スリップの恐怖 ― 2024年12月09日 19:58
岡山で観光バスが雪でスリップし、横倒しになったそうだ。
これまで、かなり雪道を走行したが、昔のスパイクタイヤは良かった。雪の東北道を夜中に120キロで走っても不安感はない。夏道よりも安定していた感じすらあった。問題は、雪でラインも見えず真っ暗なのでちゃんとレーンに沿って走っているのか確認できないことだった。
しかし、その後、スパイクタイヤは粉じん公害などの問題で禁止され、スタッドレスタイヤの時代になった。
その結果、何度かスリップ事故を起こした。最も危なかったのは、フルタイム四駆で富士山のふもとを走った時のことである。車の説明書にはこの車は自動で4つの車輪の回転速度を変えることで車体の向きを安定化できると書かれていた。それを信じて、凍った下りを平気で夏と同じようなスピードで降りていた。あいにく、道にわだちが残っており、その氷の山にスタッドレスタイヤの側面がかかり、左に270度回転したのである。
車内から前方を見ているのだが、勝手に窓の外の景色が回転し、パノラマ写真を見せられているような状態となった。なにか映画をみているかのような不思議な感覚であった。
ただ、運よく壁面には激突せず、前輪が側溝にはまって車は止まった。車体にも傷はつかず、ただ、側溝にはまった車を動かすことができない。JAFを呼んだが、その日の富士山周辺は、同じように凍った道でスリップ事故が多発し、しばらくはJAFは来られないという。
道路幅の半分を横になった車体が塞いでいる。何とかジャッキアップで脱出できないかとひとり車体の周りをウロウロしていたら、うれしいことに、通りかかった車が数台停車し、車体を力を合わせて溝から引き上げてくれた。感謝感謝であった。
これで何とか帰れるかなと思ったら、悲しいことに右前輪がパンクしていた。ジャッキアップをしてスペアタイヤに交換し、スリップしてから1時間半もたってからやっと富士山の凍った道から脱出することができた。スペアタイヤは夏タイヤだったのだから、ゆっくり走らざるを得なかった。
これと同じような恐怖を更に昔、バブルのはじける前にFFの外車で味わったことがある。それは長野の山中の国道で、急に雪が強くなり、宿の時間も気になってスピードを出しすぎていたのである。下りなので、やや強くブレーキを踏んだら、スピンしてしまった。ここでも運よく対向車がなかったので、逆向きになってとまっただけで済んだ。
この時は3人乗っていたので、左右のバランスが悪かったのかもしれない。
ほかにも、凍った雪の下り坂で、4人乗ったうえ、トランクも荷物でいっぱいで、ブレーキが利かないまま交差点に進入したり、同じく4人乗って左折をしたが、雪が柔らいうえ、タイヤも柔らかいスタッドレスだったので、曲がり切れずに信号待ちの車に衝突寸前、ハンドルを右に戻して衝突を回避したりと、雪と氷の世界は思ったようには車をコントロールできないことが多い。
反省するに、スピードを出さない、急ハンドルは切らない、乗車人員には余裕を持ち、左右の重量バランスには注意する、スタビライザーは過信しないなど、当たり前のことを守っていれば良かったのである。
雪道でスタックしている車はほとんど四駆だという説もある。青森のある町では、赤信号は進め、青信号は止まれ、という教訓もある。(注、赤信号になっても急ブレーキをかけないでそのまま進めということであり、交差する道路側では青信号になっても、横から車が出てくる恐れがあるので、すぐには発信せず、しばらく止まって左右を見てから発進せよという趣旨である。)
ことしは、急な積雪が多いという予報である。下り坂に限らず、スピードに気を付けてタイヤのグリップを失わないよう、また、重量バランスにも気を配って、スピンしないよう、角運動量(カーブでの接線方向の運動量ベクトルとその直角方向の速度のベクトル積)、即ち遠心力を最小にするよう、カーブや急ハンドルには細心の注意が必要だ。何しろ、原子核や電子のような小さな素粒子でもスピンしていると考えられているのだから、マクロな物体である車がスピンするのは容易なのである。
