宮崎空港の爆発は遅延信管爆弾かも ― 2024年10月03日 04:33
宮崎空港の爆発は、遅延信管付き600ポンド爆弾だった可能性がある。
(下記ChatGPT回答参照)
即ち、太平洋戦争当時から遅延信管は資料されており、B29内で遅延時間を設定できたようだ。要するに、多数の爆弾を落とし、遅延信管付きの爆弾で滑走路を修理に来た日本兵を殺傷するというシステムである。
今回、宮崎空港を離陸した民間機の振動と先の日向灘沖地震の重ね合わせ効果で遅延信管が起動し、数分間後に爆発した可能性が強いが、どうだろうか。
遅延信管付きでよかったとも言える。
ChatGPTへの質問
**************************
旧米軍の500ポンド爆弾の構造は?
:
ChatGPT
旧米軍の500ポンド爆弾の構造について説明します。500ポンド爆弾は第二次世界大戦やそれ以降の軍事作戦でよく使われた航空爆弾で、特に「Mark」シリーズが知られています。以下はその一般的な構造です。
構造の主要部分:
弾体(ボディ):
主に鋼鉄製で、非常に頑丈に作られている。弾体内部には炸薬が詰められている。
形状は円筒形が一般的で、先端がやや尖っている場合が多い。
炸薬(エクスプローシブ):
主にTNT(トリニトロトルエン)やRDX(シクロトリメチレン・トリニトロアミン)といった高性能爆薬が使用される。
爆弾全体の重量の約30%が炸薬で占められている。
信管(フューズ):
信管は爆弾の起爆装置であり、通常は爆弾の前部か後部に取り付けられている。
衝撃信管、時間信管、あるいは高度信管など、様々な種類があり、目標への影響によって起爆タイミングが異なる。
尾翼(フィン):
爆弾の後部に取り付けられた安定化装置で、空中での安定した飛行を可能にする。
尾翼は爆弾が目標に向かって真っ直ぐに飛ぶように制御する役割がある。
爆弾の作動:
航空機から投下されると、爆弾は空気抵抗によって安定飛行を行い、着弾時に信管が作動して爆発を引き起こします。信管は衝撃によって起動することが多いですが、場合によっては時間差で爆発させることもあります。
500ポンド爆弾の代表的なモデルとしては、「M64爆弾」や「Mark 82爆弾」があります。それらの爆弾は、汎用性が高く、さまざまな作戦で使用されました。
質問
時間差で爆発させる とはどういうメカニズム?
ChatGPT
「時間差で爆発させる」というメカニズムは、**遅延信管(デレイフューズ)**を使用して爆弾の爆発をあえて投下後に時間を置いて起こす方法です。これは特定の戦術的目的や効果を狙う際に利用されます。
メカニズムの基本的な仕組み:
遅延信管の取り付け:
通常の即時起爆信管の代わりに、遅延信管が爆弾の前部または後部に取り付けられます。
遅延信管には、一定の時間が経過した後に爆発を引き起こすような機構が組み込まれています。
遅延機構の種類:
機械的遅延:歯車やスプリングを用いた機械的なタイマーが組み込まれ、設定された時間後に起爆する。
化学的遅延:化学薬品の燃焼速度を利用して、特定の時間経過後に爆発させる。例えば、燃焼性の物質がゆっくり燃えていき、燃焼が進むと最終的に起爆薬に火がつく。
電子的遅延:近代的な爆弾では、電子回路を用いて正確に時間を計り、設定した時間が経過した後に起爆する。これにより、数秒から数時間といった細かい時間設定が可能です。
遅延時間の設定:
爆弾を投下する前に、操縦士や爆弾搭載員が爆弾の信管に遅延時間を設定します。
この時間は数秒から数分、時には数時間に設定されることがあります。例えば、建物の内部に爆弾が侵入した後、遅れて爆発するように設定することで、より大きな被害を与えたり、心理的な影響を狙うことも可能です。
使用例:
地中爆破:
遅延信管付きの爆弾を地面に投下すると、爆弾が目標物に衝突してもすぐには爆発せず、少しの間潜り込んでから爆発します。これにより、地中深くで爆発が起こり、より大きな地面の破壊や構造物の崩壊を引き起こすことができます。
建物の内部破壊:
建物の屋根や壁を突き抜けて内部に侵入してから爆発することで、建物全体を効果的に破壊するために使用されることがあります。
心理戦:
遅延爆発によって、敵兵に対して不安感や混乱を引き起こすために使用されることもあります。敵が爆弾がすぐに爆発しないことを知っても、いつ爆発するか分からないため、避難や撤退を強いられることになります。
遅延信管の主な利点は、戦術的に時間差で爆発させることで、目標物により効果的にダメージを与えたり、敵に恐怖や混乱を与えることです。
(下記ChatGPT回答参照)
即ち、太平洋戦争当時から遅延信管は資料されており、B29内で遅延時間を設定できたようだ。要するに、多数の爆弾を落とし、遅延信管付きの爆弾で滑走路を修理に来た日本兵を殺傷するというシステムである。
今回、宮崎空港を離陸した民間機の振動と先の日向灘沖地震の重ね合わせ効果で遅延信管が起動し、数分間後に爆発した可能性が強いが、どうだろうか。
遅延信管付きでよかったとも言える。
ChatGPTへの質問
**************************
旧米軍の500ポンド爆弾の構造は?
:
ChatGPT
旧米軍の500ポンド爆弾の構造について説明します。500ポンド爆弾は第二次世界大戦やそれ以降の軍事作戦でよく使われた航空爆弾で、特に「Mark」シリーズが知られています。以下はその一般的な構造です。
構造の主要部分:
弾体(ボディ):
主に鋼鉄製で、非常に頑丈に作られている。弾体内部には炸薬が詰められている。
形状は円筒形が一般的で、先端がやや尖っている場合が多い。
炸薬(エクスプローシブ):
主にTNT(トリニトロトルエン)やRDX(シクロトリメチレン・トリニトロアミン)といった高性能爆薬が使用される。
爆弾全体の重量の約30%が炸薬で占められている。
信管(フューズ):
信管は爆弾の起爆装置であり、通常は爆弾の前部か後部に取り付けられている。
衝撃信管、時間信管、あるいは高度信管など、様々な種類があり、目標への影響によって起爆タイミングが異なる。
尾翼(フィン):
爆弾の後部に取り付けられた安定化装置で、空中での安定した飛行を可能にする。
尾翼は爆弾が目標に向かって真っ直ぐに飛ぶように制御する役割がある。
爆弾の作動:
航空機から投下されると、爆弾は空気抵抗によって安定飛行を行い、着弾時に信管が作動して爆発を引き起こします。信管は衝撃によって起動することが多いですが、場合によっては時間差で爆発させることもあります。
500ポンド爆弾の代表的なモデルとしては、「M64爆弾」や「Mark 82爆弾」があります。それらの爆弾は、汎用性が高く、さまざまな作戦で使用されました。
質問
時間差で爆発させる とはどういうメカニズム?
ChatGPT
「時間差で爆発させる」というメカニズムは、**遅延信管(デレイフューズ)**を使用して爆弾の爆発をあえて投下後に時間を置いて起こす方法です。これは特定の戦術的目的や効果を狙う際に利用されます。
メカニズムの基本的な仕組み:
遅延信管の取り付け:
通常の即時起爆信管の代わりに、遅延信管が爆弾の前部または後部に取り付けられます。
遅延信管には、一定の時間が経過した後に爆発を引き起こすような機構が組み込まれています。
遅延機構の種類:
機械的遅延:歯車やスプリングを用いた機械的なタイマーが組み込まれ、設定された時間後に起爆する。
化学的遅延:化学薬品の燃焼速度を利用して、特定の時間経過後に爆発させる。例えば、燃焼性の物質がゆっくり燃えていき、燃焼が進むと最終的に起爆薬に火がつく。
電子的遅延:近代的な爆弾では、電子回路を用いて正確に時間を計り、設定した時間が経過した後に起爆する。これにより、数秒から数時間といった細かい時間設定が可能です。
遅延時間の設定:
爆弾を投下する前に、操縦士や爆弾搭載員が爆弾の信管に遅延時間を設定します。
この時間は数秒から数分、時には数時間に設定されることがあります。例えば、建物の内部に爆弾が侵入した後、遅れて爆発するように設定することで、より大きな被害を与えたり、心理的な影響を狙うことも可能です。
使用例:
地中爆破:
遅延信管付きの爆弾を地面に投下すると、爆弾が目標物に衝突してもすぐには爆発せず、少しの間潜り込んでから爆発します。これにより、地中深くで爆発が起こり、より大きな地面の破壊や構造物の崩壊を引き起こすことができます。
建物の内部破壊:
建物の屋根や壁を突き抜けて内部に侵入してから爆発することで、建物全体を効果的に破壊するために使用されることがあります。
心理戦:
遅延爆発によって、敵兵に対して不安感や混乱を引き起こすために使用されることもあります。敵が爆弾がすぐに爆発しないことを知っても、いつ爆発するか分からないため、避難や撤退を強いられることになります。
遅延信管の主な利点は、戦術的に時間差で爆発させることで、目標物により効果的にダメージを与えたり、敵に恐怖や混乱を与えることです。
ICRPが年間線量しか基準に出来なかったワケ ― 2024年09月20日 12:44
9月15日夜に放送されたNHKスペシャル「第四の被ばく」によれば、被ばくした測量船拓洋が1956年の7月に危険地域に近づく前に、米国は日本に対し被ばく基準を定めるよう要求していました。これは、1954年のビキニで被ばくした第5福竜丸事件で日本の反核運動が盛り上がり、反米運動となって在日米軍や冷戦での米国の立場が弱くなることへの懸念が下地にあったとのことです。
しかし、これを受けて日本の厚生省の委員会で当時採用された基準はICRP(国際放射線防護委員会)が1954年に定めた放射線作業従事者に対する年間50ミリシーベルトを流用しただけのものでした。
ではなぜICRPは急性障害で問題となる瞬間被ばくでの時間線量率制限を設けなかったのでしょうか。
ChatGPTによる答えは**************行の下にしめしますが、要約すると、
「本当は白血病など急性障害に対する基準を決めたかったが、データがなく、瞬間被ばくの測定法もないので広島・長崎で測定された被ばく量からできるだけ小さめに年間被ばく量制限を決めた。これにより、瞬間被ばくでの急性障害も防護できると考えた。」
ということです。しかし、この基準は2重の意味で有害無益でした。瞬間被ばく対策として、年間被ばく線量を小さめに決めたのです。現在の基準では多少小さく、年間20ミリシーベルト(従事者、また、事故後の特定状態)或いは年間1ミリシーベルト(一般人)となっていますが、有害無益であることは変わりません。
これは、元々が水爆などの瞬間的な被ばくのために、定量的な根拠も無く、無意味に小さくしているため、この基準を守って無理な避難を行ったため、核爆発のような瞬間被ばくの恐れがない福島事故では事故関連死につながってしまいました。
一方、急性障害についてはどうかと言えば、確かに、年間被ばく量を小さく設定するのは傾向としては良いのですが、1年は秒で表せば3153600秒です。このような長い時間により50ミリシーベルトを割ったとしても、原爆や水爆のようなミリ秒以下で割った時間線量率よりも数ケタ小さくなります。(1ミリシーベルトを年間秒数で割った場合は、3.2×10のマイナス7乗ミリシーベルト/秒、1ミリシーベルトを1ミリ秒で割った場合は1000ミリシーベルト/秒)
即ち、原爆や水爆の瞬間被ばくの時間線量率に対する制限にはならず、実際の被ばくよりも10桁も小さい時間線量率制限になり、無意味です。なぜなら、このような瞬間被ばくを受けた人は1ミリシーベルト/年制限は守っていることになりますが、急性障害で問題となる時間線量率は10桁も高い被ばくを受けているということになるからです。
このため、水爆の瞬間被ばくを受けた拓洋船員は当然として、水爆と同様の反応である太陽フレアのプレパルシブ相の高エネルギーX線被ばくを受ける高空で勤務するCAも同様に白血病リスクが増えます。CAはICRP基準で20ミリシーベルト/年の制限を受けてはいますが、瞬間被ばくに対する時間線量率制限は現在もICRP勧告にはありません。
恐ろしいことにこれは、CAだけでなく、運悪く太陽フレアを浴びた一般旅客も同じです。(詳しくは先週以前の本ブログを参照ください。)
現在も短時間被ばくを正確に測定するのは難しいかもしれませんが、関係官庁や放射線管理関係の関係者は、ICRPの基準さえ守っていれば、マスコミにも文句は言われませんので、瞬間被ばくは無視したままです。
しかし、今年から、太陽フレアは活動期に入っています。また、無意味な放射線事故関連死も防ぐ必要があります。早急に瞬時被ばく時間線量率制限を考慮した新基準を整備し、同時に、最近の半導体技術、AI技術を駆使した小型の放射線測定装置、太陽フレア予測システムを開発して、実効的な放射線防護法を構築することが、市民の健康と経済を守るために重要だと思います。
*************************
質問:
1954年勧告は、なぜ急性障害対策なのに年間線量限度しか決めなかったのでしょうか?
