新種目のスキーモでメダルを取るには ― 2024年01月29日 01:56
次期冬季オリンピックはイタリアのコルチナで開催されるためか、新種目としてスキーモ(skimo)が採用される。skimoはski mountaineeringの略で訳せば山スキーであるが、イタリアで競技スキーとして流行している山スキーは、従来の日本の山スキーとは様相が大きく違う。
私も並行輸入でスキーモ用の板と靴を入手したが、従来の道具の重量の半分位の軽さである。但し、板はノルディック用スキーとは異なり、金属のエッジが付いているので、急斜面でも滑降出来る。
昔、八甲田でノルディックスキーを履いた大学スキー部の人と共に滑り降りたが、下手な私の方が半分の時間で降りられた。それほど、金属エッジは雪面で曲げるためには重要なのである。
しかし、金属エッジの付いたスキーモ用のスキーはノルディックスキー並みに軽い。それは一つは締め具が軽量なことである。テックシステム又はTLTと呼ばれている、バネ付きの金属ピンで靴底の前後につけた穴を挟み込む特殊な小型ビンディングを使う。更に、スキー板自体も剛性の無い軽い材料でできた平板を用い、軽量化を図っている。
そのため、一般的なカービングスキーより曲げるのは難しい。YOUTUBEで競技の様子を見ていると、急斜面ではほぼジャンプターンである。
更に、靴はプラブーツではあるが、軽くするために薄く、バックルも紐で代用している。このため、靴も剛性が無いので、力が伝わりにくい。
日本人にとって一番の問題は、この軽いプラブーツは、イタリアかスロベニアでしか作られていないことである。彼らの足型は長方形で甲も低い。
私は、典型的な幅広甲高の日本人の足に、イタリアから並行輸入したこのプラブーツのアウターをフィットさせる為に、元値以上の費用をかけたが、更にインナーブーツを電子レンジで軟化させようとして、危なく燃やす所だった。
しかし、軽量であることは、スキーモでの山登りの時間短縮には必須である。また、下りのスピードを決めるのは、足とブーツのフィット感である。
日本の候補選手は決まっているようだが、この際、メダル獲得のために日本人向けの軽量プラブーツを、何処かのスポーツ用品メーカーが製作してくれないだろうか。今は三次元プリンターで簡単に金型が作れる時代なのだから。
そして、道具が軽いがゆえに、筋力が劣る日本人がメダルを取るチャンスでもある。コルチナはかつて猪谷千春氏が冬季オリンピックアルペン種目で日本人唯一の銀メダルを獲得した地なのである。
私も並行輸入でスキーモ用の板と靴を入手したが、従来の道具の重量の半分位の軽さである。但し、板はノルディック用スキーとは異なり、金属のエッジが付いているので、急斜面でも滑降出来る。
昔、八甲田でノルディックスキーを履いた大学スキー部の人と共に滑り降りたが、下手な私の方が半分の時間で降りられた。それほど、金属エッジは雪面で曲げるためには重要なのである。
しかし、金属エッジの付いたスキーモ用のスキーはノルディックスキー並みに軽い。それは一つは締め具が軽量なことである。テックシステム又はTLTと呼ばれている、バネ付きの金属ピンで靴底の前後につけた穴を挟み込む特殊な小型ビンディングを使う。更に、スキー板自体も剛性の無い軽い材料でできた平板を用い、軽量化を図っている。
そのため、一般的なカービングスキーより曲げるのは難しい。YOUTUBEで競技の様子を見ていると、急斜面ではほぼジャンプターンである。
更に、靴はプラブーツではあるが、軽くするために薄く、バックルも紐で代用している。このため、靴も剛性が無いので、力が伝わりにくい。
日本人にとって一番の問題は、この軽いプラブーツは、イタリアかスロベニアでしか作られていないことである。彼らの足型は長方形で甲も低い。
私は、典型的な幅広甲高の日本人の足に、イタリアから並行輸入したこのプラブーツのアウターをフィットさせる為に、元値以上の費用をかけたが、更にインナーブーツを電子レンジで軟化させようとして、危なく燃やす所だった。
しかし、軽量であることは、スキーモでの山登りの時間短縮には必須である。また、下りのスピードを決めるのは、足とブーツのフィット感である。
日本の候補選手は決まっているようだが、この際、メダル獲得のために日本人向けの軽量プラブーツを、何処かのスポーツ用品メーカーが製作してくれないだろうか。今は三次元プリンターで簡単に金型が作れる時代なのだから。
そして、道具が軽いがゆえに、筋力が劣る日本人がメダルを取るチャンスでもある。コルチナはかつて猪谷千春氏が冬季オリンピックアルペン種目で日本人唯一の銀メダルを獲得した地なのである。
