コロナワクチン5回目接種で感染率が上がる?2022年12月15日 12:59

浦和神経サナトリウムの院長先生のブログ

https://urawasanatorium.com/%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e3%81%af%e5%8a%b9%e3%81%8f%e3%81%8b%ef%bc%9f/

によると、最近(14日まで)の1週間の各県の感染率と5回目接種率には、正の相関があるかもしれないとの記載があった。
 即ち、ブログ内でも疑問を呈しているが、人口当たりの感染者数は、5回目接種率が高いほど増えるという話になる。

 ここでは、同じ厚労省とNHKのデータを用いて、何が問題なのか検討してみた。

 まず、5回目接種率計算では、11月までの各県接種率を用いた。12月の接種者はまだ免疫が十分ではないという前提とした。最近1週間の各県人口当たり感染率は上記ブログと同じデータから求めた。

 結果を図に示す。
(A)は47都道府県のすべてを対象にピアソン相関係数を計算した結果である。確かにこの図では接種率と人口当たりの感染率は正の相関を示している。
(B)は特殊な条件にあると考えられる沖縄県を除外し、46都道府県を対象にしたものである。このケースでは相関係数がほぼ0で感染率にワクチン接種率は関係していないということになる。
しかし、
(C)の太平洋岸にほぼ接した都市圏の10都府県(茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)で同じ相関係数を求めると、負の値になる。

 即ち、比較的温暖な都市部では、やはり、ワクチン接種率が高いほど、感染率は低いという傾向があることが示されている。

 これは、寒冷地や農村部では、換気が十分でない家屋内で過ごすことが増え、感染機会が増加していると言われていることの反映なのかもしれない。

 なお、各ケースの正確なピアソン相関係数とそのP値は以下のとおりである。P値が大きいケースは信頼性が低いことに留意する必要がある。
               相関係数  回帰係数のP値
(A)47都道府県対象  0.005778   0.068
(B)46都道府県対象  0.000514  0.8764
(C)10都府県対象   -0.002229  0.6295

単独行が二人パーティよりいい場合2022年12月16日 21:43

単独での山行はしないよう、よく地元警察などの看板に描かれていることがある。では、二人パーティは望ましいだろうか。

昔、ある山で、男女二人パーティの遭難救助をしたことがある。岩場で女性が落石を受け、頭がい骨にヒビが入ったようで意識もうろうである。通りかかった我々が、何とか登山口まで下ろし、女性は病院に運ばれた。男性は警察に呼ばれ、1時間ほどで戻ってきたが、顔色が悪く、無口になっていた。想像するに、故意に石を落としたのではないかと尋問されたのかも知れない。

ドラマではそのような事もあり得る。確かにふたりきりなので、何が真実なのか証明は難しい。警察は疑うことも仕事のうちである。だが、幸い、彼女は一命は取り留めた。

もし、亡くなっていたら、どのような展開になっていただろうか。二人パーティが単独行より必ずしも良いわけではないという例である。即ち、事故らなければ、二人パーティの方が、単独行より安全だが、事故ってしまうと、社会的により難しい立場になり得るという事です。

WC2020フランス―アルゼンチン勝率計算予測2022年12月18日 15:22

 日本戦の勝率予測と同様の手法でフランスとアルゼンチンの勝率計算を行った。
 うすいよしき氏のWC情報データサイト
 https://note.com/yeahmen/n/n0e7b27f1a599
によれば、最近4回のワールドカップでの一試合当たり平均得点は

フランス    1.3575点
アルゼンチン 1.3675点

で、近接し、より最近の2大会では、

フランス    1.80点
アルゼンチン 1.335点

直近の2018年大会では

フランス    2.00点
アルゼンチン 1.50点

で差は拡大している。


あるサッカーチームの平均得点をλとすると、任意の1試合でx点入る確率P(x)は次式のポアソン分布で表されることが経験的に分かっている。(11月23日のブログ記事参照)

 P(x)=exp(-λ)*λ^x/x!

