下水管の場合はコンクリートなど)に照射し、その反射強度を測定する。中性子なので反射した中性子は後方散乱中性子と呼ばれている。中性子の原子核による散乱は、玉突きでのボールと似ていて360度方向のどの角度にも散乱可能である。入射した方向に戻る散乱が後方散乱と呼ばれている。これを測定することで、散乱体の厚さが推定できる。散乱中性子を中性子検出器で測定してその強度から下水管のコンクリートの厚みを測定したりできる。
このような検査方法は放射線非破壊検査と呼ばれており、よく使用されている方法は、イリジウムなどの放射性物質から発生するガンマ線を検査対象の構造物に透過させてその透過率から構造物の残った厚さを測定することである。しかし、この方法では下水管の厚さを測るには下水管の下に検出器を置かなければならない。
RANSでは中性子の反射強度を測るので中性子線源、中性子検出器共に下水管内に配置できることが売りになっている。
問題は、陽子加速器である。近年小型化が進んだとはいえ、小型でも加速器の全長は5m程度ある。
https://www.riken.jp/press/2019/20191118_4/index.html?utm_source=chatgpt.com
これは、BNCTという中性子を用いたがん治療装置と同様、中性子を発生させるために、陽子を当てるターゲットを、従来用いられてきたベリリウムからリチウムに変更することで、中性子発生率を向上させたことによる。
しかし、5mでも日本の入り組んだ道路下の下水管内にこのシステムを潜り込ませたり移動させたりするのは困難だろう。
そこで、別の中性子源を利用することを考えたらどうだろうか。
一般には軽水炉ではカリフォルニウム中性子源という自発的に核分裂をする中性子源が用いられているが、RANSチームもそれは検討したらしい。しかし、中性子線源強度が弱く、米国から大量に輸入する必要があるが陽子加速器並みに強くするには軽く数百億はかかるという。また、被ばくを避けるための遮へいや、RANSで用いるための線源のパルス化も難しいという欠点がある。
ここで改良提案は以下のとおりである。
(1)アンチモン-ベリリウム中性子源を用いる。
(2)パルス化装置については、エネルギーが決まった単色中性子なので、不要となる。
(1)のアンチモン-ベリリウム中性子源とは、アンチモンの金属棒を原子炉で照射して、その棒をベリリウムの円筒容器の内部に挿入すると放射化したアンチモンからガンマ線がベリリウムと反応して中性子を発生する装置である。したがって、挿入しない限り中性子は発生しないので遮へいは容易である。ただ、照射したアンチモンは発熱するので適当な徐熱装置が必要だが、ブロワーで空気冷却すれば良い。アンチモン棒は長さが0.5m程度なので、都市空間での下水管への適用は容易だ。
(2)については、ガンマ線エネルギーが決まっているのでパルス化もエネルギー測定に必要なTOF装置も必要なく、十分な精度で散乱中性子を測定できる。
問題はアンチモンのガンマ線強度をいかに上げるかだが、これは実用レベル原子炉の中性子束を使えば十分可能であろう。
理研は原子炉を所有していないので、加速器のみで何とかしようとしているのかもしれないが、ALL JAPANでJAEAや電力などの協力も含めてRANSの高度化、実用化を図ってもらいたいものだ。
理研は得意の加速器技術を用いて、下水管などの構造物の劣化を中性子照射と中性子検出の組み合わせで、計測する技術を開発している。システムはRANSと呼ばれている。陽子加速器で発生させた中性子を構造物(下水管の場合はコンクリートなど)に照射し、その反射強度を測定する。中性子なので反射した中性子は後方散乱中性子と呼ばれている。中性子の原子核による散乱は、玉突きでのボールと似ていて360度方向のどの角度にも散乱可能である。入射した方向に戻る散乱が後方散乱と呼ばれている。これを測定することで、散乱体の厚さが推定できる。散乱中性子を中性子検出器で測定してその強度から下水管のコンクリートの厚みを測定したりできる。
このような検査方法は放射線非破壊検査と呼ばれており、よく使用されている方法は、イリジウムなどの放射性物質から発生するガンマ線を検査対象の構造物に透過させてその透過率から構造物の残った厚さを測定することである。しかし、この方法では下水管の厚さを測るには下水管の下に検出器を置かなければならない。