ChatGPT
1954年のICRP勧告で、急性障害対策にもかかわらず年間線量限度しか設定されなかった理由は、以下のいくつかの要因が関与しています。
1. 放射線の影響に対する当時の理解の限界
1954年当時、放射線の人体に対する影響についての科学的知識は、主に高線量の急性被ばくによる影響(皮膚の損傷、白血病、急性放射線症など)に焦点が当てられていました。しかし、低線量の被ばくが長期間にわたってどのような影響を及ぼすかについては、まだ十分に理解されていませんでした。
急性障害を防ぐための基準としては、被ばく量の「しきい値」以上の放射線量を浴びたときに急性症状が出ると考えられていました。このため、年間線量限度として、急性影響を引き起こすしきい値の手前に線量制限を設けることで、安全マージンを確保しようという考え方があったのです。
2. 実務的な理由:累積線量の管理が現実的
ICRPが急性障害対策として年間線量限度を設定した理由の1つは、累積線量を管理する方が実務的だったためです。放射線防護においては、短期間に集中して放射線を浴びる急性被ばくよりも、年間を通じた累積被ばく量を追跡することの方が、実際の職場環境で実行しやすかったのです。
年間線量限度を設定することで、放射線作業従事者が1年間にどれだけ被ばくしているかを監視し、長期間にわたる被ばく量がしきい値を超えないようにすることができました。これは、当時の放射線防護の管理が手動で行われ、短期間の線量制限を正確に管理することが技術的に難しかったため、年間単位での管理が現実的な方法だったという背景もあります。
3. 急性障害と慢性障害の両方への対応
1954年勧告は、急性障害を防ぐことを主な目的としていましたが、ICRPは慢性障害の可能性も考慮に入れていました。広島・長崎のデータやそれまでの放射線被ばくに関する知見から、低線量被ばくでも長期的に健康に影響がある可能性があることが示唆されていました。
ICRPは、急性障害だけでなく、長期的なリスクも低減するために、年間の累積線量限度を設定しました。これは、急性影響のしきい値を超えない範囲に抑えつつ、慢性影響のリスクも可能な限り最小限に抑えるという意図がありました。
4. 急性線量限度の実用性と職業環境での管理
急性障害に対する対応として、1回の被ばくに対する限度を設定するという方法もありますが、1954年当時の技術や監視システムでは、職業被ばくにおける一回ごとの短期間の被ばく量を正確に測定・管理することは難しかったため、累積的な被ばく量を監視する方が現実的でした。
また、職業上の被ばくは1度に高線量を浴びることよりも、比較的低い線量を長期間にわたって受けることが多い環境でした。そのため、短期間の線量限度を設定するよりも、年間を通じての総被ばく量を管理することがより実践的だったのです。
5. 安全マージンの確保
年間線量限度は、急性障害を引き起こすしきい値から大幅に低いレベルに設定されており、実質的に安全マージンを確保する形で設計されています。このため、急性障害を防ぐには十分な基準だと考えられていました。実際、職業被ばくの線量限度は当時、急性障害を引き起こすような短期間の高線量被ばくが起こらないことを前提に設定されました。
まとめ
1954年のICRP勧告では、急性障害を防ぐことが主な目的だったにもかかわらず、年間線量限度が設定されたのは、急性被ばくを避けるための安全マージンを確保しつつ、長期間の累積被ばくを管理するという実務的な理由が背景にあります。また、当時の技術や監視方法により、短期間での被ばく管理が難しかったため、年間単位の累積線量管理が最も適していたと考えられます。
**************************
しかし、これを受けて日本の厚生省の委員会で当時採用された基準はICRP(国際放射線防護委員会)が1954年に定めた放射線作業従事者に対する年間50ミリシーベルトを流用しただけのものでした。
ではなぜICRPは急性障害で問題となる瞬間被ばくでの時間線量率制限を設けなかったのでしょうか。
ChatGPTによる答えは**************行の下にしめしますが、要約すると、
「本当は白血病など急性障害に対する基準を決めたかったが、データがなく、瞬間被ばくの測定法もないので広島・長崎で測定された被ばく量からできるだけ小さめに年間被ばく量制限を決めた。これにより、瞬間被ばくでの急性障害も防護できると考えた。」
ということです。しかし、この基準は2重の意味で有害無益でした。瞬間被ばく対策として、年間被ばく線量を小さめに決めたのです。現在の基準では多少小さく、年間20ミリシーベルト(従事者、また、事故後の特定状態)或いは年間1ミリシーベルト(一般人)となっていますが、有害無益であることは変わりません。
これは、元々が水爆などの瞬間的な被ばくのために、定量的な根拠も無く、無意味に小さくしているため、この基準を守って無理な避難を行ったため、核爆発のような瞬間被ばくの恐れがない福島事故では事故関連死につながってしまいました。
一方、急性障害についてはどうかと言えば、確かに、年間被ばく量を小さく設定するのは傾向としては良いのですが、1年は秒で表せば3153600秒です。このような長い時間により50ミリシーベルトを割ったとしても、原爆や水爆のようなミリ秒以下で割った時間線量率よりも数ケタ小さくなります。(1ミリシーベルトを年間秒数で割った場合は、3.2×10のマイナス7乗ミリシーベルト/秒、1ミリシーベルトを1ミリ秒で割った場合は1000ミリシーベルト/秒)
即ち、原爆や水爆の瞬間被ばくの時間線量率に対する制限にはならず、実際の被ばくよりも10桁も小さい時間線量率制限になり、無意味です。なぜなら、このような瞬間被ばくを受けた人は1ミリシーベルト/年制限は守っていることになりますが、急性障害で問題となる時間線量率は10桁も高い被ばくを受けているということになるからです。
このため、水爆の瞬間被ばくを受けた拓洋船員は当然として、水爆と同様の反応である太陽フレアのプレパルシブ相の高エネルギーX線被ばくを受ける高空で勤務するCAも同様に白血病リスクが増えます。CAはICRP基準で20ミリシーベルト/年の制限を受けてはいますが、瞬間被ばくに対する時間線量率制限は現在もICRP勧告にはありません。
恐ろしいことにこれは、CAだけでなく、運悪く太陽フレアを浴びた一般旅客も同じです。(詳しくは先週以前の本ブログを参照ください。)
現在も短時間被ばくを正確に測定するのは難しいかもしれませんが、関係官庁や放射線管理関係の関係者は、ICRPの基準さえ守っていれば、マスコミにも文句は言われませんので、瞬間被ばくは無視したままです。
しかし、今年から、太陽フレアは活動期に入っています。また、無意味な放射線事故関連死も防ぐ必要があります。早急に瞬時被ばく時間線量率制限を考慮した新基準を整備し、同時に、最近の半導体技術、AI技術を駆使した小型の放射線測定装置、太陽フレア予測システムを開発して、実効的な放射線防護法を構築することが、市民の健康と経済を守るために重要だと思います。
*************************
質問:
1954年勧告は、なぜ急性障害対策なのに年間線量限度しか決めなかったのでしょうか?