この式を用いて、フランスとアルゼンチンの勝敗確率を評価した。

 結果は、図にしめすように、最近4大会のデータを用いた場合、

フランスとアルゼンチンの勝率は共に約37%で、残りはポアソン分布上はドローの確率となり、PK戦の確率が高い。

 一方、最近2大会及び直近大会のデータを用いると、フランスの勝率は約約47%、アルゼンチンは約28%でフランス有利という結果になった。

 クロアチアに勝ったメッシのアルゼンチンを応援したいところだが、フランスにも知人がいる。どうなるか。寝ないで声援を送りたい。

WCアルゼンチン―フランスPK戦Rによる失敗確率計算結果2022年12月20日 10:29

18日の記事に記載したように、過去のWCデータから、アルゼンチンーフランス戦はPK戦になる確率が高いことはある程度予測できたが、では、PK戦ではどちらが勝つと予想できただろうか。
 すでに結果が出ているので面白みは無いが、ポアソン回帰分析を用いて、過去のWCデータから計算してみた。
 ただし、PK戦そのものの回数が少なく、また、あまり古いデータも使えないので、1982年以降2018年までの両国のWCでのPK戦データを用いた。
 出典はhttps://worldcdb.com/
である。
 
 ポアソン回帰分析では、生起確率の少ない事象を対象とするので、ここでは、PK失敗数を調査した。また、延長戦までの合計得点が選手疲労をよび失敗確率が上がるだろうことを仮定し、失敗数は合計得点の関数であると仮定した。

関連するデータを整理すると以下のようになる。

         本戦合計得点  PKシュート数 失敗数
         (point120m) 

アルゼンチン     0       9        0
              1       8        2
              2       4        0

フランス         0       4     1
1       4     1
3       4     1


データ数が少なすぎるので信頼性はないが、一応、統計ソフトRでは両国の失敗確率が計算できるので、上記データで計算してみた。

 結果は以下の通りである。

アルゼンチン

Coefficients:
    Estimate  Std. Error  z value  Pr(>|z|)
(Intercept) -2.7081 1.1547 -2.345 0.019 *
point120m 0.4055 0.9128 0.444 0.657


フランス

Coefficients:
   Estimate     Std. Error   z value Pr(>|z|)
(Intercept) -1.386e+00 9.129e-01 -1.519 0.129
point120m -1.923e-16 7.071e-01 0.000 1.000


(注)本データの意味等は11月23日記載テキスト参照。

本データより、両チームの本戦得点3点における4本シュート時の予測失敗数を計算すると、

アルゼンチン:0.900
フランス   :1.000(平均値と同じ)

となった。
もう少しデータ数が多ければ信頼性があがるだろうが、それでもWCの過去データの統計処理によりアルゼンチン優位という予測は出来たはずである。

冬の停電時の備えとして忘れていたこと2022年12月23日 05:35

 先日、横浜での忘年会で参加者に聞いたところ、停電への対策をしている者は誰もいなかった。それだけ、冬の停電は何とかなると思っているのだろう。

 2019年9月に北海道で大規模な停電事故があったが、復旧までに2日間を要した。冬は交通手段が限られる。昨今のような大雪などの影響まで考慮すれば、一週間程度は耐える必要あるだろう。問題は、冬の食料とエネルギーの確保だ。
 
 食料があっても、料理するための熱源が必要だが、バーナーや石油ストーブなど電気に依存しないエネルギー源を持っている人は都会には少ない。食料供給自体も今回の新潟からのニュースを見る限り、物流停止により期待できない可能性が大きい。

 即ち、冬場に大規模停電が発生すれば、日本の多くの地域でヒトの生存に最も重要な食料とエネルギー源の確保が困難になるということである。

 では、食料と熱エネルギーが無い状態で、且つ、冬の寒冷地においていかに生命を維持することが可能か。

 かつて、登山家加藤文太郎は冬のアルプスで、雪の中にテント無しで直接寝ても平気だったそうだ。

 それは、歩きながらちょっとづつ食料を胃に補給していたためらしい。即ち、クマなど冬眠をする動物と同じように体内にエネルギー源を蓄積することで長期の寒さに耐えるという発想である。

 現在の日本ではダイエットブームもあり、痩せていることが重要であり、皮下脂肪の蓄積など健康に反すると思われている。

 しかし、一週間食料補給なしで生き延びるには、それなりのエネルギーを体内に蓄える必要がある。

 かつての北極のイヌイットのまねではないが、肉と高脂肪を含むエネルギー効率の良い食事で体内脂肪を増やし、一週間は食事なしで耐えられる体にしておくことが望ましい。

 脂肪1グラムは9キロカロリーだそうだ。
 成人男性の1日のカロリー数は安静時で2000キロカロリーである。従って、一週間食事なしで耐えるには、

 2000/9×7=1556グラム

が必要である。特に痩せたヒトは、寒いときは体温維持のためには更に必要だろうから、少なくとも2キロ程度、普段より太っている必要がある。そう簡単には増加できない重さである。

コロナ時代に誰でも可能な新職業2022年12月23日 19:09

(1)マスクをした腹話術師
(2)マスクで耳が痛くなった人のための耳マッサージ師
(3)マスク専用ランドリー業
(4)マスクマン(マジックはできないが、イーロン・マスク氏の物まねだけは可能)
(5)マスクス(マルクスがコロナ禍の現代に蘇り、中国のために新しい資本論を記す。)

