核のゴミから金を作る方法 ― 2024年05月13日 03:24
A新聞には嫌われている核のゴミ(放射性廃棄物)ではあるが、最近のリサイクルブームに乗って、核廃棄物を高価格の金に変換する方法がある。
最近の原発では、制御棒にハフニウムという金属が使われる。寿命は数年で交換され、核廃棄物になるが、これをリサイクルして、金属棒形状として、原子炉内に装荷しで中性子を照射すれば、自然に金になるのである。
ハフニウムが中性子を吸収し、ベータ崩壊を繰り返して、最終的に金を含む種々の金属の合金にになるのであるが、この金属塊を取り出し、金のみ分離すればよい。非常に都合のよいことに、金の同位体はすべてAU-197以外はすべて短半減期で別の金属に変換されているので、原子炉から取り出し後しばらく放置した後に、金のみ化学分離すれば純粋の金が国産できる。原子炉がいやなら、中性子源にはA新聞が3月30日や4月18日の記事に出したように核融合炉を使えばよい。中性子は大量に放出され、このような利用には充分である。
これと同様に、今、新聞などで騒がれている、ガラス固化体として地層処分される予定の核のゴミ(核燃料から分離された放射性廃棄物にも多くの有用な希少金属(チタン、バナジウム 、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、 ゲルマニウム、 セレン、 ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム 、ニオブ 、 モリブデン、パラジウム、 インジウム、アンチモン、テルル、 ルセシウム、バリウム、ハフニウム 、タンタル、タングステン、レニウム等)が含まれている。その多くは非放射性である。他の放射性の核種も地下で100年程度放置すれば、放射能はおよそ2桁低下するので、取り扱いは容易になる。放射性の核種も核融合炉の余剰中性子を照射すれば多くが非放射能核種に変換できる。(ICRPの石油メジャーに配慮した放射線被ばく基準が見直されれば更に容易にできるだろう。)
もともと地球に含まれているこれらの希少金属は、太陽系が生成される以前に存在した恒星の寿命がつき中性子星に変わって合体し、核爆発を生じて生成された原子である。(谷口義明、宇宙の誕生と進化、放送大学教育出版会、p.111他)それが、地球内部に大量に存在し、マントルにあるウランやトリウムの崩壊熱による対流作用で地表に現れ、人類が利用しているということである。従って、地球の誕生時(46億年前)には放射性物質にあふれていた。45億年前には最初の生物が誕生しているので、放射線が無くなったので生物が生まれたというのは間違いである。単に、オゾン層が生成されていなかったので地上では紫外線により生物が生活できなかったが、海中では高レベルの放射線にもかかわらず生物が生まれて進化していたのである。その例が細胞内のミトコンドリアに含まれるベータ崩壊放射性物質カリウム41で、我々も各自約4000ベクレルのカリウム41を保持している。光も届かない深海中での生物のエネルギー源は放射線エネルギーしかなかったということになる。植物の地中での発芽はこのカリウム41によるという説もある。
(従って、ICRPの推奨している放射線レベルが低ければ低いほど良いという説は、我々のようなミトコンドリアにカリウム41が必須のほとんどの生物は存在できないという基本的な論理矛盾を孕んでいる。ウイルスは存在できるかもしれないが、生物には分類されていない。)
(注)生物が深海から地上に進出してきたのは放射線レベルが下がったからではなく、水中で光合成できる植物が進化し、酸素を地表に大量に放出したためである。この結果、酸素ー3からなるオゾン層が形成され太陽からの紫外線を遮へいできるようになって、地表でも生物が生きられるようになったからである。(他のブログでこの点を誤解した記述があった。)
閑話休題。
生憎、日本付近には北方領土以外にレアアース類が大量に見つかった例はない。温泉の熱源もウランとトリウムの崩壊熱であり、昔、日本で金鉱山が多かったのはそのためである。金は融点が1000℃程度で他のレアアース(3000℃程度)に比べ、低いので、地球内部の高温の温泉水とともに地表に上昇していた。しかし、今は大部分掘りつくされて、地下の深部にしか残っていない。)
このように、本来希少金属の宝庫である使用済み燃料廃棄物を核ゴミと言って恐怖心をあおるだけのA新聞はどのような科学知識レベルを持った人々なのだろうか。
A新聞はゴミのリサイクルには熱心だったはずだが、核のゴミだけはリサイクルできないと思い込んでいる節がある。5月11日には一面トップでガラス固化体に近づくと20秒で人が死ぬと書いているが、このような生死にかかわる重大な記述は根拠を明確にしてから書いてもらいたい。これは、ICRPの原爆による瞬間被ばくをもとにした間違った基準を使い、電卓で比例計算しただけであろう。原爆は1ミリ秒の被ばくだが、20秒はその20000倍の時間に相当する。生体影響は2万分の1になってもおかしくはない。このようなセンセーショナルで偏った論調はどこからきているのだろうか。政治的な意図なのか、あるいはいわゆる文系記者の科学嫌いのロマンなのだろうか。昔、科学朝日という科学雑誌を愛読していたが、その記者はみなリストラされてしまったのだろうか。
特にA新聞は3月30日の記事の3面では福島のトリチウム放出を批判的に記載している一方、科学面では、核融合炉の実用化を期待する記事を書いている。汚いと思うのは3面ではトリチウムという用語を用いている一方、科学面では同じ核種を3重水素と記し、意図的としか思えない用語の使い分けをしている。これはある種の詐欺的行為でないないのか。あるいは、整合性のない記事を書くのがA新聞の常態になってしまったのか。昔の科学朝日の時代のように、政治的意図を抜きにして、客観的、科学的記事を書くように目覚めてもらいたい。
