無線マウスと低周波治療の差2023年11月26日 05:50

 量子論によれば周波数νの電磁波のエネルギーEはプランク定数hを用いて
  E=hν
ということになっている。

 手元の無線マウスで通信に使われる周波数は2.4GHzだが、運動選手の疲労回復や、整体治療で用いられる低周波治療の周波数は1200Hzだそうである。

 即ち、エネルギーで2000倍の差がある。

 但し、これは電磁波の粒子である光子1個のエネルギーである。

 光子の個数はその装置や発生源からの距離に依存するので電磁波を被ばくしたときの全エネルギーは状況次第ではある。

 しかし、光子自体は細胞内の原子核や電子との相互作用でエネルギーをやり取りし、生体に影響をおよぼすのであるから、第一義的には光子のエネルギーが重要なファクターであろう。

 こう考えれば、電磁波の周波数が最も重要である。即ち、適度な治療効果を得るには、高すぎても、低すぎても良くない。
 がんの放射線治療とがん予防の規制の関係の場合は、数ミリシーベルト以下に規制しながら、放射線治療では数シーベルト以上を照射するのに比べれば、電磁波の規制のほうが妥当性は高い。電磁波の場合は、被ばく基準の基になった原爆や太陽フレアインパルシブ相のような瞬間被ばくが考えられないということも利いているのかもしれない。

https://3rrr-btob.jp/archives/column/measuring-equipment/20678

によれば、周波数により電界強度に国際的な基準があり、スマホなどの電気製品もこの基準で製造されているはずだが、放射線同様その基準値自体が根拠は明確になっていない場合が多い。一般的には周波数が高いほど電界強度の規制値は小さくなっている。

 しばらくは、電磁波の基準は一般人に対するものと考え、高周波の電磁波を他人より多くは浴びないように工夫するのが良いと思う。

 即ち、無線マウスを一日中使うようなことは一般人とはかけ離れているはずで、あまり体には良くないということになる。

指痛と無線マウスは関係するか?2023年11月25日 07:52

 半年前から右手中指の関節間に痛みを感じるようになった。きっかけはスマホの非接触型充電機能があるスマホフォルダーがダッシュボードについた車で長時間運転をした時である。そのフォルダ-と右手の距離は数センチメートルだった。

 その後、中指の痛みは治まらず、時々痛みの個所も中指の中で移動するようになってきた。また、その痛みも耐えられないほどではないが強くなってきたような気がする。

 そこで、これには無線マウスから発する電磁波が関係するのではないかと思いつき、先日、有線マウスに取り換えてみた。(キーボードは有線のままである。)

 その結果、なぜか右手中指の痛みは治まったのである。

 電磁波は放射線(正確には電離放射線)と同じ仲間ではあるが、光子1個のエネルギーは一般にガンマ線やX線より数ケタ低い。しかし、その光子の数は地球上の放射線レベルに比べ数ケタ大きい。また、このような強烈な電磁波は人類発生以来経験したことがないようなレベルである。特に夜間は太陽からの電磁波はほぼ遮へいされてきたが、20世紀以降の文明社会における夜間は電磁波で満ち溢れている。その中で無線マウスの発する電磁波は手に多大の影響を与えているのではないか。

 これは私の思いつきというわけでもない。イージス艦がレーダー使用時に甲板上に上がることは禁じられている。また、オーリングテストで患者に信頼を得ていた故豊岡賢治医師提唱の電気製品排除寝室での睡眠健康回復法は確かに有効に感じられた。(オーリングテストはいまだに有効性への議論は続いているが)

 ともかく、手や指の痛みがある方は無線マウスを一旦有線マウスに変えてみる価値はあると思う。このあたりの基準はスマホも含め曖昧なところがある。放射線とは逆に緩すぎるのかもしれない。

がん治療と原爆、宇宙線被ばくの関係2023年11月23日 07:16

 前立腺の放射線治療では最大60シーベルト受ける。
 広島原爆の生存者の被ばく量は最大4シーベルトで、放射線影響で固形がんが数倍増加した。

 では、前立腺がんの放射線治療でがんが治るのはなぜか?
一見、大きながんパラドックスがあるように見える。

 しかし、免疫機能は「細胞内の化学変化過程で十分機能するには一定の時間が必要である」と考えれば謎は解ける。
 原爆は瞬間(1ミリ秒以下)での大量被ばくだが
 一方、放射線治療の被ばく時間は数時間レベルである。
原爆のような強烈な放射線発生装置はいまだにないのである。