ChatGPT
1954年のICRP勧告で、急性障害対策にもかかわらず年間線量限度しか設定されなかった理由は、以下のいくつかの要因が関与しています。
1. 放射線の影響に対する当時の理解の限界
1954年当時、放射線の人体に対する影響についての科学的知識は、主に高線量の急性被ばくによる影響(皮膚の損傷、白血病、急性放射線症など)に焦点が当てられていました。しかし、低線量の被ばくが長期間にわたってどのような影響を及ぼすかについては、まだ十分に理解されていませんでした。
急性障害を防ぐための基準としては、被ばく量の「しきい値」以上の放射線量を浴びたときに急性症状が出ると考えられていました。このため、年間線量限度として、急性影響を引き起こすしきい値の手前に線量制限を設けることで、安全マージンを確保しようという考え方があったのです。
2. 実務的な理由:累積線量の管理が現実的
ICRPが急性障害対策として年間線量限度を設定した理由の1つは、累積線量を管理する方が実務的だったためです。放射線防護においては、短期間に集中して放射線を浴びる急性被ばくよりも、年間を通じた累積被ばく量を追跡することの方が、実際の職場環境で実行しやすかったのです。
年間線量限度を設定することで、放射線作業従事者が1年間にどれだけ被ばくしているかを監視し、長期間にわたる被ばく量がしきい値を超えないようにすることができました。これは、当時の放射線防護の管理が手動で行われ、短期間の線量制限を正確に管理することが技術的に難しかったため、年間単位での管理が現実的な方法だったという背景もあります。
3. 急性障害と慢性障害の両方への対応
1954年勧告は、急性障害を防ぐことを主な目的としていましたが、ICRPは慢性障害の可能性も考慮に入れていました。広島・長崎のデータやそれまでの放射線被ばくに関する知見から、低線量被ばくでも長期的に健康に影響がある可能性があることが示唆されていました。
ICRPは、急性障害だけでなく、長期的なリスクも低減するために、年間の累積線量限度を設定しました。これは、急性影響のしきい値を超えない範囲に抑えつつ、慢性影響のリスクも可能な限り最小限に抑えるという意図がありました。
4. 急性線量限度の実用性と職業環境での管理
急性障害に対する対応として、1回の被ばくに対する限度を設定するという方法もありますが、1954年当時の技術や監視システムでは、職業被ばくにおける一回ごとの短期間の被ばく量を正確に測定・管理することは難しかったため、累積的な被ばく量を監視する方が現実的でした。
また、職業上の被ばくは1度に高線量を浴びることよりも、比較的低い線量を長期間にわたって受けることが多い環境でした。そのため、短期間の線量限度を設定するよりも、年間を通じての総被ばく量を管理することがより実践的だったのです。
5. 安全マージンの確保
年間線量限度は、急性障害を引き起こすしきい値から大幅に低いレベルに設定されており、実質的に安全マージンを確保する形で設計されています。このため、急性障害を防ぐには十分な基準だと考えられていました。実際、職業被ばくの線量限度は当時、急性障害を引き起こすような短期間の高線量被ばくが起こらないことを前提に設定されました。
まとめ
1954年のICRP勧告では、急性障害を防ぐことが主な目的だったにもかかわらず、年間線量限度が設定されたのは、急性被ばくを避けるための安全マージンを確保しつつ、長期間の累積被ばくを管理するという実務的な理由が背景にあります。また、当時の技術や監視方法により、短期間での被ばく管理が難しかったため、年間単位の累積線量管理が最も適していたと考えられます。
**************************
第4の被ばくでルショール医師とNHKが勘違いしたワケ ― 2024年09月16日 16:15
9月15日放送のNHKスペシャル「第4の被ばく」では詳しくは分からなかったが、1958年7月12日の水爆ポプラの爆発位置及び高度はChatG'PTでは以下のようになっている。
(1)****************************
1958年7月12日に実施された「ポプラ(Poplar)」という名称の水爆実験は、アメリカの核実験シリーズ「ハードタック作戦第2シリーズ(Operation Hardtack II)」の一部として行われました。
ポプラ(Poplar)実験の詳細は以下の通りです。
日時: 1958年7月12日
場所: 太平洋のエニウェトク環礁
爆発高度: 「ポプラ」実験は空中爆発として行われました。具体的な爆発高度は約**2,400メートル(約8,000フィート)**です。
この空中爆発は、爆発による放射性降下物(フォールアウト)を最小限に抑えつつ、核兵器の効果を確認するためのものでした。
*************************
エニウェトク環礁から当時測量船拓洋が居た地点まではNHKの航路図からは約1000キロとみられるが、高度が2.4キロだと直視はできない。
番組内で、当時診察したルショール軍医は、拓洋乗組員の白血球減少は500mSv以上の被ばくによるものだが、拓洋丸の放射線測定結果は0.85mSvでけた違いに小さいと述べたそうだ。
この謎を、NHKスペシャルでは、亡くなった方の残された歯の岡山大理学部での分析から143mSvとし、これが白血病の原因であるかのような結論を導いている。テロップでは自然放射線及び医療被ばくを除くとなているがどのように除外したのかその詳細は番組を見ていても不明である。
なお、歯の分析による被ばく量評価はChatGPTでは下記のとおりである。
(2)***********************
歯を用いた被ばく線量の評価は、主に以下の方法で行われます。
1. 電子スピン共鳴法(ESR法)
歯のエナメル質中に含まれるヒドロキシアパタイト結晶が、放射線被ばくによって自由電子を生成します。この自由電子が結晶中に捕らえられ、特定の条件で電子スピン共鳴(ESR)を引き起こします。この現象を利用して、歯に蓄積された被ばく線量を測定する方法です。
ESR法は、特に歯のエナメル質における放射線の影響を測定する際に非常に高い感度を持っており、過去に被ばくした線量を評価するために使われます。
2. 熱ルミネッセンス法(TL法)
歯や骨に含まれる微量の不純物や結晶構造中に、放射線により励起されたエネルギーが蓄積されます。これを加熱することによって放出される光(ルミネッセンス)の強度を測定し、被ばく線量を評価する方法です。TL法は主に歯や骨に含まれる物質の被ばく量を推定するために用いられますが、ESR法ほどは一般的ではありません。
3. フォトルミネッセンス法(PL法)
歯に蓄積された放射線エネルギーが光を放出する際の光の特性を測定する方法です。PL法は、ESR法やTL法と比較して特定の応用範囲で使用されますが、同じ原理に基づいて被ばく線量を評価します。
使用される放射線の種類
歯を用いた線量評価の対象となる放射線は、主にガンマ線やX線です。これらは電離放射線として、歯のエナメル質に対して強い影響を与えるため、ESR法などを使って蓄積された線量を評価することが可能です。
一方、中性子線の影響も場合によっては考慮されますが、通常はガンマ線やX線による被ばくが主な対象です。中性子線も物質を励起させることができますが、その影響を測定するためには別の手法が必要となる場合が多く、ESR法やTL法はガンマ線・X線に対する応答が中心です。
まとめ
ガンマ線やX線による被ばくが主に評価される。
主な測定手法には、ESR法(電子スピン共鳴法)、TL法(熱ルミネッセンス法)、PL法(フォトルミネッセンス法)がある。
*****************************
一方、白血病の発祥経緯は同じく、ChatG'PTでは
(3)*****************************
白血病の発症と放射線被ばくの関係は複雑で、発症までの期間や必要な被ばく線量にはさまざまな要因が影響します。以下に、放射線被ばくによる白血病の発症リスクと関連する要因について説明します。
1. 発症までの潜伏期間
放射線被ばくによる白血病の発症には、通常数年から十数年の潜伏期間があります。被ばく後すぐに白血病が発症するわけではなく、一般的には5〜10年の間に発症することが多いです。
ただし、被ばく後2年以内に発症するケースも報告されており、その場合は急性の白血病が発症しやすいとされています。
2. 発症リスクに影響を与える線量
白血病の発症リスクは、被ばく線量に依存します。大量の放射線に被ばくすることでリスクが増大しますが、具体的な線量については以下の通りです。
1シーベルト(Sv)以上の放射線被ばくで白血病のリスクが有意に増加します。
**0.1〜1シーベルト(100ミリシーベルト〜1シーベルト)**の範囲でも、白血病の発症リスクが増加するとされていますが、発症する確率は比較的低いです。
低線量被ばく(0.1シーベルト未満)では、白血病のリスク増加が明確ではなく、通常の背景放射線と比較して顕著な差が見られないこともあります。
3. 急性放射線症候群と白血病
極端な高線量の放射線被ばく(数十シーベルト以上)では、急性放射線症候群(ARS)が発症し、血液細胞への深刻な影響が現れますが、この場合は白血病とは異なり、数日から数週間以内に骨髄抑制や免疫不全により死に至ることがあります。
白血病のような悪性腫瘍の発症は、急性放射線症候群ではなく、より低線量で長期間にわたって被ばくした場合に見られます。
4. 被ばくによる白血病のタイプ
被ばくによって発症する白血病の多くは**急性骨髄性白血病(AML)**です。放射線被ばくによる白血病では、特にAMLが多く見られる傾向がありますが、**慢性骨髄性白血病(CML)や急性リンパ性白血病(ALL)**も被ばく後に発症することがあります。
5. 被ばく量に対する個体差
同じ放射線量を浴びた場合でも、個人の年齢、性別、遺伝的要因、健康状態によって白血病の発症リスクは異なります。特に若年層や子どもは、成人よりも放射線に対する感受性が高く、低線量でも白血病が発症しやすいとされています。
まとめ
放射線被ばくによる白血病は、5〜10年の潜伏期間が一般的で、まれに2年以内に発症することもあります。
1シーベルト以上の被ばくで白血病のリスクが有意に増加します。
発症する白血病のタイプとしては、主に**急性骨髄性白血病(AML)**が多いです。
発症リスクには個体差があり、若年者や子どもは特にリスクが高くなります。
*****************************
以上の(1)、(2)、(3)の回答に対し、測量船拓洋事件の経緯、NHKの見解(と思しきもの)との矛盾点をまとめると以下のようになる。
①白血病は体内被ばくのような慢性被ばくの場合には数年後に発症するが、今回は7月16日には白血球減少が多数の乗組員で表れている。
これは乗組員の多数に大量の急性被ばくがあったためと推定される。
即ち、大量の被ばくで一旦、白血球が減少し、造血細胞が修復される際にがん化した造血細胞が生じれば白血球が異常に増加する白血病になるのである。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000083061.pdf
②NHKでは、ポプラ爆発後2日目の放射線レベル急上昇と放射能雨が、白血病発祥の原因としているようだが、内部被ばくでこのような急性発症をするには大量の内部被ばくが必要で、ルショール医師、或いは上記の引用リンクで示したように500mSv程度は必要だが、NHKは140mSv程度の被ばくだとしか示していない。
