パナマがパナマ運河を米国に返還しなくて済む方法2025年01月10日 07:02

 トランプ氏はパナマ運河の米国への返還を要求するらしい。

1977年にパナマの国家主席だったトリホス氏とカーター元大統領との間で締結された条約を破棄し、パナマ運河を以前のアメリカ管理にしたいというのがその狙いである。

そもそもなぜ、カーター氏は米国が主体となって建設したパナマ運河の返還をしたのか。

ChatGPTによれば以下の5項目が米国のメリットとしてあるらしい。
これを逆利用すればよいのだが、現状では、トランプ氏に対し、パナマが利用できそうな項目は、3の経済性と5の安全保障問題だけだろう。

即ち、1977年以来、パナマが運が管理に支払っていた管理費を米国に要求することである。更に、立退料として、今後米国が得るはずの利益も上乗せすることである。なぜならカーターはその管理費が負担なのでパナマに返還したことになっているからである。

次に、安全保障上の観点から、パナマは米国以外の第3国、例えばBRICSとの連携を強め、それが米国の利益に反することを説得することである。商人であるトランプ氏は利益がないならばその交渉はやめるはずである。そこまでD/Mを積み上げられるか、米国のシンクタンクに依頼する方法もある。



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1977年のパナマ運河返還条約(トリホス=カーター条約)は、アメリカがパナマ運河の管理をパナマに段階的に移管することを約束した重要な外交的合意でした。この政策は、アメリカに以下のような複数の利益をもたらしました。
1. アメリカの国際的なイメージの改善

反米感情の緩和
パナマ運河地帯のアメリカ支配は、ラテンアメリカ全体での反米感情の象徴的な要因となっていました。返還条約は、アメリカが他国の主権を尊重する姿勢を示し、ラテンアメリカ諸国との関係改善に寄与しました。

冷戦期の地政学的配慮
当時、冷戦が進行しており、ソ連やキューバがラテンアメリカで影響力を拡大していました。運河返還を通じて、アメリカはラテンアメリカ諸国の信頼を得ることで、共産主義の影響を抑制する戦略的利益を得ました。

2. 安全保障への寄与

パナマの安定化
パナマ運河地帯に対する主権要求が続いていたことで、パナマ国内の緊張が高まっていました。返還条約により、パナマ政府の安定を助け、地域的な不安定化を防ぐことができました。

運河の安全な利用確保
条約には、アメリカが運河の中立性を維持し、平時および戦時に運河を利用する権利を確保する条項が含まれていました。このため、アメリカの商業および軍事的利益は引き続き保護されました。

3. 経済的な配慮

高コストな運河管理からの解放
アメリカは運河地帯の維持と管理に多額の費用をかけていました。返還によって、この財政負担が軽減されるという経済的な利点がありました。

国際貿易の円滑化
パナマ運河は国際貿易において重要な役割を果たしており、返還後もその機能が維持されることで、アメリカ経済の利益にも寄与しました。

4. 民主主義と人権の推進

道徳的リーダーシップの表明
アメリカは、歴史的な植民地主義や帝国主義的な慣行からの脱却を示すことで、道徳的リーダーシップを強化しました。この姿勢は、アメリカ国内外で一定の評価を受けました。

パナマの国民的自尊心への配慮
パナマ運河の返還は、パナマ人にとって長年の悲願であり、この合意によりアメリカは「協力的なパートナー」としてのイメージを高めました。

5. 長期的な地政学的安定

条約後の協力関係
条約は、アメリカとパナマの長期的な協力関係を築く土台となり、地域的な安全保障や貿易における信頼性を確保しました。

グローバルな影響力の強化
アメリカは条約を通じて、自国が単なる覇権主義的国家ではなく、国際的な秩序を尊重する国家であることを示しました。

まとめ

1977年のパナマ運河返還政策は、アメリカにとって短期的には一部の保守派からの批判を受けましたが、長期的には外交、経済、安全保障の各側面で重要な利益をもたらしました。この政策は、アメリカが冷戦時代の地政学的課題に対応しながら、ラテンアメリカとの関係を改善する大きな転換点となりました。

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