太陽フレアによるがん発生メカニズム2022年08月13日 17:32

 2022年8月12日の朝日新聞に太陽フレアが2025年に活動期に入るので様々な研究と対策が必要だと書かれている。その中に太陽フレアの地球に及ぼす影響で最初に到達するのはX線と紫外線だと書かれているが、なぜかガンマ線が無視されている。
 X線は電子が物質と相互作用して放射される高エネルギー電磁波であるが、太陽フレアとは太陽表面の重水素原子核の爆発的核融合反応である。その結果、大量の中性子が発生し、その中性子が太陽内の酸素や窒素の原子核に捕獲され、大量の捕獲ガンマ線が発生する。
 X線や紫外線と同時に高速でガンマ線も8分後に到達する。それが、航空機内での搭乗乗客や乗組員を襲う。
 しかし、その被ばく線量はこれまで正しく測定されてこなかった。なぜなら、太陽フレアの発生は地上におけるそのガンマ線、X線、紫外線の増大自体による検知しかできず、その時点で放射線測定器を測定してもすでに被ばくは終了しているのである。
 高空でのガンマ線がどの程度の時間線量率になっているのかは十分な時間分解能のあるガンマ線検出器を航空機に常に積んで置き、太陽フレア発生時(それは原理的にいつなのかは分からないが)に備えて測定を続けている必要がある。
 しかし、これまでそのような測定がなされたことはなかった。
測定ができたのは、フィルムバッジやNaIシンチレーション検出器などの不十分な時間分解能でのガンマ線線量変化のみであり、人体にとって危険な時間線量率が非常に大きい瞬時被ばくがどの程度なのかはわかっていない。
(例えば、
https://www.epa.gov/radtown/radiation-solar-activity
https://www.popularmechanics.com/space/solar-system/a24974/solar-flares-emit-gamma-rays/
M. Yoshimori’, K. Suga’, S. Nakayama’, H.Takeda’, H. Ogawa’, R.J. Murphy2 and G.H. Share’、
”GAMMA RAYS AND NEUTRONS FROM A LARGE SOLAR FLARE ON NOVEMBER 6,1997”、Adv. Space Res. Vol. 30, No. 3, pp. 629-634,2002,
1-s2.0-S027311770200354X-main-1.pdf)
 その結果、現時点では元JALの機長である杉江弘氏の論評にあるように、CAなどに白血病が多いという話は噂の域を出ないのである。
https://biz-journal.jp/2018/12/post_25921.html#google_vignette
 或いは海外旅行の機会の多いスポーツ選手やマスコミ関係者も白血病が多いように思えるが同様に因果関係は不明なままである。
 放射線や活性酸素によるDNA損傷と修復メカニズムを調べると、短時間に大量のDNA損傷が生じた場合のみ修復できずに損傷が残りがん化することが分かる。
 太陽フレアは原爆と同様に瞬時被ばくであり、2025年にこれが大量発生するならば、現在の年間積分被ばく線量のみで規制している放射線障害防止法は無意味な法律ということになる。早急に瞬間被ばく、時間線量率制限を含むように基準を変更すべきである。そして、無意味な年間線量制限を見直すべきである。

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