③ルショール医師の疑問は、0.85mSv程度の外部被ばくで、多数の同時白血球減少患者が出たことである。
④一方、ポプラの爆発は1000キロ離れた上空2.4キロ位置なので、直接放射線が拓洋に到達することはないはずである。
以上の矛盾を解決するには大前提の、ポプラの爆発位置を見直せばよいというのがここでの提案である。これはルショール医師やNHKが勘違いしたと思われるポイントでもある。以下、私の仮説である。
実は、被ばくしたのは7月14日ではなく、7月12日の爆発当日だったのである。そして、爆発高さは、点火時は2.4キロかもしれないが、爆発後の火球上昇で実効的には約80㎞まで上昇していたのである。
この高さならば1000キロ離れていても直視できる。
従って、12日に大量の水爆によるX線の瞬時被ばく(ポプラは広島原爆の600倍のエネルギ放出なので、1000キロ離れていても爆発時間が3桁短ければ線量率は同程度以上になる)を受け、その3~4日後に白血球減少という急性症状がでてきたとすれば、以上の矛盾はすべて解決する。放射能雨が2-3日後に拓洋丸に降ったのは偶然に過ぎない。
では、爆発高さがなぜそんなに高かったのか。そのころ、通常の水爆の核実験と並行して、米国はEMP実験という高高度での爆発実験も行っていた。
***********************
(ChatGPT解説)
水爆(核融合爆弾)の実験における爆発高度は、実験の目的や影響を考慮してさまざまです。主に以下のような目的によって爆発高度が異なります。
大気圏内爆発:
低高度、数百メートルから数キロメートルの高度で爆発することが多いです。これは、直接的な破壊力と放射能汚染を地表に及ぼすために行われます。1945年の広島と長崎に投下された原爆も、爆発高度は約500メートル前後でした。
高高度爆発:
高度数十キロメートルから数百キロメートルの大気圏上層での爆発です。これは、電磁パルス(EMP)効果を目的として行われることがあります。高高度爆発は、爆風や熱効果が地上に直接及ぶことは少ないですが、EMPによって広範囲にわたる電子機器に影響を与えることが可能です。
*************************
即ち、ポプラの爆発高度2.4キロがそれほど正確でなく、火球の高度が高くなくても、更に高高度での爆発が可能なシステムは当時の米国は保有していたのである。
推測するに、当時、米国が設定した危険区域(爆発位置から1000キロ程度の範囲)よりも外側には影響しないと考えたのは、1956年に厚生省が設定したように、番組にあった被ばく量は50mSv以下に十分収まるだろうとの考えが最初にあったからではないだろうか。
1000キロ離れた爆発の中心を直視するには爆発中心の高さh(㎞)は
h=1000×1000/2/6371(km) #6371は地球の半径
で約80㎞になるが、火球のサイズでX線の到達距離は変わる。
世界最大の水爆ツァーリボンバの火球は2000㎞から直視されたそうである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%90
また、ガンマ線のコンプトン散乱により直視できなくても回折により遠方に到達できる。これが、瞬時被ばくであれば、DNA損傷確率は線量率に逆比例して増大する。(要するにP53などがん抑制遺伝子が機能する余裕がなく損傷が残る、また、免疫機能が作用できる余裕がない。)
恐ろしいことに、現在でも1956年の厚生省被ばく基準の考え方は変わっていない。数分の1になっただけである。即ち年間や3か月の総線量だけが決まっており、原爆、水爆、或いは太陽フレアのプレパルシブ相などの瞬時被ばくで問題になる時間線量率制限が全く考慮されていないのである。
即ち、拓洋船員の被ばくと、現在問題になっている高空でのCA被ばくでの白血病は、核融合反応による瞬時被ばくの犠牲者という点で同根の問題であり、CAでなくても運悪く太陽フレア発生時に高空に滞在していた旅客も同じような運命になる可能性があるということである。
(1)****************************
1958年7月12日に実施された「ポプラ(Poplar)」という名称の水爆実験は、アメリカの核実験シリーズ「ハードタック作戦第2シリーズ(Operation Hardtack II)」の一部として行われました。
ポプラ(Poplar)実験の詳細は以下の通りです。
日時: 1958年7月12日
場所: 太平洋のエニウェトク環礁
爆発高度: 「ポプラ」実験は空中爆発として行われました。具体的な爆発高度は約**2,400メートル(約8,000フィート)**です。
この空中爆発は、爆発による放射性降下物(フォールアウト)を最小限に抑えつつ、核兵器の効果を確認するためのものでした。
*************************
エニウェトク環礁から当時測量船拓洋が居た地点まではNHKの航路図からは約1000キロとみられるが、高度が2.4キロだと直視はできない。
番組内で、当時診察したルショール軍医は、拓洋乗組員の白血球減少は500mSv以上の被ばくによるものだが、拓洋丸の放射線測定結果は0.85mSvでけた違いに小さいと述べたそうだ。
この謎を、NHKスペシャルでは、亡くなった方の残された歯の岡山大理学部での分析から143mSvとし、これが白血病の原因であるかのような結論を導いている。テロップでは自然放射線及び医療被ばくを除くとなているがどのように除外したのかその詳細は番組を見ていても不明である。
なお、歯の分析による被ばく量評価はChatGPTでは下記のとおりである。
(2)***********************
歯を用いた被ばく線量の評価は、主に以下の方法で行われます。
1. 電子スピン共鳴法(ESR法)
歯のエナメル質中に含まれるヒドロキシアパタイト結晶が、放射線被ばくによって自由電子を生成します。この自由電子が結晶中に捕らえられ、特定の条件で電子スピン共鳴(ESR)を引き起こします。この現象を利用して、歯に蓄積された被ばく線量を測定する方法です。
ESR法は、特に歯のエナメル質における放射線の影響を測定する際に非常に高い感度を持っており、過去に被ばくした線量を評価するために使われます。
2. 熱ルミネッセンス法(TL法)
歯や骨に含まれる微量の不純物や結晶構造中に、放射線により励起されたエネルギーが蓄積されます。これを加熱することによって放出される光(ルミネッセンス)の強度を測定し、被ばく線量を評価する方法です。TL法は主に歯や骨に含まれる物質の被ばく量を推定するために用いられますが、ESR法ほどは一般的ではありません。
3. フォトルミネッセンス法(PL法)
歯に蓄積された放射線エネルギーが光を放出する際の光の特性を測定する方法です。PL法は、ESR法やTL法と比較して特定の応用範囲で使用されますが、同じ原理に基づいて被ばく線量を評価します。
使用される放射線の種類
歯を用いた線量評価の対象となる放射線は、主にガンマ線やX線です。これらは電離放射線として、歯のエナメル質に対して強い影響を与えるため、ESR法などを使って蓄積された線量を評価することが可能です。
一方、中性子線の影響も場合によっては考慮されますが、通常はガンマ線やX線による被ばくが主な対象です。中性子線も物質を励起させることができますが、その影響を測定するためには別の手法が必要となる場合が多く、ESR法やTL法はガンマ線・X線に対する応答が中心です。
まとめ
ガンマ線やX線による被ばくが主に評価される。
主な測定手法には、ESR法(電子スピン共鳴法)、TL法(熱ルミネッセンス法)、PL法(フォトルミネッセンス法)がある。
*****************************
一方、白血病の発祥経緯は同じく、ChatG'PTでは
(3)*****************************
白血病の発症と放射線被ばくの関係は複雑で、発症までの期間や必要な被ばく線量にはさまざまな要因が影響します。以下に、放射線被ばくによる白血病の発症リスクと関連する要因について説明します。
1. 発症までの潜伏期間
放射線被ばくによる白血病の発症には、通常数年から十数年の潜伏期間があります。被ばく後すぐに白血病が発症するわけではなく、一般的には5〜10年の間に発症することが多いです。
ただし、被ばく後2年以内に発症するケースも報告されており、その場合は急性の白血病が発症しやすいとされています。
2. 発症リスクに影響を与える線量
白血病の発症リスクは、被ばく線量に依存します。大量の放射線に被ばくすることでリスクが増大しますが、具体的な線量については以下の通りです。
1シーベルト(Sv)以上の放射線被ばくで白血病のリスクが有意に増加します。
**0.1〜1シーベルト(100ミリシーベルト〜1シーベルト)**の範囲でも、白血病の発症リスクが増加するとされていますが、発症する確率は比較的低いです。
低線量被ばく(0.1シーベルト未満)では、白血病のリスク増加が明確ではなく、通常の背景放射線と比較して顕著な差が見られないこともあります。
3. 急性放射線症候群と白血病
極端な高線量の放射線被ばく(数十シーベルト以上)では、急性放射線症候群(ARS)が発症し、血液細胞への深刻な影響が現れますが、この場合は白血病とは異なり、数日から数週間以内に骨髄抑制や免疫不全により死に至ることがあります。
白血病のような悪性腫瘍の発症は、急性放射線症候群ではなく、より低線量で長期間にわたって被ばくした場合に見られます。
4. 被ばくによる白血病のタイプ
被ばくによって発症する白血病の多くは**急性骨髄性白血病(AML)**です。放射線被ばくによる白血病では、特にAMLが多く見られる傾向がありますが、**慢性骨髄性白血病(CML)や急性リンパ性白血病(ALL)**も被ばく後に発症することがあります。
5. 被ばく量に対する個体差
同じ放射線量を浴びた場合でも、個人の年齢、性別、遺伝的要因、健康状態によって白血病の発症リスクは異なります。特に若年層や子どもは、成人よりも放射線に対する感受性が高く、低線量でも白血病が発症しやすいとされています。
まとめ
放射線被ばくによる白血病は、5〜10年の潜伏期間が一般的で、まれに2年以内に発症することもあります。
1シーベルト以上の被ばくで白血病のリスクが有意に増加します。
発症する白血病のタイプとしては、主に**急性骨髄性白血病(AML)**が多いです。
発症リスクには個体差があり、若年者や子どもは特にリスクが高くなります。
*****************************
以上の(1)、(2)、(3)の回答に対し、測量船拓洋事件の経緯、NHKの見解(と思しきもの)との矛盾点をまとめると以下のようになる。
①白血病は体内被ばくのような慢性被ばくの場合には数年後に発症するが、今回は7月16日には白血球減少が多数の乗組員で表れている。
これは乗組員の多数に大量の急性被ばくがあったためと推定される。
即ち、大量の被ばくで一旦、白血球が減少し、造血細胞が修復される際にがん化した造血細胞が生じれば白血球が異常に増加する白血病になるのである。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000083061.pdf
②NHKでは、ポプラ爆発後2日目の放射線レベル急上昇と放射能雨が、白血病発祥の原因としているようだが、内部被ばくでこのような急性発症をするには大量の内部被ばくが必要で、ルショール医師、或いは上記の引用リンクで示したように500mSv程度は必要だが、NHKは140mSv程度の被ばくだとしか示していない。
