自民総裁候補と原潜、原発2021年09月27日 10:06

 昨晩のフジテレビ討論会では、原子力潜水艦の日本へのd導入ついて、河野氏に前向きで、岸田氏は慎重だった。中国を巡り、米国がオーストラリアへの原潜技術の供与のニュースが流れたので、司会者も質問したのだろうが、河野氏の積極姿勢が目立ったように思う。
 総裁選前、河野氏は原発廃止論者であり、岸田氏は原発については現状維持の姿勢だったので、原潜と原発について、両者は正反対の考えを持っているように思える。
 岸田氏は穏健保守なので理解できないこともないが、河野氏の原潜と原発への考え方には矛盾があるように見える。
 原潜も原発と同じように事故を起こす。嘗て、ロシアの原潜は沿海州の軍港での燃料交換作業中に全制御棒引き抜き事故を起こし、大爆発して乗組員以外にも多数の死傷者を出した。米国のある原潜は多数の乗組員とともに大西洋で沈没し、今も海洋汚染を起こしている可能性が高い。これらの事故による直接的死傷者数は福島事故の比ではない。
 河野氏が中国を念頭に軍事的安全保障の観点から原潜を容認するのであれば、エネルギー安全保障の観点からは、原発を容認しないのは腑に落ちない。これらの事故を公平に比較、評価しているのだろうか。或いは単に原潜の歴史を知らないだけだろうか。
 どちらにせよ、軍事的原子力利用も民生原子力利用も同じ放射性物質を扱うことには変わりはない。防衛大臣の経験から、自衛隊による原子力の運用なら、電力会社による運用よりも安全だと考えられたのかもしれないが、甘すぎるように思う。

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