RANSでは中性子の反射強度を測るので中性子線源、中性子検出器共に下水管内に配置できることが売りになっている。
問題は、陽子加速器である。近年小型化が進んだとはいえ、小型でも加速器の全長は5m程度ある。
https://www.riken.jp/press/2019/20191118_4/index.html?utm_source=chatgpt.com
これは、BNCTという中性子を用いたがん治療装置と同様、中性子を発生させるために、陽子を当てるターゲットを、従来用いられてきたベリリウムからリチウムに変更することで、中性子発生率を向上させたことによる。
しかし、5mでも日本の入り組んだ道路下の下水管内にこのシステムを潜り込ませたり移動させたりするのは困難だろう。
そこで、別の中性子源を利用することを考えたらどうだろうか。
一般には軽水炉ではカリフォルニウム中性子源という自発的に核分裂をする中性子源が用いられているが、RANSチームもそれは検討したらしい。しかし、中性子線源強度が弱く、米国から大量に輸入する必要があるが陽子加速器並みに強くするには軽く数百億はかかるという。また、被ばくを避けるための遮へいや、RANSで用いるための線源のパルス化も難しいという欠点がある。
ここで改良提案は以下のとおりである。
(1)アンチモン-ベリリウム中性子源を用いる。
(2)パルス化装置については、エネルギーが決まった単色中性子なので、不要となる。
(1)のアンチモン-ベリリウム中性子源とは、アンチモンの金属棒を原子炉で照射して、その棒をベリリウムの円筒容器の内部に挿入すると放射化したアンチモンからガンマ線がベリリウムと反応して中性子を発生する装置である。したがって、挿入しない限り中性子は発生しないので遮へいは容易である。ただ、照射したアンチモンは発熱するので適当な徐熱装置が必要だが、ブロワーで空気冷却すれば良い。アンチモン棒は長さが0.5m程度なので、都市空間での下水管への適用は容易だ。
(2)については、ガンマ線エネルギーが決まっているのでパルス化もエネルギー測定に必要なTOF装置も必要なく、十分な精度で散乱中性子を測定できる。
問題はアンチモンのガンマ線強度をいかに上げるかだが、これは実用レベル原子炉の中性子束を使えば十分可能であろう。
理研は原子炉を所有していないので、加速器のみで何とかしようとしているのかもしれないが、ALL JAPANでJAEAや電力などの協力も含めてRANSの高度化、実用化を図ってもらいたいものだ。
ChatGPTの手なづけ方 ― 2026年01月08日 10:41
放射線物理関係の研究をしているため、中性子物理のための計算コードをよく使う。しかし、無料版のせいか、ChatGPTに質問しても十分な回答が得られないことが多かった。あまりに専門的すぎてそこまでマスターしていないのかもしれないと思っていた。
しかし、Q&Aのやり方を変えたところ、かなり専門的なことも対応してくれるようになった。それはある核変換計算コードのデータ作成にかかわることである。
その具体的なQ&Aの段取りは以下のとおりである。
(1)Q:私から「当該コードは理解しているか」と尋ねる。
(2)A:ChatGPTは当然のごとく「知っている」と応答する。
(3)Q:私から「そのコードの必要データの一部を変更追加したいと質問する。
(4)A:ChatGPTは有名な類似コードの同様データを用いた回答を表示する。(注)それは当該コードでは読み取れないデータ形式である。))
(5)Q:私から「その形式は使えない。添付のデータファイルを学習してくれ」と返答し、当該コードでのデータファイル例(但し、データの変更追加はされてないもの)を添付して送る。
(6)A:ChatGPTからは「先ほどの回答と私から送ったデータ形式は物理的には同じものだ」と言い訳をしてきた。
(7)Q:私からは「送ったデータ形式で回答してくれ」と改めてコメントした。
(8)A:数分待ったのち、ChatGPTから私が希望した通りの形式で必要な修正追加データが送られてきた。また、更に関連部分の詳細化したデータも作れるとの応答があった。
このように、ChatGPTとのやり取りの中で、ChatGPTがまだ学習していないと思われる関連情報を添付ファイルなどで送ってやると、これまで不可能だった又は適合していなかった回答を修正して、適切な作成できるようになる。