 両者の単位時間当たりの被ばく量にはおよそ6桁の差がある。

 放射線治療では、がん周辺の正常細胞部では免疫機能が残っているのでがん化しにくい。しかし、がん細胞部ではがん抑制遺伝子が失われている上に、増殖のための細胞分裂が正常細胞に比べけた違いに活発になっている。細胞分裂が活発だと、DNAがほどけて一本鎖になる不安定な期間が長くなり、放射線被ばくで損傷するため、がん細胞が優先的に死滅する。

 原爆では、瞬間被ばくであり、過去人類が経験した事がなかったため正常細胞であってもがん抑制遺伝子などによる免疫機能が時間的に間に合わず、がん細胞に変化したまま残ったのである。

 ICRPはこの原爆被ばく生存者のがん発生実績調査を主たる根拠として、年間被ばく許容限度を決めた。
 これは、1ミリ秒と1年を同じ時間だと考えているに等しい。マウスなどで急速照射をしていると称してはいるが、原爆の瞬間被ばくを模擬しているとは言い難い。

 そこで気になるのが、最近増えているCAにおける乳がんなどの発生数増加である。その原因は、従来、宇宙線の恒常的な被ばくと考えられているようだが、そうではないはずである。それは、年間数回発生する太陽フレア(太陽表面黒点での核融合反応の異常増大)発生における初期のインプレシブ相におけるX線の急激な増加による瞬間被ばくの影響と考えられる。これは成層圏における太陽の核融合反応による水爆被ばくに相当する。

https://iopscience.iop.org/article/10.3847/0004-637X/818/1/56
のPDF図2、図3)

黒点の大きさは地球の数倍になるので、この瞬間的に発生する大量の宇宙線はほぼ平行ビームとして飛行機の搭乗者を襲う。そして、運悪くこの瞬間に飛行機に搭乗していたCAの乳房(旅客も同じだが)はがん細胞を生じることになる。

 このような宇宙線はジェット機や宇宙ロケット以前には、地上に生活して、大気の宇宙線遮へい(約3桁下になる)の恩恵を受けていた人類は受けた経験がない。

 原爆被ばく者のがん発生データでも女性の固形がん発生率は男性より2倍程度多い。これはパイロットよりも特にCAにがん発生が多いことと符合している。

 即ち、ICRPは年間被ばく量や3か月単位被ばく量で規制しているが、このような瞬間被ばくは規制対象となっていない。これが福島の規制(1~20ミリシーベルト/年)と放射線がん治療(最大60シーベルト)のレベルがけた違いでになっているというがんパラドックスを含むすべての放射線規制問題の不整合の原因である。

 なお、上記仮説における瞬間被ばくにおける男女差について、理由づけるとすれば、人類が発生して以来、200万年ほど、男性は狩猟で大量の太陽光線を浴びる傾向があったが、女性は森の中で子育てに時間を掛けていたために太陽フレアに対する免疫性がそれほど獲得できなかったという状況も考えられる。

喫煙ホルミシス仮説2023年11月04日 10:07

 放射線ホルミシスという仮説がある。
 これは低線量被ばくであれば、免疫が活性化され、がんなどの病気にかかりにくくなるという効果である。
近年この仮説が多くの科学者からある程度支持されるようになってきた。
佐渡俊彦著「放射線と免疫・ストレス・がん」医療科学社、第5章、他

 また、
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2006/061051/200606048A/200606048A0001.pdf

によれば、国内の家屋では、ラドンの濃度がある程度高いと肺がんリスクが低下するらしい。

 これは、玉川温泉とか有馬温泉など放射能泉でのがん患者の緩解効果と相通じるところがある。

 それならば、喫煙もホルミシス効果はあるのではないだろうか。

 がんの主犯と言われて久しい喫煙習慣にこのような効果は本当にないのだろうか。
 これは、少量の喫煙ならば発がんへの免疫効果があるという仮説である。

 しかし、この話を複雑にしている要因に、紙巻きたばことリン肥料の二つがある。これらはたばこの発がん性を刻みたばこから大きく変えた可能性がある。

 江戸時代以前に、我が国に喫煙の習慣を持ち込んだのはキリスト教宣教師だったらしいが、その時代は刻みたばこが普通だった。

 舘かおる編「女性とたばこの文化誌」(世織書房)によれば、明治天皇の皇后(昭憲皇太后)は喫煙習慣があり当時としては長命だった。当時は刻みたばこが普通だった。しかし、1926年に紙巻きたばこ生産量が刻みたばこを上回ったそうだ。

