キューバ危機とロシアウクライナ侵攻の相違2022年02月27日 05:37

ロシアによる今回のウクライナ侵攻の根拠を。米国にとっての1962年のキューバ危機に準える論調がある。
即ち、キューバ危機では、共産化したキューバが核ミサイル基地を建設中であることが分かり、米国はその阻止のため、キューバを海上封鎖し、ソ連の船団の補給路を断つ事態になった。、全面核戦争の危機が目前に迫り、世界中が緊張した。
今回は、NATOに加入しようとした隣国ウクライナに対し、事前にロシアがNATO加入阻止のための先制攻撃をしたという図式である。
当時の米ソ首脳はケネディとフルシチョフで、国連安保委で激論が交わされたようである。結局はフルシチョフが折れ、キューバの核ミサイル基地は撤去された。
その前後では、米軍によるキューバへの侵攻も何度か繰り返されている。

現実に戦争になっているロシアのウクライナ侵攻との相違はどこにあるか。そして、今後収束する方向性はあるのか。

大きな相違は、当時、ケネディは大統領府で議論の末、米軍の侵攻意見を内部で押さえ、ソ連との交渉の切り札として利用した点である。しかし、今回、プーチンは独断でロシア軍に進撃命令を下しているように見える。
KGBのエリートで現場に立ったことのないプーチンと、太平洋で日本軍と戦ったケネディの差である。ケネディは理想主義者と言われたが、実際には、現場の感覚を大事にし、戦争の悲惨さを感じていたはずだ。
一方、プーチンは冷徹な現実主義と思われながら、実際には、古きキエフロシアの復活を願っている理想主義者なのではないだろうか。

では、プーチンを真の現実主義者に変える手段は本当にないだろうか。それは家族の存在のように思える。ロシア軍侵攻の当日に、NHKのBSが「戦争と平和」の映画を放映し話題になったが、原作者トルストイはは、モスクワとキエフを結ぶ中間点で生まれ、クリミア戦争に従事し、その後この愛の小説を書いたそうだ。
https://urawasanatorium.com/tolstoy1/
プーチンにもこの映画を見てもらい、ロシアの真の精神が戦争による支配ではなく、家族の存在とその延長である博愛であることを実感してもらえれば正気に戻るかもしれない。KGBでは決して教えられなかったことである。

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