これは新発見だった。これまでは単純にChatGPTに詳細データ作成を依頼していたが、途中で有料バージョンに誘導されるか時間切れになって1日待ってから次の質問をするよう応答されることが多かったが、こちらからできるだけ関連情報を送ったうえでQする方が早く結果が得られるようです。
しかし、Q&Aのやり方を変えたところ、かなり専門的なことも対応してくれるようになった。それはある核変換計算コードのデータ作成にかかわることである。
その具体的なQ&Aの段取りは以下のとおりである。
(1)Q:私から「当該コードは理解しているか」と尋ねる。
(2)A:ChatGPTは当然のごとく「知っている」と応答する。
(3)Q:私から「そのコードの必要データの一部を変更追加したいと質問する。
(4)A:ChatGPTは有名な類似コードの同様データを用いた回答を表示する。(注)それは当該コードでは読み取れないデータ形式である。))
(5)Q:私から「その形式は使えない。添付のデータファイルを学習してくれ」と返答し、当該コードでのデータファイル例(但し、データの変更追加はされてないもの)を添付して送る。
(6)A:ChatGPTからは「先ほどの回答と私から送ったデータ形式は物理的には同じものだ」と言い訳をしてきた。
(7)Q:私からは「送ったデータ形式で回答してくれ」と改めてコメントした。
(8)A:数分待ったのち、ChatGPTから私が希望した通りの形式で必要な修正追加データが送られてきた。また、更に関連部分の詳細化したデータも作れるとの応答があった。
このように、ChatGPTとのやり取りの中で、ChatGPTがまだ学習していないと思われる関連情報を添付ファイルなどで送ってやると、これまで不可能だった又は適合していなかった回答を修正して、適切な作成できるようになる。
これは新発見だった。これまでは単純にChatGPTに詳細データ作成を依頼していたが、途中で有料バージョンに誘導されるか時間切れになって1日待ってから次の質問をするよう応答されることが多かったが、こちらからできるだけ関連情報を送ったうえでQする方が早く結果が得られるようです。
放射線に関わる宇宙と人類の歴史 ― 2026年01月08日 05:22
https://drive.google.com/file/d/1Ehn02gQ8vx_-s_vMdlkOvIFtxkHeE4Ke/view?usp=sharing
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1011放射線に関わる宇宙の歴史と人類の歴史r3r1.pdf
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この資料(「放射線に関わる宇宙の歴史と人類の歴史」2023.9.14)は、放射線を宇宙史・地球史・生物進化・近代史の流れの中で位置づけ、現行の放射線防護基準(ICRP)への問題提起と新基準案を示すことを目的とした講演資料です。要点を整理して要約します。
全体の主旨
放射線は本来、宇宙と地球の誕生以来存在してきた自然現象であり、生物はその中で進化してきた。
20世紀の**原爆による「瞬時・高線量率被ばく」**を基に作られた基準を、慢性・低線量率被ばくにも一律適用している点に問題がある。
「がん治療では高線量を許容するのに、低線量環境被ばくを過度に恐れる」というがんパラドックスが生じている。
時間線量率と総線量を同時に考慮した新しい放射線防護基準が必要だと提案している。
1. 地球になぜ放射線があるのか
地球の放射線の起源は
ビッグバン
超新星爆発
中性子星合体
などの宇宙現象に由来。
地球は超新星由来の重元素(ウラン・トリウムなど)から形成され、
地殻・マントル中の放射性元素の崩壊が現在も続いている。
地熱の約95%は放射性崩壊由来。
約20億年前には、ガボンのオクロ天然原子炉が実際に稼働していた。
世界には自然放射線量が高い地域(ケララ、ラムサールなど)が存在。
2. 生物はなぜ放射線の中で生存できたのか
放射線は水を分解し活性酸素を生む → DNA損傷の原因。
しかし生物は進化の過程で
DNA修復機構
がん抑制遺伝子(p53など)
を獲得。
重要な点:
修復は時間を要する化学反応。
瞬間的な高線量被ばく(原爆)には対応できないが、
低線量・低線量率の慢性被ばくには対応可能。