最近の原発では、制御棒にハフニウムという金属が使われる。寿命は数年で交換され、核廃棄物になるが、これをリサイクルして、金属棒形状として、原子炉内に装荷しで中性子を照射すれば、自然に金になるのである。
ハフニウムが中性子を吸収し、ベータ崩壊を繰り返して、最終的に金を含む種々の金属の合金にになるのであるが、この金属塊を取り出し、金のみ分離すればよい。非常に都合のよいことに、金の同位体はすべてAU-197以外はすべて短半減期で別の金属に変換されているので、原子炉から取り出し後しばらく放置した後に、金のみ化学分離すれば純粋の金が国産できる。原子炉がいやなら、中性子源にはA新聞が3月30日や4月18日の記事に出したように核融合炉を使えばよい。中性子は大量に放出され、このような利用には充分である。
これと同様に、今、新聞などで騒がれている、ガラス固化体として地層処分される予定の核のゴミ(核燃料から分離された放射性廃棄物にも多くの有用な希少金属(チタン、バナジウム 、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、 ゲルマニウム、 セレン、 ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム 、ニオブ 、 モリブデン、パラジウム、 インジウム、アンチモン、テルル、 ルセシウム、バリウム、ハフニウム 、タンタル、タングステン、レニウム等)が含まれている。その多くは非放射性である。他の放射性の核種も地下で100年程度放置すれば、放射能はおよそ2桁低下するので、取り扱いは容易になる。放射性の核種も核融合炉の余剰中性子を照射すれば多くが非放射能核種に変換できる。(ICRPの石油メジャーに配慮した放射線被ばく基準が見直されれば更に容易にできるだろう。)
もともと地球に含まれているこれらの希少金属は、太陽系が生成される以前に存在した恒星の寿命がつき中性子星に変わって合体し、核爆発を生じて生成された原子である。(谷口義明、宇宙の誕生と進化、放送大学教育出版会、p.111他)それが、地球内部に大量に存在し、マントルにあるウランやトリウムの崩壊熱による対流作用で地表に現れ、人類が利用しているということである。従って、地球の誕生時(46億年前)には放射性物質にあふれていた。45億年前には最初の生物が誕生しているので、放射線が無くなったので生物が生まれたというのは間違いである。単に、オゾン層が生成されていなかったので地上では紫外線により生物が生活できなかったが、海中では高レベルの放射線にもかかわらず生物が生まれて進化していたのである。その例が細胞内のミトコンドリアに含まれるベータ崩壊放射性物質カリウム41で、我々も各自約4000ベクレルのカリウム41を保持している。光も届かない深海中での生物のエネルギー源は放射線エネルギーしかなかったということになる。植物の地中での発芽はこのカリウム41によるという説もある。
(従って、ICRPの推奨している放射線レベルが低ければ低いほど良いという説は、我々のようなミトコンドリアにカリウム41が必須のほとんどの生物は存在できないという基本的な論理矛盾を孕んでいる。ウイルスは存在できるかもしれないが、生物には分類されていない。)
(注)生物が深海から地上に進出してきたのは放射線レベルが下がったからではなく、水中で光合成できる植物が進化し、酸素を地表に大量に放出したためである。この結果、酸素ー3からなるオゾン層が形成され太陽からの紫外線を遮へいできるようになって、地表でも生物が生きられるようになったからである。(他のブログでこの点を誤解した記述があった。)
閑話休題。
生憎、日本付近には北方領土以外にレアアース類が大量に見つかった例はない。温泉の熱源もウランとトリウムの崩壊熱であり、昔、日本で金鉱山が多かったのはそのためである。金は融点が1000℃程度で他のレアアース(3000℃程度)に比べ、低いので、地球内部の高温の温泉水とともに地表に上昇していた。しかし、今は大部分掘りつくされて、地下の深部にしか残っていない。)
このように、本来希少金属の宝庫である使用済み燃料廃棄物を核ゴミと言って恐怖心をあおるだけのA新聞はどのような科学知識レベルを持った人々なのだろうか。
A新聞はゴミのリサイクルには熱心だったはずだが、核のゴミだけはリサイクルできないと思い込んでいる節がある。5月11日には一面トップでガラス固化体に近づくと20秒で人が死ぬと書いているが、このような生死にかかわる重大な記述は根拠を明確にしてから書いてもらいたい。これは、ICRPの原爆による瞬間被ばくをもとにした間違った基準を使い、電卓で比例計算しただけであろう。原爆は1ミリ秒の被ばくだが、20秒はその20000倍の時間に相当する。生体影響は2万分の1になってもおかしくはない。このようなセンセーショナルで偏った論調はどこからきているのだろうか。政治的な意図なのか、あるいはいわゆる文系記者の科学嫌いのロマンなのだろうか。昔、科学朝日という科学雑誌を愛読していたが、その記者はみなリストラされてしまったのだろうか。
特にA新聞は3月30日の記事の3面では福島のトリチウム放出を批判的に記載している一方、科学面では、核融合炉の実用化を期待する記事を書いている。汚いと思うのは3面ではトリチウムという用語を用いている一方、科学面では同じ核種を3重水素と記し、意図的としか思えない用語の使い分けをしている。これはある種の詐欺的行為でないないのか。あるいは、整合性のない記事を書くのがA新聞の常態になってしまったのか。昔の科学朝日の時代のように、政治的意図を抜きにして、客観的、科学的記事を書くように目覚めてもらいたい。
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