これまで、かなり雪道を走行したが、昔のスパイクタイヤは良かった。雪の東北道を夜中に120キロで走っても不安感はない。夏道よりも安定していた感じすらあった。問題は、雪でラインも見えず真っ暗なのでちゃんとレーンに沿って走っているのか確認できないことだった。
しかし、その後、スパイクタイヤは粉じん公害などの問題で禁止され、スタッドレスタイヤの時代になった。
その結果、何度かスリップ事故を起こした。最も危なかったのは、フルタイム四駆で富士山のふもとを走った時のことである。車の説明書にはこの車は自動で4つの車輪の回転速度を変えることで車体の向きを安定化できると書かれていた。それを信じて、凍った下りを平気で夏と同じようなスピードで降りていた。あいにく、道にわだちが残っており、その氷の山にスタッドレスタイヤの側面がかかり、左に270度回転したのである。
車内から前方を見ているのだが、勝手に窓の外の景色が回転し、パノラマ写真を見せられているような状態となった。なにか映画をみているかのような不思議な感覚であった。
ただ、運よく壁面には激突せず、前輪が側溝にはまって車は止まった。車体にも傷はつかず、ただ、側溝にはまった車を動かすことができない。JAFを呼んだが、その日の富士山周辺は、同じように凍った道でスリップ事故が多発し、しばらくはJAFは来られないという。
道路幅の半分を横になった車体が塞いでいる。何とかジャッキアップで脱出できないかとひとり車体の周りをウロウロしていたら、うれしいことに、通りかかった車が数台停車し、車体を力を合わせて溝から引き上げてくれた。感謝感謝であった。
これで何とか帰れるかなと思ったら、悲しいことに右前輪がパンクしていた。ジャッキアップをしてスペアタイヤに交換し、スリップしてから1時間半もたってからやっと富士山の凍った道から脱出することができた。スペアタイヤは夏タイヤだったのだから、ゆっくり走らざるを得なかった。
これと同じような恐怖を更に昔、バブルのはじける前にFFの外車で味わったことがある。それは長野の山中の国道で、急に雪が強くなり、宿の時間も気になってスピードを出しすぎていたのである。下りなので、やや強くブレーキを踏んだら、スピンしてしまった。ここでも運よく対向車がなかったので、逆向きになってとまっただけで済んだ。
この時は3人乗っていたので、左右のバランスが悪かったのかもしれない。
ほかにも、凍った雪の下り坂で、4人乗ったうえ、トランクも荷物でいっぱいで、ブレーキが利かないまま交差点に進入したり、同じく4人乗って左折をしたが、雪が柔らいうえ、タイヤも柔らかいスタッドレスだったので、曲がり切れずに信号待ちの車に衝突寸前、ハンドルを右に戻して衝突を回避したりと、雪と氷の世界は思ったようには車をコントロールできないことが多い。
反省するに、スピードを出さない、急ハンドルは切らない、乗車人員には余裕を持ち、左右の重量バランスには注意する、スタビライザーは過信しないなど、当たり前のことを守っていれば良かったのである。
雪道でスタックしている車はほとんど四駆だという説もある。青森のある町では、赤信号は進め、青信号は止まれ、という教訓もある。(注、赤信号になっても急ブレーキをかけないでそのまま進めということであり、交差する道路側では青信号になっても、横から車が出てくる恐れがあるので、すぐには発信せず、しばらく止まって左右を見てから発進せよという趣旨である。)
ことしは、急な積雪が多いという予報である。下り坂に限らず、スピードに気を付けてタイヤのグリップを失わないよう、また、重量バランスにも気を配って、スピンしないよう、角運動量(カーブでの接線方向の運動量ベクトルとその直角方向の速度のベクトル積)、即ち遠心力を最小にするよう、カーブや急ハンドルには細心の注意が必要だ。何しろ、原子核や電子のような小さな素粒子でもスピンしていると考えられているのだから、マクロな物体である車がスピンするのは容易なのである。
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