お後がよろしいようで。

目薬ジクアスLXの点し方注意点2022年12月25日 07:04

 ドライアイ用目薬ジクアスLXは、従来のジクアスに比べ、一日の点滴回数を半分くらいに減らせるのでいろいろ都合が良い。
 しかし、ジクアスLXを点し続けていたら、目頭に痛みを感じるようになった。
 そのため、仕方なく、以前使用していたジクアスを点したところ、痛みは感じない。
 よく調べると、目頭に目やにが蓄積している。その目やにがジクアスLXと反応して痛みのもとになっているようだ。
 目やにを完全に除去してからジクアスLXを点したところ、ジクアスと同様に痛みは感じなくなった。

 イグアスLXでは物質の可溶性を増強する溶剤であるポリビニルポロリドンが追加されている。これが目やにを溶かし、目やにの成分と反応し老廃物質を眼球の表面に広げるために、痛みを感じてしまうようだ。注意したい。

統計ソフト用言語Rの使用説明書2022年12月25日 07:22

 Rで書かれた関数を用いた統計処理の修正の必要に駆られ、添付されていたR言語のスクリプトを解読しようしてRのいろいろな日本語書籍を読んでみた。しかし、記載されているスクリプトのパターンに相当する記述が見つからない。ネットで英語の解説書も調べまくってみた。
 
 最近やっと、下記のサイトにあることが分かった。
https://cran.r-project.org/doc/manuals/r-release/R-intro.pdf

 そこの最初から20ページ目付近に詳細に懸案だったスクリプトの引数に関わる特殊パターンの説明が記載されていた。
 また、オブジェクトとクラス、メソッドの関係などR初心者が陥る混乱を回避できるような親切な解説もある。
 
 なんとそれは、Rのインストール後に表示されるGUI画面のヘルプの下にリンクされていた入門者用使用マニュアルの解説書と同じものなのである。そのヘルプは英語版なので内容は当然日本語で出版されているRの入門書に含まれているものと思い込んでいた。
 
 先入観が無駄な時間を生んでしまうという例だった。
RやPythonなどオブジェクト指向言語において、ちょっと特殊なパターンのスクリプトに出くわした場合には、英語版であってもヘルプを頼ったほうが早いということでる。おそらく、Rの日本での専門家はヘルプに出ているような説明を翻訳して出版するようなことをしなかったのであろう。理由はよくわからない。

いつまでどこにすめばよいか?2022年12月26日 05:09

ある記事を見て想った。

この災害の多い国で、いつまでも安全性が保証されている地域はないのではないか。雪国よりも危険なのは実は東京である。この密集した地域で直下型地震が予想されているのだから、明らかに雪国よりも死ぬ確率は高い。

いつまで東京にすむつもりなのか?

政治家もマスコミもそして我々も雪国の心配をする前にこの答えを準備しなければならない。

第5回目接種ワクチン(ニ価mRNAワクチン)とBQ株感染2022年12月26日 20:14

先日新聞で紹介された、コロンビア大学とミシガン大学の論文の概要は以下のようなものだった。

なお、これらの結果は全て試験管内での実験結果である。

SARS-CoV-2 の最近の BQ および XBB 亜変種は、二価mRNAワクチンを複数回受けた人または予防接種を受けており、以前にオミクロン感染症にかかったことがある人から採取されたものでも、中和抗体を回避した。
さらに、 BQと XBB はベブテロビマブに対し、完全に耐性が見られた。
以上の所見は、これらの変異株に対して有効な認可された治療用抗体はないということを意味している。

重要な点は、
• BQ.1、BQ.1.1、XBB、および XBB.1 は、これまでで最も耐性のある SARS-CoV-2 変異株である。
• 二価ワクチンのブースター接種者からのものを含め、血清中和度は著しく低下した。
• すべての臨床用モノクローナル抗体は、これらの変異ウイルスに対して不活性化された。
• これらの変異株の ACE2 親和性は、親株と同様だった。

―ーということは、今回のワクチンの対外試験では、感染予防効果が見られなかったということを意味している。

但し、臨床試験をする必要があること、従来、コロナワクチンにより、重症化や入院の事態を防いできたという事実は重要であるとも強調している。

即ち、今後、感染は拡大するが、ワクチン接種による重症化防止効果はこれらの変異株に対しても期待できるということである。

感染者数を抑制するには、新しい変異株に対するワクチン開発が望ましいが、従来ワクチンのブースター接種も重症化予防上は重要ということである。