③ルショール医師の疑問は、0.85mSv程度の外部被ばくで、多数の同時白血球減少患者が出たことである。
④一方、ポプラの爆発は1000キロ離れた上空2.4キロ位置なので、直接放射線が拓洋に到達することはないはずである。
以上の矛盾を解決するには大前提の、ポプラの爆発位置を見直せばよいというのがここでの提案である。これはルショール医師やNHKが勘違いしたと思われるポイントでもある。以下、私の仮説である。
実は、被ばくしたのは7月14日ではなく、7月12日の爆発当日だったのである。そして、爆発高さは、点火時は2.4キロかもしれないが、爆発後の火球上昇で実効的には約80㎞まで上昇していたのである。
この高さならば1000キロ離れていても直視できる。
従って、12日に大量の水爆によるX線の瞬時被ばく(ポプラは広島原爆の600倍のエネルギ放出なので、1000キロ離れていても爆発時間が3桁短ければ線量率は同程度以上になる)を受け、その3~4日後に白血球減少という急性症状がでてきたとすれば、以上の矛盾はすべて解決する。放射能雨が2-3日後に拓洋丸に降ったのは偶然に過ぎない。
では、爆発高さがなぜそんなに高かったのか。そのころ、通常の水爆の核実験と並行して、米国はEMP実験という高高度での爆発実験も行っていた。
***********************
(ChatGPT解説)
水爆(核融合爆弾)の実験における爆発高度は、実験の目的や影響を考慮してさまざまです。主に以下のような目的によって爆発高度が異なります。
大気圏内爆発:
低高度、数百メートルから数キロメートルの高度で爆発することが多いです。これは、直接的な破壊力と放射能汚染を地表に及ぼすために行われます。1945年の広島と長崎に投下された原爆も、爆発高度は約500メートル前後でした。
高高度爆発:
高度数十キロメートルから数百キロメートルの大気圏上層での爆発です。これは、電磁パルス(EMP)効果を目的として行われることがあります。高高度爆発は、爆風や熱効果が地上に直接及ぶことは少ないですが、EMPによって広範囲にわたる電子機器に影響を与えることが可能です。
*************************
即ち、ポプラの爆発高度2.4キロがそれほど正確でなく、火球の高度が高くなくても、更に高高度での爆発が可能なシステムは当時の米国は保有していたのである。
推測するに、当時、米国が設定した危険区域(爆発位置から1000キロ程度の範囲)よりも外側には影響しないと考えたのは、1956年に厚生省が設定したように、番組にあった被ばく量は50mSv以下に十分収まるだろうとの考えが最初にあったからではないだろうか。
1000キロ離れた爆発の中心を直視するには爆発中心の高さh(㎞)は
h=1000×1000/2/6371(km) #6371は地球の半径
で約80㎞になるが、火球のサイズでX線の到達距離は変わる。
世界最大の水爆ツァーリボンバの火球は2000㎞から直視されたそうである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%90
また、ガンマ線のコンプトン散乱により直視できなくても回折により遠方に到達できる。これが、瞬時被ばくであれば、DNA損傷確率は線量率に逆比例して増大する。(要するにP53などがん抑制遺伝子が機能する余裕がなく損傷が残る、また、免疫機能が作用できる余裕がない。)
恐ろしいことに、現在でも1956年の厚生省被ばく基準の考え方は変わっていない。数分の1になっただけである。即ち年間や3か月の総線量だけが決まっており、原爆、水爆、或いは太陽フレアのプレパルシブ相などの瞬時被ばくで問題になる時間線量率制限が全く考慮されていないのである。
即ち、拓洋船員の被ばくと、現在問題になっている高空でのCA被ばくでの白血病は、核融合反応による瞬時被ばくの犠牲者という点で同根の問題であり、CAでなくても運悪く太陽フレア発生時に高空に滞在していた旅客も同じような運命になる可能性があるということである。
天皇制は究極の親ガチャでは ― 2024年09月12日 07:29
最近また皇室批判の記事が増えてきた。言論の自由は重要である。これは日本国憲法で保障されている。個人の職業選択の自由もそうだ。但し、皇族はそうではない。憲法で天皇制が定められている以上、それを担う個人が必要になるからだ。
この 現憲法にふくまれている究極の矛盾をどうするのか、これを無視して皇族への個人攻撃をするのはフェアではない。
現憲法では、主権在民、基本的人権の尊重という虚構は、皇族の人権を犠牲にして成立していると思う。昭和天皇の戦争責任があるとしても、国家(実施したのはGHQだが)に3000億と言われる資産を没収され、末代まで職業選択の自由を奪われたのである。
現天皇は、日本山岳会の会員だが、岩登りは自主規制しているようだ。私の経験からも、長年登山をしていれば、若者は岩や沢登りも挑戦したくなるものである。それを自主規制している。このような状況はある意味究極の親ガチャと言える。
これから逃れる方法は、皇族を離れることだが、女子皇族でもあれだけ騒がれた。男子なら、日本の歴史に関わる決断である。
言いたいことは、一部マスコミやSNSのように皇族批判するなら、日本国憲法のこの矛盾に対する考えを明確にしてからにすべきだという事である。
批判者は、日本の歴史に関わることに対し、若者が個人的に対応するという無理を押し付けているということに気が付かないのであろう。
私は平均的な日本人が共和制に耐えられるほど、成長しているとは思えない。即ち、日本が国家として成立するためには、天皇制が日本にはまだ必要だと思う。
この憲法上の矛盾を皇族は引き受けざるを得ない、ある意味で犠牲者とも言える。
現在では、皇族よりもはるかに良い生活をし、自由を謳歌している若者が何万人もいるし、それを皇族方も見聞きしている。
憲法改正が必要なのは、防衛問題よりも象徴天皇制という矛盾・虚構の方だろう。それを放置しながら、皇族批判をするのは、地球温暖化を放置しながら化石燃料による電気でエアコンを使っているのと同じく、矛盾を忘れ、自己満足しているようなものだ。
皇族方の人生に残された細かい選択まで批判するならば、その前に国民総意による象徴天皇制を廃止し、光源氏のような自由な生き方が出来ることに、法的にも、経済的にも、皇族方に保障できるよう努力するべきだ。
この 現憲法にふくまれている究極の矛盾をどうするのか、これを無視して皇族への個人攻撃をするのはフェアではない。
現憲法では、主権在民、基本的人権の尊重という虚構は、皇族の人権を犠牲にして成立していると思う。昭和天皇の戦争責任があるとしても、国家(実施したのはGHQだが)に3000億と言われる資産を没収され、末代まで職業選択の自由を奪われたのである。
現天皇は、日本山岳会の会員だが、岩登りは自主規制しているようだ。私の経験からも、長年登山をしていれば、若者は岩や沢登りも挑戦したくなるものである。それを自主規制している。このような状況はある意味究極の親ガチャと言える。
これから逃れる方法は、皇族を離れることだが、女子皇族でもあれだけ騒がれた。男子なら、日本の歴史に関わる決断である。
言いたいことは、一部マスコミやSNSのように皇族批判するなら、日本国憲法のこの矛盾に対する考えを明確にしてからにすべきだという事である。
批判者は、日本の歴史に関わることに対し、若者が個人的に対応するという無理を押し付けているということに気が付かないのであろう。
私は平均的な日本人が共和制に耐えられるほど、成長しているとは思えない。即ち、日本が国家として成立するためには、天皇制が日本にはまだ必要だと思う。
この憲法上の矛盾を皇族は引き受けざるを得ない、ある意味で犠牲者とも言える。
現在では、皇族よりもはるかに良い生活をし、自由を謳歌している若者が何万人もいるし、それを皇族方も見聞きしている。
憲法改正が必要なのは、防衛問題よりも象徴天皇制という矛盾・虚構の方だろう。それを放置しながら、皇族批判をするのは、地球温暖化を放置しながら化石燃料による電気でエアコンを使っているのと同じく、矛盾を忘れ、自己満足しているようなものだ。
皇族方の人生に残された細かい選択まで批判するならば、その前に国民総意による象徴天皇制を廃止し、光源氏のような自由な生き方が出来ることに、法的にも、経済的にも、皇族方に保障できるよう努力するべきだ。
広島原爆と長崎原爆の差 ― 2024年08月07日 07:10
米国が何と言おうと原爆投下は人体実験だった。或いは冷戦に備えた米国の予備実験だった。
それは、広島に投下したLittleBoyが濃縮ウラン原爆でほぼ確実に爆発することが分かっていたのだが、ウラン濃縮は時間と費用が膨大にかかる。一方、長崎に投下したFatmanはプルトニウム原爆なので濃縮の手間がいらないが、自発核分裂するプルトニウム-240の混合が避けられないので、不完全爆発の可能性が排除できない。(北朝鮮の最初の原爆実験はこの不完全爆発のために失敗したと美られる。)
当時の米国の対ソ連戦略としては、両者を日本で実験し、できればプルトニウム型の技術を確立しておきたい。そこで、広島に投下した後、日本国内の終戦の議論が深まらないうちに日にちを置かず長崎にプルトニウム原爆を投下したと見られる。日本人としては許せない所業である。
この差は、原爆生存被ばく者のがん発生率データにも見られる。
下記の表は、以前放影研より公開されていた各市毎の原爆男性生存者を対象に、被ばく線量と固形がん発生率の関係を統計解析コードRにより解析したものである。
この解析では5mGy以下の被ばく者を被ばくの影響がなかったベースラインと仮定して、被ばく線量範囲の上限を20mGy~3400mGyまで拡大した場合のERR(Excess Relative Risk、即ち、がん発生率の相対値から1.0を引いたもの)を解析した例である。線量以外にがん発生には喫煙や年齢など多くの関係因子があり、これらは個別に考慮することで、Rでは線量による影響のみをERR線量偏回帰係数として抽出できる。
これで見ると、広島では300mGyに閾値がありこれ以下ではERRに対する線量偏回帰係数が負になり、がん発生率がベースラインよりも小さい、即ち、ホルミシス効果が生じていることを示している。一方、長崎では、80mGy以下に閾値があるように見える。但し、統計精度(p-value, 一般には0.05以下であれば信頼できる数値と言われている)にはかなり差がある。p値は被ばく者の人数やがん発生の絶対数に依存する数値である。いずれにせよ、両市で線量偏回帰係数の傾向に大きな差があることがわかる。
なお、白血病については、発症数が少ないためにp値が大きくなり、従来被ばく影響に対する評価は定まっていない。
この原因はどこにあるのか。検証したいところであるが、線量自体が米国側の担当になっており詳細は不明である。日本側は軍事機密という理由で評価に携わることができないままである。このようなデータが現在の放射線被ばく基準のベースデータとなっていることが残念である。
即ち、線量が高いときは有意の相関があるが、低線量範囲では不確かさが大きいという理由から、全線量範囲に対する偏回帰係数を用い、線量0でERRが0となるという仮定(LNT仮定と言われている)を使って、現在のICRPや各国の被ばく制限が設定されている。
両市の男性被ばく生存者の固形がん発症リスクとERR線量偏回帰係数の関係
線量範囲 ERR線量偏回帰係数 解析精度
(mGy) ERR /Gy p-values
広島 長崎 広島 長崎
