タリウムの毒性が特に強いわけ2023年03月07日 05:16

 京都の大学生がタリウム中毒で死亡したようだが、タリウムの毒性は他の重金属に比べ、際立っている。
 Wikiによれば、ウランが硫酸ウラン形態で242mg/kg—ラットであるのに対し、タリウムは酢酸タリウム形態で12mg/kgーヒトであるので20倍毒性が強い。

 一般に重金属の毒性は強いものであるが、ウランより毒性が強い理由は以下のようなものではないか。

 まず、ウランよりもタリウムの地殻中の存在比が非常に小さい。  ウラン1.8ppmに対し、タリウムは0.5ppmである。

 それだけ、ヒトはタリウムに晒された経験がなく、免疫性を獲得できないまま進化してきたということになる。

 更に問題なのは、タリウムの化学特性がカリウムに近く、カリウムと置換する化学反応が生じやすいことである。このため、カリウムの重要な生体維持機能(細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働き)を阻害してしまう。

 毒殺事件は特に捜査が難しく、過去に多くの冤罪疑い事件を生んでいる。(仙台のクリニック事件、大崎町での事件、名張の事件など)
 今後の捜査の進展を見守る必要がある。

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