多数のがん抑制遺伝子の具体例が提示されている。
3. 20世紀になって人類の被ばくが変わった
原爆(広島・長崎)は
ミリ秒以下
数千ミリシーベルト
という極端な高線量率被ばく。
放射線影響研究所(RERF)のデータは、**軍事目的(兵士・民間人の被害評価)**として整備された。
そのデータが、後に
原子力施設
医療
福島事故対応
などの平和利用の基準に流用された。
ICRP設立の歴史的背景(米国資金、Atoms for Peace)にも言及。
4. がんパラドックスと問題提起
現実には:
放射線治療:数十Gy(=数万mSv相当)
一般被ばく規制:1mSv以上でリスクあり
同じ放射線なのに、扱いが矛盾している。
問題の核心:
瞬時被ばく基準を慢性被ばくに適用していること
時間線量率を考慮していないこと
太陽フレア問題
大気は通常、宇宙線・X線を遮蔽。
しかし:
航空機搭乗中
宇宙飛行
では遮蔽が弱く、太陽フレアの硬X線を直接被ばく。
太陽フレアの「インパルシブ相」は
予測不能
原爆ガンマ線と類似した被ばく形態。
CA(客室乗務員)の乳がんリスク増加報告に言及。
結論・提案
現行ICRP基準は
核戦争を想定した瞬時被ばく基準に強く依存。
福島のような慢性・低線量率被ばくに単純適用するのは不適切。
日本には放射線治療という長時間・高線量被ばくの豊富な医療データがある。
提案:
総線量 × 時間線量率を同時に考慮する新基準
活性酸素生成量と生体修復能力のバランスを基準化
太陽フレア頻発期(2025年前後)の航空被ばく対策にも有効。
一言まとめ
「放射線は本来、生命と共存してきた。問題は線量そのものではなく、“どれだけの速さで浴びたか”である」
という立場から、現行の放射線防護基準の再考を強く主張する資料です。
必要であれば
科学的主張と一般的コンセンサスとの差
ICRP批判の妥当性
LSS(被爆者データ)との関係整理
なども詳しく解説できます。
ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。cookie の設定を参照してください。
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この資料(「放射線に関わる宇宙の歴史と人類の歴史」2023.9.14)は、放射線を宇宙史・地球史・生物進化・近代史の流れの中で位置づけ、現行の放射線防護基準(ICRP)への問題提起と新基準案を示すことを目的とした講演資料です。要点を整理して要約します。
全体の主旨
放射線は本来、宇宙と地球の誕生以来存在してきた自然現象であり、生物はその中で進化してきた。
20世紀の**原爆による「瞬時・高線量率被ばく」**を基に作られた基準を、慢性・低線量率被ばくにも一律適用している点に問題がある。
「がん治療では高線量を許容するのに、低線量環境被ばくを過度に恐れる」というがんパラドックスが生じている。
時間線量率と総線量を同時に考慮した新しい放射線防護基準が必要だと提案している。
1. 地球になぜ放射線があるのか
地球の放射線の起源は
ビッグバン
超新星爆発
中性子星合体
などの宇宙現象に由来。
地球は超新星由来の重元素(ウラン・トリウムなど)から形成され、
地殻・マントル中の放射性元素の崩壊が現在も続いている。
地熱の約95%は放射性崩壊由来。
約20億年前には、ガボンのオクロ天然原子炉が実際に稼働していた。
世界には自然放射線量が高い地域(ケララ、ラムサールなど)が存在。
2. 生物はなぜ放射線の中で生存できたのか
放射線は水を分解し活性酸素を生む → DNA損傷の原因。
しかし生物は進化の過程で
DNA修復機構
がん抑制遺伝子(p53など)
を獲得。
重要な点:
修復は時間を要する化学反応。
瞬間的な高線量被ばく(原爆)には対応できないが、
低線量・低線量率の慢性被ばくには対応可能。
多数のがん抑制遺伝子の具体例が提示されている。
3. 20世紀になって人類の被ばくが変わった
原爆(広島・長崎)は
ミリ秒以下
数千ミリシーベルト
という極端な高線量率被ばく。
放射線影響研究所(RERF)のデータは、**軍事目的(兵士・民間人の被害評価)**として整備された。
そのデータが、後に
原子力施設
医療
福島事故対応
などの平和利用の基準に流用された。
ICRP設立の歴史的背景(米国資金、Atoms for Peace)にも言及。