5-20 -4.8892 4.9897 2.10E-01 5.61E-01
5-40 -5.5532 -6.8660 1.34E-03 1.60E-02
5-60 -1.5180 -2.5905 1.67E-01 2.32E-01
5-80 -1.5374 -0.9157 5.33E-02 6.09E-01
5-100 -0.7881 0.0167 2.31E-01 9.92E-01
5-125 -0.7885 0.2034 1.38E-01 8.80E-01
5-150 -1.2086 0.5073 5.36E-03 6.62E-01
5-175 -1.1759 0.3871 1.81E-03 6.89E-01
5-200 -0.6830 0.1367 4.96E-02 8.68E-01
5-250 -0.5470 -0.8711 6.41E-02 1.01E-01
5-300 -0.1923 0.0213 4.44E-01 9.66E-01
5-500 0.0989 -0.2899 5.70E-01 2.82E-01
5-750 0.2096 -0.1890 1.11E-01 2.81E-01
5-1000 0.3039 0.0677 6.39E-03 6.20E-01
5-1250 0.3300 0.1407 6.55E-04 2.55E-01
5-1500 0.2549 0.0971 2.38E-03 3.44E-01
5-1750 0.2790 0.2206 4.14E-04 3.17E-02
5-2000 0.3296 0.2364 1.96E-05 1.80E-02
5-2500 0.3668 0.2328 1.63E-07 1.08E-02
5-3000 0.3650 0.2631 3.15E-08 2.98E-03
5-3400 0.3720 0.2738 1.74E-08 2.12E-03
このように、福島事故を含め、米国の壁により科学的、技術的データの真相がわからなくなることはよくある話である。
例えば、事故を起こした福島第一原発を米国GEから導入する際、日本で原子力関連会社の社長をしていた土光敏夫は非常用電源の配置も含め、設計チェックをしたいとGEに申し入れたが、GEからは設計変更をするならば日本には輸出しないと言われ、政府、東電もGEの言い分を受け入れたため、津波対策を考えない配置設計のままであったのが、3.11を引き起こした可能性がある。
米国の対ソ核戦略の犠牲になったのは広島・長崎の被ばく者だけでなく、その被ばく者データの基となる線量データが上記のように不明確なまま、ICRP基準で福島事故時の避難措置を講じ、震災関連死を生じた。二重、三重の米国による災難を受けたことになる。
それは、広島に投下したLittleBoyが濃縮ウラン原爆でほぼ確実に爆発することが分かっていたのだが、ウラン濃縮は時間と費用が膨大にかかる。一方、長崎に投下したFatmanはプルトニウム原爆なので濃縮の手間がいらないが、自発核分裂するプルトニウム-240の混合が避けられないので、不完全爆発の可能性が排除できない。(北朝鮮の最初の原爆実験はこの不完全爆発のために失敗したと美られる。)
当時の米国の対ソ連戦略としては、両者を日本で実験し、できればプルトニウム型の技術を確立しておきたい。そこで、広島に投下した後、日本国内の終戦の議論が深まらないうちに日にちを置かず長崎にプルトニウム原爆を投下したと見られる。日本人としては許せない所業である。
この差は、原爆生存被ばく者のがん発生率データにも見られる。
下記の表は、以前放影研より公開されていた各市毎の原爆男性生存者を対象に、被ばく線量と固形がん発生率の関係を統計解析コードRにより解析したものである。
この解析では5mGy以下の被ばく者を被ばくの影響がなかったベースラインと仮定して、被ばく線量範囲の上限を20mGy~3400mGyまで拡大した場合のERR(Excess Relative Risk、即ち、がん発生率の相対値から1.0を引いたもの)を解析した例である。線量以外にがん発生には喫煙や年齢など多くの関係因子があり、これらは個別に考慮することで、Rでは線量による影響のみをERR線量偏回帰係数として抽出できる。
これで見ると、広島では300mGyに閾値がありこれ以下ではERRに対する線量偏回帰係数が負になり、がん発生率がベースラインよりも小さい、即ち、ホルミシス効果が生じていることを示している。一方、長崎では、80mGy以下に閾値があるように見える。但し、統計精度(p-value, 一般には0.05以下であれば信頼できる数値と言われている)にはかなり差がある。p値は被ばく者の人数やがん発生の絶対数に依存する数値である。いずれにせよ、両市で線量偏回帰係数の傾向に大きな差があることがわかる。
なお、白血病については、発症数が少ないためにp値が大きくなり、従来被ばく影響に対する評価は定まっていない。
この原因はどこにあるのか。検証したいところであるが、線量自体が米国側の担当になっており詳細は不明である。日本側は軍事機密という理由で評価に携わることができないままである。このようなデータが現在の放射線被ばく基準のベースデータとなっていることが残念である。
即ち、線量が高いときは有意の相関があるが、低線量範囲では不確かさが大きいという理由から、全線量範囲に対する偏回帰係数を用い、線量0でERRが0となるという仮定(LNT仮定と言われている)を使って、現在のICRPや各国の被ばく制限が設定されている。
両市の男性被ばく生存者の固形がん発症リスクとERR線量偏回帰係数の関係
線量範囲 ERR線量偏回帰係数 解析精度
(mGy) ERR /Gy p-values
広島 長崎 広島 長崎
5-20 -4.8892 4.9897 2.10E-01 5.61E-01
5-40 -5.5532 -6.8660 1.34E-03 1.60E-02
5-60 -1.5180 -2.5905 1.67E-01 2.32E-01
5-80 -1.5374 -0.9157 5.33E-02 6.09E-01
5-100 -0.7881 0.0167 2.31E-01 9.92E-01
5-125 -0.7885 0.2034 1.38E-01 8.80E-01
5-150 -1.2086 0.5073 5.36E-03 6.62E-01
5-175 -1.1759 0.3871 1.81E-03 6.89E-01
5-200 -0.6830 0.1367 4.96E-02 8.68E-01
5-250 -0.5470 -0.8711 6.41E-02 1.01E-01
5-300 -0.1923 0.0213 4.44E-01 9.66E-01
5-500 0.0989 -0.2899 5.70E-01 2.82E-01
5-750 0.2096 -0.1890 1.11E-01 2.81E-01
5-1000 0.3039 0.0677 6.39E-03 6.20E-01
5-1250 0.3300 0.1407 6.55E-04 2.55E-01
5-1500 0.2549 0.0971 2.38E-03 3.44E-01
5-1750 0.2790 0.2206 4.14E-04 3.17E-02
5-2000 0.3296 0.2364 1.96E-05 1.80E-02
5-2500 0.3668 0.2328 1.63E-07 1.08E-02
5-3000 0.3650 0.2631 3.15E-08 2.98E-03
5-3400 0.3720 0.2738 1.74E-08 2.12E-03
このように、福島事故を含め、米国の壁により科学的、技術的データの真相がわからなくなることはよくある話である。
例えば、事故を起こした福島第一原発を米国GEから導入する際、日本で原子力関連会社の社長をしていた土光敏夫は非常用電源の配置も含め、設計チェックをしたいとGEに申し入れたが、GEからは設計変更をするならば日本には輸出しないと言われ、政府、東電もGEの言い分を受け入れたため、津波対策を考えない配置設計のままであったのが、3.11を引き起こした可能性がある。
米国の対ソ核戦略の犠牲になったのは広島・長崎の被ばく者だけでなく、その被ばく者データの基となる線量データが上記のように不明確なまま、ICRP基準で福島事故時の避難措置を講じ、震災関連死を生じた。二重、三重の米国による災難を受けたことになる。
広島の被ばく者は実際にはどの程度被ばくしたのか ― 2024年08月06日 17:29
ICRPや各国の被ばく規制値の大元である広島・長崎の被爆者データが公開されなくなったのは、個人情報保護の観点という名目だが、少なくとも数年前までは公開されていた。
しかし、その中にあった被ばく量の評価の基となる線源データ(原爆がどの程度の放射線を放出したのか)という最も基本となるべきデータは、軍事機密の壁に阻まれ多くが米国側の独占評価データとなっており、日本側には公開されていない。
これが、いつまでたってものどに刺さった骨のようにがん発生確率と被ばく量の関係の議論の曖昧さの一因になっている。実際、被ばく量データは数年おきに多少異なる値が報告されており、関係学会はその妥当性、影響を後追いするのに追われている。
ここでは、どの程度の妥当性があるのか、公開されている原爆の構造とエネルギー放出量から簡単なモデルで爆心からの距離と被ばく量の関係を概算してみた。
実際の被ばく者データはこのような単純なモデルではなく、米国側の評価した家屋の遮へい効果などを被ばく生存者ごとに、個々に考慮した結果のみを日本側に提示している。しかし、その詳細は米国研究者のみが知るところであり、その結果、ますます本当の値が何なのかブラックボックス化している。現在の被ばく線量とがん発生リスクのICRP値は砂上の楼閣かもしれない。
ここで行った評価の基本条件は以下のとおりである。
(1)原爆(LittleBoy)の基本構造はWikipedia公開のデータを用いる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Little_Boy
(2)爆発エネルギーはTNT換算16ktとする。(放影研公開データ)
(3)総ち中性子発生数は、16ktから、原子炉物理テキストデータを用いて換算する。(米国側データによる放影研公開データは不整合なため使用しない。炉物理テキストデータの1/3となっている。核分裂数当たりの中性子発生数は約3なので、米国側が適当に書いた可能性もある。爆発時間も放影研データでは1μ秒以下となっているが、高速炉の即発中性子寿命から推定される爆発時間は6.2μ秒なので、米国側は、より詳細な値を提示すべきである。)
(4)爆発中心は標高650mとする。(放影研公開データ)
(5)地形は無限平板、空気は湿度70%の空気とし、爆発中心から代表距離の位置でのガンマ線を連続エネルギモンテカルロ計算により評価する。
(6)ガンマ線線量換算係数はICRP Pub. 116を用いる。
(7)中性子線量については寄与が小さいので無視する。
モデル化にあたっては、原爆の爆発時の細部仕様が上記Wiki公開データでは不明のため、寸法関係で仮定した部分もあるが、結果的には、下記値となった。
爆心直下 :21.7Gy
0.5㎞ :7.5Gy
1㎞ :0.96Gy
1.5㎞ :0.13Gy
2.0㎞ :0.039Gy
2.5㎞ :0.0066Gy
これらの値と放影研の個人被ばくデータを比較したいところだが、
現在非公開になっており、また、家屋等の遮へい効果も不明なため単純な比較はできない。
