今年のノーベル物理学賞と温泉2021年10月07日 05:42

 今年のノーベル物理学賞に真鍋叔郎先生の地球温暖化予測モデルが選ばれた。大変おめでたい話である。
 日本人としてというよりも、このような地球物理学の分野がノーベル賞をとったという点が嬉しい。
 半世紀前、高校のころ、地学の先生が気象予測に関して、初期条件が詳細に観測され、正確な解析ができるならば、長期の天気予報が可能な物理モデルは既に出来ているという話を聞いたことがある。真鍋先生の今回の受賞は、二酸化炭素濃度の影響をこのモデルに取り入れて地球温暖化を予測したものらしいが、スパコンを世界一効率的に利用したという点も重要だと思う。日本に帰ってきてゆっくり温泉にでも浸かっていただきたい。出身地近くの道後温泉はいかがだろうか。
 
 半世紀前の高校の地学では、温泉のエネルギー源である地熱は、宇宙創成時の原子が溶融状態のまま地球中心にあり、その運動エネルギ-による残留熱によるものだと教わったが、それは46億年も維持ないことが示されている。その後の地球物理学では、地熱エネルギーの80%はマントルに含まれる放射性物質(トリウム、ウランなど)による放射性崩壊によるとされている。(https://en.wikipedia.org/wiki/Geothermal_energy)残りの20%はまだ分からないが、地球中心に集まった超ウラン元素が臨界となり核分裂しているためという仮説もあるようだ。
 
 ときどき、ラドン温泉とかラジウム鉱泉とか聞くが、放射性物質が地球内部の地下水とマグマだまりの境界でのシール構造からリークして地表に現れたものだと考えれば、このような温泉のほうが本来の温泉の形態であり、放射性でない温泉は、単に、放射性物質濃度が測定限界以下なのかもしれない。

 真鍋先生の地球温暖化モデルで地熱をどのように取り入れているのか分からないが、遠い未来には、地熱が無くなり、地球は冷えていくはずだ。だが、過去氷河期が何度かあったことを考えれば、太陽の核融合反応率の変動による太陽光エネルギーの地球表面への影響のほうがはるかに大きい。

 日本では再生可能エネルギーにおける地熱発電の開発は、候補地付近の温泉枯渇の問題とのトレードオフのようである。先日テレビで見た地熱発電関係者の話によれば、地熱利用には地元の了解が必要でこれが最大のネックらしい。上記のような放射線の問題があることも原発と同じパターンのようだ。

 もしも真鍋先生が日本の温泉に来られたならば、このような地熱に関する政治的な課題には思い至らないでゆっくりしていただきたい。地球温暖化に関わるものではあるのだが。

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