 紙巻きたばこでは紙の燃焼によるタールなどの影響があるし、キセルによる刻みたばこの少量燃焼とは燃焼温度も異なるだろう。
さらに、戦後はたばこ増産のためリン肥料が大量に使われ、リン肥料の原料である火山性のリン鉱石に含まれるポロニウム210放射能も含まれるようになった。

http://seneca21st.eco.coocan.jp/working/ogushi/59_05.html
によれば、現在も輸入リンの半分はリン肥料用である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes/59/12/59_12_733/_pdf
によれば、標準的な吸い方ならば年間の被ばく影響は基準値以下になってはいるが昔の刻みたばこでリン肥料を用いなかった時代に比べれば大幅な増加であろう。リン肥料を大量に用いる米国では紙巻きたばこの中のポロニウムが発がん性の主犯であるとの報告もある。
http://www.nosmoke55.jp/action/1110cigarette_smoke_ri_and_lung_cancer_risk.pdf

 ところで、紙巻きたばこもリン肥料もない時代、長崎の隠れキリシタンの女性が隠れたばこを喫する結果でのたばこの害または益はどうだったのだろうか。

 1945年の原爆被ばく生存者における広島の女性喫煙者と長崎の女性喫煙者では発がんに対する放射線効果が異なるようである。これが喫煙ホルミシス仮説で説明可能だろうか。

 仮に長崎の原爆に被ばく時までに、長崎の女性が、男性や広島の女性よりも刻みたばこを少量喫煙している割合が多かったとすると、喫煙ホルミシス効果により発がんに対する免疫が強化され、被ばくによる発がん影響が男性や広島の女性とは異なっても不思議ではない。
 戦前の少量喫煙様式なら、喫煙ホルミシス仮説も検討に値するかもしれない。

躓くのは足を上げないからだという誤解2023年10月18日 08:00

 時々一寸した道の出っ張りに引っかかることがある。
 何故なのか、歩きながら考えた。明治の文豪のようには文学作品はできなかったが、その理由が分かった(つもりになった)。

 それは、足が上がらないからではない。着地するときにつま先が上がっていないからだーということにやっと気が付いた。(これは常識らしい。)

 いつも躓くのは右足で、左足ではなかった。実は左足のほうが0.5㎝程長いのだが、躓くのはいつも短い右足のほうである。足が上がらないのが原因なら左足が躓くはずなのだ。だが、躓くときはいつも右足なのだ。

 これは、左足が利き足なので、右足のほうが多少力がはいらないためだ。力が入らないので、右足のほうはつま先が上に向いていない状態で歩いていたことになる。

 即ち、右足のほうは、無意識のままでは足首に力が入らないので、つま先が上を向かないまま着地する。その結果、右足の下をすりながら着地して躓きにつながる。

 そういえば、スキーでも左ターンが不得意だった。これは、右スキーの先端が十分に浮かないためだった(と思う)。右足が短いためとか、左腕の振りが弱いためと思っていたのは誤解だった。右のつま先を上に向くように足首に力を入れながらターンすればよりスムーズに曲がれるはずだ。(カービングスキーでも悪雪では先端を浮かせる必要がある。)今シーズン雪が降れば試してみたい新説(新雪)である。

虫干しできない場合の紫外線照射対処法2023年10月15日 13:25

 先日テレビを見ていたら、衣装替えの季節なので虫干しをしたほうがいいとコメンテーターが言っていた。しかし、昨今都会では虫干しをするスペースは限られている。特に集合住宅ではやりにくい。

 そこで虫干しの原理とはなにか。日光の紫外線を浴びさせることで、防虫・防カビがあると書かれたサイトもあるが、紫外線により虫やその卵、カビの胞子が分解され、それ以上増殖しないということである。その結果、防虫、防カビが達成される。

 そこで狭い住居の方にお勧めしたいのが、紫外線殺菌装置である。例えば、フィリップスの小さな紫外線発生装置は4000円程度で購入できる。これを部屋の中心において、その周りに衣類を広げ、タイマーを30分程度にして出かければ、安全に高エネルギー紫外線UV-Cによる紫外線消毒ができる。