ただ、上記値は従来公開されている値よりかなり小さい値になっており、これで被ばく生存者の位置において有意ながん発生があるのか疑問である。しかし、ICRP基準は原爆(当方の計算では1ミリ秒以下で被ばくした)における時間線量率の高さを無視して、年間被ばく量制限値として用いることを前提にデータを公開しており、上記値のような小さな値でがん発生があるとすると、規制にならないと考えたという疑いも考えられる。いずれにせよ、データ公開は必要であり、今や、原爆の構造も、北朝鮮ですら広島型よりも大きく変更している。LittleBoy、Fatmanともに放影研に全面データ公開し、日本側ですべての線量評価をしてもらいたいものである。、
しかし、その中にあった被ばく量の評価の基となる線源データ(原爆がどの程度の放射線を放出したのか)という最も基本となるべきデータは、軍事機密の壁に阻まれ多くが米国側の独占評価データとなっており、日本側には公開されていない。
これが、いつまでたってものどに刺さった骨のようにがん発生確率と被ばく量の関係の議論の曖昧さの一因になっている。実際、被ばく量データは数年おきに多少異なる値が報告されており、関係学会はその妥当性、影響を後追いするのに追われている。
ここでは、どの程度の妥当性があるのか、公開されている原爆の構造とエネルギー放出量から簡単なモデルで爆心からの距離と被ばく量の関係を概算してみた。
実際の被ばく者データはこのような単純なモデルではなく、米国側の評価した家屋の遮へい効果などを被ばく生存者ごとに、個々に考慮した結果のみを日本側に提示している。しかし、その詳細は米国研究者のみが知るところであり、その結果、ますます本当の値が何なのかブラックボックス化している。現在の被ばく線量とがん発生リスクのICRP値は砂上の楼閣かもしれない。
ここで行った評価の基本条件は以下のとおりである。
(1)原爆(LittleBoy)の基本構造はWikipedia公開のデータを用いる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Little_Boy
(2)爆発エネルギーはTNT換算16ktとする。(放影研公開データ)
(3)総ち中性子発生数は、16ktから、原子炉物理テキストデータを用いて換算する。(米国側データによる放影研公開データは不整合なため使用しない。炉物理テキストデータの1/3となっている。核分裂数当たりの中性子発生数は約3なので、米国側が適当に書いた可能性もある。爆発時間も放影研データでは1μ秒以下となっているが、高速炉の即発中性子寿命から推定される爆発時間は6.2μ秒なので、米国側は、より詳細な値を提示すべきである。)
(4)爆発中心は標高650mとする。(放影研公開データ)
(5)地形は無限平板、空気は湿度70%の空気とし、爆発中心から代表距離の位置でのガンマ線を連続エネルギモンテカルロ計算により評価する。
(6)ガンマ線線量換算係数はICRP Pub. 116を用いる。
(7)中性子線量については寄与が小さいので無視する。
モデル化にあたっては、原爆の爆発時の細部仕様が上記Wiki公開データでは不明のため、寸法関係で仮定した部分もあるが、結果的には、下記値となった。
爆心直下 :21.7Gy
0.5㎞ :7.5Gy
1㎞ :0.96Gy
1.5㎞ :0.13Gy
2.0㎞ :0.039Gy
2.5㎞ :0.0066Gy
これらの値と放影研の個人被ばくデータを比較したいところだが、
現在非公開になっており、また、家屋等の遮へい効果も不明なため単純な比較はできない。
ただ、上記値は従来公開されている値よりかなり小さい値になっており、これで被ばく生存者の位置において有意ながん発生があるのか疑問である。しかし、ICRP基準は原爆(当方の計算では1ミリ秒以下で被ばくした)における時間線量率の高さを無視して、年間被ばく量制限値として用いることを前提にデータを公開しており、上記値のような小さな値でがん発生があるとすると、規制にならないと考えたという疑いも考えられる。いずれにせよ、データ公開は必要であり、今や、原爆の構造も、北朝鮮ですら広島型よりも大きく変更している。LittleBoy、Fatmanともに放影研に全面データ公開し、日本側ですべての線量評価をしてもらいたいものである。、
トイレを我慢できる脳の作り方 ― 2024年07月21日 07:18
知り合いに、昔の特攻隊の生き残りが居た。
その方は、老齢にもかかわらず、トイレに半日は行かなくても大丈夫なのである。
鹿児島から沖縄まで若いころ何度もゼロ戦で往復し、米軍の艦砲射撃を受けながら(ゼロ戦は軽くするために鋼板が薄く、足元の銃弾孔から海が見えたらしい)運よく終戦を迎えた。
今思うに、そんな状態で、機内でトイレをすることは物理的にも心理的にもできはしなかっただろう。
これが心理的な訓練になったはずである。即ち、トイレを長時間我慢できるという脳の回路が確立したのである。
ヒトの摂食や排せつ行動には、体内の細胞、感覚器官からの伝達物質、神経回路による脳内での応答以外に、その応答に対する報酬回路が働いている。(二河、感覚と応答の生物学、p。256(放送大学教育振興会))即ち、その報酬が何なのかをもう一度考え直す必要がある。
ゼロ戦の場合、排泄の要求が体内からあったとしても、それを抑制することが生命の維持に必要だと脳が考えたら(ゼロ戦乗りは当然そう考えただろう)その報酬回路をトイレをしないことが報酬が大きいと無意識に考え、そのような負のフィードバック回路を脳内で構築したのだろう。
これを現代の頻尿治療に応用することはできないか。それも単にトイレを我慢するのではなく、トイレに行かないことで生命が助かる状況を作り上げるのである。これはヘタをすると命に係わるので誰にでも進めることはできないが、例えば、トイレに行きたくなった時にあえて危険性がある行動をとることである。(具体的には各自の環境、状況によるだろうし、フィードバック回路が脳内に出来る前にこの訓練のためにけがをしたりしたら本末転倒になる。)例えば、本人に知らせずに、突然の避難訓練を繰り返すなどすれば、多少は効果があるかもしれない。
このような行動を繰り返すことで、脳内にゼロ戦乗りと同じ回路が形成され、容易にはトイレに行かなくでも済むようになるはずである。(保証はできないが。)
その方は、老齢にもかかわらず、トイレに半日は行かなくても大丈夫なのである。
鹿児島から沖縄まで若いころ何度もゼロ戦で往復し、米軍の艦砲射撃を受けながら(ゼロ戦は軽くするために鋼板が薄く、足元の銃弾孔から海が見えたらしい)運よく終戦を迎えた。
今思うに、そんな状態で、機内でトイレをすることは物理的にも心理的にもできはしなかっただろう。
これが心理的な訓練になったはずである。即ち、トイレを長時間我慢できるという脳の回路が確立したのである。
ヒトの摂食や排せつ行動には、体内の細胞、感覚器官からの伝達物質、神経回路による脳内での応答以外に、その応答に対する報酬回路が働いている。(二河、感覚と応答の生物学、p。256(放送大学教育振興会))即ち、その報酬が何なのかをもう一度考え直す必要がある。
ゼロ戦の場合、排泄の要求が体内からあったとしても、それを抑制することが生命の維持に必要だと脳が考えたら(ゼロ戦乗りは当然そう考えただろう)その報酬回路をトイレをしないことが報酬が大きいと無意識に考え、そのような負のフィードバック回路を脳内で構築したのだろう。
これを現代の頻尿治療に応用することはできないか。それも単にトイレを我慢するのではなく、トイレに行かないことで生命が助かる状況を作り上げるのである。これはヘタをすると命に係わるので誰にでも進めることはできないが、例えば、トイレに行きたくなった時にあえて危険性がある行動をとることである。(具体的には各自の環境、状況によるだろうし、フィードバック回路が脳内に出来る前にこの訓練のためにけがをしたりしたら本末転倒になる。)例えば、本人に知らせずに、突然の避難訓練を繰り返すなどすれば、多少は効果があるかもしれない。
このような行動を繰り返すことで、脳内にゼロ戦乗りと同じ回路が形成され、容易にはトイレに行かなくでも済むようになるはずである。(保証はできないが。)
ザポリージャ原発の核攻撃シミュレーション ― 2024年04月10日 11:24
下記のリンクによれば、通常の原爆で原子炉を攻撃しても、攻撃された原子炉自体の放射能や爆発によりすぐに死者が出る可能性はほぼない。それよりも投下された原爆の核爆発による直接的被害が圧倒的に大きい。
即ち、恐れるべき対象は原発ではなく、原爆自体なのであるが、この混同をあえて行っている一部マスコミがあるようだ。
https://drive.google.com/file/d/1M6JZNz7TBhtppjQwjL5aWrOKc0Ti7DlR/view?usp=sharing
即ち、恐れるべき対象は原発ではなく、原爆自体なのであるが、この混同をあえて行っている一部マスコミがあるようだ。
https://drive.google.com/file/d/1M6JZNz7TBhtppjQwjL5aWrOKc0Ti7DlR/view?usp=sharing
危険なウミツバメーブレヴェスニク ― 2023年10月22日 09:44
ブレヴェスニクとはロシア語でウミツバメのことである。
しかし、実態は空の原子力潜水艦といえるだろう。
ロシアはついにこれを実用化したようだ。
https://sputniknews.jp/20231011/17376005.html
原子力潜水艦は動力に内燃機関を使わないため、長期間、海に潜ったままで行動できるのが最大のメリットである。
原子力飛行機は米ソ冷戦初期に米国アイダホ州で開発が行われたが技術的な困難さから爆発事故を起こし、開発は中止された。
米国はその後、細々と原子力ロケットの開発は続けているようだ。これは小型原子炉の宇宙版である。NASAの目的の一つは、地球最後の日に人類が宇宙に脱出することにあるのだから、太陽光も酸素もない宇宙空間では原子力を利用することは必然だろう。
原子力飛行機については、ロシアも2019年にブレヴェニスクの試験機の爆発事故を起こしたが、ついに実用化に漕ぎつけたらしい。
https://www.bbc.com/japanese/49327600
恐らく、原子炉の小型化により、アイダホで失敗した大型原子炉飛行機よりもコンパクトで制御性のよい機体の開発に成功したのであろう。
これは、小型原子炉のエネルギーにより空気を加熱し、低空で地表表面を長時間飛ぶことができるので、従来のICBMと違い、レーダーに把握されずに地球を周回できる。そして、必要とあらば、敵の心臓部に核爆弾を投下できるという代物である。原子力潜水艦であれば、ミサイル発射によりレーダーに把握される可能性が強いが、このウミツバメのほうは密かに敵の心臓部のすぐ近くに接近できるので防衛は一層困難になる。
ロシアは資源があるので、このような軍事費浪費を北朝鮮のようにすることができるのだろう。
日本は防衛費をGDPの2%まで増加するなどといってもこのような代物に完全に対抗することは不可能である。まずは、科学技術予算の増加により、ロシアにも諸外国にもエネルギー依存する必要のない独自技術でエネルギー自立、食料生産自立を目指すべきだろう。それが世界の貧困と飢餓を減らし、平和な地球に繋がるということを信じるべきだろう。
しかし、実態は空の原子力潜水艦といえるだろう。
ロシアはついにこれを実用化したようだ。
https://sputniknews.jp/20231011/17376005.html
