水上勉の怒りと金閣寺炎上 ― 2024年11月12日 04:06
声の本に水上 勉の講演「私の風土」(新潮社)
という音声コンテンツがある。1981年9月の収録なのでかなりの時代ものだが、現在の社会状況も似たようなものかもしれない。
無理に要約すれば、水上勉氏の風土は若狭湾であり、今も昔も、都のために虐げられてきたがそれでも故郷を守りたいというものである。
「昔は京都のために若狭の産物を死ぬ思いで送り届けた。そして都人は美味しい食事ができている。
現在は、都会のために原発で生産した電気を送り続けている。若狭では原発からの廃棄物を抱えつつ、暗い道が多いのに、その電気で都会では若人が明るい生活を送っている。もうこれ以上原発は作らないでもらいたい。水上氏の母親が亡くなった時、暗い中で山の土を掘り、深い穴に葬った時に、頭上には原発から京阪神地区に電気を送るための送電線があり、平安の昔も今も若狭の風土は変わっていない。」
と感じたそうである。1981年と言えば、1979年の米国スリーマイル島原発の事故の記憶も生々しいころでもある。この心に秘めた怒りはk戦後京都の金閣寺を炎上させた若狭出身の修行僧である林養賢の感情とも通じるところがあるという趣旨の話もあった。
このように社会的に虐げられているという感情は、ラストベルトに住む人々や中西部の物価高に喘ぐ庶民が、民主党支持の東部や西海岸の富裕層よりも多く、ハリスよりもトランプを大統領に選んだ現在の米国の状況とも相通じるところがある。
ところで、現在の若狭地方の状況はどうだろうか。若狭湾でとれるサバは相変わらず名産品として各地に送られているが、放射性物質が問題になったことはないようである。福井県は生活しやすい裕福な県としては最上位に位置している。
https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=%E7%A6%8F%E4%BA%95%E7%9C%8C%E3%80%80%E8%A3%95%E7%A6%8F%E5%BA%A6
しかし、電気も地産地消にすべきだろう。水上氏はこの公演を埼玉県で行ったようだが、埼玉に原発を作れないかと話している。
以前、大阪中之島の地下に超小型で超安全性を持つ原発を作るという話がでたことがあった。このような原発が実現していたら、水上氏の講演の内容もだいぶ変わっていたことだろう。
そして、地球温暖化が西洋文明を滅ぼそうとしている現在、水上氏がご存命ならばどのような話になるのか、風土というものが世界規模で変わりすでにSDGsとは言えない気候変動となっていることを実感せざるを得ない日々である。トランプがCOPを離脱した場合のことまで考慮して風土の話をしなければならなくなった。
という音声コンテンツがある。1981年9月の収録なのでかなりの時代ものだが、現在の社会状況も似たようなものかもしれない。
無理に要約すれば、水上勉氏の風土は若狭湾であり、今も昔も、都のために虐げられてきたがそれでも故郷を守りたいというものである。
「昔は京都のために若狭の産物を死ぬ思いで送り届けた。そして都人は美味しい食事ができている。
現在は、都会のために原発で生産した電気を送り続けている。若狭では原発からの廃棄物を抱えつつ、暗い道が多いのに、その電気で都会では若人が明るい生活を送っている。もうこれ以上原発は作らないでもらいたい。水上氏の母親が亡くなった時、暗い中で山の土を掘り、深い穴に葬った時に、頭上には原発から京阪神地区に電気を送るための送電線があり、平安の昔も今も若狭の風土は変わっていない。」
と感じたそうである。1981年と言えば、1979年の米国スリーマイル島原発の事故の記憶も生々しいころでもある。この心に秘めた怒りはk戦後京都の金閣寺を炎上させた若狭出身の修行僧である林養賢の感情とも通じるところがあるという趣旨の話もあった。
このように社会的に虐げられているという感情は、ラストベルトに住む人々や中西部の物価高に喘ぐ庶民が、民主党支持の東部や西海岸の富裕層よりも多く、ハリスよりもトランプを大統領に選んだ現在の米国の状況とも相通じるところがある。
ところで、現在の若狭地方の状況はどうだろうか。若狭湾でとれるサバは相変わらず名産品として各地に送られているが、放射性物質が問題になったことはないようである。福井県は生活しやすい裕福な県としては最上位に位置している。
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しかし、電気も地産地消にすべきだろう。水上氏はこの公演を埼玉県で行ったようだが、埼玉に原発を作れないかと話している。
以前、大阪中之島の地下に超小型で超安全性を持つ原発を作るという話がでたことがあった。このような原発が実現していたら、水上氏の講演の内容もだいぶ変わっていたことだろう。
そして、地球温暖化が西洋文明を滅ぼそうとしている現在、水上氏がご存命ならばどのような話になるのか、風土というものが世界規模で変わりすでにSDGsとは言えない気候変動となっていることを実感せざるを得ない日々である。トランプがCOPを離脱した場合のことまで考慮して風土の話をしなければならなくなった。
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