 昨日1年ぶりにバスタブの下回りを掃除したが、全くカビは発生していなかった。それは毎日、出かける前に風呂場にこの紫外線発生装置を設定して起き、15分のUV-C照射をしていたためと思われる。

 紫外線装置を使う前の掃除では、バスタブの下はドロドロの状態だったが、なぜか、今回の掃除では黒カビや汚れがないのである。これは風呂場全体が生物が生息できない状況に日に一回はなるためだと思う。

 従って、UV-C照射の前には必ず照射場から退出してドアを閉めておく必要がある。フィリップスの装置は(多分他社の装置も同じだろうが)、人体の動きを感知すると自動停止するようになっているので安全性はある。

 カビや細菌にやられて病気になるよりは、紫外線照射の消毒のほうが結局はお安く、かつお手軽だと思う。

京アニと相模原の共通点2023年09月05日 19:33

社会的な関心を呼んだ大量殺人事件に関し、月刊創の篠田博之編集長のブログは分かりやすい。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bdfa4cacfe3ef6193de819f11583b0f6d4dbf0b3
特に、相模原事件の死刑囚が社会との接点を求めてアニメにこだわるのは、京アニ事件の被告とかなり似ているように思う。

日本は形式的には言論の自由が認められている。社会に不満があれば、言論で戦うべきだろう。

事件の当事者はそこを短絡的に自分でしかやれない復讐の形をとることで、犯罪者になってしまたとも言える。

アニメの空間と現実空間との違いを十分には認識できないのは、現代社会の特性であろう。彼らはそこを十分認識しないまま、犯罪に走ってしまった。

心理的には社会や家族への大きな不満があったことは確かだろう。しかし、それを事故承認の形が欲しいからといえども、ほとんど責任のない一般市民の犠牲のもとでアピールするというのは、ある意味、プーチンがウクライナ国民の犠牲のもとに彼の主張を認めさせようとしていることにもつながる心理的な悲劇である。

このような悲劇は最近ますます増えているように思う。それは、確かに玉川氏のいう強権的社会での息苦しさからきている。

日本は言論の自由は保障されてはいるが、一市民が一人でデモをすることはできないし、世に警告を発することもできない。他の国も似たようなものかもしれないが、米国や仏国に比べれば、そのような自由度はかなり低いように思える。

即ち、このような事件を起こす前に、いかに彼らの意見に対する受け皿が少ないか、デモも主張も一人ではできないし、野党も、地域の団体も自分の不満を相手にしてはくれないと思わせるような状況が続いている。

警察は、このような人物は逆に取り締まりの対象としてしか見ない。
要するに不審者という扱いである。

ロンドンのトラファルガー広場には言いたいことを自由に言えるストリートピアノのようなお立ち台があったという。各地の警察もこのようなお立ち台を大都市の各区にひとつづつ作れば、悲惨な事件はだいぶ減るのではないだろうか。

エクセル記憶法2023年09月01日 02:16

高齢者講習では無意味な記憶テストがあるらしい。無意味な事物の記憶には、無理やり二つの事物を結合した場面を想像するのが定番の記憶法である。これを繰り返して複数の事物を順に記憶、想起出来るようになる。

しかし、この方法には、一つ問題がある。どうしても自然な結合が想像出来ないので時間がかかる場合があるのである。

ここでこの場合は、無理に結合せず、一番最初の事物の隣にその事物が置かれている場面を想像する。これは簡単にイメージ出来るので時間が掛からない。このように縦系列の結合が切れたら、最初の事物の横に置かれたイメージを繰り返せば、数十の無関係な事物の記憶も容易に出来る。

この縦横配置をエクセル記憶法と呼んでみた。パソコンは持ち込めなさそうだが、スマホ持ち込みカンニング防止は出来ているのだろうか?