4. がんパラドックスと問題提起
現実には:
放射線治療:数十Gy(=数万mSv相当)
一般被ばく規制:1mSv以上でリスクあり
同じ放射線なのに、扱いが矛盾している。
問題の核心:
瞬時被ばく基準を慢性被ばくに適用していること
時間線量率を考慮していないこと
太陽フレア問題
大気は通常、宇宙線・X線を遮蔽。
しかし:
航空機搭乗中
宇宙飛行
では遮蔽が弱く、太陽フレアの硬X線を直接被ばく。
太陽フレアの「インパルシブ相」は
予測不能
原爆ガンマ線と類似した被ばく形態。
CA(客室乗務員)の乳がんリスク増加報告に言及。
結論・提案
現行ICRP基準は
核戦争を想定した瞬時被ばく基準に強く依存。
福島のような慢性・低線量率被ばくに単純適用するのは不適切。
日本には放射線治療という長時間・高線量被ばくの豊富な医療データがある。
提案:
総線量 × 時間線量率を同時に考慮する新基準
活性酸素生成量と生体修復能力のバランスを基準化
太陽フレア頻発期(2025年前後)の航空被ばく対策にも有効。
一言まとめ
「放射線は本来、生命と共存してきた。問題は線量そのものではなく、“どれだけの速さで浴びたか”である」
という立場から、現行の放射線防護基準の再考を強く主張する資料です。
必要であれば
科学的主張と一般的コンセンサスとの差
ICRP批判の妥当性
LSS(被爆者データ)との関係整理
なども詳しく解説できます。
ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。cookie の設定を参照してください。
小説国宝で読み解く長崎原爆被爆データの特異性 ― 2026年01月01日 21:20
話題の映画「国宝」の原作、吉田修一著「国宝」朝日文庫のP.50 に主人公喜久雄の恋人春江とその母親との3人の会話が描かれている。喜久雄が母親に対し、「3人でスパスパ吸えば(タバコは)直ぐなくなるさ。」といっている。昭和40年ごろの長崎の花街での会話である。
被ばく者データで疑問に思っていたのは女性の喫煙率の高さである。喫煙はがん発生の主要因のため、喫煙効果と被ばく効果が混在する被ばく者発がんデータでは喫煙履歴を詳細に調べ、非喫煙者の発がんデータとの比較から放射線被ばくの影響を分離するのだが、喫煙者割合が多ければ、同じ発がん率であっても放射線影響が大きいと分析されることになる。
放射線影響協会の公表した被ばく者関連データLSS-14の中に両都市の女性被ばく者の喫煙分類データが含まれている。その値を集計すると
(1)人数
喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性 8615人 6048人 5331人 9954人
広島女性 11661人 7585人 12588人 51787人
(2)人数割合(%)
喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性 28.8% 20.2% 17.8% 33.2%
広島女性 22.5% 14.7% 24.3% 38.5%
となっている。
即ち、長崎女性調査者のうち、喫煙経験者は約51%であるが
広島女性は約63%であり、10%以上大きい。
そこで、小説「「国宝」の背景の話となるのだが、もともと長崎は工場が多く、花街も大規模だったので、女性喫煙者割合が多いのが自然だと思われる。この小説の喜久雄や春江などの会話の描写は納得できる。戦前は進歩的な女性ほど喫煙していたようなので、長崎のほうが一般的な都市よりも喫煙者比率が多いと思われる。
ではなぜ、長崎女性で喫煙データが不正確になったのか。
それは、長崎の若年層の多さだと考えられる。未成年者が法律に違反しているという喫煙申告をするものだろうか。それも女性である。「国宝」の菊枝のように未成年者でも喫煙するものは実際には当時多かったが、その通り申告することは勇気がいる。上記の表で喫煙状況不明者が長崎のほうが約6%多いのは未成年者が多かったということの傍証でもある。
同じRERFのデータを用いて、20歳未満の女性比率を比較すると
20歳未満/全調査対象女性
長崎女性:15473人/29948人(51.7%)
広島女性:22459人/51787人(43.4%)
となり、長崎女性が約10%未成年者割合が大きい。