原子力潜水艦は動力に内燃機関を使わないため、長期間、海に潜ったままで行動できるのが最大のメリットである。
原子力飛行機は米ソ冷戦初期に米国アイダホ州で開発が行われたが技術的な困難さから爆発事故を起こし、開発は中止された。
米国はその後、細々と原子力ロケットの開発は続けているようだ。これは小型原子炉の宇宙版である。NASAの目的の一つは、地球最後の日に人類が宇宙に脱出することにあるのだから、太陽光も酸素もない宇宙空間では原子力を利用することは必然だろう。
原子力飛行機については、ロシアも2019年にブレヴェニスクの試験機の爆発事故を起こしたが、ついに実用化に漕ぎつけたらしい。
https://www.bbc.com/japanese/49327600
恐らく、原子炉の小型化により、アイダホで失敗した大型原子炉飛行機よりもコンパクトで制御性のよい機体の開発に成功したのであろう。
これは、小型原子炉のエネルギーにより空気を加熱し、低空で地表表面を長時間飛ぶことができるので、従来のICBMと違い、レーダーに把握されずに地球を周回できる。そして、必要とあらば、敵の心臓部に核爆弾を投下できるという代物である。原子力潜水艦であれば、ミサイル発射によりレーダーに把握される可能性が強いが、このウミツバメのほうは密かに敵の心臓部のすぐ近くに接近できるので防衛は一層困難になる。
ロシアは資源があるので、このような軍事費浪費を北朝鮮のようにすることができるのだろう。
日本は防衛費をGDPの2%まで増加するなどといってもこのような代物に完全に対抗することは不可能である。まずは、科学技術予算の増加により、ロシアにも諸外国にもエネルギー依存する必要のない独自技術でエネルギー自立、食料生産自立を目指すべきだろう。それが世界の貧困と飢餓を減らし、平和な地球に繋がるということを信じるべきだろう。
基準値のからくりとICRP(国際放射線防護委員会)基準 ― 2023年10月19日 11:45
2014年に出版された「基準値のからくり」村上道夫他著、講談社ブルーバックスには福島事故後の空間線量に関する避難区域区分(20mSv/年以下)、目標除染線量(1mSv/年以下)に関し、基となったICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基準の変遷に関する詳細な経緯が記されていて興味深い。
同書によれば、1mSv/年はICRP勧告による公衆被ばくの最大許容線量、20mSv/年は職業被ばくの最大許容線量をもとに日本政府か定めたものである。
簡単にICRP勧告の基準の変遷を整理すると以下のようになる。
1.ICRP1950年勧告:職業被ばくは最大許容線量150mSv/年
この当時はICRPは、約3mSv/週以下では放射線影響がない、即ちこの付近に閾値があると考えていた。3mSv/週は150mSv/年に相当するので、現在の公衆被ばく制限の150倍まで許容していたことになる。
2.ICRP1954年勧告:公衆被ばく最大許容線量は職業被ばくの1/10
なぜ1/10としたのか明確な根拠はない。
3.ICRP1958年勧告:職業被ばくは18歳以上50mSv/年(生殖腺、造血臓器、水晶体平均値)
ICRPはLNT仮説の考え方を採用し、白血病の誘発には閾値があると仮定する考え方もあるが、最も控えめな方法としては、閾値も回復も仮定しないとする即ち、線量と発がんリスクは比例すると考える仮説による勧告を行うようになった。
4.ICRP1977年勧告:職業被ばく線量限度は50mSv/年
公衆被ばく線量限度は1mSv/年
これらの根拠は以下のとおりである。
ICRPは1977年に、1958年勧告で決められた職業被曝に関する最大許容線量50mSv/年について、発がんによる死亡リスクに基づく判断を示した。このときから最大許容線量に代わって「線量当量限度」という言葉が用いられるようになり、1990年からは「線量限度」と呼ぶようになった。
受け入れられるリスクのレベルは、ほかの職業での労働にともなう年問死亡率と比較して決められた。米国で安全水準が高い職業では、職業上の危険による平均年間死亡率が「1万人当たり1人(10の-4乗)」を超えない」と推定され、これが受け入れられるリスクのレベルとされた。
次に、職業被曝において50mSv/年という実効線量限度を設定した場合の、発がんによる死亡リスクが計算された。「実効線量」とは全身の平均的な被曝線量のことであり、すべての組織の被曝による総リスクが評価できる指標である。
ここでは線量限度を50mSv/年と設定すると、すべての作業者の線量の平均値はその10分の1の5mSv/年になると仮定している。当時は1000mSvの放射線被曝をしたときの発がん死亡リスクは1%(100人に1人)と考えられていた。これらの数字から、線量限度50mSv/年の場合の発がんによる死亡リスクは、1万人当たり0.5人となる。
ICRPは安全な水準の職業での年間死亡率(1万人当たり1人)よりもこの数字は小さいので、線量限度50mSv/年は受け入れられるという判断した。
1977年勧告では、公衆被曝において受け入れられるリスクについ
ても言及された。公衆の受け入れるリスクは職業上のリスクよりも1哘低いなどを理由として、公衆被曝において受け入れられる死亡リスクのレベルは、1年間で10万人に1人から100万人に1人の範囲であろうとされた。
10万人に1人という年間死亡リスクは、当時の発がんリスク(1000mSv当たり1%)にもとづくと、実効線量としては1mSv/年に相当する。集団の平均線量を1mSv/年より低くするには、線量限度を5mSv/年とするのが妥当として、公衆被曝において受け入れられるリスクとした。
5.ICRP1978年パリ声明:公衆被曝の線量限度は1mSv/年
1977年の公衆被曝の線量限度5mSv/年は、1mSv/年に改められた。この変更の理由は明らかではない。
6.ICRP1990年勧告:職業被ばく線量限度は20mSv/年
1999年の勧告では、1000mSv当たり発がん死亡率リスクは4%に見直され、また、英国学士院の死亡率評価をもとに、「年間死亡リスク1000人当たり1人は、まったく受け入れられないとはいえない」という考え方をもとに、発がんについての死亡リスクを計算したところ年間死亡リスクが65歳まで「1000人当たり1人」は、20mSv/年以下となったことから、職業被曝の実効線量限度は20mSv/年へと変更された。これが、日本政府が定めた避難の基準値20mSv/年のルーツとなっている。
7.ICRP1990年勧告:1885年公衆被ばく線量限度:1mSv/年の確認
5mSv/年浴び続けても寿命短縮効果は非常に小さいが、ラドンを除いた場合の住居による変動は1mSv/年程度はあるので、後者の変動は受け入れられるとして、1mSv/年とした。
以上のように、許容線量をできるだけ小さくするようにICRPの基準は変動してきており、それは1950年勧告から150分の1になっているが、その根拠は常に曖昧なままである。
同書によれば、1mSv/年はICRP勧告による公衆被ばくの最大許容線量、20mSv/年は職業被ばくの最大許容線量をもとに日本政府か定めたものである。
簡単にICRP勧告の基準の変遷を整理すると以下のようになる。
1.ICRP1950年勧告:職業被ばくは最大許容線量150mSv/年
この当時はICRPは、約3mSv/週以下では放射線影響がない、即ちこの付近に閾値があると考えていた。3mSv/週は150mSv/年に相当するので、現在の公衆被ばく制限の150倍まで許容していたことになる。
2.ICRP1954年勧告:公衆被ばく最大許容線量は職業被ばくの1/10
なぜ1/10としたのか明確な根拠はない。
3.ICRP1958年勧告:職業被ばくは18歳以上50mSv/年(生殖腺、造血臓器、水晶体平均値)
ICRPはLNT仮説の考え方を採用し、白血病の誘発には閾値があると仮定する考え方もあるが、最も控えめな方法としては、閾値も回復も仮定しないとする即ち、線量と発がんリスクは比例すると考える仮説による勧告を行うようになった。
4.ICRP1977年勧告:職業被ばく線量限度は50mSv/年
公衆被ばく線量限度は1mSv/年
これらの根拠は以下のとおりである。
ICRPは1977年に、1958年勧告で決められた職業被曝に関する最大許容線量50mSv/年について、発がんによる死亡リスクに基づく判断を示した。このときから最大許容線量に代わって「線量当量限度」という言葉が用いられるようになり、1990年からは「線量限度」と呼ぶようになった。
受け入れられるリスクのレベルは、ほかの職業での労働にともなう年問死亡率と比較して決められた。米国で安全水準が高い職業では、職業上の危険による平均年間死亡率が「1万人当たり1人(10の-4乗)」を超えない」と推定され、これが受け入れられるリスクのレベルとされた。
次に、職業被曝において50mSv/年という実効線量限度を設定した場合の、発がんによる死亡リスクが計算された。「実効線量」とは全身の平均的な被曝線量のことであり、すべての組織の被曝による総リスクが評価できる指標である。
ここでは線量限度を50mSv/年と設定すると、すべての作業者の線量の平均値はその10分の1の5mSv/年になると仮定している。当時は1000mSvの放射線被曝をしたときの発がん死亡リスクは1%(100人に1人)と考えられていた。これらの数字から、線量限度50mSv/年の場合の発がんによる死亡リスクは、1万人当たり0.5人となる。
ICRPは安全な水準の職業での年間死亡率(1万人当たり1人)よりもこの数字は小さいので、線量限度50mSv/年は受け入れられるという判断した。
1977年勧告では、公衆被曝において受け入れられるリスクについ
ても言及された。公衆の受け入れるリスクは職業上のリスクよりも1哘低いなどを理由として、公衆被曝において受け入れられる死亡リスクのレベルは、1年間で10万人に1人から100万人に1人の範囲であろうとされた。
10万人に1人という年間死亡リスクは、当時の発がんリスク(1000mSv当たり1%)にもとづくと、実効線量としては1mSv/年に相当する。集団の平均線量を1mSv/年より低くするには、線量限度を5mSv/年とするのが妥当として、公衆被曝において受け入れられるリスクとした。
5.ICRP1978年パリ声明:公衆被曝の線量限度は1mSv/年
1977年の公衆被曝の線量限度5mSv/年は、1mSv/年に改められた。この変更の理由は明らかではない。
6.ICRP1990年勧告:職業被ばく線量限度は20mSv/年
1999年の勧告では、1000mSv当たり発がん死亡率リスクは4%に見直され、また、英国学士院の死亡率評価をもとに、「年間死亡リスク1000人当たり1人は、まったく受け入れられないとはいえない」という考え方をもとに、発がんについての死亡リスクを計算したところ年間死亡リスクが65歳まで「1000人当たり1人」は、20mSv/年以下となったことから、職業被曝の実効線量限度は20mSv/年へと変更された。これが、日本政府が定めた避難の基準値20mSv/年のルーツとなっている。
7.ICRP1990年勧告:1885年公衆被ばく線量限度:1mSv/年の確認
5mSv/年浴び続けても寿命短縮効果は非常に小さいが、ラドンを除いた場合の住居による変動は1mSv/年程度はあるので、後者の変動は受け入れられるとして、1mSv/年とした。
以上のように、許容線量をできるだけ小さくするようにICRPの基準は変動してきており、それは1950年勧告から150分の1になっているが、その根拠は常に曖昧なままである。
最近のコメント