福島処理水に対する日中韓の相違と対策2023年06月24日 05:32

 読売新聞によれば、福島原発事故に関わる処理水のトリチウム量に比べ、中国の原発の年間放出量は数倍以上になるそうだ。一方、NHKBSによれば、韓国では、福島での放出計画を前に、海産物の高騰と買い占めが混乱を生んでいる。
 
 今やIAEAが安全だと言ったとしても、まして、日本政府が何を言っても韓国国民の大多数はトリチウム水を恐れているということになる。

 これが、日韓関係の現実なのである。即ち、日本政府を韓国国民は信じていないということである。また、中国政府は、自国の現実を隠して、福島の事態を自国に有利になるよう世論を誘導し、国際問題にしようと動いている。

 これが国際的な問題の本質なのである。それを言っている当事者の信用性がなければ、国際的な基準も意味はない。まして、その当事者が過去に敵対関係にあったものであれば、何を言っても政治問題化されてしまう。更にその問題を自国に有利なように利用されてしまう。国民がそういう意見だということ自体を各国政府が外交において利用するのである。

 日本政府は、良く考えたほうが良い。各国民の多くはプーチンと同じく恐怖に怯えているのである。それが、現実の脅威なのかどうかは関係ない。心理的な問題が重要なのである。

 これを解決するには各国民の心理的な恐怖を取り除く以外にない。その方法は二つある。一つは現実的な教育とメディアの活用である。しかし、これには非常に長い時間が必要である。

 もう一つは外交上の対策である。日本政府が信用できることをあらゆる手段で各国民にアピールすることである。これが戦後の各政権に最も足りなかったことである。今、この問題だけは信用してくれと言っても無理な話なのではないだろうか。

 具体的な対策は、ふたつある。一つは大型タンカーに処理水を暫く貯蔵しておくことである。そして、技術が開発され次第、日本の地中深くにその水を注入することで諸外国からの非難は回避できるだろう。温泉とは地中の放射能による熱エネルギーが地下水を温めてできているものであるから、トリチウム水の放射能が温泉で問題になることはないのはラジウム温泉などの放射性温泉が日本中にあることを見れば理解できることである。正確に言えば、すべての温泉は放射能を含み、たまたま放射能濃度の高い温泉を放射能泉と言っているだけなのである。
(放射能線:1kg中にラドンを3ナノキュリー( = 8.25マッヘ単位 = 111ベクレル)以上含有。
ラドン含有量は、有馬銀泉 2250Bq/kg、三朝温泉 146.2Bq/kg、有馬金泉 10.6Bq/kg、二股温泉 5.6Bq/kg )
(放出水:放出水のトリチウムの濃度は、放出前のトリチウム濃度と希釈水量で評価し、1,500ベクレル/リットル未満)