騒音から高校球児を守る方法2023年08月24日 05:48

 昨日の甲子園は異様な雰囲気に近い騒音に包まれていた。
このような騒音の中で野球をしなければならない球児はやはり正常な心理状態にはなれないだろう。耳に常に刺激を受けるのである。

 解決策は簡単だ。

 耳栓をすればよいのである。

 野球規則を調べても耳栓をしていけないとは書いていないようだ。

 最近は耳に密着する良い耳栓が売られている。厚労省の労働者規則でも騒音化の作業では耳栓を義務付けている。育ち盛りの球児が耳栓をつけるのは当然の保護策だろう。

 どうせ、球場の騒音で選手間の音声によるコミュニケーションは難しいのである。外野の2選手がフライを取ろうとして衝突したことからも明らかである。タイムの時は耳栓を外せばよい。

 単に耳栓だけでなく、耳の部分を完全にカバーするヘルメットの守備時の着用という手も考えられる。これは騒音をほぼ遮断できるが、何らかのコミュニケーション方法をヘルメットに内蔵しているとみなされ、規制されるかもしれない。しかし、攻撃側には着用を許しているのだから守備側にも着用を認めるべきだろう。

 いずれにせよ、騒音から球児を守る手段を公認することは高野連の責務である。来年以降も大都市圏の高校が甲子園で勝ち上がれば今年と同じような騒音公害の発生が予想されるからである。

太陽フレアの本当の怖さ2023年08月23日 03:50

江戸川区のサイト
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/oshirase/taiyou-furea.html
によれば、地球への影響は、

携帯電話やテレビなどの放送が視聴不可
カーナビゲーションシステムの機能不全
電力設備で誤作動が起き、広域停電の発生
等とされている。

 しかし、図をよく見れば、太陽フレア発生後8分後にX線や電磁波が最初に地球に到達することが分かる。これはインパルシブ相と呼ばれ、光と同じ速度で到達するので、事前の予測ができなければ、その被ばくは防ぎようがない。

 現在、宇宙天気予報などと騒がれてはいるが、太陽フレアの発生頻度が11年周期であることなどが分かっているだけで、正確な発生日時が予測できないのは台風の発生日時が事前よそくできないのと同じである。即ち、現在の宇宙天気予報では、太陽フレアを地球で観測した後の放射線による影響の身を対象としてその影響が予報できるだけである。

 (この図の放射線は、陽子や中性子などの素粒子、プラズマは荷電粒子や電子と称している。これらは、電磁波よりも遅れて地球に到達する。即ちX線や電磁波は光の速度で到達するので、その発生は、発生日時の正確な事前予測ができなければ、X線の被ばくは防ぐことが不可能である。)

 特に上空にいるヒトは、地球大気による遮へい効果の恩恵を受けられないので、X線をもろに被ばくすることになる。

 天文学事典 図8-17によれば、このX線は硬X線(高エネルギーX線)なので、上空のヒト(飛行中の旅行者、パイロット、CA等)はかなりの被ばくを受ける。

 パイロットは太陽フレア発生時に飛行していたことが分かると、所謂勤務調整を受けるので、年間平均被ばく量はそれほど増加しない。問題は頻回旅行者やCAである。米国ではCAの乳がん発生率が一般人の1.5倍であることが報告されている。

https://www.arpansa.gov.au/cancer-prevalence-among-flight-attendants-compared-general-population

 このインパルシブ相は太陽における核融合爆発から発生する高エネルギーX線被ばくであり、広島・長崎の原爆爆発によるガンマ線被ばくと同じものである。(ガンマ線は核分裂生成物から発生する高エネルギー電磁波、X線も高エネルギー電磁波であることに留意)

 2025年は平均年数回発生する太陽フレアの頻度増加の次回ピーク年に当たる。広島・長崎の被ばく者のがん発生増加が観察されているように、今後も頻回飛行機旅行者やCAにおけるがん発生の増加がみられるだろう。

 インド南西部やブラジルの一部などの地上での「年間」線量は、事故後の福島東部の「年間」線量よりも一桁高いが、がん発生率は世界平均を下回っている。
 一方、「単位時間線量率」(1秒あたりの被ばく線量率)は、太陽フレア発生時にCAが受ける「単位時間線量率」の約5桁程度下であると見積もれる。広島・長崎の被ばく者が受けた「最大単位時間線量率」もCAが太陽フレア発生直後に受ける「最大単位時間線量率」と同程度であると考えられる。

 アルコールの一気飲みの害と年間アルコール摂取の害(量に依っては益)を一緒にすることは大きな誤解を生むが、どのマスコミも政府(放射線安全規制検討会等)も国際放射線防護委員会(ICRP)もきちんとその差を認識していない。これは免疫学の知識の不足によるものではないだろうか。