生成AI使用禁止の無意味さと対策案2023年07月02日 04:29

 朝日デジタルによれば、小中高生対象のコンクールで、ChatGPTなどの生成AIを使用禁止とする規制が一般化してきたようである。

 しかし、その規制の無意味さを主催者は理解しているのだろうか。或いは、その実効性がないことを承知で形式的に建前論を示しているのだろうか。それは主催者の自己満足にすぎない。

 確かに、昔から親の手を借りたりしてコンクールで賞を取るという輩はいた。しかし、今やスマホやPCを持つすべての生徒に、世界中で最も知識があり、データ処理能力のある親がついたようなものである。

 想像性、創造性についてはどうかは知らないが、一般的な知的能力は審査員よりも数桁優秀な親である。どうやって、生成AIを使用したかどうかの判別が審査員にできるのだろうか。生成AIに訊いても使用した確率しか出てこない。生成AIが確率関数を生成してデータ処理しているのだから、結局はその判断は確率的なものでしかない。その判断すべき確率の数値基準が審査員にできるとは決して思えない。

ではどうするか。

 このようなコンクールをなぜ行い、生徒は応募するのかを考えると、高校野球選手権が分かり易い。若干クールすぎる評価になるが、以下のような纏めになるだろう。

 主催者はその権威を保ち自分たちのステータスを得られる。若干の経済的メリットもあるのかもしれない。参加者も勝つことによる栄誉と努力目標が得られる。加えてマスメディアはこれらの努力物語に情報機関としての優れたコンテンツ性を見出すのであろう。

 この前提で、対策を想定するならば、3つの対策案が考えられる。

対策案(1) コンクールそのものを止める。
 これは、主催者にとっても、参加者にとっても残念ではあるが、もともと、それほど意味のあるものではなかったのである。所謂名誉欲の満足のための大会なのだから、お互いにメリットは大したことはないとあきらめる。不公正な競争をやるぐらいなら、社会的正義のためにはそのコンクールはないほうが良いーという判断である。

対策案(2) コンクールは実施するが、だれが受賞したかは公表しない。
 これは、参加者の名誉欲は満たされないだろうが、自分たちの作品の全体としての位置づけが分かり、不正者は参加の意味がないので、ある程度公正さが保たれるやり方であり、多少ともやる気は起こるだろう。モラルがある参加者にとっては最善である。

対策案(3) コンクールは身体系競技会と同様の場所的、時間的に制約のある環境下での大会として実施する。
 
 この方法は、スマホ、PCのない環境での作品制作の競争である。身体系競技会では、ドーピングなどを除けば、本人の実力で順位が決まる。文科系コンクールも、知的支援を得られないネットと切断された環境下で行えばほぼ公正な競争が可能なはずである。時間制約があるなど従来の任意の環境下での作品製作とは異なるので、
 しかし、そのためには、主催者、参加者とも従来の方法の数倍の手間と時間と経済的負担がかかるだろう。それは、高校野球で各校が資金集めに苦労するのと似ている。だが、文科系でも公正な競争を確保するには、その程度の負担は許容しなければならない時代が情報化社会とあきらめざるを得ない。
 この場合でも、かつて将棋大会などで話題になったようなネット利用問題が生じる可能性もあるが機械的に対策できるだろう。このような大会形式ならば、事前練習としてAI利用が無制限に許容できる。将棋の藤井7冠のようにAI利用での高度な人材の育成、発掘にも役立つだろう。

 この大会形式が望ましいが、時間と金が今よりはかかるかもしれない。生徒間の経済格差が問題になる可能性はあるので、その支援も必要となるだろう。これは、IT大手や公的団体が支援すべきものである。



 以上の問題をChatGPTに対して質問したQ&A結果は以下のようになっている。この回答からは簡単な対策は無いように見える。結局は人間の能力とモラル頼みということなのかもしれない。

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Q:日本では小学校、中学校、高校の生徒を対象に、作文や絵画などの文科系コンクールが行われていますが、生成AIの利用が禁止されます。このルールは守られるでしょうか。また、守られない場合の対策としてどのような方法が考えられるでしょうか。

A:ChatGPTの答え(2023.7.2時点)

生成AIの利用が禁止されている場合でも、そのルールが完全に守られるかどうかは保証されていません。ただし、いくつかの対策が考えられます。

監視と検出: 提出された作品の中に生成AIによって作成された可能性があるものを検出するための監視システムを導入することが考えられます。AIが生成した文章や絵画には特定のパターンやスタイルがある場合がありますので、それらを検知するためのアルゴリズムを開発することが重要です。

非AI専属の審査員: AIが利用されたかどうかを判断するため、経験豊富な人間の審査員を配置することが考えられます。彼らはAIが生成した作品を見て、それが人間によって作成されたものとの違いを判断することができます。

サンプルデータベースの利用: 生成AIが多くのデータから学習するため、その学習データを収集し、利用することが考えられます。既知のAI生成作品をデータベースに登録し、提出された作品と照合することで、AI生成作品の可能性を評価することができます。

教育と啓発: 生徒や教師に対して生成AIの利用が禁止されている理由や重要性について教育し、啓発することも重要です。生成AIの利用が発覚した場合の懲罰や制裁の明確な方針を示し、ルールを守る意識を高めることが必要です。

これらの対策を組み合わせることで、AIの利用が禁止された文科系コンクールにおいて、生成AIの使用を抑制することが可能になるでしょう。ただし、技術の進歩により生成AIがますます高度になる可能性もあるため、常に監視と対策の改善が必要となります。
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