誤解を招く放射能用語 ― 2024年01月31日 04:48
基本的な用語が誤解を招くことは多い。
放射能関係では、よく言われる放射線と放射能の使用時の混乱があるが、それは専門学者の責任でもある。
放射線は正しくは電離放射線であり、物質を電離できるだけの高エネルギーを有する放射線である。
一方、放射能は、放射線を発生できる能力をいうが、転じてその能力を有する物質も放射能と言ってしまう。これは正しくは放射性物質である。
従って、放射性物質と放射能(放射能力)を混同しないで使用することが重要である。
更に、半減期なる用語がある。これもかなり誤解を招く。放射性物質が半減するまでの期間なのだが、この減という漢字が間違いともいえる。
減ったりはしない。別の物質に変換されるだけなのである。従って、半減期は「半変期」という用語の方が誤解を招かない。
セシウム-137の「半変期」は30年である。30年で半分がバリウム-137に変換されるだけなのである。
地球の年齢は、主にマントルに含まれるウラン-238(半変期45億年)と崩壊(実際には変換)してできる鉛-206(安定核種)の比率から推定できる。
即ち、地球が出来たときから、ウラン-238(陽子数と中性子数の合計が238のウラン)は崩壊していき、α線とβ線を出しながら鉛-206(陽子数と中性子数の合計が206の鉛)に最終的に変換される。
鉛-206への変換割合が時間により決まっているからこそ、逆に地球の年齢が46億年と推定できるのである。最初に100個のウラン-238があり、その約半数、50個が鉛-206になっていれば、46億年経過したことになる。(半減期45億年と46億年の差は丸め誤差である。)
このように地球上の生命体は大地からも多くの放射線を浴びながら生存してきた。これは年間最大でも数百ミリシーベルトでの慢性的な被ばくである。
しかし、20世紀に入り、ヒトは文明の進化の結果、二つの特殊な放射線を浴びることとなった。一つは、原爆による瞬間被ばくであり、もう一つは航空機利用による太陽フレア発生時の高空での瞬間被ばくである。これら二つの被ばくにより統計的に有意ながん発生の増加が報告されている。
今年から太陽フレアの活動期に入るそうである。航空機利用は必要最小限にしたほうが良いかもしれない。
放射能関係では、よく言われる放射線と放射能の使用時の混乱があるが、それは専門学者の責任でもある。
放射線は正しくは電離放射線であり、物質を電離できるだけの高エネルギーを有する放射線である。
一方、放射能は、放射線を発生できる能力をいうが、転じてその能力を有する物質も放射能と言ってしまう。これは正しくは放射性物質である。
従って、放射性物質と放射能(放射能力)を混同しないで使用することが重要である。
更に、半減期なる用語がある。これもかなり誤解を招く。放射性物質が半減するまでの期間なのだが、この減という漢字が間違いともいえる。
減ったりはしない。別の物質に変換されるだけなのである。従って、半減期は「半変期」という用語の方が誤解を招かない。
セシウム-137の「半変期」は30年である。30年で半分がバリウム-137に変換されるだけなのである。
地球の年齢は、主にマントルに含まれるウラン-238(半変期45億年)と崩壊(実際には変換)してできる鉛-206(安定核種)の比率から推定できる。
即ち、地球が出来たときから、ウラン-238(陽子数と中性子数の合計が238のウラン)は崩壊していき、α線とβ線を出しながら鉛-206(陽子数と中性子数の合計が206の鉛)に最終的に変換される。
鉛-206への変換割合が時間により決まっているからこそ、逆に地球の年齢が46億年と推定できるのである。最初に100個のウラン-238があり、その約半数、50個が鉛-206になっていれば、46億年経過したことになる。(半減期45億年と46億年の差は丸め誤差である。)
このように地球上の生命体は大地からも多くの放射線を浴びながら生存してきた。これは年間最大でも数百ミリシーベルトでの慢性的な被ばくである。
しかし、20世紀に入り、ヒトは文明の進化の結果、二つの特殊な放射線を浴びることとなった。一つは、原爆による瞬間被ばくであり、もう一つは航空機利用による太陽フレア発生時の高空での瞬間被ばくである。これら二つの被ばくにより統計的に有意ながん発生の増加が報告されている。
今年から太陽フレアの活動期に入るそうである。航空機利用は必要最小限にしたほうが良いかもしれない。
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