ヨーロッパにおける人種差別経験2023年07月22日 16:07

 フランスでアルジェリア移民の青年が警察官に射殺され全国的な騒動になっている。
 
 どこの国でもそうだが、少数民族は差別の対象となり、それが時に国内騒乱の原因になる。

 フランスやドイツなど従来中部ヨーロッパでは白人比率が高いので肌の色での差別意識が時に強く出ることがある。
 アメリカでは人種問題は既に多くの事件を起こしてきたので、公式には差別がないことになっているが、ヨーロッパでは、まだまだ意識は低い国が多い。

 10年ほど前、南仏ニースでマチス美術館に行こうとして、バスに乗ったが、運悪く同系統の番号で逆方向のバスに乗ってしまった。そのバスは高級住宅街を通るので、セキュリティチェックがその入り口で行われた。バスに乗り込んできた警備員は、「フランス語を話せないやつはバスを降りろ」というのである。(なぜその言葉が分かったのか今では思い出せないが、雰囲気で言っていることが分かった。相手は武器を所持していた。)

 仕方なく、我々日本人数人と、アフリカからの難民らしい10人程度はバスを降り、大通りまで歩いて戻ったことがある。

 路線バスに乗る観光客はいないという前提で観光地ニースは動いていたのであろう。

 また、数年前にアムステルダムで市電に乗って観光していたら、警官が乗り込んできて、有色の若者を捕まえたことがあった。隣の席のご婦人に何があったのか聞いたら、「彼は不法移民らしい」との話である。彼女からは「あなたはここで働いているのか、それとも訪問者なのか?」と聞かれた。やはり、公共交通機関に一人で乗る他国人は警戒されるということのようだ。

 他にも、日本人がひとりで街を歩き、観光客でもビジネスマンでもないと見做された場合には、差別的な扱いを受けることがたまにある。それは、相手も一般市民の場合が多いように思う。

 理屈や理念では分かっていても、日本人でも差別的な状況はあり得る。まして、黄色人種が数人でヨーロッパに行く場合には、現時点でも注意して行動する必要がある。せめて現地語で普通に挨拶できる程度には語学を習っておくかそれなりの翻訳装置を持参したほうが良い。ヨーロッパはハワイとは異なるのである。

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