性とは絶対的なものか?2023年02月02日 06:49

 岸田首相が同性婚を認めると社会が変わってしまうという趣旨の答弁をしたらしい。

 同性、異性、婚姻は全て、生殖にかかわるものである。そして、ヒトを含む生物は社会を構成している。最近の植物学では、植物でさえ、互いにコミュニケーションを行い、ある種の社会を構成するそうである。

 また、有性生殖というものは、生物の特性である、子孫を残すために変化した一生殖形態ではあるが、必ずしも有性生殖をする必要はなく、DNA配列に多様性を効率的に生じさせるための方策として変化したものである。従って、ある種の生物は、有性生殖と無性生殖を状況によって変化させ、また、7つの性分類を有する生物まで存在する。(二河成男「生物の進化と多様化の科学」放送大学出版会)

 従って、男、女と動物を2分類することはかなり恣意的、一時的なものである。生物が進化し、アダムとイブが祖先であるヒトがその頂点だというキリスト教的な発想に立つならば、同性婚は認めたくはないだろう。

 しかし、ヒトは生物でもある。即ち、過去の生物の進化の歴史をそのDNAに併せ持つものである。個体によっては、過去の痕跡である雌雄性の混同が表面化した、即ち、LGBTXという個体も当然生じるものである。性意識が自分ではどうにもならない、即ち、教育や学習では容易に変えられないものであることは各自が認識していると思う。
 
 日本社会がその生物としてのヒトを分け隔てなく受け入れる進化した社会となるためには、岸田首相も我々も社会が変わることを認めなければならないだろう。