喫煙者比率が、実際には、長崎の女性が多いのに、上記のような理由で広島より小さめになるようにLSS-14データができていたとすれば、がん発生に対する被ばくの寄与が大きくなり、詳細な統計解析の結果、広島女性に比べ、長崎女性のほうが被ばくによる発がんリスクが大きくでることになる。(下記参考記事1参照)
更に、長崎と広島の原爆のガンマ線スペクトル特性差から女性特有の乳がん発症率の差も加わるのである。(下記参考記事2参照)
その結果、ほとんど被ばくしていない女性も発がんリスクが大きくなり、放射線に対する発がんリスクの閾値が現れないという結果になったと考えられる。これが各国政府が採用している国際放射線防護委員会ICRPのベースデータになっているが、福島の事故被害者が有害無益な避難を強いられているとすれば、大きな問題だろう。
(参考記事1)
本ブログ2024年8月7日、8月8日、10月18日、12月6日、2025年6月5日記事
(参考記事2)
本ブログ2025年12月16日記事
被ばく者データで疑問に思っていたのは女性の喫煙率の高さである。喫煙はがん発生の主要因のため、喫煙効果と被ばく効果が混在する被ばく者発がんデータでは喫煙履歴を詳細に調べ、非喫煙者の発がんデータとの比較から放射線被ばくの影響を分離するのだが、喫煙者割合が多ければ、同じ発がん率であっても放射線影響が大きいと分析されることになる。
放射線影響協会の公表した被ばく者関連データLSS-14の中に両都市の女性被ばく者の喫煙分類データが含まれている。その値を集計すると
(1)人数
喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性 8615人 6048人 5331人 9954人
広島女性 11661人 7585人 12588人 51787人
(2)人数割合(%)
喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性 28.8% 20.2% 17.8% 33.2%
広島女性 22.5% 14.7% 24.3% 38.5%
となっている。
即ち、長崎女性調査者のうち、喫煙経験者は約51%であるが
広島女性は約63%であり、10%以上大きい。
そこで、小説「「国宝」の背景の話となるのだが、もともと長崎は工場が多く、花街も大規模だったので、女性喫煙者割合が多いのが自然だと思われる。この小説の喜久雄や春江などの会話の描写は納得できる。戦前は進歩的な女性ほど喫煙していたようなので、長崎のほうが一般的な都市よりも喫煙者比率が多いと思われる。
ではなぜ、長崎女性で喫煙データが不正確になったのか。
それは、長崎の若年層の多さだと考えられる。未成年者が法律に違反しているという喫煙申告をするものだろうか。それも女性である。「国宝」の菊枝のように未成年者でも喫煙するものは実際には当時多かったが、その通り申告することは勇気がいる。上記の表で喫煙状況不明者が長崎のほうが約6%多いのは未成年者が多かったということの傍証でもある。
同じRERFのデータを用いて、20歳未満の女性比率を比較すると
20歳未満/全調査対象女性
長崎女性:15473人/29948人(51.7%)
広島女性:22459人/51787人(43.4%)
となり、長崎女性が約10%未成年者割合が大きい。
喫煙者比率が、実際には、長崎の女性が多いのに、上記のような理由で広島より小さめになるようにLSS-14データができていたとすれば、がん発生に対する被ばくの寄与が大きくなり、詳細な統計解析の結果、広島女性に比べ、長崎女性のほうが被ばくによる発がんリスクが大きくでることになる。(下記参考記事1参照)
更に、長崎と広島の原爆のガンマ線スペクトル特性差から女性特有の乳がん発症率の差も加わるのである。(下記参考記事2参照)
その結果、ほとんど被ばくしていない女性も発がんリスクが大きくなり、放射線に対する発がんリスクの閾値が現れないという結果になったと考えられる。これが各国政府が採用している国際放射線防護委員会ICRPのベースデータになっているが、福島の事故被害者が有害無益な避難を強いられているとすれば、大きな問題だろう。
(参考記事1)
本ブログ2024年8月7日、8月8日、10月18日、12月6日、2025年6月5日記事
(参考記事2)
本ブログ2025年12月16日記事
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