知床観光船事故のデジャブ感2022年04月26日 19:11

知床観光船事故の船長や会社情報を知って、デジャブ感に襲われた人も多いだろう。
それは、数年前の碓氷峠でのスキーバス転落事故である。
あの時の管理が悪い会社と大型バスを運転したことがない新人運転手の組み合わせだった。
そして、今回は、海も船も詳しくないらしい社長と昨年、長崎から単身赴任してきたという、新米船長の組み合わせである。
但し、多少の相違もある。
テレビ情報が正しいのであれば、社長は運航は大丈夫だと思ったと話したらしい。事故当日の朝、港で、船長に「今日はやめておいたほうがいい」と忠告した別会社の関係者が、船長は何も言わずにいってしまったそうだ。
この二つのエピソードを考え合わせると、社長は船長に出航を指示した可能性がある。船長が運航の絶対権限を持つと聞いていたが、バス会社同様、船会社も規制緩和とかで、過当競争にさらされていた影響なのかもしれない。この会社だけの特殊事情があったにせよ、中小企業の経営状態は悪くなる一方のようだ。大手メーカーも技術継承が難しいという状況では、このような会社で運航技術を継承できないのは当然だろう。まして、リストラの後釜要員として入社した船長が社長の指示を拒否できなかったという状況をもたらした政策にも大きな瑕疵があったと思う。船体の検査のような表面的なことだけでなく、会社組織、従業員の管理、権限の明確化までふくめた規制の強化がここでも求められるが、バス会社やタクシー会社だけに留まっていた政府、国会にも大きな責任がある。

船長は長崎で水陸両用船の船長をしていたようだが、温かい静水海面しか経験がなかった船長を雇い入れ、北海の海への運航を独断で命じたのであれば、船長以上に社長に大きな責任があるのは明確だろう。

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